サイトM&Aの相場ガイド|ジャンル別の価格レンジと評価ロジックを徹底解説

更新: 2026年5月14日

サイトM&Aの相場ガイド|ジャンル別の価格レンジと評価ロジックを徹底解説

「自社サイトはいくらで売れるのか」「いま検討中の買収案件は妥当な価格なのか」。サイトM&Aを検討する売り手・買い手の双方にとって、相場感の把握は最初の関門です。本記事では、サイトM&Aの取引価格を決める基本式「月間営業利益 × 倍率」を起点に、ジャンル別の価格レンジ・価格を上下させる要素・諸費用を、業界統計と実務目線の双方から整理します。読み終えたとき、ご自身の保有サイト(または購入候補サイト)が概ねどのレンジに位置するかを推定できる状態を目指します。なお本記事は特定の売却額・利回りを保証するものではなく、相場値はあくまでレンジで提示します。最終判断は仲介事業者の査定と専門家の助言を踏まえて行ってください。読者の課題から自社サービスの活用までを地続きで理解できるよう、親記事のサイト売買の総合ガイドも併せて参照することをおすすめします。

サイトM&A相場の結論|「月間営業利益 × 5〜36ヶ月」がベースレンジ

サイトM&Aの取引価格は、業界各社の公表データを横断すると「月間営業利益 × 5〜36ヶ月」のレンジに収まるケースが大半です。レンジ幅が広いのは、ジャンル・収益安定性・引継ぎ容易性・ドメイン年齢などの要素で倍率が上下するためで、同じ月間営業利益10万円のサイトでも、ポータル型なら300万円以上、属人ブログなら50万円台といった差が現実に発生します。

業界最大手のラッコM&Aが公開する累計データでは、月間営業利益が出ているサイトの平均売却倍率は18ヶ月分前後で、累計成約件数は6,000件超、累計成約金額は40億円超に到達しています。一方、レバレジーズM&Aアドバイザリーやマネーフォワード クラウドなどの専門メディアでは、安定収益を持つ法人運営サイトについて24〜36ヶ月分のレンジで評価される傾向が紹介されており、レンジの上限は実態として年単位で広がります。

本記事のスコープは、個人・中小法人による数十万円〜数千万円規模のサイト売買と、それを起点とした事業承継型のサイトM&A(数千万〜数億円規模)の入口部分までを含みます。億単位のディール固有の論点(株式譲渡 vs 事業譲渡、税務ストラクチャ、表明保証保険)は本記事の範囲外とし、別途専門家への相談を前提とした補足にとどめます。

「サイトはいくらで売れるか」を1分で知りたい方は、M&A-WEBの無料査定フォームから月間収益と運営期間を入力するだけで概算レンジを取得できます。査定はあくまで参考値ですが、本記事のレンジ感と突き合わせることで、自社サイトのポジショニングを立体的に把握できます。

サイトM&Aの基本評価式|「月間営業利益 × 倍率」を分解する

サイトM&Aで用いられる基本評価式は「月間営業利益 × 倍率(マルチプル)」です。この式は、サイト売買仲介プラットフォーム各社・M&A仲介事業者・個人投資家のあいだで広く共有されており、サイト売買の交渉のスタートラインになります。一見シンプルですが、構成要素を正しく分解しないと「想定より安く売られる」「想定より高く買ってしまう」という事故につながります。

月間営業利益の算出方法

月間営業利益とは、サイト運営によって毎月安定的に得られる「手元に残る利益」を指します。算出式は次のとおりです。

項目 内容
売上高 広告収益・アフィリエイト報酬・物販売上・サブスク収益などの合計
控除する経費 サーバー費・ドメイン費・ASP振込手数料・外注ライター費・広告費・決済手数料など
月間営業利益 売上高 − 経費(労務費・自家消費含む)

ここで重要なのは、運営者本人の労務費を経費に含めて評価する点です。たとえばオーナーが毎月40時間記事更新に費やしているサイトの場合、外注した場合の相場(時間単価3,000〜5,000円)で12〜20万円を経費に算入しないと、買い手から見た「再現可能な利益」が過大評価されてしまいます。仲介プラットフォームの査定でも、労務費の控除有無は必ずヒアリングされます。

加えて、過去6〜12ヶ月の月次推移をならした「平均月間営業利益」を採用するのが一般的です。直近1ヶ月だけが突出して高い場合(季節要因・スポット案件など)は、買い手から「持続性が低い」と判断され、平均値ベースで評価し直されることが多いと考えておきましょう。

倍率レンジの幅(5〜36ヶ月)の意味

倍率の5〜36ヶ月という幅は、買い手から見た「投資回収期間」を意味します。倍率18ヶ月なら、収益が落ちなければ1年半で初期投資を回収できる計算です。年間ROI換算では、12 ÷ 18 ≒ 66.7%の理論利回りとなりますが、これは「利益が一切減衰しない場合の理論値」である点に注意が必要です。

倍率が上振れする条件は、後述する「ストック性」「再現性」「リスクの低さ」の3軸に整理できます。倍率が60ヶ月(5年)を超える例外的に高い評価もポータルサイト・SaaSなどでは見られますが、一般的なアフィリエイトやコンテンツメディアでは24ヶ月を超えると「割高ゾーン」とされ、よほどの優位性がない限り買い手が慎重になります。

倍率を動かす3軸(ストック性・再現性・リスク)

倍率を構造的に動かすのは、収益のストック性(ストック型 vs フロー型)、再現性(属人性の低さ・運営マニュアル化の度合い)、リスク(アルゴリズム依存・単一収益源依存・法規制リスクの有無)の3軸です。倍率レンジの下限は「リスクが高くストック性も低い」サイト、上限は「3軸すべてが高い」サイトに対応します。買い手はこの3軸でデューデリジェンス(DD)を行い、提示価格の妥当性を判定します。

ジャンル別サイトM&A相場一覧|5ジャンルの倍率レンジ

サイトM&Aの相場は、ジャンルによって倍率レンジが大きく異なります。代表的な5ジャンル(アフィリエイト・EC・ブログ・ポータル・SaaS)について、業界各社の公開データと実務感をもとに整理しました。下表は「月間営業利益に対する倍率」のレンジを示しています。同じ月間営業利益10万円のサイトでも、ジャンルが変わると相場が3〜10倍以上変わる点を直感的に押さえてください。

ジャンル 倍率レンジ(月数) 月間営業利益10万円の場合の相場目安 主な評価軸
アフィリエイト・アドセンス 5〜24ヶ月 50〜240万円 SEO安定性・ASP分散・更新頻度
ECサイト 6〜24ヶ月 60〜240万円 在庫・物流・LTV・リピート率
ブログ(個人運営型) 3〜18ヶ月 30〜180万円 属人性・引継ぎ容易性
ポータルサイト 12〜36ヶ月 120〜360万円 ネットワーク効果・掲載企業との関係性
SaaS・会員制 24〜60ヶ月(ARR換算) 240〜600万円(解約率による) MRR成長率・解約率・LTV/CAC

注:上記は業界各社の公表データと実務目線を元にした典型レンジです。同ジャンル内でも個別サイトの実績・成長性・引継ぎ難易度で倍率は変動するため、最終的な売買価格は個別査定で確定する前提でご覧ください。

アフィリエイトサイト・アドセンスサイト(5〜24ヶ月)

アフィリエイトサイト・アドセンスサイトの倍率レンジは、月間営業利益の5〜24ヶ月分です。月間の売上30万円・経費10万円・月間営業利益20万円のサイトであれば、相場は 100万円〜480万円 の幅に収まります。ラッコM&Aの累計データでは、利益が出ているアフィリエイトサイトの平均倍率は18.1ヶ月分とされており、24ヶ月分以上で売却できた比率は21.2%にとどまります。つまり、20ヶ月超で売却できる案件は上位2割の高評価サイトに限られると考えるのが現実的です。

このジャンルで倍率が上振れする条件は、(1) 1キーワードで2位以下に明確に差をつけて1位を維持している、(2) アフィリエイト報酬の依存ASPが2〜3社に分散している、(3) 過去12ヶ月で月次収益が横ばい以上、(4) SNS・メルマガから直接流入が一定割合ある、の4点です。逆に、YMYL系(医療・金融・法律)でガイドライン変更の影響を受けやすいサイト、単一ASP・単一案件に依存しているサイトは、倍率レンジの下半分で評価されることが多くなります。

ECサイト(6〜24ヶ月)

ECサイトの倍率レンジは月間営業利益の6〜24ヶ月分で、月商100万円・経費50万円・月間営業利益50万円のサイトなら 300万円〜1,200万円 が相場です。ECサイトはアフィリエイトと違い「在庫」「物流」「カスタマーサポート」が伴うため、買い手は引継ぎコストを慎重に見積もります。

評価上、特に重視されるのは LTV(顧客生涯価値)とリピート率 です。新規流入に依存して単発購入が中心のEC(化粧品お試し購入型など)は倍率下限寄り、サブスク化されている食品EC・定期購入型サプリECなどはストック性が評価されて倍率上限寄りに位置します。広告依存度(広告費 ÷ 売上)も主要な評価軸で、広告費比率が20%を超えると、買い手は「広告を止めると利益が消失するのでは」と懸念し、倍率を下方修正する傾向があります。

仕入れ条件・卸契約・モール出店契約の譲渡可能性も、ECサイトM&A固有の論点です。Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングの店舗譲渡には各モール固有の手続きがあり、譲渡できない場合は「サイトデータのみの譲渡」となるため、買い手から見た価値が大きく下がります。事前にモール各社の規約を確認しておくことが必須です。

ブログサイト(3〜18ヶ月)

ブログサイトの倍率レンジは月間営業利益の3〜18ヶ月分です。月間営業利益50万円のブログの場合、相場は 150万円〜900万円 となります。アフィリエイトサイトより下限が低いのは、ブログジャンルが個人キャラクター依存の傾向が強く、引継ぎリスクが高いと評価されるためです。

倍率を上振れさせるには、(1) 運営者の顔出し・実名・SNS連動を伴わない、(2) 記事内容が一般化されており他のライターでも更新可能、(3) 過去12ヶ月で記事の量産が止まっても収益が安定している、の3条件が重要です。逆に、ブロガー本人の体験談・人気・キャラクター性に依存しているサイトは、買い手から「オーナーチェンジ後に収益が落ちる」と判断され、3〜10ヶ月の倍率レンジに収まります。無料ブログサービス(はてなブログ・note・Amebaなど)で運営している場合、譲渡可能性そのものを各サービスの利用規約で確認する必要があります。

ポータルサイト(12〜36ヶ月)

ポータルサイトの倍率レンジは月間営業利益の12〜36ヶ月分と、他ジャンルより明確に高い水準です。月間営業利益50万円のポータルサイトなら、相場は 600万円〜1,800万円 に達します。倍率が高い理由は、ポータルサイトには ネットワーク効果(掲載店舗・掲載企業・登録ユーザーが増えるほどサイト価値が指数関数的に上がる)が働き、構築・育成に長い時間とコストが必要だからです。

評価では、登録掲載企業・店舗との契約の安定性、月次掲載料の更新率、ユーザー登録数の成長率が見られます。地域ポータル・特定業界ポータル(医療・不動産・求人など)は、競合が新規参入で同等規模を作るのに2〜5年かかるため、買い手はその時間短縮プレミアムを支払う構造です。一方で、掲載企業との契約が年契約・月契約で短期解約可能な場合は、ストック性が脆弱と判断され倍率上限まで届きません。

SaaS・会員制サイト(24〜60ヶ月/ARR換算)

SaaS・会員制サイトは、月間サブスク収益(MRR)の倍率というよりも ARR(年間経常収益)マルチプル で評価されるのが国際的な標準です。国内上場SaaS企業のPSR水準(2024年)は4〜6倍、未上場SaaSのVC向けPre-moneyマルチプルはARRの5〜10倍が目安とされており、SMB領域でもARR1〜3倍程度を下限として、解約率・成長率・LTV/CACで上下します。月次に換算するとMRRの12〜120ヶ月分という幅広いレンジに分散しますが、ここでは現実的な売買が成立する24〜60ヶ月レンジを中心に扱います。

評価で最も重視されるのは 解約率(月次チャーンレート)MRR成長率 です。月次チャーン2%以下・MRR成長率5%以上のSaaSは、ARR3倍前後(MRR36ヶ月分)の高評価が期待できます。逆に月次チャーン5%超のSaaSは、買い手から「LTVが短く回収できない」と判断され、ARR1倍前後(MRR12ヶ月分)まで圧縮されます。会員制コンテンツサイト(オンラインサロン・有料ニュースレターなど)もSaaSと同じロジックで評価されますが、属人性が強い場合はチャーン懸念が大きく、倍率は下限寄りに振れる傾向があります。

自社サイトがどのジャンル区分でどのレンジに入るのか個別に検討したい方は、M&A-WEBの無料相談で具体的な数値を共有のうえディスカッションすることをおすすめします。

サイトM&A価格の変動要素チェックリスト|上振れ要因と下振れ要因

ジャンル別レンジを把握しても、自社サイトが「同ジャンル内で上位・中位・下位のどこか」が分からないと、最終的な相場感は固まりません。ここでは倍率を上振れさせる要因と下振れさせる要因をそれぞれ7項目ずつ整理しました。チェックリスト形式で自社サイトを採点してみると、現実的なポジションが見えてきます。

倍率を上振れさせる要因(プラス要素)

# 上振れ要素 チェック観点
1 安定したSEO流入 過去12ヶ月のオーガニック流入が±15%以内の変動で推移
2 収益源の分散 ASP・広告ネットワークが2〜3社以上に分散
3 高い再現性 記事制作・更新フローがマニュアル化されている
4 引継ぎ容易性 サーバー・ドメイン・各種アカウントが一括譲渡可能
5 法的リスクの低さ 景表法・薬機法・著作権の懸念が事前に対応済
6 直接流入比率 検索以外(指名検索・ブックマーク・SNS)が30%以上
7 ストック性のある収益 サブスク・継続課金・年契約掲載料を含む

上記7項目のうち5項目以上に該当するサイトは、同ジャンル平均より明確に上の倍率を期待できます。特に「直接流入比率」と「収益源の分散」は買い手のDDで最重要視されるため、売却前の数ヶ月で改善できる部分はテコ入れすると評価向上に直結します。

倍率を下振れさせる要因(マイナス要素)

# 下振れ要素 チェック観点
1 アルゴリズム影響度の高さ 検索順位変動で月次収益が±30%以上振れる履歴
2 単一ASP・単一案件依存 売上の50%超を1案件・1ASPが占める
3 属人運営 オーナー本人の顔出し・名前・人脈に依存
4 引継ぎ困難 独自CMS・属人的ノウハウで運用継続にハードル
5 コンプラ懸念 YMYL系で薬機法・景表法リスクが残る
6 短期スパイク収益 直近1〜2ヶ月の収益だけが突出している
7 競合参入リスク 同KW群で大手参入が始まっており順位低下兆候あり

下振れ要素が3項目以上該当するサイトは、倍率レンジの下限近辺(5〜10ヶ月)で評価されることが多くなります。売却前に解消できる項目(コンプラ・ASP分散など)から優先的に手を打つと、倍率1.5〜2倍の改善効果が期待できる場合もあります。

自社サイトの相場ポジショニング判定

上振れ要因が5項目以上 + 下振れ要因が1項目以下 ⇒ ジャンル倍率レンジの上限(22〜36ヶ月)狙い。上振れ4項目 + 下振れ2〜3項目 ⇒ レンジ中央(12〜18ヶ月)。上振れ3項目以下 ⇒ レンジ下限(5〜10ヶ月)。あくまで簡易判定ですが、相場交渉のスタートラインを決める材料になります。より精緻な評価が必要な場合は、仲介事業者の正式査定を受けてください。

サイトM&Aの諸費用|仲介手数料・移管費・税金の具体的レンジ

サイトM&Aの取引では、本体価格以外に複数の諸費用が発生します。ここでは仲介手数料・移管費・税金・専門家報酬の4区分について、円ベースと%ベースの両方で具体的レンジを示します。総コストを把握しないと、想定していた手取り(売り手側)や総投資額(買い手側)と実態が大きくずれることになります。

仲介手数料(取引額の1.5〜10%)

仲介手数料は、サイトM&Aを業者に仲介してもらい成約した場合に支払う成功報酬です。一般的な相場は 成約金額の3〜10%、最低手数料5〜30万円 とされており、サイト売買専門プラットフォームと中堅M&A仲介事業者で水準が異なります。

仲介事業者カテゴリ 手数料水準 最低手数料 代表的なサービス例
サイト売買特化型プラットフォーム 売主無料〜5%、買主3〜5% 55,000円前後 ラッコM&ASiteStock
中堅M&A仲介(事業承継寄り) 売主・買主双方に5〜10% 50〜500万円 レーマン方式採用が多い
個人マッチング型 一律 or 完全成功報酬型 10〜50万円 案件規模に応じた段階制
M&A-WEB 成約額20万円まで一律1万円〜、200〜3,000万円帯は5% 1万円から 着手金・中間報酬無料

ラッコM&Aは2025年時点で売主手数料無料、買主は成約金額の5%(最低55,000円・税込)を採用しています。SiteStock(サイトストック)は売主・買主双方に成約金額の3%(最低55,000円・税込)を徴収します。中堅以上のM&A仲介で大型案件を扱う場合は、レーマン方式(取引額の階段別に5〜1.5%)が主流で、最低報酬として500〜2,000万円を設定する事業者もあります。

M&A-WEBの料金例は以下のとおりです。

成約金額(税込) 成約手数料(税込)
〜20万円まで 1万円
20〜50万円まで 3万円
50〜100万円まで 5万円
100〜200万円まで 10万円
200〜3,000万円まで 成約額の5%
3,000万〜1億円まで 成約額の3%
1億円以上 成約額の1.5%

着手金・中間報酬は無料で、取引が成立した時点でのみ手数料が発生する成功報酬型です。複数の仲介サービスを比較検討する際は、最低手数料の水準と着手金の有無を必ず確認してください。

サイト・サーバー移管費(3万〜30万円)

サイト購入後にはサーバー・ドメイン・コンテンツの移管作業が必要で、移管費用の相場は 3万〜30万円 です。費用幅が広いのは、サイトの規模(ページ数)・データ容量・CMSの種類(WordPress・Movable Type・独自CMS)・SSL対応・リダイレクト設定の複雑さに依存するためです。

シンプルな構成のWordPressサイト(数百ページ以内・標準的なテーマ・プラグイン構成)であれば3〜10万円、独自CMSや会員データ移行を含むサイトは20〜30万円が目安となります。自社で移管を実施する場合は数千円〜1万円程度のサーバー初期費用のみで済みますが、データ消失・SEO評価喪失のリスクと天秤にかけて判断すべきです。

税金(譲渡所得・法人税・消費税)

サイトM&Aで売り手側に発生する税金は、譲渡形態によって取り扱いが異なります。個人売主の場合は譲渡所得(総合課税)または事業所得 として、法人売主の場合は法人税(事業譲渡益として益金算入) として課税されます。さらに、事業譲渡では原則として消費税10%が課税対象となり、買い手が支払う金額に消費税が上乗せされます(株式譲渡形式の場合は消費税対象外)。

個人売主が継続的にサイト売買を行っている場合は、事業所得または雑所得として申告する必要があり、給与所得者であっても確定申告が必要です。所得税の課税方法は超過累進課税で、所得が1,950,000円〜3,299,000円帯では税率10%(控除額97,500円)、3,300,000円〜6,949,000円帯では税率20%(控除額427,500円)と段階的に上がります。売却額が大きい場合は税理士への事前相談を強く推奨します。

専門家報酬(5万〜100万円)

成約金額が500万円を超える案件では、契約書レビュー・税務アドバイス目的で 弁護士・税理士への報酬(5万〜100万円規模) を計上することが一般的です。表明保証条項・競業避止条項・知的財産権の譲渡範囲などは、テンプレ契約書のままでは紛争リスクが残ります。M&A-WEBではエスクローサービス・契約書テンプレートの提供を行っていますが、大型案件では別途専門家のレビューを取り入れることで安全性が高まります。

M&A仲介を活用するメリットとリスク管理

サイトM&Aを個人間で完結させる「直接取引」は、仲介手数料を節約できる反面、情報の真偽確認・契約書整備・代金決済の安全性が買い手・売り手の双方に大きく依存します。仲介事業者を活用することで、これらのリスクを構造的に低減できます。

仲介利用のメリット

第一に、適正価格査定 が受けられます。仲介事業者は過去の成約データベースを保有しており、ジャンル・規模・収益構造から「市場で売れる現実的なレンジ」を提示できます。自己査定では希望価格と市場価格が大きく乖離するケースがありますが、仲介経由なら成約確率の高い価格帯でスタートできます。

第二に、エスクローサービス によって代金支払いリスクを回避できます。エスクローは第三者(仲介事業者)が買い手から先に代金を預かり、サイト譲渡完了の確認後に売り手に支払うサービスで、「先にサイトを譲渡したら入金されない」「先に入金したら譲渡されない」という双方の不安を解消します。M&A-WEBでもエスクロー機能を提供しています。

第三に、契約書テンプレート・DDサポート によって、初心者でも法的に安全な取引が可能になります。サイト売買特有の論点(コンテンツ著作権の譲渡、独自記事の二次利用、ASPアカウントの引継ぎ、外注ライターとの契約継承など)を網羅した契約書を、テンプレートをもとに作成できます。

仲介利用に伴うリスクと注意点

一方で、仲介事業者を介すことで仲介手数料が3〜10%発生する点はコストとして認識する必要があります。また、仲介事業者ごとに得意ジャンル・案件サイズ・対応スピードが異なるため、複数事業者の比較は必須です。ラッコM&Aは個人案件・小型〜中型に強く、レコフ・日本M&Aセンターなど中堅以上は事業承継型・億単位案件に強みがあります。

詐欺・トラブル対策として最も重要なのは、第三者の介在 です。サイトM&Aでは、アクセス数の偽装、収益データの改ざん、譲渡後にコンテンツがコピーされて競合サイトを立ち上げられる、といったトラブルが報告されています。仲介事業者を通すことで、本人確認・GA / Search Consoleの直接共有・競業避止条項の契約書反映などが標準化され、トラブルリスクは大きく下がります。

サイト売買・事業M&A専門のM&A-WEBでは、無料査定・契約書サポート・エスクロー・サイト移管相談まで一気通貫で対応しており、専門知識がなくても安全な取引が可能です。

売却価格を高めるための実践アクション|売り手向け事前準備

ここまで相場ロジックを整理してきましたが、「どうすれば自分のサイトを少しでも高く売れるか」という売り手視点での具体的アクションも押さえておきましょう。売却の3〜6ヶ月前から準備を始めるかどうかで、最終売却額に1.5〜2倍の差がつくことも珍しくありません。

数値の見える化と整備

買い手は、Google Analytics(GA4)・Google Search Console・各ASPの管理画面スクリーンショットを必ず要求します。これらのデータが過去12〜24ヶ月分連続して取得できない場合、買い手は「実績の検証ができない」と判断し、倍率を下方修正します。売却を検討し始めた時点で、月次の売上・経費・PV・UU・主要KW順位をスプレッドシートで一元化し、レポート資料として提示できる状態にしておきましょう。

収益源の分散と単一依存の解消

単一ASP・単一広告主への依存は倍率最大のマイナス要素です。売却の3ヶ月以上前から代替ASP・代替広告主の導入を進め、売上比率を再分配しておくことで、買い手の「収益安定性」評価が大きく改善します。同時に、SNS・メルマガなどの直接流入経路を育成しておくと、検索エンジン依存リスクの軽減としても評価されます。

マニュアル化と引継ぎ容易性の確保

記事執筆フロー・SEO施策・更新カレンダー・外注先連絡網などを文書化し、「オーナーが変わっても同じ品質で運営できる」状態を可視化することが重要です。引継ぎが容易と判断されれば、買い手は安心して高めの倍率を提示できます。

コンプライアンスの事前点検

景表法・薬機法・著作権・ステマ規制などのコンプライアンス論点は、買い手DDで必ず洗い出されます。問題のある記述が見つかった時点で「リスク残存」として倍率が下げられるため、売却前に第三者によるリーガルチェックを通すことを推奨します。M&A-WEBでも、案件規模に応じてコンプライアンス事前点検をサポートしています。

サイト売却を検討中の方は、まずM&A-WEBの無料査定・相談フォームで現状の数値を共有のうえ、改善余地・想定レンジについて壁打ちすることをおすすめします。

サイトM&A相場のよくある質問

サイトM&Aの相場はいくらですか?

サイトM&Aの相場は「月間営業利益 × 5〜36ヶ月」のレンジに収まるのが一般的です。ジャンルや収益安定性で倍率は変動し、アフィリエイトサイトは5〜24ヶ月、ポータルサイトは12〜36ヶ月、SaaSはARR1〜3倍(MRR12〜36ヶ月相当)程度のレンジが典型例です。最終的な売買価格は仲介事業者の査定で個別に決定されます。

サイトの売却価格はどう決まりますか?

売却価格は「月間営業利益 × 倍率(マルチプル)」を基本式として決まります。倍率はストック性・再現性・リスクの3軸で変動し、SEO流入の安定性、収益源の分散度合い、引継ぎ容易性、法的リスクの低さなどが上振れ要素として評価されます。逆にアルゴリズム依存・単一ASP依存・属人運営は下振れ要素です。

アフィリエイトサイトの売却相場はどれくらいですか?

アフィリエイトサイト・アドセンスサイトの相場は月間営業利益の5〜24ヶ月分です。ラッコM&Aの累計データでは平均倍率は18.1ヶ月分で、24ヶ月分以上で売却できた比率は約21%とされています。安定SEO流入・ASP分散・直接流入比率の3要素が揃うサイトは上限近辺のレンジが期待できます。

ECサイトの売却相場はどれくらいですか?

ECサイトの相場は月間営業利益の6〜24ヶ月分です。LTV・リピート率・サブスク化の度合い・モール出店契約の譲渡可能性などが評価軸となります。広告費比率が20%を超えるECサイトは倍率が下振れし、定期購入型でストック性のあるECサイトは上限寄りに位置する傾向があります。

サイト売買で価格が高くなる条件はなんですか?

価格が高くなる条件は、(1) 過去12ヶ月のオーガニック流入が安定している、(2) 収益源が2〜3社以上に分散している、(3) 記事制作・運営フローがマニュアル化されている、(4) 直接流入比率が30%以上ある、(5) 法的リスクが事前に解消されている、の5点です。これらが揃うサイトはジャンル倍率レンジの上限近辺(22〜36ヶ月)が期待できます。

まとめ|サイトM&A相場を読み解く3原則

サイトM&Aの相場は「月間営業利益 × 5〜36ヶ月」のレンジに収束しますが、具体的な倍率はジャンル・収益構造・運営体制で大きく変動します。本記事の内容を実務に活かすため、最後に3原則を整理します。

第一に、ジャンル別レンジを起点にする こと。アフィリエイトは5〜24ヶ月、ECは6〜24ヶ月、ブログは3〜18ヶ月、ポータルは12〜36ヶ月、SaaSはARR1〜3倍が典型レンジです。自社サイトがどのジャンル区分に該当するかを最初に決めることで、相場交渉のスタートラインが定まります。

第二に、上振れ要因・下振れ要因のチェックリストで自己採点 すること。本記事で示した7項目×2軸のチェックリストで自社サイトを採点し、ジャンル倍率レンジ内のどこに位置するかを推定してください。下振れ要素を3〜6ヶ月かけて解消すれば、最終売却額が大きく改善する可能性があります。

第三に、諸費用を含めた手取り・総投資額で判断する こと。仲介手数料3〜10%、移管費3〜30万円、税金、専門家報酬を考慮した実質手取り・実質投資額で意思決定することが重要です。表面の取引額だけで判断すると、最終的な収支が想定と乖離します。

サイトM&Aの具体的な進め方の全体像は親記事のサイト売買の総合ガイドで解説しています。サイト売買で「儲かる」とはどういう構造かを掘り下げたサイト売買は本当に儲かるのか|M&A視点で読み解く現実と数字、購入側で失敗しないための論点を整理したサイト購入の失敗事例とリスク回避策、購入後の運用設計を扱うサイト購入後の運営ロードマップ、SNSアカウント譲渡を含む横展開を検討するためのSNSアカウントM&Aの売買ガイドも併せてご覧ください。

サイト売却を具体的に検討したい方、買収候補サイトの妥当性をプロに確認したい方は、M&A-WEBの無料査定・無料相談から数値を共有のうえディスカッションすることをおすすめします。着手金・中間報酬は無料、成約手数料も1万円(税込)からと業界最安水準で、専門スタッフが伴走します。