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M&A仲介会社とは、売り手と買い手の双方の間に立ち、相手探しから条件調整・成約までを一括して支援する専門会社を指します(買い手・売り手それぞれに別個で付くFAとは立場が異なります)。
M&A仲介会社は数百社規模で存在し、「どこに会社売却を相談すればよいのか」「手数料は本当に妥当なのか」と迷う経営者は少なくありません。本記事では、日本M&Aセンター・M&Aキャピタルパートナーズ・ストライクの大手御三家に中堅・小規模特化の各社を加え、着手金・中間金・最低成功報酬・報酬基準額の定義を各社公式の開示に基づいて同一スケールで横断します。とくに報酬基準額の定義(株価/譲渡価額/時価総資産/移動総資産のどれに料率を掛けるか)は、同じ料率でも支払額が3倍変わる最重要項目でありながら、比較記事でほとんど扱われていません。あわせて、レーマン方式の手数料相場、両手取引の利益相反、中小M&Aガイドライン第3版や2026年に進む支援機関登録制度といった「会社選びの公的な物差し」を、中小企業庁・経済産業省などの一次資料に基づいて中立的に整理します。
仲介会社のオウンドメディアや商用比較サイトでは見えにくい論点まで踏み込み、自社の規模・業種・予算に合う相談先を2〜3社に絞り込める状態を目指します。なお手数料・実績の具体数値は各社公式情報に基づき記載し、最新の制度・公募状況は進行中のため公式での確認をおすすめします。
本記事の書き手の立場について(先にお伝えします) 当サイト M&A-WEB は、売り手と買い手が直接出会うM&Aマッチングプラットフォームの運営者です。つまり本記事で比較する仲介会社とは、一部の場面で競合する立場にあります。 この立場を隠して「仲介は高い」と誘導することはしません。仲介にしかできない仕事は確実にあり(相手探しの網羅性、条件交渉の代行、クロージングまでの実務代行)、逆にプラットフォームが向くケースもあります。両者の使い分けは「中小企業・個人・スモールM&Aで仲介を使うべきか」で判断軸として整理しました。 また、比較表・ランキングの評価対象に当サイトは含めていません。手数料の数値はすべて各社の公式開示または公的データベースを出典として明記し、公式ページに金額が見つからなかった項目は空欄にせず「公式ページに記載なし」と書いています。
M&A仲介会社おすすめ比較ランキング【2026年最新・比較表】
以下のランキングは、成約実績・手数料の透明性・対応規模・中立性(支援機関登録/協会加盟)を評価軸に整理したものです。順位は当社の比較基準による相対評価であり、最適なM&A仲介会社は事業規模・業種によって異なります。まず全体像を比較表で確認してから、各社の詳細と選定基準を見ていきましょう。なお当サイト(M&A-WEB)は本記事の運営者であり、ランキング・比較表の評価対象には含めていません(後述のCTAは別枠の自社導線です)。
下表の手数料・上場有無は各社公式開示に基づく整理です(手数料は2026年10月23日に各社の公式ページで確認。最新は各社公式でご確認ください)。成約実績の件数は各社で開示基準(累計・年間・関与案件を含むかどうか)が異なるため、本表では具体件数を横並びにせず、開示の有無・特徴を定性的に記載しています。
先に結論:料率で比べても差はつきません
各社の公式料金ページを横断すると、レーマン方式の料率テーブルはほぼ全社が同一です(5億円以下5% / 5億円超〜10億円4% / 10億円超〜50億円3% / 50億円超〜100億円2% / 100億円超1%)。日本M&Aセンター・インテグループ・オンデックはいずれもこの刻みで、料率を並べた比較表を見ても意味のある差は出ません(クラリスキャピタルは1億円超の取引を5億円以下の部分4%からの刻みとしています)。
実際に支払額を決めるのは次の2つです。
- 報酬基準額の定義 — 同じ「5%」でも、何に対する5%かで支払額が数倍変わります
- 最低成功報酬額 — 中小規模の譲渡では、料率計算の結果ではなくこの下限額がそのまま請求額になります
この2列を入れた比較表が、以下です。
| 会社名 | 着手金 | 中間金 | 最低成功報酬 | 報酬基準額の定義 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日本M&Aセンター | あり(簿価総資産2億円以下で100万円〜。税抜) | 売り手の報酬表に記載なし | 2,000万円(税抜) | 譲渡企業の時価総資産額(営業権を含む) | 公式 |
| M&Aキャピタルパートナーズ | 無料 | あり(手数料総額の約10%) | 公式ページに記載なし | 株価(株式価値) | 公式 |
| ストライク | なし(企業価値算定費用・月額もなし) | 基本合意報酬100万〜300万円(税別) | 2,000万円(4億円以下の部分。税別) | オーナー受取額 | 公式 |
| インテグループ | 0円 | 0円 | 1,500万円(税別) | 株価(株式価値のみ) | 公式 |
| M&A総合研究所 | 0円(売り手) | 0円(売り手) | 2,500万円(税込・税抜の記載なし) | 譲渡価格 | 公式 |
| fundbook | 0円 | 0円(合意により中間報酬が発生する契約形態を選ぶ場合あり) | 2,500万円(5億円以下の部分。税込・税抜の記載なし) | 譲渡企業の時価総資産(営業権を含む) | 公式 |
| オンデック | 30万円(資料作成料) | 成功報酬の10%(最低100万円) | 公式ページに記載なし | 仲介=時価純資産額/FA=移動総資産額 | 公式 |
| クラリスキャピタル | 0円 | 0円 | 200万円(取引価格2,500万円以下の定額。税別) | 取引価格(1億円超は5億円以下の部分4%) | 公式 |
| M&Aナビ(PF型) | 0円 | 0円 | 売り手無料/買い手は最低20万円 | 譲渡対価(買い手) | 公式FAQ |
「公式ページに記載なし」は、2026年10月23日に各社の公式ページで金額の記載を確認できなかった項目です。「要確認」と濁さず、開示していないこと自体を情報として扱っています。手数料を事前に開示していない会社が悪いわけではありませんが、中小M&Aガイドライン第3版が手数料の詳細説明を求めている以上、初回面談で必ず書面提示を求めてください。
報酬基準額の違いで支払額は3倍変わる(試算)
譲渡額1億円・負債2億円・時価総資産3億円の会社を売るケースで、基準額の定義だけを変えて試算します(料率は共通の5%)。
| 報酬基準額の定義 | 計算 | 成功報酬 |
|---|---|---|
| 株価(株式価値) | 1億円 × 5% | 500万円 |
| 譲渡価額 | 1億円 × 5% | 500万円 |
| 時価総資産額 | 3億円 × 5% | 1,500万円 |
| 移動総資産額(譲渡額+負債) | 3億円 × 5% | 1,500万円 |
同じ会社・同じ料率で、3倍の差が出ます。負債を抱えた会社ほどこの差は開きます。さらにここへ最低成功報酬が重なるため、上表で500万円と計算された場合でも、最低報酬1,500万円の会社に依頼すれば請求額は1,500万円です。
見積比較のときは料率ではなく、「基準額は何ですか」「最低報酬はいくらですか」の2問を全社に同じ言葉で聞いてください。これだけで候補は絞れます。
上表にない会社を調べる方法(公的データベース)
上表は公式で数値を確認できた会社に絞っています。網羅性を求める場合は、中小企業庁の登録支援機関データベースをお使いください。
- 中小M&Aガイドライン遵守を宣言した約3,000件のFA・仲介業者が登録されています
- 「仲介譲受側の最低手数料」「FA譲受側の最低手数料」で並び替え検索ができます(商用の比較記事にはない機能です)
- 支援業務提供地域(都道府県)、M&A支援業務専従者数でも絞り込めます
- サイト内に「手数料の簡易計算」ツールも用意されています
事業承継・M&A補助金(専門家活用枠)の補助対象は、この制度に登録済みの支援機関に限られます。補助金の利用を視野に入れているなら、依頼先が登録済みかをここで先に確認してください。不適切な対応があった場合の情報提供受付窓口も同制度に設置されています。
比較表の見方(3つの注意点)
- 着手金ゼロ=総額が安いとは限らない:着手金が無料でも、中間報酬や成功報酬の基準額・最低報酬額によって最終的な支払総額は変わります。上の試算のとおり、着手金の数十万円より基準額の定義のほうが桁違いに効きます。
- 最低報酬は契約の条件で変わる場合がある:クラリスキャピタルは、業務提携契約で金額の定めがない場合の最低成功報酬を、専任なら200万円・非専任なら500万円と定めています。複数社に同時相談する予定なら、専任かどうかで報酬が変わらないかを見積の段階で確かめてください。
- 「上場している=中立」ではない:上場の有無は経営の透明性の一指標にすぎず、利益相反方針(両手仲介に関する考え方)の開示内容を別途確認する必要があります。
会社選びに迷ったら、まずは複数社の話を聞いて比較するのが近道です。
総合1位〜5位の選定基準(実績・手数料の透明性・対応規模)
ランキングの順位は、次の4つの評価軸を総合した当社の比較基準による相対評価です。当事者であるM&A仲介会社のポジショントークではなく、公的な物差し(中小M&Aガイドライン・支援機関登録制度)を踏まえた中立比較であることを担保するため、評価軸を開示します。
- 成約実績(公式開示値):各社が公式に開示している成約実績や対応領域の厚みを評価します。ただし開示基準が会社ごとに異なるため、件数の絶対値ではなく開示の有無・透明性を重視します。
- 手数料の透明性:算定基準(株価/移動総資産/企業価値/オーナー受取額)の事前開示、最低手数料の併記、相手方の手数料を含めた説明があるかを評価します。中小M&Aガイドライン第3版(令和6年8月30日改訂、本格適用は令和7年1月1日/出典:経済産業省)でも、提供業務の内容・質と対価となる手数料の額について、手数料の詳細説明やM&Aプロセスごとの提供業務の具体的説明、担当者の保有資格・経験年数・成約実績の説明が求められています。
- 対応規模・得意業種の適合:自社の事業規模(売上・利益)や業種にその仲介会社が対応しているかを評価します。小規模事業に強い会社、特定業種に特化した会社など、適合度は会社ごとに大きく異なります。
- 中立性:M&A支援機関登録制度への登録、M&A支援機関協会(MAAA)への加盟、利益相反方針の開示状況を評価します。
これら4軸の配点は固定的なスコアではなく、読者がご自身の優先軸(コスト重視か、実績重視か、特化業種重視か)で読み替えられるよう、あえて散文で配点思想を示しています。重要なのは順位そのものより、自社の条件との適合です。たとえば手数料の安さを最優先する方と、特定業種の知見を最優先する方とでは、適した会社が変わります。
なお中立性を担保するため、本記事の運営者である当サイト(M&A-WEB)は順位・比較表の評価対象に含めていません。
そもそもM&A仲介会社とは(仲介・FA・マッチングプラットフォームの違い)
M&A仲介会社とは、売り手と買い手の双方の間に立ち、相手探し(マッチング)から条件調整・成約までを一括支援する専門会社を指します。これに対してFA(ファイナンシャル・アドバイザー)は、買い手・売り手のいずれか一方に付いてその依頼者の利益を最大化する立場であり、両者は立場が根本的に異なります。
「M&A会社」という言葉は、実務上、①M&A仲介会社、②FA(FA会社)、③M&Aマッチングプラットフォーム(PF)の3つを含む広い意味で使われます。それぞれ立場・報酬負担者・対象規模・関与度・利益相反の論点が異なるため、自社に合う支援形態を見極めることが第一歩です。
| 比較軸 | M&A仲介 | FA(ファイナンシャル・アドバイザー) | マッチングプラットフォーム(PF) |
|---|---|---|---|
| 立場 | 売り手・買い手の双方の間に立つ | 売り手・買い手のいずれか片側に付く | 売り手・買い手をオンラインで引き合わせる場 |
| 報酬の負担者 | 双方から受け取る場合が多い | 依頼した片側のみ | 主に成約者(手数料体系はPFごと) |
| 主な対象規模 | 中小〜中堅 | 中堅〜大型・複雑案件 | 小規模・スモールM&Aが中心 |
| 関与度 | 高い(伴走型) | 高い(依頼者の利益最大化) | 低〜中(自走前提のものが多い) |
| 利益相反の論点 | 双方代理になりうるため論点あり | 片側代理で相反は生じにくい | 当事者間の交渉が基本 |
仲介とFAのどちらが優れているかは一概に言えません。双方の間に立つ仲介は中小M&Aの成約スピードや調整力に強みがある一方、利害が双方に及ぶため利益相反が論点になります。片側に付くFAは依頼者の利益最大化に徹せる一方、相手探しを別途進める必要があります。どちらが向くかは取引規模・複雑性・自社の優先軸によって変わるため、後述の「選び方」で詳しく整理します。仲介とFAの違いをさらに深掘りしたい方は、M&A仲介とFAの違いもあわせてご参照ください。
なお、M&A仲介会社は税理士法に基づく税務代理や、弁護士法第72条が定める法律事務(個別の法律判断・交渉代理)そのものを行うものではありません。税務・法務の専門的判断は、公認会計士・税理士・弁護士などの専門家と連携して進めるのが一般的です。中小M&Aガイドライン第3版でも、財務・法務・税務のデューデリジェンス(DD)は各分野の独立した専門家に依頼するよう調整する旨が明示されています(出典:中小企業庁「中小M&Aガイドライン」)。
M&A仲介の手数料体系と相場(レーマン方式・着手金・中間金・成功報酬)
M&A仲介の手数料は、主に「着手金」「月額報酬(リテイナーフィー)」「中間金(基本合意報酬)」「成功報酬」の組み合わせで構成されます。会社によってどれを採用するかが異なり、近年は着手金・月額を無料とする会社も増えています。各手数料の一般的な傾向を整理します。
| 手数料の種類 | 発生タイミング | 一般的な傾向 |
|---|---|---|
| 相談料 | 相談時 | 無料の会社が多い |
| 着手金 | アドバイザリー契約時 | 無料/有料は会社による(近年は無料化が進む傾向) |
| 月額報酬(リテイナー) | 契約期間中・毎月 | 無料の会社もある |
| 中間金(基本合意報酬) | 基本合意・意向表明の時点 | 成功報酬の一部前払い、または定額の場合がある |
| 成功報酬 | 最終契約・クロージング時 | レーマン方式で算定する会社が多い |
レーマン方式の段階料率(一般例)
成功報酬の算定に広く用いられるのがレーマン方式です。取引金額のレンジごとに料率を区分して適用します。一般的な料率の例は次のとおりです(出典:M&Aキャピタルパートナーズ公式「レーマン方式」解説)。
| 取引金額のレンジ | 料率(一般例) |
|---|---|
| 5億円以下の部分 | 5% |
| 5億円超〜10億円以下の部分 | 4% |
| 10億円超〜50億円以下の部分 | 3% |
| 50億円超〜100億円以下の部分 | 2% |
| 100億円超の部分 | 1% |
ここで注意したいのが、「何を算定基準にするか」で総支払額が変わる点です。レーマン方式の算定基準には、移動総資産・企業価値・株価(株式譲渡対価)・オーナー受取額などがあり、同じ料率でも基準が大きいほど支払額は増えます。たとえば負債を含む移動総資産を基準にすると、株価基準より総額が大きくなる傾向があります。
参考までに、公式に料率を開示している2社の体系を挙げます。
- M&Aキャピタルパートナーズ:着手金無料で、相手が見つかるまで費用が発生しません。報酬は中間報酬(手数料総額の約10%・譲渡先候補を決定して進めると決断した場合に発生)と成功報酬(残り約90%)の2段階です。成功報酬は株価レーマン方式(株式譲渡対価ベース)で、5億円以下5%/5〜10億円4%/10〜50億円3%/50〜100億円2%/100億円超1%。売り手・買い手で同一の手数料体系です(出典:M&Aキャピタルパートナーズ公式手数料ページ)。
- ストライク:相談料・着手金・月額報酬はなし。基本合意報酬は資産総額10億円以下100万円/10億円超〜50億円200万円/50億円超300万円(税別)。成功報酬はオーナー受取額レーマン方式で、4億円以下2,000万円、4億円超〜5億円5%、5億円超〜10億円4%、10億円超〜50億円3%、50億円超〜100億円2%、100億円超1%(税別)です(出典:ストライク公式手数料ページ)。
このように、同じ「レーマン方式」でも算定基準(株価かオーナー受取額か)や最低報酬の設定が異なるため、料率だけでなく算定基準と最低報酬を含めた総額で比較する必要があります。
「着手金ゼロ=総額が安い」とは限りません。着手金が無料でも成功報酬の料率や最低報酬が高ければ、総支払額が他社より大きくなる場合があります。中小M&Aガイドライン第3版では、手数料の詳細説明(相手方の手数料を含む)や提供業務の具体的説明を仲介者・FAに求める追記がなされており(出典:経済産業省プレスリリース)、見積もり段階で最低手数料を含めた総額を確認することが重要です。
また、契約から一定期間内に成約した場合に報酬が発生する「テール条項」や、仲介会社の見積もりが妥当か第三者に確認する「セカンドオピニオン」の活用も、ガイドラインを踏まえた選び方として押さえておきましょう。手数料相場のさらに詳しい内訳は、M&A手数料相場の詳細解説をご参照ください。
自社の場合を確認する:売却価格の目安は事業価値を確認するで確かめられます。
失敗しないM&A仲介会社の選び方(対応規模・報酬体系・登録制度・利益相反)
会社選びで重要なのは順位そのものより、自社の規模・業種・予算に合うかと、仲介会社の中立性・透明性です。ここでは公的な物差し(中小M&Aガイドライン・支援機関登録制度)を踏まえた選び方を整理し、続けて中小企業・個人の場合の判断軸を見ていきます。
選び方チェックリスト(6項目)
- 支援機関登録/MAAA加盟の有無:M&A支援機関登録制度に登録しているか、M&A支援機関協会(MAAA)に加盟しているかは、中立性・規律遵守の一指標になります。登録の有無はM&A支援機関登録制度の公式サイトで確認できます。
- 手数料の事前開示・最低手数料の併記:算定基準(株価/オーナー受取額など)が事前に開示され、最低手数料が併記されているかを確認します。
- 対応規模・得意業種の適合:自社の規模・業種に対応しているか。小規模に強い会社、特定業種に特化した会社など適合度は会社ごとに異なります。
- 両手/片手と利益相反方針の開示:双方の間に立つ仲介(両手)は、依頼者双方の利害が及ぶため利益相反が論点になります。仲介会社が利益相反方針をどう開示しているかを確認しましょう。
- 専任/非専任・テール条項:他社にも同時に依頼できるか(非専任)、契約終了後一定期間の成約に報酬が発生するか(テール条項)を契約前に確認します。
- 担当者の経験:保有資格・経験年数・成約実績は、ガイドライン第3版が説明を求める項目です。担当者個人の実績を確認しましょう。
両手取引と利益相反の論点
仲介会社が売り手・買い手の双方の間に立つ「両手取引」は、中小M&Aの調整をスムーズに進めやすい一方、双方の利害が一社に及ぶため利益相反が論点とされます。この点について、中小M&Aガイドライン第3版(令和6年8月30日改訂)は、仲介者に禁止される利益相反行為を初めて具体的に列挙し、仲介契約書でそれを行わない旨を義務として定めることを求めました(出典:経済産業省プレスリリース別添資料)。具体的には、譲受側からの追加手数料と引き換えの優先マッチングや不当な低額誘導、リピーター譲受側への一方的優遇、差額分の追加報酬要求、伝達すべき事項の故意の非伝達・虚偽伝達、一方当事者にのみ有利な情報の秘匿などが挙げられています。
また第3版は、仲介者が自ら譲受側のデューデリジェンス(DD)を直接実施することは利益相反のおそれがあるため行わず、財務・法務・税務DDは各分野の独立した専門家(公認会計士・税理士・弁護士)に依頼するよう調整する旨も明示しました(出典:中小企業庁「中小M&Aガイドライン」)。
こうしたガイドラインの背景には、中小M&A市場の急拡大の裏で、不透明な手数料体系、両手仲介に伴う利益相反、執拗な営業勧誘、不適切な買収者による被害といった構造的問題が指摘されてきた経緯があります(出典:中小企業庁)。会社選びの際は、これらの論点に対して仲介会社がどう方針を開示しているかが、中立性を見極める手がかりになります。
中小企業のM&Aでは、対応規模・報酬体系・登録/加盟の3点が特に重要な判断軸になります。次に、規模が小さい場合の使い分けを見ていきましょう。
中小企業・個人・スモールM&Aで仲介を使うべきか(プラットフォーム/仲介の使い分け)
取引規模が小さい場合、M&A仲介・マッチングプラットフォーム(PF)・公的窓口のどれを使うべきかは、規模・予算・自走できるかどうかで変わります。一般的な使い分けの目安は次のとおりです。
| 取引規模・状況 | 向いている支援形態 | 理由 |
|---|---|---|
| 小規模・個人(数百万〜数千万円) | マッチングプラットフォーム中心 | 手数料を抑えやすく、自走で進めやすい |
| 中規模(数千万〜数億円) | M&A仲介 | 相手探し・条件調整の伴走支援が得られる |
| 専門性が高い・複雑な案件 | FA・専門家連携 | 片側代理で依頼者利益を最大化、専門DDが必要 |
| 公的支援を受けたい | 事業承継・引継ぎ支援センター | 公的窓口で中立的に相談できる |
個人M&A(個人が買い手として小規模事業を買収するケース)では、案件の探し方が課題になります。マッチングプラットフォームで案件を探す方法、仲介会社に相談する方法、公的窓口を活用する方法があり、予算と希望業種に応じて選びます。買い手側でも、手数料体系・案件数・匿名性を比較することが大切です。
公的な選択肢として、各都道府県に設置された事業承継・引継ぎ支援センターがあります。後継者不在の中小企業に対し、第三者承継を含めた相談に中立的に応じる窓口で、まず公的窓口で土地勘を得てから民間の仲介・PFを検討する進め方も有効です。後継者不在は依然として中小企業の重要課題であり、帝国データバンクの調査では2025年の全国の後継者不在率は50.1%で前年から2.0ポイント低下し、7年連続で前年を下回りました(出典:帝国データバンク、令和7年11月21日公表。2024年は52.1%)。改善傾向にあるとはいえ、約半数の企業が後継者不在という状況にあり、第三者承継の手段としてM&Aの重要性は高い状態が続いています。
主要M&A仲介会社の個別評価(評判・口コミ・手数料の一次情報)
ここからは、比較表で挙げた主要各社を個別に評価します。評判・口コミは利用者の声を引用しつつ、手数料・実績は各社公式の一次情報に基づいて中立的に整理します。特定の会社を推奨・断定するものではなく、自社の判断材料としてご活用ください。
各社の評価は、会社概要・手数料・得意領域・利用者の声(良い声/気になる声)・向いている人、というフォーマットで整理します。口コミを引用する場合は出典媒体を明示し、否定的な声は「一部利用者の声」として事実と意見を区別して相対化します。
個別評価:M&Aベストパートナーズ(評判・迷惑電話/DMの真偽・手数料)
M&Aベストパートナーズは、製造・建設・医療・物流など特定業種への特化を訴求するM&A仲介会社です。公式の料金ページでは、着手金・月額報酬は0円、基本合意の締結時に中間報酬(「250万or成功報酬の10%」と記載)、譲渡契約の締結・資金決済時に成功報酬(中間報酬を差し引いた残額)が発生するとしています。成功報酬は株式価値(譲渡価格)を基準とするレーマン方式(5億円以下の部分5%〜100億円超の部分1%)で、算出例では譲渡金額5,000万円のとき成功報酬2,000万円(最低報酬)としています(2026年10月23日に確認。税込・税抜の記載なし)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 得意領域 | 業種特化(製造・建設・医療・物流ほか)を訴求 |
| 報酬体系 | 着手金・月額報酬0円。基本合意時に中間報酬、成約時に成功報酬(株式価値ベースのレーマン方式、算出例では最低報酬2,000万円)。出典:公式 料金システム |
| 支援機関登録/MAAA加盟 | 公式・登録制度サイトで確認 |
「迷惑電話・DMは本物か」という疑問について
指名検索では「迷惑電話」「DM」といった評判に関する関心が見られます。この点については、特定の事業者の営業手法を断定的に評価することはせず、一般的な見分け方を提示するにとどめます。営業の連絡を受けた際は、次の方法で真偽を確認できます。
- 公式連絡先との照合:連絡してきた電話番号・メールアドレス・送信元が、公式サイトに記載された連絡先と一致するかを確認します。
- 支援機関登録の確認:M&A支援機関登録制度の公式サイトで、登録機関かどうかを確認できます。
- 協会加盟の確認:M&A支援機関協会(MAAA)の加盟状況を確認します。
なりすましや不審な連絡が疑われる場合は、記載された連絡先ではなく、自分で調べた公式の問い合わせ窓口に直接確認するのが安全です。利用者の声としては、業種特化の知見を評価する声がある一方、営業連絡の頻度を気にする声も一部に見られます(評判は媒体・利用者によって評価が分かれるため、複数の出典を確認することをおすすめします)。
個別評価:ストライク(東証プライム・手数料・成約実績)
ストライクは東証プライム上場(証券コード6196)のM&A仲介会社です。上場企業として経営の透明性が一定程度担保されている点が特徴で、手数料体系も公式に開示されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 上場 | 東証プライム(証券コード6196) |
| 着手金・企業価値算定費用・月額報酬 | なし(相談も無料) |
| 基本合意報酬 | 資産総額10億円以下100万円/10億円超〜50億円200万円/50億円超300万円(税別) |
| 成功報酬 | オーナー受取額レーマン方式(4億円以下2,000万円、4億円超〜5億円5%、5億円超〜10億円4%、10億円超〜50億円3%、50億円超〜100億円2%、100億円超1%、税別) |
出典:ストライク公式 報酬・料金体系(2026年10月23日に確認。最新は公式でご確認ください)。
ストライクの手数料は、着手金がかからない点が検討しやすさにつながる一方、成功報酬がオーナー受取額を基準とするレーマン方式である点を押さえておきましょう。算定基準が会社ごとに異なるため、他社と比較する際は基準をそろえて総額で見る必要があります。利用者の声としては、上場企業としての安心感や担当者の対応を評価する声が見られます(評判は出典媒体によって異なるため、複数確認をおすすめします)。
成約実績の件数については、開示基準が会社ごとに異なるため本記事では具体件数を断定せず、公式の最新開示をご確認ください。
個別評価:その他大手(日本M&Aセンター/M&Aキャピタルパートナーズ/M&A総合研究所)
御三家+総研の全体像を補足します。各社の差別化ポイントと向くケースを中立に整理します。
| 会社 | 規模・得意領域の傾向 | 報酬基準額 | 着手金 | 上場有無 |
|---|---|---|---|---|
| 日本M&Aセンター | 中小〜中堅、全国に拠点を展開し全国対応をうたう | 譲渡企業の時価総資産額 | あり(売り手は簿価総資産2億円以下で100万円〜。税抜) | 上場 |
| M&Aキャピタルパートナーズ | 中堅、着手金無料・2段階報酬 | 株価(株式譲渡対価) | 無料 | 上場 |
| M&A総合研究所 | 中小、スピード・専門人材を訴求 | 譲渡価格 | 無料(売り手・買い手とも) | — |
- 日本M&Aセンターは、全国に拠点を展開し全国対応をうたっています。料率は5億円以下5%〜100億円超1%と業界標準ですが、報酬基準額に「譲渡企業の時価総資産額」を採用している点が最大の特徴です。負債を含む総資産に料率を掛けるため、株価基準の会社と比べて支払額が大きくなりやすく、逆に無借金・資産圧縮済みの会社では差が縮みます。売り手の報酬表では、提携仲介契約の締結時に着手金(企業評価料+案件化料)が簿価総資産2億円以下で100万円、2億円超〜10億円以下で200万円、30億円超〜50億円以下で500万円などとされ、成功報酬(仲介手数料)の最低額は2,000万円です。着手金は成功報酬に充当されず、金額はいずれも税抜です(出典:日本M&Aセンター公式 譲渡・売却の報酬表、2026年10月23日に確認)。買い手の報酬表では、着手金(情報提供料)100万円〜、基本合意時の業務中間報酬(成功報酬の20%、最低500万円)、成功報酬(2億円以下の部分2,000万円〜)が定められています(出典:譲受・買収の報酬表)。
- M&Aキャピタルパートナーズは、着手金無料で「相手が見つかるまで費用が発生しない」体系を採り、報酬は中間報酬(約10%)と成功報酬(約90%)の2段階です。成功報酬は株価レーマン方式(株式譲渡対価ベース)で、売り手・買い手同一の体系です(出典:M&Aキャピタルパートナーズ公式 弊社の手数料)。基準額が株価であるため、負債の大きい会社ほど日本M&Aセンター方式との差が開きます。最低報酬額は公式ページに記載がありません(2026年10月23日に確認)。見積時に書面で確かめてください。
- M&A総合研究所は、売り手について完全成功報酬制(着手金・中間金・月額報酬なし)を採用し、成功報酬の基準額に譲渡価格を用いています(5億円以下の部分5%〜100億円超の部分1%、最低額2,500万円)。買い手は着手金無料で、基本合意の締結時に成功報酬の10%を中間報酬として支払い、成功報酬は譲渡対象資産額2億円以下の部分2,500万円からの体系です。総資産ではなく譲渡代金に料率を掛けるため、負債を抱えた会社の売却では支払額が抑えられる方式です。どちらのページにも税込・税抜の記載はありません(出典:料金体系(譲渡企業様)・料金体系(譲受企業様)、2026年10月23日に確認)。
各社とも自称の実績値は「公式開示値」である旨を前提に、開示基準と時点をあわせて確認してください。
個別評価:中堅・小規模特化(インテグループ/オンデック/クラリスキャピタル/fundbook)
公式ページで最低成功報酬を確かめられた大手は、日本M&Aセンター2,000万円(税抜)・ストライク2,000万円(税別)・M&A総合研究所2,500万円です(M&Aキャピタルパートナーズは公式ページに記載なし。2026年10月23日に確認)。最低報酬2,000万円がそのまま請求されると、譲渡額2億円なら10%、1億円なら20%にあたります。この帯域では、最低報酬を低く設定している中堅・小規模特化の会社のほうが合理的なケースがあります。
| 会社 | 着手金 | 中間金 | 最低成功報酬 | 報酬基準額 |
|---|---|---|---|---|
| インテグループ | 0円 | 0円 | 1,500万円(税別) | 株価(株式価値のみ) |
| fundbook | 0円 | 0円(合意により中間報酬が発生する契約形態を選ぶ場合あり) | 2,500万円(5億円以下の部分) | 譲渡企業の時価総資産(営業権を含む) |
| オンデック | 30万円 | 成功報酬の10%(最低100万円) | 公式ページに記載なし | 仲介=時価純資産額/FA=移動総資産額 |
| クラリスキャピタル | 0円 | 0円 | 200万円(取引価格2,500万円以下の定額。税別) | 取引価格(1億円超は5億円以下の部分4%) |
- インテグループは完全成功報酬制(着手金・月額報酬・中間金いずれも0円)で、成功報酬はクロージング完了時のみ発生します。最低成功報酬1,500万円(税別)を公式に開示しており、基準額を「株式価値のみ」に限定している点が実質的な割安要因です(出典:インテグループ公式 料金体系、2026年10月23日に確認)。同社は、着手金・月額報酬・中間金を「M&Aの成立に関わらず、仲介会社が原則返還なしで受け取る報酬」と説明しています。
- fundbookは譲渡企業・譲受企業の双方で着手金・中間金を無料とし、成約時に成功報酬を受け取る体系です(合意により中間報酬が発生する契約形態を選ぶ場合があると注記しています)。成功報酬は譲渡企業の時価総資産(営業権を含む譲渡対象資産額)を基準とするレーマン方式で、譲渡企業は5億円以下の部分2,500万円、譲受企業は3億円以下の部分2,500万円からの体系です。税込・税抜の記載はありません(出典:譲渡の報酬体系・譲受の報酬体系、2026年10月23日に確認)。基準額が総資産のため、負債の大きい会社では株価基準の会社より支払額が大きくなりやすい点も押さえておきましょう。
- オンデックは完全成功報酬制ではなく、段階的な費用体系です。譲渡企業は資料作成料30万円、基本合意時に成功報酬の10%(最低100万円、成約時は成功報酬に充当)が発生します(出典:オンデック公式 料金ページ)。仲介形式かFA形式かで基準額が変わる点は要注意で、FA形式では移動総資産額(譲渡額+負債総額)が基準となり支払額が大きくなります。段階払いを許容できるなら、初期の見極めコストが小さい体系です。
- クラリスキャピタルは着手金・中間手数料・毎月の固定報酬をなくし、成功報酬だけの体系です。取引価格1億円以下は定額で、2,500万円以下200万円、2,500万円超〜5,000万円以下250万円、5,000万円超〜1億円以下300万円。1億円超は5億円以下の部分4%、5億円超〜10億円の部分3%、10億円超〜50億円の部分2%、50億円超の部分1%です(いずれも税別)。なお、業務提携契約で金額の定めがない場合の最低成功報酬は、専任200万円・非専任500万円と定めています(出典:クラリスキャピタル公式 料金体系、2026年10月23日に確認)。
規模別の目安:譲渡額1億円未満なら小規模特化かプラットフォーム型、1〜5億円なら中堅仲介、5億円超なら大手仲介の網羅性が費用に見合いやすい、というのが手数料構造から導かれる一般的な線引きです。ただし業種特化の知見が決定的に効く案件(医療・建設・調剤など許認可が絡む領域)では、規模が小さくても特化型が有利になります。
会社売却の流れ全体を把握したい方は、事業承継・会社売却ガイドもあわせてご覧ください。
M&A仲介への相談の進め方と無料相談先早見表
会社売却の相談先は仲介会社だけではありません。FA、マッチングサイト、公的窓口(事業承継・引継ぎ支援センター)など、費用・匿名性・実務支援の度合いが異なります。ここでは相談の進め方と、相談先を選ぶ早見表を示したうえで、仲介を使わないマッチングサイトという選択肢も比較します。
相談の進め方(5ステップ)
- 情報収集:手数料相場・支援形態の違い・自社の概算価値を把握する(本記事のような中立情報+公的窓口の活用)。
- 秘密保持:相談時に秘密保持契約(NDA)を結び、情報漏洩リスクを管理する。
- 簡易査定:複数社で簡易査定を受け、価格感と手数料の見積もりを比較する。
- 仲介/FAの選定:手数料の算定基準・担当者の経験・利益相反方針を確認して候補を絞る。
- アドバイザリー契約:契約内容(専任/非専任、テール条項、報酬発生条件)を確認して契約する。
中小M&Aガイドラインでは、仲介会社の見積もりや進め方が妥当か第三者に確認するセカンドオピニオンの活用も推奨されています。1社だけで決めず、複数の見積もりを比較することが大切です。
無料相談先 早見表
| 相談先の種別 | 費用の傾向 | 匿名性 | 実務支援 | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| M&A仲介会社 | 相談無料が多い。成約時に成功報酬 | 中(NDA前提) | 高(伴走型) | 中小〜中堅、相手探しから任せたい |
| FA | 依頼側のみ負担 | 中 | 高(依頼者利益最大化) | 中堅・複雑案件、片側代理を望む |
| マッチングプラットフォーム | 登録無料、成約時手数料 | 高(匿名掲載が可能) | 低〜中(自走前提) | 小規模・スモールM&A、自分で進めたい |
| 事業承継・引継ぎ支援センター | 公的窓口(無料相談) | 中 | 中(中立的に助言) | まず公的に中立相談したい |
相談先の種別ごとに費用・匿名性・実務支援の度合いが異なるため、自社の優先順位(コスト・スピード・伴走の手厚さ)に合わせて選びましょう。会社売却の具体的な進め方・必要書類については、会社売却・事業売却の流れ完全ガイドもご参照ください。後継者不在による事業承継としてM&Aを検討する場合の全体像は、事業承継とは|3つの方法・進め方もあわせてご覧ください。
仲介を使わない選択肢:M&Aマッチングサイト比較
小規模・スモールM&Aや、自分で主体的に進めたい場合は、仲介会社を使わずにM&Aマッチングサイト(プラットフォーム)を利用する選択肢があります。主要なマッチングプラットフォームの一般的な特徴を比較します(手数料・案件数・稼働状況は各PFで変動するため、利用前に公式で最新情報をご確認ください)。
| プラットフォーム | 売り手の手数料 | 買い手の手数料 | 課金モデル | 適合規模 |
|---|---|---|---|---|
| TRANBI(トランビ) | 無料 | 月額4,378〜21,780円(税込。税抜3,980〜19,800円)/成約手数料なし | 月額課金(6か月単位で自動更新・途中解約不可) | 小規模・スモールM&A |
| バトンズ | 着手金・月額料金・中間金・成約手数料は無料(株式譲渡では有料のプレミアムサポート税抜200万円〜が必須) | 成約価格の2%(税込2.2%)、最低35万円(税込38.5万円。成約価格1,000万円未満の場合) | 成約時課金 | 小規模〜中小 |
| M&Aサクシード | 売り手向けページ:レーマン方式(最低1,000万円)/公式コラム:譲渡金額の5.0%(最低1,000万円)※税込・税抜の記載なし | 公式コラム:譲渡金額の2.0%(最低200万円)/買い手向けページ:成約時システム使用料は無料、M&A専門家へのアドバイザリー手数料が別途必要 ※税込・税抜の記載なし | 完全成功報酬制(着手金・中間金・月額報酬なし) | 中小 |
| M&Aナビ | 無料 | 譲渡対価3,000万円以下5.0%・3,000万円超〜1億円以下3.0%・1億円超1.5%(最低20万円)※税込・税抜の記載なし | 成約時課金 | 中小 |
M&Aサクシードの料金は、公式のページによって書き方が違います。よくある質問では売り手は「着手金なし、中間金なし、月額報酬なしの完全成功報酬制」、買い手(譲受企業)も「完全成功報酬制」、売り手向けのページ(M&A査定)では成功報酬は「レーマン方式(最低1,000万円)」、買い手向けのページでは「成約時システム使用料 無料」「M&A専門家へのアドバイザリー手数料が別途必要」、公式コラム(2026年7月10日更新)では売り手が譲渡金額の5.0%(最低1,000万円)、買い手が譲渡金額の2.0%(最低200万円)とされています。どのページにも税込・税抜の記載はありません。実際に適用される料率と最低額は、申し込む前に書面で確かめてください(出典:よくある質問・売り手向けページ・買い手向けページ・公式コラム。いずれも2026年10月23日に確認)。
課金モデルが違うため、単純な料率比較はできません。TRANBIは探索期間が長引くほど月額が積み上がる一方、成約額が大きくても追加負担はゼロ。バトンズは探索が長引いても費用は発生しませんが、成約時に成約価格の2%(税込2.2%)がかかります。成約価格1,000万円未満では2%の計算額(最大20万円)が最低額を下回るため、バトンズの買い手の料金は最低額の35万円(税込38.5万円)になります。TRANBIの月額は、ビジネスプラン(税込10,780円)を6か月続けて税込64,680円です(出典:バトンズ 料金体系・TRANBI 料金・M&Aナビ よくある質問、2026年10月23日に確認)。料金改定は頻繁に行われるため(過去にTRANBI・バトンズとも改定実績あり)、利用前に各社公式でご確認ください。
本記事の運営者である当サイト M&A-WEB もこのカテゴリのプラットフォームです(冒頭の立場開示のとおり)。上表の評価対象には含めていませんが、比較の際は当サイトの条件も他社と同じ物差しで並べてご検討ください。
マッチングサイトが向くケース:手数料を抑えたい、スピード重視、自分で交渉を進められる小規模・スモールM&A。 仲介が向くケース:相手探しから条件調整まで伴走してほしい、中規模以上、業種特有の調整が必要。
サイト買取やプラットフォームを使った売却の具体的な進め方は、サイト買取・PFの選択肢もあわせてご参照ください。
M&A仲介業界の今後と2026年の規律強化(資格・登録制度)
M&A仲介業界は、近年の急拡大を背景に「規律強化」が進む局面にあります。会社選びの信頼軸として、2026年前後に進む制度動向を一次資料で押さえておきましょう。
中小M&Aガイドライン第3版(令和6年8月)の規律強化
中小企業庁・経済産業省は、2024年(令和6年)8月30日に「中小M&Aガイドライン」を改訂し第3版を公表しました(初版2020年3月、第2版2023年9月)。本格適用は令和7年(2025年)1月1日からです(出典:経済産業省プレスリリース)。第3版では主に次の3点が強化されました。
- 手数料説明の充実:提供業務の内容・質と対価となる手数料の額(相手方の手数料を含む)について、手数料の詳細説明、M&Aプロセスごとの提供業務の具体的説明、担当者の保有資格・経験年数・成約実績の説明などが求められました。
- 利益相反禁止の明確化:仲介者に禁止される利益相反行為を初めて具体的に列挙し、仲介契約書で行わない旨を義務として定めることを求めました。
- DD(デューデリジェンス)の制限:仲介者が自ら譲受側のDDを直接実施することは利益相反のおそれがあるため行わず、財務・法務・税務DDは各分野の独立した専門家に依頼するよう調整する旨を明示しました。
M&A支援機関登録制度の最新動向
M&A支援機関登録制度は令和3年(2021年)8月に創設された制度で、事業承継・M&A補助金(専門家活用枠)の補助対象は、登録済みの支援機関による支援に限られます(出典:中小企業庁)。最新の公募状況は次のとおりです(進行中のため、最新は公式でご確認ください)。
- 令和7年度公募:令和7年(2025年)5月30日に申請受付を開始、申請期限は令和8年(2026年)2月13日。今回登録の有効期限は令和8年7月末まで。
- 令和8年度公募:申請の最終締切は令和9年(2027年)2月12日とされています。
- 要件変更(令和7年度):中小企業が質の高い支援機関を選定しやすくすることを目的に、支援機関の情報開示内容の充実化を図るため、提供業務の報告や実績報告の内容変更が行われました。前年度(令和6年度公募)からは、登録制度サイト上での手数料体系の公表が登録要件として義務化されています。
登録FA・仲介業者の登録数は、令和8年(2026年)時点で約3,000件超とされます(出典:中小企業庁 M&A支援機関登録制度。最新の登録件数・内訳は公式の月次公表で要確認)。この公表値は「登録FA及び仲介業者」の合算であり、法人/個人事業主の内訳・最新値は公式で要確認です(仲介とFAを分けた件数内訳は公表されていません)。会社を選ぶ際は、検討先がこの登録制度に登録済みかを公式サイトで確認するとよいでしょう。
業界の今後の展望
こうした規律強化の流れを受け、業界では手数料の透明化や利益相反方針の開示が進むとみられます。後継者不在率は2025年に50.1%と改善傾向にある一方(前掲:帝国データバンク)、依然として約半数の企業が後継者不在であり、第三者承継の手段としてのM&A需要は底堅く推移するとみられます。事業承継では「内部昇格」が「同族承継」を上回る脱ファミリー化も進んでおり、M&Aを含む第三者承継の選択肢は今後も重要性を保つと考えられます。会社選びの観点では、登録・加盟・利益相反方針の開示といった「規律への対応状況」が、信頼できる仲介会社を見極める軸として一層重要になるとみられます。
よくある質問(FAQ)
Q1. M&A仲介とFA(ファイナンシャル・アドバイザー)の違いは何ですか?
M&A仲介は売り手・買い手の双方の間に立って成約まで一括支援する立場で、FAは買い手・売り手のいずれか一方に付いてその依頼者の利益を最大化する立場です。仲介は中小M&Aの調整力に強みがある一方で双方代理になりうる利益相反が論点、FAは片側代理で相反が生じにくい点が特徴です。詳しくは「そもそもM&A仲介会社とは」をご覧ください。
Q2. M&A仲介の手数料相場はいくらですか?
着手金・月額・中間金・成功報酬の組み合わせで、成功報酬はレーマン方式(一般例で5億円以下5%〜100億円超1%)が広く用いられます。算定基準が株価かオーナー受取額かなどで総額が変わるため、相場は一律には言えません。各社公式の手数料体系を、算定基準と最低手数料を含めて確認することをおすすめします(「手数料体系と相場」参照)。
Q3. M&A仲介の両手取引は利益相反になりませんか?
双方の間に立つ両手取引は利益相反が論点とされます。中小M&Aガイドライン第3版(令和6年8月)は、禁止される利益相反行為を具体的に列挙し、仲介契約書で行わない旨を義務として定めることを求めました(出典:経済産業省)。会社を選ぶ際は、利益相反方針の開示状況を確認するとよいでしょう(「選び方」参照)。
Q4. 中小企業・個人でもM&A仲介に依頼できますか?
依頼できます。ただし取引規模が小さい場合は、マッチングプラットフォームや事業承継・引継ぎ支援センター(公的窓口)のほうが費用を抑えやすいこともあります。規模・予算・自走できるかで使い分けるのが目安です(「中小企業・個人・スモールM&Aで仲介を使うべきか」参照)。
Q5. M&Aベストパートナーズの迷惑電話・DMは本物ですか?評判はどうですか?
特定事業者の営業手法を断定的に評価することは控えますが、連絡の真偽は「公式連絡先との照合」「M&A支援機関登録の確認」「協会加盟の確認」で見分けられます。不審な場合は記載先ではなく自分で調べた公式窓口に直接確認するのが安全です。評判は媒体・利用者で評価が分かれるため複数の出典の確認をおすすめします(「個別評価:M&Aベストパートナーズ」参照)。
Q6. ストライクのM&A手数料に着手金はありますか?成功報酬はどうなっていますか?
ストライクは相談料・着手金・月額報酬がなく、基本合意報酬(資産総額10億円以下100万円など)と、オーナー受取額レーマン方式の成功報酬(4億円以下2,000万円〜100億円超1%、税別)で構成されます(出典:ストライク公式の報酬・料金体系ページ、2026年10月23日に確認)。最新は公式でご確認ください(「個別評価:ストライク」参照)。
Q7. M&A仲介業界の今後・将来性は?2026年の資格・登録制度はどうなりますか?
中小M&Aガイドライン第3版(令和6年8月)と支援機関登録制度の規律強化により、手数料の透明化・利益相反方針の開示が進むとみられます。登録数は令和8年(2026年)時点で約3,000件超とされます(FA+仲介の合算。最新の登録件数・内訳は公式の月次公表で要確認)。後継者不在率が約半数で推移するなか第三者承継需要は底堅いとみられます(「M&A仲介業界の今後」参照)。
まとめ
M&A仲介会社を選ぶうえで重要なのは、ランキングの順位そのものよりも、自社の規模・業種・予算に合うか、そして手数料の透明性・対応規模・中立性(支援機関登録やMAAA加盟、利益相反方針の開示)という公的な物差しで見極めることです。本記事では大手御三家+中堅を同一スケールの比較表で横断し、レーマン方式の手数料相場、両手取引の論点、2026年前後に進む登録制度・中小M&Aガイドライン第3版の規律強化までを、中小企業庁・経済産業省などの一次資料に基づいて中立に整理しました。手数料や実績の数値は各社公式情報に基づくものであり、制度は進行中のため最新は公式でご確認ください。
まずは気になる候補を2〜3社に絞り、無料相談で手数料の算定基準や担当者の経験を直接確認することをおすすめします。「自社はいくらで売れるのか」の目安は、当サイト(運営者・評価対象外)の事業価値を確認するでも確かめられます。会社売却の流れ全体は事業承継・会社売却ガイドを、手数料の詳細はM&A手数料相場の詳細解説を、仲介とFAの違いはM&A仲介とFAの違いをご参照ください。