ECサイトのリスクとセキュリティ対策の重要性とは?情報漏えいの原因・対策例

ECサイトの拡大にともない、企業やECサイト担当者は徹底したセキュリティ対策が求められています。個人情報やクレジットカード情報の漏えいが、たびたび発生しており、ECサイトは常にセキュリティ事故のリスクにさらされている状況です。 今回は、ECサイトのリスクを理解するとともに、セキュリティ対策を施す重要性について解説します。

この記事は約7分で読み終わります。

どうなる?ECサイトのセキュリティ対策を徹底すべき理由

日常的にスマートフォンやPCに触れる現代では、誰もがインターネットのリスクと隣りあわせです。そのなかでも、とりわけECサイトがセキュリティを徹底しなければならないのはなぜでしょうか。

ECサイトのセキュリティ対策が不十分な場合に考えられるリスクについて解説します。

セキュリティ事故につながる

ECサイトのセキュリティ対策を怠ることによるリスクは、個人情報流出につながるセキュリティ事故です。

実際、ECサイトに登録した個人情報が漏えいしたといったニュースは、たびたびメディアを賑わせています。個人情報のなかには、ECサイトで商品を購入するときに利用するクレジットカード情報もあり、犯罪につながりやすいでしょう。

情報漏えいにより顧客に与える損失が大きくなれば、多額の損害賠償を請求されることにもなりかねません。万が一に備えてセキュリティ対策は、日頃から万全にしておくことが重要です。技術の進歩が目覚ましいECサイト業界ですから、常に最新の対策を取ることも心がけましょう。

情報漏えいにより信頼が低下する

ユーザーは利用するECサイトに信頼を寄せて、個人情報を委ね、商品を購入しています。情報漏えいが一度でも発生すれば、こうしたユーザーからの信頼を裏切ることになります。

ECサイトとしての信用を失うと売上減は必至で、企業イメージの低下も免れません。また、顧客だけではなく、取引先との信頼関係にも悪影響を与えるおそれがあります。

ECサイトからの情報漏えいには、未然に防ぐべきものという厳しい目線が向けられています。情報を盗まれた被害者ではなく、情報を盗んだ加害者に見られてしまうことを心に留めておく必要があります。

ECサイトでセキュリティ事故が起こる原因

ECサイトでのセキュリティ対策を立てるには、まず情報漏えいなどのセキュリティ事故が起こる原因を把握しておくことが大切です。

それでは、ECサイトにおいてセキュリティ事故が起こる主な3つの原因を紹介します。

従業員の人為的ミス

悪意を持った人間による攻撃だけが、ECサイトのセキュリティ事故を生むわけではありません。実際には発生するセキュリティ事故の5割は、従業員による人為的ミスによるものだといわれています。

例えば、USBメモリの紛失、メールの送信ミス、ノートPCや社外秘書類の置き忘れなど、少しの不注意が大量の情報を漏えいさせるキッカケになることも多いのです。いずれも不注意や操作ミス、重要情報を扱う意識への低下など、会社として未然に防げるものがほとんどでしょう。

日頃から操作手順を周知する、情報の取り扱い方を徹底するなど、社内でセキュリティに対する意識を高めることがセキュリティ対策の大前提といえます。

外部からの不正行為

被害が甚大になりやすいのが、外部からの不正行為によるセキュリティ事故です。

顧客情報を盗み出したり、会社の経営にダメージを与えたりするために、ECサイトが狙われることもあります。ウイルス感染によってサーバーをダウンさせる、不正注文や不正なチャージバックを繰り返すなども外部からの不正行為です。

セキュリティ上の抜け道がないか、常に高い意識を持って対策に取り組まなければなりません。

内部による不正行為

残念ながら、従業員による不正行為によるセキュリティ事故も珍しくありません。セキュリティ事故にまつわる悪意は、社内にも存在する可能性があります。

社内の人間であれば、USBにコピーする、顧客名簿をプリントアウトする、メールの添付ファイルとして情報を送信するなどで、個人情報を簡単に持ち出せるでしょう。

特に、サーバーやデータベースにアクセスできる立場の社員であれば、通常は手に入らない重要な情報まで手に入れられます。

ECサイトのセキュリティ対策を徹底するためのポイント

ECサイトの運営会社であれば、すでにセキュリティ対策を講じていることでしょう。しかし、会社としては万全な対策だと思っていても抜け道がないとは言い切れません。

そこで、ECサイトのセキュリティ対策の具体例とポイントを解説します。

内部のセキュリティ教育の徹底

ミスや故意を問わず、内部からの情報流出がセキュリティ事故の大半を占めています。

アクセス権限を見直すなど、情報管理を厳格にすることも重要ですが、社内での有効なセキュリティ対策は管理者を中心とした従業員へのセキュリティ教育に尽きます。

従業員のセキュリティへの意識やITリテラシーを高められるよう、研修などの機会を設けましょう。

脆弱性に備えた業務フローの策定

セキュリティの脆弱性が見つかったときの対策を明確にし、スピーディな対応を取ることも大切です。速やかな行動が被害を未然に防ぎ、損失を最小限に抑える結果につながります。

あらかじめ具体的な業務フローを策定しておくと、いざというときにも適切な行動を取れます。業務フローを思案するときは、ECサイトの運営を滞りなく進められるかを考慮しましょう。

システムを最新版へアップデート

ECサイトの構築や運営には多数のシステムやプログラムが関わっています。開発時には見過ごされた脆弱性が見つかったときにはアップデートが必要です。セキュリティを常に最新の状態に保つために定期的にシステムのアップデート状況を確認しましょう。

ただし、アップデートにはECサイトの一時停止が必要です。すべてのアップデートが同時に提供されるわけではないため、タイミングや頻度に注意しましょう。アップデートを優先しすぎると、ECサイトがたびたび停止してしまい、ユーザーに混乱をもたらします。

セキュリティ対策サービスの導入

悪意ある第三者からの攻撃には、どのような手段が使われるのか予測がつきません。システム開発者さえ気づかないセキュリティホールから攻撃されてしまうこともあるでしょう。

そこで導入しておきたいのが、セキュリティ対策サービスです。

不正アクセスや不正注文といった悪意ある攻撃を遮断するのに有効で、サービスによっては日々システムを巡回して外部からの攻撃を防ぐものもあります。

外部からの侵入経路は多種多様です。ECサイトのサーバーだけでなく、管理業務を行う従業員個人のPCにも対策を徹底しておくといいでしょう。

ASP型ショッピングカートの利用

ECサイトにASP型ショッピングカートを利用するのも、セキュリティ対策として有効です。ASPショッピングカートはECサイトをレンタルできるもので、構築や運営を低価格かつ簡単にECサイトを立ち上げられます。

ASP型ショッピングカートでは、保守やセキュリティを提供元が行ってくれる点がメリットです。サイトそのものを暗号化する常時SSL化、クレジットカード情報をランダムな文字列へ置き換えるトークン決済などで、ECサイトとしてのセキュリティ機能を強化できます。

ランニングコストとして利用料はかかりますが、保守管理の専門知識をもった事業者に任せられるため、安心を買う必要経費といえるでしょう。

フィッシング詐欺への対策

フィッシング詐欺とは、ユーザーを偽サイトに誘導して、個人情報を不正に引き出す詐欺行為です。近年ますます巧妙化しているフィッシング詐欺ですから、ユーザーが被害に合わないように徹底した対策が求められます。

常時SSL化でサイトを運用する、独自ドメインを使う、ワンタイムパスワードを発行するなど、二重、三重の対策を取るようにしましょう。

ECサイトを運営するならM&Aも検討しよう

ECサイトは立ち上げ後、すぐに収益化することは少なく、運営を軌道に乗せるまでにはそれなりの時間がかかります。一方で、セキュリティ対策などランニングコストは常に発生します。そのため、当初はキャッシュフローに不安を覚える経営者も多いでしょう。

そこで選択肢のひとつとなるのが、すでに基本的な体裁が整ったサイトを購入して利用する方法です。ユーザーから高い評価のサイトであるほど、集客から収益化までをスピーディに実現できるでしょう。

ECサイトの購入をお考えなら初心者でも安心して相談できるサポート体制が整った「M&A-WEB」の利用がおすすめです。売り手と買い手の最適なマッチングで、ECサイトの運営を応援いたします。

まとめ

ECサイトで情報漏えいなどが起これば、自社の社会的信用を失墜させるだけではなく、売上減という大きなデメリットを被ることになります。最悪の場合、サイトの運営が難しくなるケースもあるでしょう。

こうした事態を未然に防ぐためにも、日頃からセキュリティ対策を万全にしておくことが重要です。

新たにECサイトの立ち上げを検討中なら、セキュリティ面も含め、必要な機能を備えた開設済みのサイトを購入するのもおすすめです。「M&A-WEB」ならECサイトの売買成立まで丁寧にサポートいたしますので、ぜひ一度ご相談ください。