ECサイトのランニングコスト一覧と相場!コストカットする方法を紹介

日常生活になくてはならないプラットフォームとして、ECサイトは今後も更なる発展が予想されています。そのため、EC市場への参入を検討中の事業者様も多いでしょう。そこで、気になるのがECサイトの運営にかかる諸費用ではないでしょうか。 ECサイトは利益に関わらず、一定のランニングコストが発生します。収益が安定しなければ、収支のアンバランスから運営が厳しくなる可能性もあります。 この記事では、ECサイトの運営にかかる主なランニングコストとその相場、そしてコストカットの方法を紹介します。

この記事は約7分で読み終わります。

ECサイトの運営に必要なランニングコストとは

ECサイトの運営には、主に次のようなランニングコストがかかります。それぞれの内容と平均的な相場を紹介します。

※サイトの構築方法や運営方針によって大きく異なる場合もありますので、あくまで参考のランニングコストになります。

レンタルサーバー費用

独自のECサイトを構築するには、サイトのデータ保管、情報処理、ユーザーへの応答などを行うサーバーが不可欠です。

サーバーは高額なうえ管理に手間がかかるため、ECサイトの運営では通常、レンタルサーバーを利用することになります。レンタルサーバーの中でも、1社のみで使う専用サーバーではなく、複数で使う共有サーバーを選ぶのが一般的です。

共有サーバーなら、専用サーバーほどの自由度はないものの、維持にかかるコストや手間を軽減できます。共有サーバーの相場は月額500~12,000 円ほどで、提供会社によって価格差があります。

独自ドメイン取得・維持費用

ホームページをインターネット上に公開するには、サーバーだけではなく、ドメインが必要です。

ドメインはホームページのアドレス(URL)に当たるところで、その名のとおり、インターネット上の住所のようなものです。自社オリジナルのECサイトを構築するなら、独自ドメインを取得しなくてはなりません。

独自ドメインの取得には年3,000~6,000円ほどの費用がかかります。価格はドメインの人気度に応じて異なります。

レンタルサーバーの提供会社によっては、サーバーのレンタル費用に独自ドメインの取得費が含まれている場合や、ドメインの取得代行を行っている場合もあります。

独自SSLサーバーの取得・維持費用

ECサイトでは、多くの個人情報を扱うことになるため、万全のセキュリティ対策が求められます。そのひとつがSSL(Secure Socket Layer)で、データを暗号化して情報漏洩を防ぐほか、ECサイトの身元を第三者に証明してもらう役割を果たします。

共有SSLサーバーと呼ばれる低価格のホスティングサービスもありますが、より信頼度を高めたいなら独自SSLサーバーがおすすめです。

独自SSLサーバーの取得ならびに維持にかかるコストは、年15,000~90,000円ほどが目安です。一般的に高額になるほど、身元証明の認証レベルが高いとされています。

決済代行会社との契約料

ECサイトでの商品購入時の決済方法にクレジットカードやコンビニ決済を取り入れる際、必要となるのが決済代行会社との契約です。

決済代行会社に支払う手数料は売上金額の3~5%で、別途、契約料がかかります。

銀行振込や代金引換といった仲介不要な支払い方法であれば、決済代行会社との契約は不要です。しかし、多様な決済方法を用意していたほうが、ECサイトの集客に役立つでしょう。

ASPカートのレンタル料

ASPカートとは、ネットショッピングの注文を処理する機能のことです。ASPカートを利用すれば、独自のECサイトを立ち上げるにあたって、ネットショップとしての機能を低コストかつ簡単に導入できます。

ASPカートは月額3,000円からレンタル可能ですが、提供されるサービスによっては約10万円かかる場合もあります。ECサイトの収益や求める機能に応じて、自社に適したサービスを利用するといいでしょう。

マーケティング費用

ECサイトを成功させるには、より多くのユーザーを集めるためのマーケティングが求められます。

マーケティングにはさまざまな手法がありますが、ECサイトで一般的に利用されるのが広告配信サービスです。広告によって目に触れる機会が増えれば、自社商品に興味を持つユーザーと出会うチャンスも増え、売り上げアップにつながる可能性が高まります。

ただし、サービス内容によって料金が大きく異なるので注意が必要です。

ポイント!ランニングコストにツールの導入コストも加えておく

ECサイトは、構築方法によって、必要となるランニングコストに違いが出てきます。それでは、4つの構築方法ごとにECサイトのランニングコストをみていきましょう。

ASP

先述したASPカートは、ネットショップに必要な機能をオンラインでレンタルしてECサイトを構築します。

サイトを制作するための専門的な知識も必要なく、誰でも簡単にECサイトを立ち上げられます。また、月額数千円程度の費用で構築可能なため、費用や手間を抑えてECサイトを構築したい個人事業や中小規模の事業を展開する方におすすめです。

ただし、カスタマイズの自由度はやや低い、アクセス数によってはレスポンスが遅れるなどのデメリットがあります。

オープンソース

オープンソースとは、一般に無料公開されているプログラム(ソースコード)のことです。

誰でも無償で利用できる、カスタマイズの自由度が高いなど、ECサイト構築におけるメリットが多いものの、使いこなすには専門的な知識が必要です。

また、広く普及していることから、悪意ある第三者からセキュリティの脆弱性をついた攻撃をされるリスクが考えられます。

パッケージ

パッケージはECサイトの構築に必要なシステムや機能をすべて揃えているため、準備の手間を最小限に抑えられます。高いカスタマイズ性能も魅力で、大規模なECサイトを構築したい事業者に向いています。

ただし、初期費用やランニングコストが高額になりやすいため、コストパフォーマンスを見極めることが必要です。

フルスクラッチ

ゼロからECサイトを構築することをフルスクラッチといいます。

基本的なホームページ制作はもちろん、ネットショップに必要なカート機能などを含め、すべてを独自に開発することになるため、初期費用、ランニングコストともに高額になります。開発にも時間がかかるため、予算や期間に余裕のある場合に選択すべき構築方法といえるでしょう。

サイトの構築に多くのコストがかかる反面、ユーザーを惹きつけるような、ほかにないオリジナルのサイトを制作できる点が大きなメリットです。

ランニングコストを抑える!ECサイト運営のヒント

求める機能や構築方法などによって、ECサイトのランニングコストは変わります。しかし、まったく同じように構築したサイトでも、結果としてコストに差が出ることがあります。

そこで、ECサイトの運営で効率良くランニングコストを抑える方法を紹介します。

機能の費用対効果を考える

ECサイトを構築するときには、必要な機能がそろっているか、十分に検討しておくことが重要です。サイトの運営開始後に追加や変更を行うと、余計なランニングコストが発生する場合があります。

また、ユーザーの満足度向上のために機能を加えすぎると、ランニングコストが膨大になり、収益化を実現する前に運営が困難になるおそれがあります。

費用対効果を見極めつつ、ターゲット層に合った機能を採り入れるようにしましょう。

将来を見据えて計画を立てる

ECサイトが広がりをみせるなか、個人でも低コストでECサイトを立ち上げられる時代になりました。

しかし、安易に低コストの構築方法を選ぶのは避けましょう。後々、サービス内容に物足りなさを感じる、クオリティの低さに疑問を感じるといった問題が発生する場合があります。問題解決のためのサイトのリニューアルで、かえってコストパフォーマンスが下がる可能性もあります。

反対に、構築時点から機能を詰め込みすぎるのも危険です。インターネット技術は日々進化しているため、数年で機能の入れ替わりが起こることも珍しくありません。せっかく投資した機能も、十分に役割を果たせないまま、時代遅れになることも考えられます。

現状だけではなく、サイトの将来も見据えて、計画を立てましょう。

情報を常にアップデートする

EC業界では、新しい技術やサービスが次々に誕生しています。システムのアップデートやサービスのリニューアルなど、最新情報を常に収集しておくことが重要です。特にセキュリティ対策に遅れを取れば、大きな損害を被るリスクがあります。

ランニングコストを抑えたECサイトの運営なら、M&Aの利用もおすすめです。すでに運用中のサイトを購入するため、初期費用をかけずに、スピーディな収益化を実現しやすいでしょう。

WebメディアやWebサイトの売買をマッチングさせるプラットフォーム「M&A-WEB」では、希望するサイトとの出会いから立ち上げまでサポートしています。

まとめ

ECサイトは、求める機能や構築方法によって、ランニングコストが変わります。コストや機能など一部分にのみこだわるのではなく、予算や将来性をしっかり考慮して計画的にサイトを立ち上げましょう。

ランニングコストを抑えながら効率良くECサイトを運営したいなら、すでに成功しているサイトを買うのもおすすめです。サイトを売りたい人と買いたい人とをマッチングさせるプラットフォーム「M&A-WEB」では、売買成立までしっかりとサポートいたします。