個人M&Aとは

個人M&Aとは

近年少額でのM&Aが増加傾向にあるといいます。 その買い手は、中小企業や個人も含まれてきています。 今回の記事ではそういった少額でのM&Aの中でも、特に個人M&Aとは何かについて記載いたします。

この記事は約7分で読み終わります。

個人M&Aの概要

個人でも可能なM&Aとは

個人M&Aという言葉が増えてきました。

個人M&Aとは、M&Aの売り手または買い手が企業ではなく、個人である場合に使われます。

売り手または買い手が個人のため、数万円~数百万円での売買となることが多いですが、個人事業でも成長市場の独自サービスなどは企業が数千万円や数億円で購入することもあります。

M&Aといういと大企業同士の数億円~数兆円からの単位の取引というイメージがあるかと思いますが、個人を含む小規模M&A(スモールM&AやマイクロM&A)が増えてきています。

個人が会社をM&Aする

売り手が個人ではなく、買い手が個人というM&Aのケースも増えてきています。 中小規模の会社を個人がM&Aで買収し、オーナーとなりFIREを目指すケースや、そのまま社長となり、事業化として事業をスケールアップさせるなど、個人が買い手のM&Aも相当数が年間で発生してきています。

個人M&Aが増えている理由や背景

個人M&Aの増加には理由や時代背景があるといわれています。

個人M&Aで売り手が個人の場合

売り手が個人のM&Aの場合、その業種には特徴があります。

売り手が個人である場合、その業種はWEBサービス、WEBメディア、飲食関連、エステサロン、スポーツジム、塾や予備校、介護事業、WEB制作関連事業などが多くなります。

個人事業主としてしっかり売上・利益を伸ばしやすい業種・業界の案件が多く、売却理由も赤字のためではなく、黒字経営なものの個人としての運営継続の疲労感や時間拘束からの解放が多く見受けられ、実は買い手としては買いやすい案件が多く見つかるM&Aとなります。

また副業や脱サラして独立して起業する方も増え、個人事業主自体の数がふえているということも、それらの案件数増加に大きく寄与しています。

個人M&Aで買い手が個人の場合

この場合も、副業や独立して起業する個人の増加が1つの理由となります。副業を始めたり独立して起業する際に、ゼロからスタートするのではなく、M&Aで会社や事業を買収し、それを基盤に伸ばしていこうという人が増えています。ゼロからスタートするより、時間やコスト、労力をカットでき、トータルリスクも軽減できるという感想を持っている人も多く、非常に盛り上がっている市場となります。

また、後継者不在の会社や事業の売却が増えてきていることも大きな要因となります。

個人が買い手となる場合、赤字の会社や事業を買収することは非常にリスクが高く、そういったケースは非常に少ないです。今までは、M&Aで売却される案件の多くが、赤字や伸び悩みといったマイナス要素が高い案件を、大企業がシナジーが出せるため買収するケースが多かったですが、黒字で伸びている会社や事業が、後継者がいないため、売却されるというケースが増え、個人でも買収しやすい良質なM&A案件が増加したということが非常に大きな理由となります。

個人M&Aのメリット・デメリット

個人M&Aは増えてきておりケーススタディもたくさん出てきていますが、改めてメリット・デメリットをおさえておきましょう。

個人M&Aのメリット

個人M&Aは売り手が個人の場合も、買い手が個人の場合もメリットがあります。

個人M&Aのメリット-売り手が個人の場合-

売り手が個人の場合の個人M&Aの最大のメリットは売却可能性の高さにあります。

多くの個人や個人事業主の方は、自分が手掛けてきた事業をひっそりクローズしたり、友人などに無償で譲渡することが多いですが、金額に大小はあれど、個人事業もしっかり買い手がつくケースが多いため、少なからず手元に売却金額が残る確率が高くなります。

しかも買収した側もお金をかけて買収しているため、事業を無下に扱わず、しっかりスケールしたいと考えている買収側がおおいため、せっかく手掛けてきた事業が形は多少なりとも変わる可能性はありますがしっかり引き継がれ運用され、しかも売却金額が入ってくるという状態となります。

個人事業でも一人ではなく従業員を雇用している場合などは、条件交渉によっては買い手側にそのまま雇用を継続してもらえる可能性もあるため、事業をたたむよりリスクが少なく手放すことができます。

個人M&Aのメリット-買い手が個人の場合-

買い手が個人の場合の個人M&Aのメリットは、スピードアップとノウハウの教授が大きい要素となります。

個人でゼロから事業をスタートしようとすると、想像以上に複雑で付加の高い事業が起きることが多くなります。どんなに事業アイデアが良くとも個人で処理できるタスクには限界があるため、すでに下地ができていて、自身が実行したい事業に近しい事業を買収し、それを土台にすることでスタートダッシュを切ることができるケースも少なくありません。

また売却者からしっかり引き継ぎを受けることで、その業界の動向や、思いつかなかったノウハウを得ることができることもあるため、優位性をもって事業を進めることができるケースも多々見られます。

また、従業員もそのまま引き継げるケースなどは、ランニングコストはかかるものの、引き継いだ人材が担当している業務はそのままお任せできるなど、個人一人では手の届かないことができたり、人材確保という課題が軽減されたりするため、大きなメリットとなります。

個人M&Aのデメリット

個人のM&Aにはメリットもありますが、一方でデメリットもあります。

しっかり確認し自身のM&Aの手法をしっかり見直しましょう。

個人M&Aのデメリット-売り手が個人の場合-

売り手が個人の場合の個人M&Aの一番のデメリットは売却できなかったということではないでしょうか。立ち上げたばかりで収益も発生していない、お客様や利用ツールなどからクレームやペナルティを受けているなど、そもそも売却困難である状態でない事業の場合、売却できる可能性は実は結構あります。

それではなぜ、売却できないケースが発生するのでしょうか。それは売却金額の見誤りです。

自身が汗水流して苦労して事業を大きくしてきた、工夫を凝らして差別化を実施してきた、初期投資にかなりお金をかけたなど、売却対象の事業の価値というものに対してどうしても上に見積もりがちになるということが発生しやすいというのが大きな理由の1つとなります。

売却を検討し、売却に向けて動き出すと、どうしても事業に身が入らず、売り上げが横ばいや停滞するケースが多くあります。

その際に、すぐに売却できれば問題ないのですが、売却できず、ずるずると伸びてしまった場合、つまりは、売り上げが横ばいや停滞、もしくは減少した期間が長ければ長いほど、買い手からの印象は悪くなる一方で、より売却が困難になってきます。

自身がしっかり運営しているときをピークにしっかり事業価値が高い状態で売却するためには、事業価値を適正に見極め、適正価格で売却に出す必要があります。

自身で事業価値を見積もることが難しい場合には、M&Aプラットフォームの査定や無料相談を実施するか、仲介エージェントなどに相談するというのも1つの手となります。

個人M&Aのデメリット-買い手が個人の場合-

買い手が個人の場合の個人M&Aのデメリットは、思っていたのと違うという点となります。どんなM&Aでも100%想定通りという買収ができることはありませんが、事前にしっかり対象事業をヒアリングすることで、その差異は減らすことできます。

また、M&Aを実施する理由や目的に立ち返り、絶対にずれてはいけないポイントを見える化し、そこを重点的にヒアリングしたりチェックすることで、買収後のズレによる影響範囲を小さくすることができます。

個人M&Aまとめ

個人M&AにはデメリットもあるためM&Aを実施する理由や目的を明確にし、少しでもリスクを軽減することが重要です。しっかりとリスクを軽減したうえで実施することでメリットを享受できる確率も高まってきます。

個人M&Aを含む少額のM&Aの件数が増えてきていることからも、それらのメリットを得たいと思い、実行している人が増えているということがわかります。

もし個人M&Aを相談したい等の悩みが発生した場合には、仲介エージェントやプラットフォームの相談を利用し、悩みをしっかり解決するというこをおすすめいたします。

不安があるまま進めるのはデメリットのリスクが高まり、メリットを享受できる確率をさげてしまいます。

不安がある場合は「M&A-WEB」にご相談ください。無料で相談できるM&Aプラットフォームとなりますので安心・安全なのに効率よく検討を進めることができます。