M&Aは個人でもできるの?
M&Aは企業だけではなく、個人でも利用できる手法です。必ずしも企業を一社まるごと買い取る必要はなく、事業などこまかな単位で購入することもできます。そのため買い取る対象によっては、300万~500万円あればM&Aができる案件も少なくありません。
個人がM&Aを利用する理由のひとつとして、副業や開業のハードルが低い現代ならではの環境が挙げられます。副業を許可している企業が増えつつある現代は、サラリーマンが副業としてM&Aするケースもあります。
また、本格的に開業を考えている人が、サラリーマンからオーナー社長へと脱サラすることもめずらしくありません。
小規模案件を見つけよう!個人がM&A案件を探す方法
個人と企業のM&Aの大きな違いは、購入できる事業の規模や、用意できる現金の額でしょう。
本人のみ、もしくは身内を含めた少人数で事業を行う個人の場合、管理できる事業の規模に限度があります。一部の裕福層を除けば、購入のために個人が用意できる現金も多くありません。
個人が無理なく事業内容を把握、管理したり、予算の範囲内で購入したりできるM&Aの案件は、小規模なものとなります。M&Aの小規模案件を探すときは、次に紹介する3つの方法がおすすめです。
事業承継・引き継ぎ支援センター
事業承継・引き継ぎ支援センターとは、国が運営する事業承継サービスです。
各都道府県に設置されており、地域によって多少名称が異なりますが、いずれも手数料無料で利用できるメリットがあります。相談窓口の担当者は、金融機関やM&A支援サービス会社などに勤務経験のある、専門知識を有した人物がほとんどです。
一方、あくまで事業承継をサポートする公的サービスであるため、デメリットとして案件数の少なさが挙げられます。小規模のM&A案件となると、求める業界や事業のものが見つかるかどうかは、運とタイミング次第といえるでしょう。
また、企業価値の調査や評価のために外部専門家を起用するときは、別途費用が発生します。
M&A仲介会社
事業承継ではなく、M&Aを専門に取り扱っている仲介会社を利用する方法もあります。譲渡側と譲受側の間に入って仲介してくれる会社で、さまざまな業種、事業のM&Aに詳しい担当者が多いのが特徴です。
メリットは、専門の仲介会社ならではのサポート力にあります。M&A全般に関して相談できるため、個人かつ初心者の方でも自分に最適な案件を見つけられるでしょう。
デメリットは、一般企業が事業として行っているため、手数料が比較的高額となりやすいことです。成功報酬そのものが高い料率で設定されているだけではなく、会社によっては手付金を別途支払う場合もあります。
M&Aマッチングサイト
ある程度の事前知識を有している方は、M&Aマッチングサイトの利用もおすすめです。譲渡したい企業や個人が自由に案件を登録できるため、さまざまな業種や事業の案件が見つかります。
M&Aマッチングサイトのメリットは、小規模の案件が数多く掲載されていることと、安価な手数料です。専門会社に仲介を依頼するわけではないため、交渉などに関わらない分、M&Aにかかる手数料が安く抑えられています。
ただし、あくまでM&Aマッチングサイトのため、交渉や契約に関するサポートが少ないデメリットもあります。当事者同士で交渉や契約などの手続きを進める前提で、安く小規模案件を探したい方なら、大きなデメリットにはならないでしょう。
個人がM&Aをするときの流れ
個人がM&Aをするときも、主な流れは企業と同様です。ここでは契約までを5ステップに分けて紹介します。
予算や業種を決めて案件を探す
まずは前準備として、今回のM&Aにかける予算や買収したい業種を明確にしておきます。買収に必要な予算と、どの業種で企業や案件を探すのか決めておくことで、情報収集をスムーズに行えます。
具体的な事業が決まっていない場合は、将来的に成長が期待できそうな企業や事業を選びましょう。予算や業種を重視しすぎると成長しそうな案件を逃す場合もあるため、状況によっては、予算や業種にこだわりすぎないことも大切です。
売買交渉をする
買収を希望する案件が見つかったら、企業側と売買交渉を行います。具体的には、以下の点について話し合うのが一般的です。
・売却金額
・譲渡時期
・引き継ぎ方法
・従業員の処遇など
本格的な交渉に入る前に、可能であればオフィスや工場の見学を行い、現状確認することをおすすめします。契約後は自分が経営することになるため、正しく現状を把握したうえで交渉できるように、情報収集を行いましょう。
基本合意書を締結する
双方が売買条件に納得できたら、基本合意書を締結します。トラブル回避のためには、契約を結ぶ前に双方で基本合意書の草案を出し合い、内容を調整する作業が必要です。
草案の調整が終われば、基本合意書と秘密保持契約を交わします。M&A仲介会社を利用する場合は、基本合意書の締結段階で手数料が発生することもあります。
デューデリジェンスを実施する
基本合意書は条件に関して互いに納得していることを証明するものに過ぎず、この段階ではM&Aの契約は完了していません。本格的な売買契約に進むために、デューデリジェンスを実施しましょう。
デューデリジェンスとは、M&Aの専門家による調査のことです。売手となる企業の財務、法務、事業、労務状況などを調査し、投資先としてのリスクや価値を判断します。
相手先企業の実態を正しく把握するためには、デューデリジェンスによる専門家目線での評価が欠かせません。
最終契約書を締結する
基本合意書で交わした条件とデューデリジェンスの結果をもとに、最終条件を検討し、調整します。最終条件に双方が合意すれば、最終契約書を締結します。
あとはクロージング日に買収資金を支払えば、晴れてM&Aの完了です。買収した企業や事業の新しいオーナーとして、発展を目指しましょう。
M&Aを個人で行うときのポイント
M&Aは企業にとっても大きな判断のひとつです。個人レベルで行うとなれば資金などの制限も大きくなるため、慎重さが求められます。
少しでもリスクを軽減するために、個人がM&Aを行う場合のポイントを紹介します。
自分でしっかりリサーチして決める
利用するサービスによっては、専門知識がなくてもM&Aで企業や事業を買い取ることができます。しかし、すべての案件が自分に合う条件で契約できたり、買収がメリットになったりするとは限りません。
まずは自分に合う案件や条件を自力で判断できるよう、最低限の知識を身に付けておくことが大切です。専門家の言葉や提示されている情報を鵜吞みにせず、自分自身でしっかり調査し、判断することがM&Aの成功につながります。
取引先や従業員を大切にする
M&Aで得た企業や事業には、すでにある程度の文化が醸成されています。経営者が変わることで大きく変貌してしまうと、取引先や従業員を失う事態になりかねません。
買収後も問題なく事業を継続できるよう、取引先や従業員としっかりと情報共有を行い、経営者が変わることへの理解を得ることも必要です。
意識していても、こまかな変化で従業員に不安やストレスを与える可能性もあります。一人ひとりの声に真摯に耳を傾け、事業を熟知した人材の離職を防ぎましょう。
プロのサポートも利用する
最適なマッチング相手を探したり、交渉を有利に進めたりするためには、専門家のサポートを活用するのがおすすめです。特にM&A初心者の方は、プロのサポートがあれば心強いでしょう。
Webメディア・サービスなどインターネット事業に関するM&Aを検討している方は、ぜひ「M&A-WEB」をご利用ください。
M&A-WEBは、WebメディアやWebサービスを主にマッチングさせるM&Aプラットフォームです。個人対企業や企業同士、個人同士と、さまざまな組み合わせでのマッチング実績があります。
丁寧なサポートと効率的なマッチングにより、個人による買収でも理想の相手先とのM&Aが実現できる場を提供しています。
まとめ
企業間はもちろん、個人によるM&Aも可能です。会社規模や事業のみを取引するほか、Webサイトのみを購入することもできます。初期にかかる工数を軽減させる方法のひとつとして、すでにある程度の評価を受けている中古ドメインを購入することもM&Aの一種です。
プロによる丁寧なサポートのあるマッチングサービスを利用すれば、初心者でも安心して優良な中古ドメインを購入できます。サポート重視で選びたい方は、ぜひ人気のM&Aプラットフォーム「M&A-WEB」をご利用ください。