M&Aプラットフォームおすすめ5選|個人〜中小企業向け徹底比較[2026年版]
M&Aプラットフォームおすすめ5選|個人〜中小企業向け徹底比較[2026年版]
「M&Aプラットフォーム」と検索すると、数多くのサービスが並びます。それぞれ手数料体系・案件規模・個人対応の可否が異なり、初めて選ぶ方は「結局どこに登録すべきか」が見えにくいのが現状です。
本記事では、M&Aの現場で実際に使われている主要5プラットフォーム(バトンズ/TRANBI/M&Aサクシード/ラッコM&A/M&Aクラウド)を、手数料・案件規模・個人対応の3軸で横並びに比較します。なお「ビズリーチ・サクシード」は現在の「M&Aサクシード」の旧称(同一サービス)のため、独立した1社としては数えていません。結論として、個人M&Aを進めたい方はバトンズとTRANBIの使い分け、サイト売買はラッコM&A、中小企業の事業承継型はM&Aサクシードや仲介併用——という選択軸が現実的です。1つのプラットフォームに絞らず、2〜3社を並列で検討するのが業界の一般的な進め方です。
なお当メディア(M&A-WEB/ma-platform.com)はM&Aプラットフォームを運営する立場です。本記事で扱う各サービスは同業にあたるため、不当に持ち上げたり貶めたりすることなく、各社の公式発表と公開情報に基づいて中立に比較します。料金・案件数などの数値はすべて公式発表に基づいて記載し、最新の内容は必ず各社公式サイトでご確認ください(本記事の公式情報の取得日は2026年6月8日です)。横断的な選定に迷う方は、M&A-WEBの無料相談(買い手としての検討はこちら)もご活用ください。特定サービスの代替を勧めるものではなく、判断材料の整理を目的としたご案内です。
§1 M&Aプラットフォームとは|仲介・FAとの違いと選ばれる理由
M&Aプラットフォームとは、事業や会社の売り手と買い手がオンラインで直接相手を探し、交渉できるマッチングの場です。M&Aマッチングサイトやポータルサイトと呼ばれることもあります。本記事の比較表を読む前に、まず仲介会社・FAとの違いと、個人M&Aで選ばれる理由を押さえておきます。M&A全体の流れを確認したい方は、親記事の事業売却・M&Aの全体像はこちらもあわせてご覧ください。
§1-1 仲介会社・FA・プラットフォームの違い
M&Aの相手探しには、大きく3つの形があります。性格が異なるため、案件の規模と進め方で使い分けるのが基本です。
- 仲介会社:売り手と買い手の間に立ち、両者を仲介します。専任担当が書類作成・交渉を伴走し、売り手・買い手の双方から成功報酬(レーマン方式が一般的)を受けるモデルが主流です。中小M&Aガイドライン第3版では、仲介者は両当事者から受任するため中立公平義務・利益相反回避義務を負うと整理されています(出典:中小企業庁 中小M&Aガイドライン、取得日2026年6月8日)。
- FA(フィナンシャル・アドバイザー):売り手または買い手のどちらか一方に専属し、依頼者の利益最大化を支援します。比較的大型の案件で選ばれます。
- プラットフォーム:売り手と買い手が自らマッチングし、サイト上で交渉を進めます。案件数の多さと低コストが特徴で、サポートの密度は仲介より自走前提になりやすい構造です。
| 軸 | 仲介・FA | プラットフォーム |
|---|---|---|
| 対応規模 | 数千万〜数十億円の中堅・大型が中心 | 数百万円規模の小型から対応 |
| 手数料 | 成功報酬(レーマン方式)、最低額が高め | 売り手無料が主流、買い手は%型または月額型 |
| サポート密度 | 専任担当が伴走 | オンライン中心・自走前提、必要に応じ専門家連携 |
| スピード | 半年〜1年が目安 | 相手が早期に見つかれば短期成約も可能 |
| コスト | 高めだが手厚い | 低コストだが自己責任の範囲が広い |
なお、M&A仲介とFAの法的な位置づけの違いはM&A仲介とFAの違いはこちらで詳しく整理しています。M&A仲介には宅地建物取引業法のような包括的な「業法」が存在せず、中小M&Aガイドラインと後述のM&A支援機関登録制度がソフトローとして機能している点も、制度上の前提として押さえておくとよいでしょう(出典:中小企業庁 中小M&Aガイドライン、取得日2026年6月8日)。
§1-2 個人M&Aでプラットフォームが選ばれる理由
個人や小規模事業者がM&Aプラットフォームを選ぶ最大の理由は、コストと案件規模の適合です。仲介会社は最低手数料が高めに設定されることが多く、数百万円規模の小型案件は採算面で扱いにくい傾向があります。プラットフォームは売り手無料が主流で、数百万円規模の案件から対応するため、副業のExitやマイクロM&Aの主戦場になっています。
個人利用の規模感は、各社の公開データからもうかがえます。たとえばバトンズ公式インフォグラフィックでは、買い手会員の属性比率を個人53%・個人事業主13%・法人34%と公表しています(出典:バトンズ公式インフォグラフィック、取得日2026年6月8日)。一方で、「個人売り手の約9割」「買い手の6割超が個人」といった二次情報の数値は公式の現行値と一致しないため、本記事では公式インフォグラフィックの実数値のみを引用します。なお「マイクロM&A」「個人M&A」を独立カテゴリとして計測した公的統計は本記事執筆時点では整備されておらず、規模感を示す数値は各社の自社母集団ベースである点に留意してください。
§1-3 プラットフォーム利用の流れ(5ステップ)
プラットフォームを使うイメージをつかむため、登録から成約までの一般的な流れを整理します。実際の手順は各社・案件によって異なります。
- アカウント登録:メールや本人確認(KYC)を経て、個人または法人として登録します。
- NDA締結・案件閲覧:秘密保持契約を結び、関心のある案件の詳細情報を閲覧します。
- 交渉依頼・面談:気になる案件に質問やオファーを送り、トップ面談へ進みます。
- DD(買収監査)・価格交渉:財務や事業の実態を確認し、譲渡価格を交渉します。サイト売買のDDの観点はサイト売買のデューデリジェンスはこちらも参考になります。
- 譲渡契約・クロージング:最終契約を締結し、引き継ぎを完了します。
クロージング後の紛争解決や最終契約内容の確定的な法的助言は、弁護士法第72条(非弁行為の禁止)との関係で弁護士への依頼が推奨されます(中小M&Aガイドライン第3版に明記)。プラットフォームや本記事は一般的な情報提供にとどまり、個別案件の適法性判断は専門家にご確認ください。
§2 主要5プラットフォーム比較表+個別レビュー
ここからは、主要5プラットフォームを公式情報に基づいて横並びで比較します。料金・案件数は改定や時点更新があるため、最終的には各社公式の最新情報を必ずご確認ください(数値の取得日:2026年6月8日)。
§2-1 比較表(5サービス×7軸)
| サービス | 買い手手数料 | 着手金 | 対応規模目安 | 個人対応 | 案件数(公開時点) | 業界カバー |
|---|---|---|---|---|---|---|
| バトンズ(BATONZ) | 成約価格の2%(税込2.2%)、最低税抜35万円〜 | 無料 | 数百万円〜(上限明示なし) | ◎ | 交渉可能案件10,673件(2026年2月末) | 業種非限定 |
| TRANBI(トランビ) | 月額制(税込4,378〜21,780円)、成約手数料なし | なし | 〜500万/〜3,000万/上限なし(プラン別) | ◎ | 常時3,000件以上 | 業種横断 |
| M&Aサクシード | 成約価格の2.0%、最低200万円 | なし(完全成功報酬) | 中小企業の事業承継中心 | ×(法人限定) | 譲受希望10,740件/譲渡4,272件 | 業種横断 |
| ラッコM&A | 成約金額の5%(税込)、最低税込55,000円 | なし | 数万円〜数千万円 | ◎ | 掲載3,654件(2025年実績) | サイト・オンライン資産特化 |
| M&Aクラウド | 完全成功報酬(最低100万円・税抜) | 0円 | スモール〜ミドル | ×(法人前提) | 売り手8,900社/買い手3,100社以上 | IT/SaaS中心・業界横断 |
注:M&Aサクシードは「法人限定M&Aプラットフォーム」を冠するサービスで、個人・個人事業主は買い手として利用できません(出典:M&Aサクシード公式、取得日2026年6月8日)。「ポータルサイト」「仲介サイト」と呼ばれることもありますが、本記事ではマッチング機能を持つプラットフォームとして整理しています。
出典:バトンズ=公式料金ページ・公式トップ/TRANBI=公式買い手料金・公式トップ/M&Aサクシード=公式トップ・公式売り手ページ/ラッコM&A=公式料金(knowledge/166)・公式トップ/M&Aクラウド=公式トップ・利用規約(いずれも取得日2026年6月8日)。各社とも最新は公式でご確認ください。
なお、本記事と同じ主要サービスを「個人・スモール向け」の切り口で5社比較した記事もあります。サイト売買やスモールM&A中心に検討したい方はM&Aマッチングサイト主要5社の比較はこちらもあわせてご覧ください。本記事は「個人〜中小企業」までを含め、5プラットフォームをセグメント別の使い分けで整理しています。
§2-2 バトンズ(BATONZ)
バトンズは、業種を限定しない中小企業M&A・事業承継のオンライン型プラットフォームです。運営は株式会社バトンズで、日本M&Aセンターホールディングス(東証プライム)の持分法適用関連会社にあたり、2026年4月21日に東京証券取引所グロース市場へ新規上場しています(出典:バトンズ公式 会社情報・上場プレス、取得日2026年6月8日)。
強み:売り手は着手金・月額・中間金・成約手数料がすべて無料で、買い手も成約価格の2%(税込2.2%)の成功報酬型と、入口のコストを抑えやすい設計です(出典:公式料金ページ、取得日2026年6月8日)。交渉可能案件数は10,673件、買い手累積登録数は30.3万人(いずれも2026年2月末)と、選択肢の母数が大きい点も特徴です(出典:公式トップ、取得日2026年6月8日)。デロイト トーマツ ミック経済研究所の調査(2025年11月発刊、2021〜2025年度対象)では成約件数・ユーザー数・案件数で5年連続No.1と公表されており、これは自社調べではなく調査主体と時点が明示された第三者調査による公表値として紹介します(出典:バトンズ公式トップの記載、取得日2026年6月8日)。
弱み・注意点:買い手の最低利用料金が設定されており(税抜35万/70万/150万円の段階)、数百万円規模の小型案件では実質料率が2.2%より高くなります。また会社譲渡(株式譲渡)では有料のプレミアムサポート(200万〜1,500万円の段階、3,000万円以上は成約価格の5%=税込5.5%)の利用が必須とされる点、規約上の違約金(契約報告義務違反5万円、非経由接触200万円)がある点も、利用前に公式で確認したいポイントです(出典:公式料金ページ、取得日2026年6月8日)。
おすすめユーザー:店舗・会社・サイトを低コストで売買したい個人事業主・中小企業オーナー、案件数を重視する買い手。バトンズ単体の評判・口コミを詳しく知りたい方はバトンズの評判・手数料の中立検証はこちらもご覧ください。公式URL:https://batonz.jp/
§2-3 TRANBI(トランビ)
TRANBIは、業種横断のオンラインM&Aプラットフォームで、事業承継・スモールM&A中心に個人から法人まで幅広くカバーします。
強み:売り手は掲載料・成約手数料ともに完全無料です(出典:公式売り手ページ、取得日2026年6月8日)。買い手は月額制で、成約手数料が全プラン無料という独自の構造です。プレミアムメニュー(6ヶ月契約)はベーシック月3,980円(税込4,378円・対応〜500万円)、ビジネス月9,800円(税込10,780円・〜3,000万円)、エンタープライズ月19,800円(税込21,780円・上限なし)の3段階で、学習専用のエントリープラン月980円(税込1,078円)もあります(出典:公式買い手料金、取得日2026年6月8日)。会員数231,453名・常時3,000件以上の案件を公表しています(出典:公式トップ、取得日2026年6月8日)。
弱み・注意点:買い手は月額制のため、短期間で1案件のみを狙う場合は成功報酬型のほうがコスト的に見えやすいことがあります。6ヶ月契約が前提のプランもあるため、契約期間の条件は事前確認が必要です。
おすすめユーザー:月額固定で多数の案件を継続的に検討したい買い手、成約手数料を避けたい買い手。公式URL:https://www.tranbi.com/
§2-4 M&Aサクシード(旧ビズリーチ・サクシード)
M&Aサクシードは、ビジョナル株式会社(東証プライム上場)グループが運営する法人限定のM&Aプラットフォームです。旧称「ビズリーチ・サクシード」から名称変更されています(旧ドメインbr-succeed.jpはma-succeed.jpへ301リダイレクト、出典:公式トップ、取得日2026年6月8日)。
強み:完全成功報酬制で、着手金・中間金・月額費用は不要です。買い手の成約手数料は成約価格の2.0%(最低200万円)と公式に記載されています(出典:M&Aサクシード公式knowledge記事、取得日2026年6月8日)。審査済みの法人企業のみが登録でき、全国の事業承継・引継ぎ支援センターや地域金融機関との連携を標榜しています。公式トップでは譲渡・売却希望4,272件/譲受・買収希望10,740件を表示しています(取得日2026年6月8日)。
弱み・注意点:個人・個人事業主は買い手として利用できません(「法人限定M&Aプラットフォーム」と明記)。登録対象は法人で、利用には所定の登録手続きが必要です。また売り手側は、現行公式の/sellページおよびknowledge記事では成功報酬5.0%(最低1,000万円)が提示されており、過去に語られた「売り手完全無料」モデルから改定された可能性があります(出典:公式売り手ページ、取得日2026年6月8日)。なお手数料の税込/税抜の別は公式に明記がなく、買い手手数料の有料プラン(1.5%等)の段階構成は公式の料金専用ページでは確認できないため「公式で要確認」とします。
おすすめユーザー:一定規模の事業承継・M&Aを検討する法人、大手・優良企業との接点を広げたい法人。公式URL:https://ma-succeed.jp/
§2-5 ラッコM&A
ラッコM&Aは、WEBサイト・ECサイト・YouTubeチャンネル・SNSアカウントなどオンライン資産の売買に特化したプラットフォームです。運営はラッコ株式会社(独立系、ラッコキーワード等を運営)で、特定大手M&A仲介の資本傘下ではありません(出典:公式トップ、取得日2026年6月8日)。
強み:売り手は通常の査定・登録・交渉申込を含め基本利用料金が無料です(非公開で売り出す「クローズド案件」オプションを使う場合のみ、成約金額の5%(税込)が発生)。買い手は成約時に成約金額の5%(税込)で、着手金・掲載料・月額固定費はありません(出典:公式料金(knowledge/166)、取得日2026年6月8日)。SMS認証と本人確認(eKYC)を通せば個人でも利用でき、マイクロM&Aの入口として使いやすい設計です。2025年(1〜12月)の実績として掲載数3,654件・成約数1,578件が公表されています(出典:ラッコ株式会社 2025年実績、取得日2026年6月8日)。
弱み・注意点:買い手手数料には最低利用料金55,000円(税込)が設定されており、5%が55,000円を下回る少額案件では実質料率が5%を超えます(例:購入額10万円→最低手数料55,000円が適用)。店舗・製造業などオフライン事業のM&Aは対象外です。また住所が日本国外の場合は本人確認の対象外で利用できません。
おすすめユーザー:WEBサイト・SNS・ECなどオンライン資産を売買したい個人・小規模事業者。公式URL:https://rakkoma.com/
§2-6 M&Aクラウド
M&Aクラウドは、IT/SaaS・スタートアップ領域に強みを持つM&Aプラットフォームです。運営は株式会社M&Aクラウド(2015年設立、非上場)で、プラットフォーム事業とアドバイザリー事業を展開しています(出典:運営会社情報、取得日2026年6月8日)。
強み:売り手は着手金・中間金・成約手数料・月額利用料いずれも不要の完全無料です(出典:公式トップ、取得日2026年6月8日)。買い手は完全成功報酬制で、初期費用0円・月額無料・面談無料、成約時のみレーマン方式の成功報酬(算出額または最低手数料100万円=消費税別のいずれか高い額)が発生します(出典:利用規約・ヘルプ、取得日2026年6月8日)。買い手が買収ニーズを掲載し売り手から逆オファーを受ける「ダイレクトマッチング」が特徴です。
弱み・注意点:利用は法人前提で、個人(非事業者)の利用想定はありません。買い手成功報酬のレーマン方式の段階別料率は公式が画像掲載のためテキストで一次取得できず「公式の資料請求で要確認」とします。最低手数料100万円は「消費税別(税抜)」と利用規約に明記されています。
おすすめユーザー:IT・Web・SaaS領域で明確な買収戦略を持つ法人、成長型M&A・資金調達連携を検討する事業会社。公式URL:https://macloud.jp/
§2-7 タイプ別おすすめ(セグメント別の使い分け)
ここまでの内容を、ユーザータイプ別の使い分けとして整理します。優劣の順位付けではなく、目的に応じた選択肢の提示です。
| ユーザータイプ | 選択肢になりやすいサービス | 理由 |
|---|---|---|
| 個人買い手(副業・起業) | バトンズ・TRANBI | 個人対応◎・案件数とコスト構造のバランス |
| 個人売り手(オンライン資産Exit) | ラッコM&A・バトンズ | サイト売買特化/低コストで併用しやすい |
| 中小企業オーナー(売り手) | M&Aサクシード・バトンズ+仲介併用 | 事業承継型の供給・審査制の安心感 |
| 事業会社の買い手(IT/SaaS) | M&Aクラウド・M&Aサクシード | 業界深さ・法人向け設計 |
§3 失敗しないための7つの選定軸
「おすすめ」と言われても、自分のケースに合わなければ意味がありません。ここでは候補を絞り込むための7つの選定軸と、よくある失敗パターンを整理します。
§3-1 7つの選定軸
- 手数料体系の型:固定の成功報酬%か、月額制か、レーマン方式か。最低手数料がいくらかで実質コストが変わります。
- 案件規模レンジ:数百万円規模に対応するか、数億円規模が中心か。サービスごとに得意な規模が異なります。
- 業界カバレッジ:業種非限定か、サイト売買やIT/SaaSに特化しているか。
- 担当者対応の有無:完全な自走型か、専門家サポートを受けられるか。
- 個人対応の可否:会員規約と本人確認の要件を確認します。M&Aサクシード・M&Aクラウドは法人前提で、個人は対象外です。
- 進行スピード:相手が早期に見つかれば短期成約も可能か、半年〜1年かかる前提か。
- セキュリティ・ガバナンス:NDA・本人確認(KYC)・エスクローなどの仕組みが整っているか。
§3-2 よくある失敗パターンと回避策
- 手数料の見落とし:最低手数料や有料サポート、株式譲渡時の必須サポートを合算せず予算を組むと、想定外の負担が生じます。自分の想定成約額に対する実質料率を試算しておきましょう。M&A全般の手数料相場はこちら、サイト売買の相場観はこちらも参考になります。
- 個人対応NGの登録ハマり:M&Aサクシード等は法人限定・審査制のため、個人での登録は対象外です。個人での利用を前提とする場合は、対応可否を事前に確認してください。
- 案件規模のミスマッチ:オンライン資産はラッコM&A、業種非限定の中小M&Aはバトンズ・TRANBIなど、得意な規模帯から外れると候補が出てきません。
§4 個人M&Aでのプラットフォーム活用
ここでは、個人M&Aの具体的な進め方を買い手・売り手・税務の観点から整理します。
§4-1 個人買い手の使い方(副業・マイクロM&A)
個人の買い手は、バトンズとTRANBIを並列で登録し、月数件の案件を継続的に閲覧する進め方が現実的です。数百万円規模の案件では、収益の持続性や引き継ぎの実態を自分で確認することが重要になります。サイト・オンライン資産を購入する場合は、PV・収益・SEOなどのデータを確認したうえで、サイト売買の全体像はこちらやサイト売買のデューデリジェンスはこちらの観点でリスクを精査しましょう。
§4-2 個人売り手の使い方(Exit)
個人の売り手は、オンライン資産ならラッコM&Aで査定・登録し、必要に応じてバトンズなど業種非限定のプラットフォームを併用する二段構えが取りやすい進め方です。いずれも売り手は無料で始められるため、まず複数サービスに登録して反応を見る方法もあります。ただし最終的な価格交渉・契約・引き継ぎは当事者の責任範囲になるため、必要に応じて専門家のスポット活用を検討してください。
§4-3 法人化・税務の考慮点
個人事業として売却するか、法人化してから売却するかで、税務上の取り扱い(譲渡所得・事業所得の区分など)が変わる場合があります。スキームの違いは個人・法人のスキーム比較はこちらで整理しています。税務判断(譲渡所得の計算・退職金スキームなど)は税理士、契約の有効性や株式譲渡の方式などの法務判断は弁護士に相談するのが原則です。本記事は一般的な情報提供にとどまります。
§5 プラットフォームを使わない選択肢
プラットフォームが唯一の選択肢ではありません。案件の規模や性質によっては、別の手段のほうが適していることもあります。
- 仲介会社経由:専任担当が書類作成・交渉を伴走するため、複雑な交渉や手厚いサポートが必要な案件に向きます。売り手・買い手の双方から成功報酬が発生するのが一般的です。仲介とFAの違いはM&A仲介とFAの違いはこちらを参照してください。
- FA経由:売り手または買い手の一方に専属し、依頼者側の利益最大化を支援します。一定規模以上の案件で選ばれます。
- 知人紹介・直接交渉:信頼関係の延長で進められ、仲介手数料がかからない場合もありますが、価格・契約条件の妥当性を客観的に検証しにくいため、契約段階での専門家確認が重要です。
なお、サービスの信頼性を確認する公的な手がかりとして、中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」があります。2021年8月に創設された制度で、中小M&Aガイドラインの遵守宣言が登録要件です(出典:M&A支援機関登録制度・令和7年度公募、取得日2026年6月8日)。ただし登録は自己宣言ベースの最低限のスクリーニングであり、品質を保証するものではない点に留意してください。また中小M&Aガイドラインは2024年8月に第3版へ改訂され(出典:経済産業省プレスリリース、取得日2026年6月8日)、2025年8月には「中小M&A市場改革プラン(中間とりまとめ)」が公表されるなど、次期改訂に向けた検討も進行中です。
§6 よくある質問(FAQ)
M&Aプラットフォームの手数料相場はどれくらいですか?
売り手は無料が主流で、買い手は成約価格の2〜5%の%型か、月額制(TRANBIは月3,980〜19,800円・税抜、成約手数料なし)に分かれます。バトンズは買い手2%(税込2.2%・最低税抜35万円〜)、ラッコM&Aは5%(税込・最低税込55,000円)、M&Aサクシードは2.0%(最低200万円)です。最低手数料があるため小規模案件ほど実質料率は高くなります(各社公式、取得日2026年6月8日)。最新は公式でご確認ください。
個人でもM&Aプラットフォームを利用できますか?
バトンズ・TRANBI・ラッコM&Aは個人(個人事業主含む)の利用が可能です。一方、M&Aサクシードは「法人限定M&Aプラットフォーム」を冠し個人は買い手として利用できず、M&Aクラウドも法人前提の設計です。個人で検討する場合は前者3サービスを軸にするのが現実的です(各社公式、取得日2026年6月8日)。
案件登録から成約まで最短どれくらいかかりますか?
案件・相手によって大きく異なります。プラットフォームは相手が早期に見つかれば数ヶ月で成約に至るケースもありますが、仲介を伴う案件ではDDや条件交渉を含め半年〜1年が目安とされます。本記事は一般的な目安を示すもので、具体的な期間は案件ごとに変わります。
着手金ゼロのプラットフォームはありますか?
本記事で扱う各社は、いずれも着手金(または初期費用)がかからない設計です。バトンズ・TRANBI・ラッコM&A・M&Aクラウド・M&Aサクシードとも、料金は成約時の成功報酬や月額制が中心で、着手金・中間金は不要です。ただし有料サポートや株式譲渡時の必須サポートなど、別途費用が発生する場合があります(各社公式、取得日2026年6月8日)。
業種で得意分野はありますか?
バトンズ・TRANBI・M&Aサクシードは業種非限定(横断)です。ラッコM&AはWEBサイト・SNS・ECなどオンライン資産に特化し、店舗・製造業などのオフライン事業は対象外です。M&AクラウドはIT/SaaS・スタートアップ領域に強みがあります。売買対象に合わせて選ぶのが現実的です(各社公式、取得日2026年6月8日)。
複数のプラットフォームに並列で登録できますか?
多くのプラットフォームは登録自体が無料のため、複数社への並列登録は一般的に可能です。ただし、特定サービスを介して知り合った相手と当該サービスを経由せず直接成約すると違約金規定の対象になる場合があります(例:バトンズは非経由接触に200万円)。各社の規約を確認のうえ利用してください(各社公式、取得日2026年6月8日)。
プラットフォーム経由のM&Aに詐欺などのリスクはありますか?
マッチング型のため、案件・取引相手の見極めは当事者の責任範囲です。多くのサービスは本人確認(KYC)・NDA・エスクローなどの仕組みを備えていますが、掲載情報をうのみにせず、財務・事業の実態を自分で確認する姿勢が重要です。中小企業庁のM&A支援機関登録制度の検索DBで支援機関の登録状況を確認するのも一つの手がかりになります。
法人と個人で利用条件はどう違いますか?
M&Aサクシードは審査済みの法人企業のみが登録でき、個人・個人事業主は買い手として利用できません。M&Aクラウドも法人前提です。一方、バトンズ・TRANBI・ラッコM&Aは個人会員制度や個人向けプランを備えており、本人確認を通せば個人でも利用できます。料金体系も法人と個人で異なる場合があります(各社公式、取得日2026年6月8日)。
まとめ|セグメント別の使い分けが現実解
主要5つのM&Aプラットフォームを比較しましたが、最適な選択肢はユーザーのセグメントによって異なります。個人買い手はバトンズ+TRANBIの並列、個人売り手はオンライン資産ならラッコM&A+バトンズ、中小企業の売り手はM&Aサクシードや仲介併用、IT/SaaS領域の事業会社はM&Aクラウド——というように、目的に応じて2〜3社を並列で検討するのが現実的です。
いずれの場合も、最低手数料や有料サポートを含めた実質コストの試算と、個人対応の可否の確認が欠かせません。最新の料金・案件数・規約は必ず各社公式でご確認ください。サイト売買やスモールM&A中心に検討したい方はM&Aマッチングサイト主要5社の比較はこちら、M&A全体の流れは事業売却・M&Aの全体像はこちらもあわせてご覧ください。
M&A-WEBでは、こうしたプラットフォーム利用と並行して仲介サービスも提供しています。どのサービス・進め方が自分に合うか迷う方は、売り手の方はM&A-WEBの無料相談はこちら、買い手の方は買い手相談はこちらからお問い合わせください。案件を一覧で見たい方は案件一覧(/malist/)はこちらもご活用ください。特定サービスの代替を勧めるものではなく、判断材料の整理をお手伝いするためのご案内です。