越境ECを始める準備や始め方を解説!知っておきたいポイントも紹介

日々拡大を続けるインターネットビジネスですが、近年とりわけ注目を集めているのが国の垣根を超えた越境ECです。国内だけではなく、広く海外を市場とする越境ECは成功すれば大きな利益をもたらします。 そこで、この記事では越境ECの始め方について、6通りのパターンとともに成功するためのポイントをわかりやすく解説します。

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越境ECの始め方は6パターンある

世界を相手にビジネスチャンスを大きく広げられる越境ECですが、実際に始めるにはどのような方法があるのでしょうか。

まずは、越境ECの一般的な始め方を6つのパターンに分けて紹介します。

国内で越境EC対応サイトを構築する

すでに自社でサイト運営を行っている場合におすすめなのが、国内で越境ECに対応した独自サイトを立ち上げる方法です。自社にしかないオリジナリティーあるサイトを構築できます。

既存のシステムを利用したときにかかる利用料や販売手数料といったコストが生じないため、ECサイトの利益がそのまま自社の収益となる点も大きな魅力といえるでしょう。

ただし、独自サイトの構築には専門知識が必要であり、初期コストや開発期間の長さなど思わぬ負担がかかることもあります。また、ゼロからサイト運営を始めることになるため、運営が安定するまでは集客に工夫が必要です。

国内の越境EC対応プラットフォームに出店する

これからEC事業の拡大を狙っているなら、国内で提供されている越境ECに対応したプラットフォームを利用するのも良いでしょう。

海外に対応している国内のプラットフォームは、楽天市場やAmazonなどが挙げられます。

既存のシステムを使えば専門知識がなくても簡単に出店できます。また、自動翻訳機能などがあれば、海外でのビジネス展開をサポートしてくれます。海外販売におけるサポートやセキュリティが充実しているので、いざというときにも安心です。

一方で、プラットフォームの利用料や販売手数料といったランニングコストがかかるほか、同じプラットフォームを利用する競合他社との違いを打ち出しにくいデメリットがあります。

進出先国で自社ECサイトを構築する

自社の製品やサービスがすでに海外でも一定の知名度を得ているなら、さらに売上アップを狙って、進出先の国で独自のECサイトを構築する方法がおすすめです。

サイトを構築する専門知識以外にも、進出する国の言語での対応、文化や習慣に合わせたサイトの運営戦略などが求められます。また、その国で決められた法的な手続きを取らなければならない場合もあるため、事前に入念なリサーチと準備が必要です。

ハードルは高いですが、ターゲットに合わせたサイト構築によって利益を獲得することが期待できます。

進出先国のプラットフォームに出店する

進出する国を想定しているものの、独自のサイト構築はむずかしいという場合、現地のECモールやサイト構築のプラットフォームを利用するのがおすすめです。

海外の代表的なプラットフォームは、中国の天猫国際、欧米のebayなどが挙げられます。

ただし、国内のプラットフォームとは違い、運営事業者とのやりとりに言語や法的な手続きといった壁があるため出店までに時間がかかることも多く、ある程度のノウハウが必要です。自社での交渉が難しいときには代行会社に交渉を依頼する方法もあります。

現地で認知されているプラットフォームを利用するため、独自サイトや国内プラットフォームよりも集客力に優れており、比較的短期間で収益につながりやすいといえます。

一般貿易と同様の方法で販売する

ECサイトを自社で用意せず、一般貿易と同じように、海外の業者と貿易手続きを行って現地のECサイトで商品を販売する方法もあります。

自社でサイトを運営して販売するケースとは異なり、製品の輸出入に関して通常の貿易手続きが必要になります。そのため、申請書の作成や関税手続きなど、さまざまな知識や手順をこなさなければなりません。

越境ECだけではなく国外実店舗でのビジネス展開を考えているなら、この方法が有効な場合があります。

保税区の倉庫を活用して出店する

海外でECモールに出店する際、現地の保税区倉庫へ商品を輸送する必要があります。保税区倉庫とは、関税が課されたあとに通関許可を得るまで、一時的に商品を保管するための倉庫(あるいは倉庫のあるエリア)のことです。

保税区倉庫を商品の保管庫として活用し、商品発送の拠点とする越境ECモデルもあります。保税区倉庫を活用した越境ECは、特に中国のECサイトにみられます。

海外から直接発送されるため配送料の負担が少ないのが大きなメリットです。また短期間で商品を届けられるため、顧客からの評価も得やすい傾向があります。しかし、商品の保管に適した倉庫をみつけるのに苦労するおそれもあります。

越境ECを始める前に必要な準備とは?

越境ECを始めるには、国内でのビジネス以上に事前のリサーチや準備が欠かせません。一般的な知識のほか、国ごとに設けられた独自のルールや規制を知る必要もあるでしょう。

それでは、越境ECを始める前に行うべき準備について解説します。

販売可能な商品であるか調べる

進出する国や地域が決まったら、気を付けるべきなのが扱う商品です。

日本では当たり前に販売している商品も、国によっては輸出禁止というケースは珍しくありません。また、輸出禁止とまではいかなくても、事前承認や事前申請が求められることもあります。

海外で販売を考えている商品が販売可能かどうか、事前に確認しておきましょう。

市場調査を徹底する

国や地域によって、国民性や嗜好の違いなどから、商品のニーズは大きく異なります。そのため、越境ECを成功させるには自社商品の市場調査を徹底しておくことが大切です。

たとえば、自社と類似する商品を扱く現地の競合他社の動向を調べる、ECサイトで売上の大きいカテゴリーを把握するなどの方法が考えられます。

こうしたリサーチのあとで越境ECで扱う商品を決定しましょう。

法規制や関税の知識をつける

越境ECは国境という枠を超えたビジネスです。オンラインでつながる商売とはいえ、国をまたぐビジネスには、法規制や関税の知識が必要となります。

特に関税率は、高すぎると収益を左右するため、越境ECを始めるにあたって重要な検討材料となります。国による違いのほか、商品によっても異なるケースがあるので注意しましょう。

越境ECを始めるときのポイント

これからも急成長が見込まれる越境ECですが、成功させるにはいくつかのポイントを押さえておくことが重要です。

最後に、成功する越境ECに欠かせないポイントを紹介します。

進出先国に合わせた言語や決済方法にする

海外への進出にあたって英語の存在は大きなものです。しかし、たとえ英語が通用する国や地域であっても、現地語での多言語対応を目標としましょう。商品説明は現地の言葉のほうが魅力を伝えやすく親しみをもたれやすいためです。

また、ECに欠かせない決済方法ですが、国によってメジャーな方法は異なります。普及率の高い決済方法を導入すれば、それだけビジネスチャンスが広がります。

進出先国に合わせた集客施策を検討する

国や地域によって効果の高い集客施策は異なります。たとえば中国ではGoogleの利用制限があるため、検索順位などSEO対策にこだわると集客につながらない可能性が高いでしょう。

事前に現地の情報を集め、国ごと地域ごとのマーケティング戦略を打ち出し、より適した集客施策を検討することが重要です。

配送方法やトラブル時の対応方法を検討する

越境ECの魅力のひとつは、人員を配置せずに、海外での事業展開が可能なことです。逆に重要となるのが配送方法や配送にまつわるトラブル対応です。配送でミスが続けば顧客からの信頼を失ってしまいます。

配送コストや配送にかかる時間を加味しつつ、トラブル時の対応を考えて配送方法を決定することが大切です。トラブルに対してどのような対応が可能か、事前にシミュレーションしておくと良いでしょう。

独自で越境ECを始めるならサイト購入がおすすめ

すでに独自サイトやECモールでの運営経験があり、越境ECで効率良く収益化を狙いたいなら、サイトのM&Aで越境ECを始めるのもおすすめです。人気のある越境ECを購入すれば、運営ノウハウとともに、多くのユーザーがいる状態からビジネスを始められます。

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まとめ

越境ECは世界を相手に事業を展開できる急成長中のビジネスです。独自にサイトを構築するほか、既存のプラットフォームを活用したり一般貿易の手法を利用したりと、さまざまな始め方があります。現在の事業やこれまでの経験、扱う商品などから、最適な方法を採用しましょう。

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