店舗ビジネスを開業する前に準備すべきこと
店舗ビジネスを開業しても、早期に撤退するケースは多いです。理由はさまざまですが、まず初期投資のリスクが挙げられます。
店舗ビジネスでは、内装や水回りを整備するための費用、機械や備品の購入費、商品の仕入れなど、多額の初期費用が必要です。業種にもよりますが、1,000万円以上の初期費用がかかることもあります。
初期費用を準備するために融資を受けるケースもありますが、家賃など毎月必要な固定支出に加え融資の返済もあると、それだけで大きな額になってしまうことも多いです。さらに、人件費や広告宣伝費などの費用も加わりますので、ビジネスを継続するには、これを上回る売上を常に出す必要があります。
しかし、毎月コンスタントに売上を出せるとは限りません。競合が多いとそれだけで生き残りが厳しくなりますし、業種によっては経験やスキルが大きく左右することもあります。
店舗ビジネスで撤退を余儀なくされるのは、このようなリスクを回避するための準備が不十分だからです。早期撤退を防ぐためにも、店舗型ビジネスのリスクを正しく把握し、しっかり準備しておく必要があります。
1.開業資金や固定費を準備しておく
店舗ビジネスでは、先述のように、店舗として利用する物件を契約するときの初期費用、内装や外装にかかる費用、設備費用など、高額な開業資金が必要です。このような初期費用に加えて、店舗の家賃や光熱費など、店舗をもつだけでも毎月固定費が発生します。
店舗ビジネスを始める場合は、初期費用だけでなく、毎月発生する固定費も考慮して資金を準備しておきましょう。初期費用に加えて、3ヶ月程度の固定費も準備しておくと資金繰りに余裕をもたせることができるでしょう。
すべてを自己資金で準備することが難しい場合は、どこで融資を受けられるか調査し、融資先も確保しておきます。ただし、融資を受ける場合は、初期費用を準備できる反面、毎月の返済で固定支出が増える点に注意しましょう。
2.事業に合う店舗を探しておく
店舗ビジネスは、事業の内容によっては、店舗の立地も重要な要素になります。ターゲット層に合わせて、ターゲット層が利用しやすい立地条件の店舗を事前にリサーチしておきましょう。
例えば、ランチを提供する飲食店であればオフィスの多いビジネス街、ラーメン屋など夜の利用者をメインにする場合は繁華街の近くが適しています。
事業を始める前に、どのような層をターゲットにしていくのか、どのような業態で事業を展開していくのか決定し、適した条件の店舗を見つけておきましょう。いくら良いサービスを提供していても、業態やターゲット層と合わない立地だと集客が難しくなってしまいます。
3.長期的な人件費を念頭に置く
店舗ビジネスの場合、店舗を運営する人材が必要です。また、従業員を必要としないスモールスタートで始めた場合でも、顧客が増えて事業規模が拡大すれば、従業員を雇用する必要があります。
従業員を雇用する場合は、従業員に支給する給与のほか、社会保険などの福利厚生の手続きや費用も必要です。
家賃や水道光熱費などの固定費に加え、人件費も固定費として上乗せされますので、人件費も念頭に置いて長期的な計画を立てておくことが大切です。
4.持続可能な店舗戦略を描いておく
店舗運営では、業界や立地によってはライバルとなる店舗が存在します。競争相手が多い中で事業を継続するためには工夫が必要です。
特に、ライバルとの差を付けたいばかりに価格競争を繰り広げてしまうと、資金繰りがうまくいかず、継続が困難になり事業を撤退せざるを得ない状況に発展することもあります。
店舗型ビジネスでは初期費用が多くかかりますので、安易な値下げは経営の負担になります。資金繰りを計算した上で、持続可能な形で経営することを意識しましょう。
また、ライバルとの競争でつまずかないためにも、無駄な費用を抑えて利益を伸ばす意識をもつことも重要です。例えば、広告方法や集客方法の適正化、仕入れ先の変更などの工夫です。
ライバルとの競争で生き残るには、ほかとの差別化をしっかり図り、利益を出せるように持続可能な店舗戦略を立てておきましょう。
店舗ビジネスを成功させる方法
店舗ビジネスは撤退するケースも多いため、開業前にしっかり準備しておくことが必要だと説明しました。準備はもちろん、店舗ビジネスを成功させるには、ビジネス展開後の工夫も必要です。ここでは、店舗ビジネスを成功させるために知っておきたい3つのポイントを紹介します。
コスト意識をもつ
まず、コスト意識をもつことです。店舗ビジネスは初期費用がかかると説明しましたが、事業を継続するためには、固定支出やそのほかの支出などランニングコストも多くかかります。
商品を販売するビジネスの場合、商品や材料の仕入れ、商品を提供するための道具の費用などが常に発生します。このような日々発生するコストについてもどれだけ抑えられるか検討することが重要です。
例えば飲食業の場合、大量に仕入れることで1単価あたり安く仕入れられることがあります。さらに、仕入れの工夫だけでなく、使用する材料の種類を減らすなど廃棄を減らす努力をすることでコストを抑えることが可能です。
余計な固定費がかかっていないか、原価に改善の余地はないか、広告費用が無駄になっていないか、常にコスト意識をもって意思決定をしましょう。
フランチャイズ化も検討する
店舗ビジネスでさらなる成功を目指すには、多店舗展開が必要です。多店舗展開することによって、大量仕入れなどによるコストダウンが図れるほか、ブランド力の向上や従業員のキャリアパスの形成も図れます。
しかし、多店舗展開を目指して新たに店舗の開業を進めるとなると、多額の資金が必要になるほか、従業員の統率が難しくなるのがネックです。多店舗展開する場合は、フランチャイズ化するのもひとつの方法でしょう。
フランチャイズであれば、開業のための費用を抑えることができるほか、大手企業のノウハウを学べたり、サポートを受けられたりといったメリットもあります。
ネットショップやSNSを活用する
店舗ビジネスでは、知名度を上げて顧客を呼び込むためにも、宣伝や集客方法の選択が重要です。広告出稿による宣伝方法もありますが高額になるケースも多いため、無料で始められるSNSや自社のネットショップを開設して、うまく集客に活用すると良いでしょう。SNSやネットショップなら費用を抑えながら集客につなげられます。
まとめ
店舗ビジネスは、多店舗展開でブランド力を高めていきやすいメリットがある反面、初期費用が多額にかかるなどのリスクもあります。一からビジネスをスタートするとリスクも大きいため、既存の店舗を購入する方法も検討してみると良いでしょう。
「M&A-WEB」は事業を売りたい人と買いたい人をマッチングするプラットフォームです。丁寧なサポートと効率的なマッチングで理想の相手先とのM&Aの実現をサポートしています。
事業の買い取りをお考えなら、M&A-WEBへご相談ください。