サイトM&Aとは?基礎知識やメリット・デメリットを解説

近年はWebサイトの専門的なスキルが無くても簡単に作ることができます。個人や法人でもWebサイトを活用していることがほとんどです。その一方で、Webサイトの運営が難しくなったり、事業売却のひとつとしてウェブサイトを売却したりする個人や法人も増えてきました。 また、売り手だけではなく、買い手にもメリットがあるため、サイトM&A市場は加速しています。 そういった背景もあり、Webサイトの売買の仲介サービスを提供している企業も多く存在しています。そこで今回は、サイトM&Aの概要やメリット・デメリットを、具体的な成功事例を紹介していきます。 Webサイトを活用した事業拡大や事業譲渡を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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サイトM&A(サイト売買)とは?

サイトM&Aとは、その名のとおりWebサイトに特化したM&Aのことです。対象となるWebサイトは、企業のものに留まらず、個人が運営しているものが取引されることもあります。

M&AはMergers and Acquisitions(合併&買収)の略であり、会社の買収などが代表的ですが、Webサイトも立派なM&Aの対象です。特定のジャンルやニュースを発信するメディア、アフィリエイトサイト、キュレーションサイトなど、取引されるWebサイトはさまざまな種類があげられます。

現在は、商品やブランドのプロモーションのようなものが、SNSやWebサイトなどインターネット上のコンテンツとして発信されています。サイトM&Aはまだ歴史が浅いものですが、このように経営戦略として徐々に認知され、広く行われています。

サイトM&Aのメリット

サイトM&Aを行うメリットは、買い手側だけではなく、売り手側にもあります。ここでは、サイトM&Aを行うことで期待できるメリットを、買い手と売り手それぞれの立場で紹介します。

買い手側のメリット

発信力のあるWebサイトを作り上げることは、プロモーションやブランディングを効果的に行うために欠かせません。しかしゼロからWebサイトを立ち上げても、顧客やファンを獲得するまでに多大な労力や時間を要してしまいます。

ゼロから作り上げていくよりも、サイトM&Aで安定した知名度や収益性のあるWebサイトを買収したほうが、手間や時間をかけずにインターネット上の事業規模拡大を狙えます。

基盤があるため収益に結びつくまでの時間を短縮でき、顧客がつくかどうか分からないWebサイトを最初から作り上げていくよりも、事業が失敗するリスクを下げられるでしょう。

売り手側のメリット

Webマーケティングが盛んな現代において、一定の顧客を獲得しているWebサイトやコンテンツは、高い資産価値があります。サイトM&Aによって売却することで、まとまった資金を手に入れることができる点は、売り手側にとって大きなメリットといえるでしょう。

サイトM&Aで資金に変えれば、調達した現金をもとに新規事業を始めたり、中核事業に注力したりと、築き上げた資産価値を有効活用できます。複数のサイトを運営している場合、不要なサイトを売却することで、資金を得ると同時に事業整理が行えるメリットもあります。

サイトM&Aのデメリット

買い手側にも売り手側にもメリットのあるサイトM&Aですが、いくつかのデメリットもあげられます。サイトM&Aで失敗しないためには、メリットだけではなくデメリットも理解したうえで、取引を進めることが重要でしょう。

ここでは、サイトM&Aに対する、買い手側と売り手側それぞれのデメリットを紹介します。

買い手側のデメリット

サイトM&Aで、買い手側がデメリットに感じやすいのが、買収したWebサイトに変更を加えにくいことです。すでに一定の収益やファンを獲得しているWebサイトの場合、大幅な変更を加えてしまうと既存ユーザーが離れ、収益の低下を招くおそれがあります。

ただし、検索エンジンのアルゴリズムは日々進化していることから、Webサイトに手を加えなくても収益は変動する可能性があるものです。手を加えなかった結果、収益が落ちる場合もあるため、ユーザーニーズと検索エンジン両方を意識した運営が求められます。

サイトM&Aの経験が少ない企業の場合、上記のような買収後のリスクだけではなく、買収時のトラブルリスクも考慮しなくてはなりません。サイトM&Aに関する十分な知識がなければ、詐欺などのトラブルに巻き込まれるリスクが高くなります。

売り手側のデメリット

まずあげられるのが、収益のあるWebサイトを売却することによって、これまでのように収益を得られなくなることです。

収益のないWebサイトのみを売却して整理しよう、と考えても、必ずしも買い手が現れるとは限りません。売れるWebサイトとしての基準を満たしていなければ、取引の対象外となることがあるためです。

売れると判断される要素は、たとえば「月30万円以上の収益」「特定のユーザーによるアクセス集中」などがあげられます。相応の時間や手間をかけ、安定した収益やアクセスが見込めるほどコンテンツを作り込んだWebサイトでなければ、売却は難しいでしょう。

サイトM&Aは、前述のとおり企業間に限らず、個人を相手にするケースもあります。気軽に売買できる分、当事者間のみで取引が進められることが多く、売買代金の未払いなどトラブルが起こりやすくなるでしょう。

取引時のトラブルリスクを軽減するためには、当事者間のみで取引を完結させないことが大切です。

「M&A-WEB」は、リスク軽減したい方に最適なサイト売買・事業M&A専門のプラットフォームです。個人間や個人対企業、企業間など取引相手の属性にこだわらず、丁寧なサポートと効率的なマッチングサービスにより、理想の相手先とのサイトM&Aを実現できます。

Webサイトの選定から取引終了まで経験豊富なプロがサポートするため、専門知識がない方も安全なサイトM&Aが可能です。まずはぜひ、「M&A-WEB」へお問い合わせください。

サイトM&Aの相場

サイトM&Aは企業や事業を買収する通常のM&Aケースに比べると、コストがかかりにくくなっています。一般的なサイトM&Aの相場は、以下の計算で算出できます。

サイトM&Aの相場=月間営業利益×18〜24ヶ月分程度

ただし、あくまで大まかな目安です。実際は上記の計算結果だけではなく、Webサイトの収益性やブランド力、トレンドなど、コンテンツ全体の価値を考慮したうえで金額が決まります。

また、諸経費も必要です。仲介サービスを利用する場合は、Webサイト買収にかかる費用に加えて手数料が生じます。手数料はサービス会社ごとに異なり、成約金額の3%~10%程度が目安です。最低手数料として、10万円以上かかるのが一般的です。

サイトM&Aの流れ

サイトM&Aは個人も自由に実施できるため、個人間での売買と仲介サービスを利用した取引どちらも行うことが可能です。仲介サービスはM&A仲介会社や、マッチングサイトなどです。

手数料などのコストカットを重視する方は、個人間での売買を検討することが多いですが、交渉から手続きまで、すべての行程を自社で行う必要があります。

また、個人間での売買は売り手が価格を設定するため、実際の価値よりも高い金額を提示されるリスクもあるでしょう。

売り手が適正価格を設定しているかどうかの判断は、経験や知識がなければ難しくなります。余分なコストをかけたくない方こそ、リスクが少なく適正価格で売買できる仲介サービスの利用がおすすめです。

ここでは、仲介サービスを利用したサイトM&Aの基本的な流れを、売り手側と買い手側それぞれの視点で紹介します。

売り手の流れ

Webサイトを売却したい場合は、以下の手順で取引を進めます。

1.仲介サービスに登録、審査を受ける
2.査定後に仲介サービスに情報が掲載される
3.買い取り希望者が現れたら、条件や金額を交渉する
4.契約を結び、M&Aを進める
5.譲渡金を受け取る

売却したいWebサイトの情報を仲介サービスに登録した後、プロによる審査が行われます。審査内容は登録した仲介サービスごとに異なっており、たとえば運営年数や月間PV数、収益モデルなどです。

Webサイトに売却できるほどの資産的価値があると判断されれば、仲介サービスに情報が掲載されます。買い取り希望者が現れたら、条件や希望する金額を提示して交渉します。

納得できる条件や金額まで交渉が進めば、契約を結んで譲渡金を受け取り、サイトM&Aの完了です。アダルトコンテンツを含む場合など、Webサイトのジャンルや内容によっては、高い収益性があっても審査に落ちることがあります。

買い手の流れ

Webサイトを買収したい場合の主な流れは、以下のとおりです。

1.仲介サービスに登録する
2.案件を検討する
3.売り手と条件や金額を交渉する
4.契約を締結後、譲渡金を支払いM&Aを進める

まず仲介サービスに登録して、希望に合うWebサイトの売却情報を探しましょう。案件一覧には、月間PV数や収益性などWebサイトの価値を図るための具体的な情報が掲載されています。

掲載されている情報をもとに絞り込んだり、実際のサイトを閲覧したりと、買収したいWebサイトを探し、目当てのものが見つかったときは面談を申し込みます。

面談はあくまで売買するWebサイトのより詳細な情報を得て、サイトM&Aに関する疑問や不安を解消するためのものです。面談によってイメージとのズレがあると感じた場合は、無理に売買交渉へ進む必要はありません。

面談の末、Webサイトの買収を決めた場合は、条件や金額などの交渉を行い、譲渡金の支払いやドメイン移管など残りの作業を進めます。

サイトM&Aの注意点

サイトM&Aを行うときは、売買を終えた後の運営方針や体制作りも視野に入れることが重要です。買収後に滞りなく運営するためには、いくつか注意すべき点があります。

また、売り手側も注意点を理解したうえで交渉を終えなければ、売却後に思わぬトラブルに巻き込まれるおそれがあります。

ここでは、サイトM&Aでとくに注意したい3つのポイントを紹介します。

ノウハウの引き継ぎを行う

Webサイトの価値を決める要素には、獲得できている顧客やブランド力も含まれます。売買時の価値を落とさないためには、取引前の運営スタンスから変え過ぎないよう、ノウハウの引き継ぎが欠かせません。

売り手側はノウハウをできる限り伝えることが求められます。マニュアル化できる部分はマニュアルを作成して買い手へ提供しましょう。

買い手側も、運営に必要な情報やノウハウを提供してもらえるか、売り手側へ積極的に交渉する必要があります。マニュアルで対応しきれない部分は、状況に応じて実践的な引き継ぎのサポートを要する場合もあるため、事前に取り決めをしておくことが重要です。

著作権などの権利の所在を確認する

サイトM&Aで見落としやすいポイントのひとつが、使用している画像や文章、動画などの著作権です。

たとえば、外部のライターやフォトグラファーに依頼した文章や写真は、契約時に著作権を帰属させていることがあります。ただし、帰属先が必ずしもWebサイト管理者とは限りません。特定の企業や団体、個人など外部に権利がある場合は、個別に著作権の移転手続きが必要です。

膨大なコンテンツ量を誇るWebサイトでは、著作権の移転手続きがスムーズに行えず、主力となるコンテンツの削除や、サイトM&A自体を断念する事態につながりかねません。トラブルを避けるためには、事前に著作権の帰属先について確認しておきましょう。

ドメインの移管手続きをする

著作権の帰属先とあわせて、ドメインの移管手続きも必要です。ドメインは、Webサイトの運営者やサーバーではなく、ドメイン管理会社が提供・管理しています。そのためWebサイトの譲渡を受け、パスワードなどログイン情報を得ただけでは、ドメインの移管は終わっていません。

ドメインの移管手続きは、ドメイン管理会社へ直接申し込みましょう。手続き方法は、以下のとおり2タイプあります。

・ドメイン管理会社のアカウントがある場合:名義変更のみ行う
・ドメイン管理会社のアカウントがない場合:ドメイン移管と名義変更が必要

買収したWebサイトのドメインを、提供・管理しているドメイン管理会社に、自社がすでにアカウントを作成しているかどうかで必要な手続きは異なります。すでにアカウントを持っている場合は、同じドメイン管理会社内のため、行うのは買収した名義変更のみです。

ドメイン管理会社にアカウントがない場合は、ドメインの移管と名義変更、両方の手続きを行います。

ただし、同一のドメイン管理会社内でなければドメイン移管や名義変更できない場合もあるため、事前確認が必要です。ドメイン移管は手続きが面倒に感じるものですが、移管先によっては運用費の削減にもつながります。

サイトM&Aの事例を4つ紹介

最後に、「M&A-WEB」で実際にサイトM&Aを行った4つの事例を紹介します。

事例1.アパレルECサイト

既存のアパレルECサイトを、同業界で活躍する事業者が購入した事例です。すでにレディスアパレルのECサイトを展開していた買主様は、取り扱いジャンルの増加を狙い、メンズ展開に強いECサイトを購入しました。

譲渡費用600万円で、ゼロからターゲティングやプロモーションを行うことなく、男性にリーチできる環境を手に入れています。売主様も、業務委託にて継続的に事業運営へ関わっていました。譲受後の引き継ぎもトラブルなくスムーズに行われ、既存のレディスアパレルと相乗効果をもって、事業を発展させています。

事例2.SNSアカウント

SNSアカウントも、サイトM&Aの一種として高い人気がある取引です。SNSアカウントは発信内容やフォロワーの多さで評価され、この事例では200万円で売買が行われました

買主様は、自社サービスサイトへの流入を伸ばしたいと考えていた方です。発信内容とサービスの親和性が高く、フォロワーも多いSNSアカウントの譲渡案件を見つけたため、購入しました。そうすると、狙いどおり自社サービスへの流入が増加しました。

現在は、フォロワーを自社サービスのファン化(優良顧客化)するための企画を模索している段階です。

事例3.Webプラットフォーム

顧客のファン化に効果的なメディアのひとつが、Webプラットフォームです。独立して自分で店舗をオープンしようとしていた買主様は、自身の事業と同じジャンルのコミュニケーションWebプラットフォーム案件を見つけ、50万円で購入しました。

店舗への流入増と、潜在顧客の認知工場を目的としているため、同じジャンルのWebプラットフォーム購入は高い効果を得ています。そのジャンルが好きな方のみで構成されるコミュニティを確保したことで、知識も溜まり、店舗だけではなくジャンルそのもののコミュニティ拡大につながりました。

現在は、当初目標としていたように、買収したWebプラットフォームが事業の認知向上にも役立っています。

事例4.Webアプリ

WebアプリもM&A対象として人気です。新規事業のひとつとして200万円で購入した買主様は、新しい事業のタネを探している中で、売買に出されていたアプリを発見しました。

案件内容を見て面白そうだと興味をそそられたうえ、手ごろな価格帯だったため、即座に購入しました。サブスクモデルを実現できているWebアプリは、現在新しい事業の場として活用されています。

まとめ

サイトM&Aは、企業ではなくWebサイトを売買するものです。インターネット上でのプロモーションが欠かせない現代は、専門知識に加えて一定の顧客を抱え込んでいる、安定したWebサイトが求められます。

Webサイトのコンテンツは、文章や写真も含め、すべてが資産です。自社に最適なWebサイトで価値の高いものを買収することで、効率の良いプロモーションにつながります。

サイトM&Aを検討している方は、ぜひ「M&A-WEB」にご相談ください。