【ECモール】ランキング上位5つの特徴や強みを解説

オンラインでさまざまな商品を販売する「EC(Electronic Commerce:Eコマース)」を取り入れる企業は、近年急速に増加しています。実店舗をもたない新たな販売チャネルのひとつとして、今後参入を検討している方も多いのではないでしょうか。 ECへの参入方法として、自社でECサイトを運営する方法がある一方で「ECモール」を活用した出店も注目されています。 さまざまなECモールがある中で、どのような基準で出店するモールを選べば良いのでしょうか。 今回は、ECモールのランキングトップ5と題し、人気ECモールの特徴や魅力を比較紹介していきます。

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拡大し続けるEC市場

ECモールの中で、流通総額トップ5位をランキング形式で紹介します。

順位

ECモール名

流通総額

1位

楽天市場(トラベル・ブックスなどを含む)

5兆110億円

2位

Amazonジャパン

3兆4238億円(推定)

3位

Yahoo!ショッピング(ZOZOTOWNなどを含む)

3兆2265億円

4位

au PAY マーケット

2317億円(推定)

5位

Qoo10

1542億円(推定)

上位3位に上がっているECモールは、利用者が多く

また、グループとして幅広く事業展開しているため、上位にランクインした理由のひとつとして挙げられるでしょう。

ジャンルを問わずさまざまな商品やサービスを取り扱っていることから、トータルの流通総額も高くなる傾向です。

独自のキャンペーンで人気を博する!楽天市場

楽天市場は、2021年度にグループの流通総額5兆円を突破した人気のECモールです。楽天市場以外にも、旅行予約ができる「楽天トラベル」や本の購入に便利な「楽天ブックス」、ゴルフ用品を取り扱っている「楽天ゴルフ」など幅広く展開しています。

楽天グループの強みは、クレジットカード機能をもつ「楽天カード」がグループ内のさまざまなサービスで利用できる点です。

また、ポイント制度である「楽天ポイント」は、ポイント倍デーやお買い物マラソンと呼ばれる買い周りによってポイント倍率がアップする期間があるのも魅力でしょう。

グループ内のさまざまなショップでポイント支払いも可能なうえに、ECモール以外の実店舗でも楽天ポイントが貯められ、使用できる提携先が広まっているのも特徴です。

楽天市場への出店は、知名度の高さから得られる圧倒的な集客力を活用できることがメリットとしてあります。

ただ、出典審査が厳しい面もあるため、出店前に対策を講じておくことが重要です。

楽天市場への出店方法については、以下のページで詳しく解説しています。

 「【楽天市場に出店するには】条件や出店までの流れを徹底解説!

一品からでも出品できる!Amazonジャパン

Amazonは、日本国内シェア第2位ながらも世界シェアではNo.1のECモールです。認知度が高く出品数が豊富なため、利用するユーザーが多くいます。

また、有料会員である「Amazonプライム会員」は、Amazonで商品を購入した際に送料が無料になるサービスや、注文後最短2時間で手元に商品が届くスピード配送サービスが活用できるのも特徴です。

Amazonへの出店は、世界No.1のシェアを誇るECサイトへの出店ができることから、ユーザーへの安心感につながるほか、グローバル展開(グローバルセリング)にも適しています。

また、Amazon FBAで発送作業や在庫管理を代行してもらうことも可能です。

ただし、Amazonの商品ページはレイアウトが統一されていることから、簡素なものになりやすいため、企業の特色を全面に出すことは難しいでしょう。

Amazonに出店する方法やポイントについて、詳しくは以下のページで解説しています。 

Amazonに出店する方法は?出店までの流れをステップごとに紹介!

出店にかかる費用を抑えられる!Yahoo!ショッピング

ECモールへの出店には、利用料や販売手数料などの費用がかかります。ECモールによって料金設定はさまざまですが、出店にかかる費用を抑えたいのであれば「Yahoo!ショッピング」の利用がおすすめです。

Yahoo!ショッピングは、出店にかかる初期費用、月額システム利用料、売上ロイヤルティも無料で出店することができます。

Yahoo!ショッピングの出店にかかる手数料として、アフィリエイト広告などから流入したユーザーが自店の商品を購入した際に発生する「アフィリエイト負担金」や、各種キャンペーン開催に必要な「キャンペーン原資負担(1.5%必須)」などがあります。

また、Yahoo!ショッピングに出店すると、楽天やAmazonではできない売上やPV数などのデータ収集、分析が可能になるのも魅力ではないでしょうか。

2019年には、アパレルに特化したZOZOTOWNを買収し、事業拡大を行いました。「アパレルECといえばZOZOTOWN」というイメージをもつユーザーも多くいることから、アパレル関係の商品販売にも適しています。

そのほか、Yahoo!ショッピングでは、キャッシュレス決済のPayPayと連携しているのも特徴です。

PayPayで支払うとポイントが貯められる仕組みになっており、PayPayで積極的に行われているポイントバックキャンペーンとの連動で売上向上やユーザーの囲い込みも見込めるでしょう。

Yahoo!ショッピングへの出品方法については、以下のページも詳しく解説しています。 

ヤフーショッピングの出店方法やサイトの特徴を紹介!メリットやデメリットは?

30~40代の集客に強い!au PAYマーケット

第4位にランクインしている「au PAY マーケット」は、30代~40代の集客に強い特徴があるECモールです。

大手携帯電話キャリアのauが運営しているため、auの携帯やスマートフォンユーザーに携帯料金還元などのキャンペーンを通じて集客してくれるメリットがあります。

auの決済名やECサービス名の変更にともない、2020年5月に名称が「au Wowma! (エーユーワウマ)」から「au PAY マーケット」に変更となりました。

ほかのECモールと同様に、カード払いはもちろん、携帯のキャリア決済、後払いなどさまざまな決済方法を利用できるのもau PAY マーケットの特徴です。

連携しているPontaポイントを貯めることができるうえに、貯めたポイントをクーポンやふるさと納税などに使用することができます。

ほかのECモールを利用していれば、au PAY マーケットへの商品登録も一括で行うことができ、売上や流入分析などデータ分析を活かした戦略的なショップ運営も可能です。

また、au PAY マーケットへ出店すると中国市場にある日本商品特化型ECモールの「豌豆公主(ワンドウ)」を通じた越境ECも実現できるようになります。

au PAY マーケットは、とくにファッションや家電、日用品、コスメ、グルメに強いため、取り扱っている商品次第ではほかのECモールよりも売上向上が見込める可能性もあるでしょう。

コスメ・ファッションに強い!Qoo10

Qoo10(キューテン)は、eBay Japan(イーベイ・ジャパン)合同会社が運営している通販サイトです。

Qoo10の特徴は、女性をメインターゲットとしてアパレルや化粧品、ダイエット食品などの商品展開が多い点にあります。

日本サイトの購入比率のうち7割は女性ユーザーが占めており、ほかの通販サイトよりも高い割合になっているのも特徴です。

また、越境ECへの対応も着々と進んでおり、日本国内サイトへの出店者がQoo10の倉庫に商品を預けると自動的に海外のQoo10にも出品される仕組みになっています。

拠点としてアジアを中心に5ヵ国7地域で展開をしているECサイトであるため、

「越境ECにも着手したい」「女性向け商品のラインナップが多い」という傾向があるのであれば、海外拠点や女性ユーザーの多いQoo10への出店も検討してみると良いでしょう。

まとめ

ECモールは、自社でECサイトを運営するよりも集客力が高いことが魅力のひとつです。

しかし、ECモールの利用料などのコスト負担が必要になるため、収益を上げられるかシュミレーションしたうえで、自社の強みを活かせるところを選ぶ必要があります。

また、事業規模に合わせて複数のECモールを連携させ、販路を拡大するのも選択肢のひとつです。

ECモールに出店している競合他社の調査もしつつ、自社にとって最適な販売スタイルを模索し続けていきましょう。