事業・会社を売却する比較・検証

M&Aマッチングサイト比較|個人・スモール向け主要5社の手数料・本人確認と選び方

この記事の目次
  1. M&Aマッチングサイトとは(仲介会社・FAとの違い)
  2. 主要5社の比較表(料金・対象案件・利用できる人・本人確認)
  3. 各サービスの特徴と注意点
  4. 立場・規模・個人か法人かで選ぶ
  5. 手数料の見方と隠れたコスト
  6. 個人で使うときの進め方
  7. 信頼できる相手の見分け方とトラブルの避け方
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ
  10. 参考文献

M&Aマッチングサイト(M&Aプラットフォーム)とは、売り手と買い手がオンラインで直接相手を探し、交渉まで進めるサービスです。 仲介会社に比べて費用を抑えやすく、個人や小規模事業者のM&Aの入口になっています。一方で、料金の型・対象とする案件・個人が使えるか・本人確認の求め方は、サービスごとに大きく違います。

本記事では、ラッコM&A・バトンズ(BATONZ)・TRANBI(トランビ)・M&Aクラウド・M&Aサクシードの5社を、料金・対象案件・利用できる人・本人確認の4点で1つの表にまとめ、立場と案件の規模に合わせた選び方を整理します。料金と条件は、2026年10月23日に各社の公式ページ(料金ページ・利用規約・よくある質問)で確かめた内容です。公式ページで確かめられなかった項目は書いていません。料金は改定されることがあるため、申し込む前に各社の公式ページでもう一度確かめてください。

運営者の立場について:本記事を掲載しているM&A-WEB(ma-platform.com)も、売却案件と買収ニーズを掲載するM&Aプラットフォームを運営しています。5社は同業にあたるため、各社の公式ページに書かれている内容だけをもとに比較し、M&A-WEBについても比較表の下に同じ項目で載せています。

M&Aマッチングサイトとは(仲介会社・FAとの違い)

M&Aの相手探しには、仲介会社・FA・マッチングサイトの3つの形があり、案件の規模と自分で進められるかどうかで使い分けます。 ここを押さえると、後半の比較表を何の軸で見ればよいかがわかります。サイト売買やスモールM&Aの全体像は「サイト売買とは(全体像)」も参照してください。

3つの形の違い

  • 仲介会社:売り手と買い手の間に立ち、担当者が書類作成や交渉を進めます。本記事の整理では、売り手・買い手の双方から成功報酬を受け取る形です。中小M&Aガイドラインでは、仲介者は両方の当事者から依頼を受けるため、利益相反に注意すべき立場として整理されています(出典:中小企業庁 中小M&Aガイドライン)。
  • FA(フィナンシャル・アドバイザー):売り手か買い手のどちらか一方とだけ契約し、依頼者の利益のために動きます。
  • マッチングサイト:当事者がサイト上で相手を探し、質問・交渉を自分で進めます。費用は抑えやすい反面、案件の見極めや交渉は自分で行う範囲が広くなります。
軸 マッチングサイト 仲介会社・FA
料金の型 売り手は基本無料のものが多く、買い手は成約時の割合か月額 成功報酬(本記事の整理では、譲渡価額に応じた段階料率と最低報酬を組み合わせる形)
進め方 当事者が自分で探して交渉。必要に応じて専門家を個別に使う 担当者が書類作成・交渉を進める
向く案件 数十万円〜数千万円程度の小さな案件、自分で進められる案件 金額の大きい案件、交渉や権利関係が複雑な案件

仲介会社とFAの法的な位置づけの違いは「M&A仲介とFAの違い」、仲介会社の手数料の相場は「M&Aの手数料相場」で整理しています。

マッチングサイトでの進め方(5ステップ)

実際の手順はサービスと案件によって違いますが、おおむね次の流れです。

  1. 会員登録と本人確認:個人か法人かを選んで登録し、サービスが求める本人確認を済ませます(求め方は比較表を参照)。
  2. 案件の検索・掲載:買い手は条件で案件を探し、売り手は事業の概要を匿名で掲載します。
  3. 質問・実名開示・面談:関心のある相手に質問し、秘密保持の約束をしたうえで詳しい資料を開示し合います。
  4. 調査(デューデリジェンス)と条件交渉:売上・利益の根拠や契約・権利の状態を確かめ、価格や引継ぎの条件を決めます。サイト売買での確かめ方は「サイト売買のデューデリジェンス」を参照してください。
  5. 契約・代金の受け渡し・引継ぎ:最終契約を結び、代金の受け渡しと引継ぎを進めます。

契約の有効性や紛争の解決など個別の法律判断は弁護士、譲渡所得などの税務判断は税理士の領域です。マッチングサイトや本記事は一般的な情報の提供にとどまります。

主要5社の比較表(料金・対象案件・利用できる人・本人確認)

5社とも売り手に着手金や月額料金はかかりませんが、成約時の料金の型、個人が使えるか、本人確認の求め方ではっきり分かれます。 表の内容は2026年10月23日に各社の公式ページで確かめたものです。

サービス 主な対象案件 利用できる人 売り手の料金(税込) 買い手の料金(税込) 本人確認・審査
ラッコM&A Webサイト・ブログ・YouTube・Instagram、EC、Webサービス・アプリ 個人・法人(日本国外の住所では利用不可) 無料(公開範囲限定オプションを使う場合だけ成約金額の2%) 成約金額1,000万円未満は5%(最低55,000円・上限330,000円)、1,000万円以上は330,000円+1,000万円を超える部分の2% 売り手は掲載の前にSMS認証と本人確認の申請、買い手は交渉申込みの際にSMS認証が必須
バトンズ(BATONZ) 業種を問わない会社・事業 個人・個人事業主・法人(未成年は原則不可) 基本料金(着手金・月額・中間金・成約手数料)は無料。ただし株式譲渡では有料のプレミアムサポート(220万円〜。税抜200万円〜)が必須 成約価格(税抜)の2.2%(税抜2%)、最低38.5万円・77万円・165万円(成約価格1,000万円未満・1,000万円以上・5,000万円以上。税抜35万円・70万円・150万円) 本人確認書類の提出(個人は運転免許証・在留カード・マイナンバーカードのいずれか)。確認が済むまで、買い手は検索・閲覧まで、売り手は案件登録まで
TRANBI(トランビ) 業種を問わない会社・事業 個人・法人 無料 月額制。ベーシック4,378円(〜500万円)、ビジネス10,780円(〜3,000万円)、エンタープライズ21,780円(上限なし)。いずれも6か月単位。成約手数料は全プラン無料 スマートフォンでのオンライン本人確認(eKYC)の実施をお願いしている(個人は運転免許証かマイナンバーカード)。確認が済むと本人確認済みのマークが付く
M&Aクラウド 会社・事業(買い手は法人) 買い手は法人に限る(利用規約) 着手金・成約手数料などすべて無料 月額無料・完全成功報酬。対価の部分ごとの料率(2,000万円以下の部分11%〜。税抜10%〜)で出した額と最低110万円(税抜100万円)の高いほう 登録は法人であることが条件で、登録の可否を審査
M&Aサクシード 会社・事業 法人限定 完全成功報酬。売り手向けページはレーマン方式(最低1,000万円)、公式コラムは譲渡金額の5.0%(最低1,000万円)※税込・税抜の記載なし 完全成功報酬。公式コラムは基本料金無料・譲渡金額の2.0%(最低200万円)、買い手向けページは成約時システム使用料無料・M&A専門家へのアドバイザリー手数料が別途必要 ※税込・税抜の記載なし 公式のよくある質問に審査の内容の記載なし

出典:ラッコM&A=料金・売却案件の登録方法・SMS認証の方法/バトンズ=料金体系・よくある質問/TRANBI=料金・本人確認について/M&Aクラウド=公式トップ・利用規約(買い手)/M&Aサクシード=公式トップ・よくある質問・売り手向けページ・買い手向けページ・公式コラム(手数料)(いずれも2026年10月23日に確認)。

表の見方の注意です。

  • バトンズの料金は「料金体系Ver.010」(2026年7月1日以降に実名開示依頼をした交渉が対象)によります。
  • TRANBIには、M&Aの交渉ができない学習用のエントリープラン(月額1,078円・税込、1か月単位)もあります。
  • 料金は税込でそろえています。 公式ページが税抜で示しているもの(バトンズ・M&Aクラウド)は、消費税10%を加えた額にしています。
  • M&Aサクシードは、公式のページによって料金の書き方が違います。料率(5.0%・2.0%)は公式コラム(2026年7月10日更新)にだけ書かれており、売り手向けページは「レーマン方式(最低1,000万円)」、買い手向けページは「成約時システム使用料 無料」「M&A専門家へのアドバイザリー手数料が別途必要」としています。どのページにも税込か税抜かの記載がないため、記載どおりの数字を載せています(税抜の額なら、税込はその1.1倍)。実際に適用される料率と最低額は、申し込む前に確かめてください。
  • M&Aクラウドは、売り手側のアドバイザーと契約した場合の料率が一律2%(最低100万円)になると利用規約に定めています。

M&A-WEB(当サイト)も同じ項目で並べておきます。対象は事業・Webサイトなどの売却案件と買収ニーズで、個人・法人とも登録できます。料金は売り手が無料、買い手が成約額の3%(税別、最低3万円・上限100万円)で、着手金・中間報酬・月額費用はかかりません(料金)。ほかの利用者との連絡を始めるときに、所定の本人確認資料の提出を求めています。資料は確認した後に破棄し、提出の事実と日時だけを記録します(利用規約)。提出があったことは、相手が本人であることや掲載内容が正しいことを当サイトが保証するものではないため、取引の相手と条件は自分でも確かめてください。売買代金は当事者の間で決済し、当サイトは代金を預かりません(利用規約)。

各サービスの特徴と注意点

表で全体をつかんだら、各サービスがどんな案件・どんな人に向くかを見ます。 公式ページに書かれている内容をもとに、向くケースと注意点を並べます。

ラッコM&A

Webサイト・ブログ・YouTube・Instagram、ECサイト、Webサービス・アプリといったオンラインの事業の売買に絞ったサービスです。売り手は基本無料で、買い手は成約金額1,000万円未満なら5%(最低55,000円・上限330,000円、税込)を払います。サイトの移行代行(22,000円〜・税込)などのオプションもあります(料金)。

注意点:最低55,000円があるため、成約金額が110万円を下回る案件では実際の料率が5%を超えます(たとえば10万円の案件では55,000円)。売り手は掲載の前にSMS認証と本人確認の申請が必要で、日本国外の住所では利用できません(売却案件の登録方法)。買い手も交渉の申込みの際にSMS認証が必須です(SMS認証の方法)。店舗や製造業などオンラインでない事業は、公式の対象カテゴリに入っていません。

向くケース:個人が持っているWebサイト・SNS・ECを売る、または小さなオンラインの事業を買うケース。

バトンズ(BATONZ)

業種を問わず、会社・事業の売買を扱うサービスです。公式トップでは「1万件以上掲載中」「買い手数30万以上」と表示し、デロイト トーマツ ミック経済研究所の調査(2025年11月発刊、2021〜2025年度・見込値を含む)をもとに、成約件数・ユーザー数・掲載案件数で No.1 と表示しています(「5年連続」を付けているのは掲載案件数の表記)(公式トップ)。

売り手は着手金・月額料金・中間金・成約手数料がすべて無料です。買い手は成約価格の2%(税込2.2%)で、最低額は成約価格1,000万円未満で35万円、1,000万円以上で70万円、5,000万円以上で150万円(いずれも税抜)です(料金体系)。

注意点:会社譲渡(株式譲渡)では、売り手が有料のプレミアムサポート(成約価格1,000万円未満で税抜200万円〜、3億円以上は成約価格の5%)を使うことが必須です。また、バトンズ上の情報で知った相手とバトンズを通さずに接触した場合や、最終契約の報告の義務に違反した場合に200万円、アドバイザリー契約などを結んだときの報告の義務に違反した場合に5万円の違約金を定めています(料金体系)。本人確認は買い手・売り手とも必要で、確認が済むまで買い手は案件の検索・閲覧まで、売り手は案件の登録までしかできません(よくある質問)。

向くケース:業種を問わず小さな会社・店舗・事業を売り買いしたい個人・個人事業主・中小企業。評判や手数料をもっと詳しく知りたい場合は「バトンズの評判・手数料」も参照してください。

TRANBI(トランビ)

業種を問わず会社・事業の売買を扱い、買い手の料金が月額制で成約手数料がかからないのが特徴です。公式トップでは会員数20万名以上、常時M&A案件3,500件以上と表示しています(公式トップ)。

買い手のプランは、ベーシック(月額4,378円、案件の規模〜500万円)、ビジネス(10,780円、〜3,000万円)、エンタープライズ(21,780円、上限なし)で、いずれも税込・6か月単位の契約です。売り手の掲載は無料です(料金)。

注意点:有料プランは6か月単位で自動更新され、プランの変更・解約は更新月にしかできません。交渉のアドバイス(1案件30万円・税抜)などの有料サービスは別料金です。本人確認はスマートフォンでのオンライン本人確認(eKYC)の実施をお願いする形で、済むと本人確認済みのマークが表示されます。撮影から完了まで1〜3営業日です(本人確認について)。

向くケース:複数の案件を続けて見たい買い手、成約額に応じた手数料を払いたくない買い手。1件だけを短期間で狙う場合は、成約時に払う型のほうが総額が小さくなることもあります。

M&Aクラウド

買い手企業が買収ニーズを掲載し、売り手がそこへ直接連絡できる形が特徴のサービスです。公式トップでは、売り手企業8,900社以上、買い手3,100社以上と表示しています(公式トップ)。

売り手は着手金・成約手数料などがすべて無料です。買い手は月額無料・完全成功報酬で、利用規約(2026年4月2日改定)では、対価の部分ごとの料率(2,000万円以下の部分10%、2,000万円超〜5億円以下の部分5%など)で出した額と、最低100万円の高いほうを成功報酬としています(いずれも消費税別。税込では最低110万円。利用規約(買い手))。

注意点:利用規約では、買い手として登録できるのは法人に限られ、登録の可否はM&Aクラウドが審査します。最低100万円があるため、対価が1,000万円を下回る案件では実際の料率が10%を超えます。

向くケース:買収の方針がはっきりしている事業会社。個人の買い手は対象外です。

M&Aサクシード

ビジョナル(東証上場)のグループ会社が運営する、法人限定のM&Aプラットフォームです。公式トップでは、譲渡・売却希望4,199件、譲受・買収希望10,882件と表示しています(公式トップ)。

料金は売り手・買い手とも完全成功報酬で、着手金・中間金・月額報酬はかかりません(よくある質問)。料率と最低額は、公式のページによって書き方が違います。

公式のページ 売り手 買い手
売り手向けページ(M&A査定) 着手金・中間金は0円。成功報酬は成約したときのみで、レーマン方式(最低1,000万円) (記載なし)
買い手向けページ (記載なし) 成約時システム使用料 無料。M&A専門家へのアドバイザリー手数料が別途必要
公式コラム(2026年7月10日更新) 譲渡金額の5.0%(最低報酬額1,000万円) 基本料金無料。譲渡金額の2.0%(最低報酬額200万円)

どのページにも税込か税抜かは書かれていません。売り手向けページはレーマン方式の料率を示しておらず、買い手向けページはアドバイザリー手数料の額を示していないため、どちらが適用されるかは公式ページだけでは決められません。申し込む前に、適用される料率・最低額・税込か税抜かを書面で確かめてください。

注意点:法人限定のため、個人は使えません。売り手にも最低1,000万円の成功報酬がかかるため、譲渡金額の小さい案件では費用の割合が大きくなります。

向くケース:一定の規模がある会社の売却・買収を考える法人。

立場・規模・個人か法人かで選ぶ

自分の立場(売り手か買い手か)・案件の規模・個人か法人かの3つで絞ると、候補は2〜3社になります。 一つに決まる正解はないので、ケースごとの候補として見てください。

選び方の早見表

ケース 候補になりやすいサービス 理由
個人がWebサイト・SNS・ECを売る ラッコM&A・バトンズ オンラインの事業が対象/売り手は基本無料で併用しやすい(バトンズでも株式譲渡なら有料サポートが必須)
個人がWebサイト・SNS・ECを買う ラッコM&A・TRANBI・バトンズ 個人で登録できる/料金の型(成約時か月額か)で選べる
個人・個人事業主が小さな会社や店舗を買う バトンズ・TRANBI 業種を問わない/個人で登録できる
中小企業のオーナーが会社を売る バトンズ・M&Aサクシード・M&Aクラウド 業種を問わない会社の案件を扱う/法人の買い手が多い
事業会社が買収先を探す M&Aクラウド・M&Aサクシード・バトンズ 法人の買い手向けの設計

比べるときの5つの確認点

  1. 料金の型と最低額:成約時の割合か月額か。最低額がいくらかで、自分の案件の実際の料率が変わります。
  2. 対象案件:オンラインの事業に絞っているか、業種を問わないか。対象外の案件は掲載しても相手が見つかりにくくなります。
  3. 利用できる人:個人で登録できるか。M&Aクラウド(買い手)とM&Aサクシードは法人に限られます。
  4. 本人確認と審査:何をいつ出す必要があるか。確認が済むまで交渉に進めないサービスがあります。
  5. 規約上の義務:サービスを通さない取引の違約金、成約の報告の義務、株式譲渡で必須になる有料サポートなど。

よくある失敗

  • 最低額や必須の有料サポートを見落とす:手数料率だけで予算を組むと、最低額や株式譲渡時の必須サポートで想定外の負担になります。
  • 法人限定のサービスに個人で登録しようとする:個人で使う前提なら、利用できる人を先に確かめてください。
  • 対象外の案件を掲載する:オンラインの事業ならラッコM&A、業種を問わない会社・店舗ならバトンズ・TRANBIなど、対象に合うサービスを選びます。

手数料の見方と隠れたコスト

手数料率だけを見て選ぶと、最低額・別料金のサポート・専門家への報酬で、想定より費用がかかることがあります。 サイト売買の手数料を細かく比べたい場合は「サイト売買の手数料比較」も参照してください。

最低額の影響:買い手の料金を、成約額500万円の案件で比べると次のとおりです(2026年10月23日に確かめた料金で計算。料金はすべて税込、割合は税込の料金÷成約額)。

サービス 成約額500万円のときの買い手の料金(税込) 成約額に対する割合(税込)
ラッコM&A 250,000円(500万円×5%) 5%
バトンズ 385,000円(500万円×2%=10万円が最低額の税抜35万円を下回るため最低額。税抜35万円×1.1) 7.7%
M&Aサクシード 200万円(公式コラムの料率で計算。500万円×2.0%=10万円が最低額を下回るため最低額。税込・税抜の記載なし。税抜なら税込220万円。買い手向けページの案内では、アドバイザリー手数料の額は書かれていない) 40%(税抜の額なら44%)
M&Aクラウド 1,100,000円(500万円×10%=50万円が最低額の税抜100万円を下回るため最低額。税抜100万円×1.1) 22%
TRANBI 26,268円(ベーシック4,378円×6か月、成約手数料なし) 約0.5%

小さな案件ほど、最低額のあるサービスでは実際の料率が高くなります。TRANBIは月額なので、成約までの期間が延びるほど総額が増えます。ビジネスプランを1年続けると129,360円(税込)です。

別料金のサポート:バトンズの株式譲渡で必須のプレミアムサポート、TRANBIの交渉アドバイス、ラッコM&Aのサイト移行代行などは、成約手数料とは別にかかります。

専門家への報酬:契約書の作成や確認を弁護士に、税務を税理士に、調査を会計士などに頼む場合、その報酬はプラットフォームの料金とは別です。

個人で使うときの進め方

個人の場合は、売り手か買い手かで使い方が変わります。 どちらも、最終的な価格交渉・契約・引継ぎは当事者が責任を持つ範囲になる点は共通です。

個人の買い手(副業・小さな事業の買収)

業種を問わない案件ならバトンズとTRANBIに登録し、オンラインの事業ならラッコM&Aも加えて、続けて案件を見ていく進め方が取りやすいです。数百万円規模の案件では、収益が続くかどうかや引継ぎの実態を自分で確かめることが大切になります。サイト・オンラインの事業を買う場合は、「サイト売買のデューデリジェンス」の観点で確かめてください。

個人の売り手

オンラインの事業ならラッコM&Aに掲載し、必要に応じてバトンズなど業種を問わないサービスにも掲載する方法があります。売り手の基本料金がかからないサービスが多いので、複数に掲載して反応を見ることもできます。ただし、あるサービスで知り合った相手とそのサービスを通さずに契約すると違約金の対象になることがあるため、各社の規約を確かめてください。売却価格の目安は「サイト売買の査定・評価額の調べ方」「サイトM&Aの相場」で整理しています。

個人で売るか、法人にしてから売るか

個人事業のまま売るか、法人にしてから売るかで、税金の扱い(譲渡所得か事業所得かなど)が変わることがあります。違いは「個人・法人のスキーム比較」で整理しています。個別の税務判断は税理士に確かめてください。

信頼できる相手の見分け方とトラブルの避け方

マッチングサイトでの取引は、案件や相手を見極めるのが当事者の責任になります。 代表的なトラブルは、売上や利益の水増し、引継ぎを拒まれる、代金を払ったのに引き渡されない、といったものです。詳しくは「サイト売買のトラブルと注意点」で扱っています。

避けるための基本は次の3つです。

  • 根拠資料を確かめる:掲載情報をそのまま信じず、売上・利益・アクセスの根拠を資料で確かめる。
  • 代金と引継ぎを段階に分ける:代金の受け渡しの方法はサービスによって違うので、規約で確かめる。ラッコM&Aは料金ページでエスクローの入出金に触れ、バトンズは料金体系ページで、バトンズが譲渡対価を一時的に預かる無料の「バトンズ安心決済」を案内しています。
  • 契約前に専門家に確かめる:金額が大きい、権利関係が複雑といった場合は、弁護士・税理士などに契約内容を確かめてもらう。

仲介会社やFAを併用する場合は、中小企業庁のM&A支援機関登録制度も手がかりになります。令和3年(2021年)8月に創設された制度で、FA業務・仲介業務を行う者が、中小M&Aガイドラインを守ることを宣誓して登録します。登録制度のデータベースでは、登録した支援機関の手数料の算定基準(最低手数料の水準など)を調べられ、登録した支援機関の不適切な対応についての情報提供受付窓口も設けられています(出典:M&A支援機関登録制度・中小企業庁 令和8年度公募)。ただし、登録は信頼性を確かめる手がかりの一つで、登録していれば安全という意味ではありません。

よくある質問(FAQ)

比較を進めるときによく聞かれる質問をまとめます。

M&Aマッチングサイトとは何ですか

売り手と買い手がオンラインで直接相手を探し、交渉まで進めるサービスです。M&Aプラットフォーム、M&Aポータルサイトとも呼ばれます。仲介会社のように担当者が両者の間に立つのではなく、当事者が自分で案件を探し、質問や交渉を進めるのが基本です。本記事で比較した5社では、売り手に着手金や月額料金はかかりません。ただし、M&Aサクシードは売り手にも成約時の成功報酬がかかり、ほかの社にも有料のオプションや必須のサポートがある場合があります。

M&Aマッチングサイトの手数料はいくらですか

買い手の料金は、成約額に対する割合で払う型と、月額で払う型に分かれます。2026年10月23日に公式ページで確かめた料金を税込でそろえると、バトンズは成約価格の2.2%(最低38.5万円〜)、ラッコM&Aは成約金額1,000万円未満で5%(最低55,000円・上限330,000円)、M&Aクラウドは対価の部分ごとの料率で出した額と最低110万円の高いほう、TRANBIは月額4,378円〜21,780円で成約手数料はかかりません。M&Aサクシードは公式コラムでは譲渡金額の2.0%(最低200万円)ですが、買い手向けページでは成約時システム使用料は無料、M&A専門家へのアドバイザリー手数料が別途必要とされ、どちらも税込か税抜かの記載はありません。申し込む前に確かめてください。最低額があるため、小さな案件ほど実際の料率は高くなります。

個人でもM&Aマッチングサイトを使えますか

ラッコM&A・バトンズ・TRANBIは個人でも登録できます。M&Aサクシードは法人限定と公式に書かれており、M&Aクラウドは利用規約で買い手の登録を法人に限っています。個人で売り買いを考えるなら、前の3社が候補になります。

本人確認はどのサービスでも必要ですか

求め方はサービスごとに違います。ラッコM&Aは売り手の掲載の前にSMS認証と本人確認の申請、買い手の交渉申込みの際にSMS認証を必須にしています。バトンズは買い手が質問・実名開示依頼をする前と売り手がマッチングを始める前に本人確認書類の提出を求めています。TRANBIはスマートフォンでのオンライン本人確認(eKYC)の実施をお願いしており、済むと本人確認済みのマークが表示されます。M&Aクラウドは法人であることを登録の条件とし、登録の可否を審査します。M&Aサクシードの審査の内容は公式のよくある質問には書かれていませんでした。

M&Aマッチングサイトと仲介会社の違いは何ですか

マッチングサイトは当事者が自分で相手を探して交渉し、料金は売り手が無料・買い手が成約時の割合か月額というものが多い仕組みです。仲介会社は担当者が売り手と買い手の間に立って書類作成や交渉を進め、本記事の整理では双方から成功報酬を受け取る形です。自分で進められる小さな案件はマッチングサイト、交渉が複雑な案件や金額の大きな案件は仲介会社やFAを使う、という分け方が本記事の整理です。

スモールM&Aにおすすめのマッチングサイトはどこですか

一つに決まる正解はありません。Webサイト・EC・SNSなどオンラインの事業ならラッコM&A、業種を問わない小さな会社や店舗ならバトンズとTRANBIが候補になります。複数の案件を続けて見たい買い手は月額制のTRANBI、1件ごとに費用を払いたい買い手は成約時に払うバトンズやラッコM&A、と料金の型で選ぶ方法もあります。

複数のマッチングサイトに同時に登録できますか

売り手の基本料金がかからないサービスが多く、複数のサービスに登録して反応を見る方法は取れます。ただし、あるサービスで知り合った相手とそのサービスを通さずに契約すると、規約上の違約金の対象になることがあります。たとえばバトンズは、バトンズを使わずに接触した場合などの違約金を200万円と定めています。登録する前に、各社の規約で確かめてください。

M&Aマッチングサイトでトラブルを避けるには

掲載情報をそのまま信じず、売上や利益の根拠資料を確かめること、代金の受け渡しと引継ぎを段階に分けること、契約前に必要に応じて弁護士・税理士などの専門家に確認してもらうことが基本です。代金の受け渡しの方法はサービスによって違うので、利用前に規約を確かめてください。仲介会社やFAを使う場合は、中小企業庁のM&A支援機関登録制度のデータベースで登録状況を確かめる方法もあります。

まとめ

M&Aマッチングサイトは、個人や小規模事業者でもM&Aに取り組める入口です。選ぶときの要点は3つです。

第一に、料金は買い手側の型で分かれます。成約時に割合で払う型(バトンズ・ラッコM&A・M&Aクラウド。M&Aサクシードは公式コラムの記載)と月額の型(TRANBI)があり、最低額によって小さな案件の実際の料率が大きく変わります。第二に、個人が使えるかどうかです。個人ならラッコM&A・バトンズ・TRANBIが候補で、M&Aクラウド(買い手)とM&Aサクシードは法人に限られます。第三に、本人確認と規約です。確認が済むまで交渉に進めないサービスや、サービスを通さない取引に違約金を定めるサービスがあります。

自分の立場・案件の規模・個人か法人かで候補を2〜3社に絞り、各社の公式ページで最新の料金と規約を確かめてから登録してください。サイト売買の全体像は「サイト売買とは」、サイトM&Aの基礎は「サイトM&Aとは」、事業売却全体の流れは「事業売却・M&Aの全体像」を参照してください。

参考文献

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