ドメイン譲渡とは?譲渡方法から譲渡にまつわる注意点まで解説

「もう使わないドメインがあるので手放したい」と考え、ドメインの譲渡を検討している人も多いかもしれません。 ドメイン譲渡とは、使わなくなったドメインの権利を購入希望者に譲ることです。ドメインによっては数十万円から数百万円の高値がつくこともあります。 そこで、今回の記事ではドメインの譲渡方法から譲渡時の注意点について解説します。

この記事は約7分で読み終わります。

ドメイン譲渡のために知っておきたいドメイン基礎知識

ここではまず、ドメインに関する基礎知識についてみていきましょう。

ドメインとは

ドメインをわかりやすくいうと、インターネット上の住所のようなものです。ネットワーク上の機器それぞれに割り当てられるIPアドレスを文字に変換したものを指します。

具体的には、URLが「https://www.○○○.com」であれば、www.以下の「○○○.com」がドメインにあたります。

なお、ドメインには独自ドメインとサブドメインの2種類が存在します。

独自ドメインとは、自由に文字列を指定して作成する世界にひとつしかない自分だけのドメインのことです。

会社名やサービス名など、Webサイトに合ったものを設定することで、ブランドをアピールできます。また、独自ドメインを取得すると登録者情報が公開されることから、訪れるユーザーからの信頼性を高めることができます。

一方で、サブドメインとは、独自ドメインを用途によって分割するために任意で設定するドメインのことです。本体ドメインの先頭に、特定の文字列を挿入した形式で設定されます。

例えば、「https://www.△△△.○○○.com」のようなかたちです。

サブドメインを発行する場合も、基本的にセキュリティ保護のためのSSL認証書が必要になるため、サブドメインを増やすほど運用にコストがかかることになります。

ドメイン譲渡される理由

コンテンツの質が良く、信頼性が高いと評価されたサイトは、次第にドメインの価値も高くなります。つまり、ドメインはそれ自体に信頼性をもち、ドメインパワーが強くなると同時に上位表示されやすくなります。

新規にサイトを作成するとき、前述した独自ドメインを取得するのが一般的ですが、過去に使用されていたドメインを買い取るケースもあります。これをオールドドメインといい、既に信頼性の高いドメインを使用してサイトを構築できる点がメリットになります。

SEOでは、ドメインパワーもサイト評価の大きな指標です。新規ドメインではなかなか上位表示が難しいことが多いため、オールドドメインを取得して、多くの流入を狙うのです。

そのため、市場では人気の高いドメインほど高値で取引されています。費用さえ支払えば購入できるので、ドメインによってはすぐに買い手が決まることも多いです。

ドメインを譲渡する方法

ドメインの基礎知識や譲渡される理由がわかったところで、つづいては、ドメインを譲渡する方法について解説します。

・オークションサイトで取引をする

・個人間で交渉を行う

・サイトM&Aサービスを利用する

さっそく、見ていきましょう。

オークションサイトで取引をする

中古ドメインを譲渡する際、最もメジャーな方法といえるのがオークションサイトでの取引です。

ドメインの譲渡が可能なオークションサイトとして、主に以下のサイトが挙げられます。

・お名前.com

・ヤフオク

・GoDaddy

・VALUE-DOMAIN

ドメインが強ければ高価格で売却できる可能性が高いでしょう。

個人間で交渉を行う

個人間で直接ドメインの譲渡を行う方法もあります。ドメインの所有者情報はWhoisで調べることができるので、個人間で取引をする場合には利用してみてください。

ドメインを譲渡したいと思っている人(=売り手)と、ドメインが欲しいと思っている人(=買い手)が直接交渉して取引を行うことになるため、手数料などがかからないのがメリットといえるでしょう。

ただし、間に業者が入らないことからトラブルが起きやすいのもまた事実です。個人間でドメインの譲渡をする場合は必ず契約書を交わすようにしましょう。

契約書を用意することで、「ドメインの代金を支払ったのに、期日までに引き渡しが行われない」などといったトラブルを防げます。

また、購入したドメインが以前の所有者情報のままでは原則として利用することができません。購入後、ドメインが問題なく使用できるように所有者情報の変更などの手続きを忘れずにしましょう。

サイトM&Aサービスを利用する

『サイトM&A』サービスを利用する方法もあります。サイトM&Aサービスとは、ドメインではなく企業や個人が持つサイトそのものを売買するサービスのことです。

ドメインに加え、サイト内にあるコンテンツも売買の対象になります。そのため、ドメイン単体よりも高い値段で売却することが可能です。

サイトM&Aのサービスを行っている主な業者は以下のとおりです。

・サイトキャッチャー

・M&Aマーケット

・サイトトレード

上記の中でも個人向けや企業向けなど、サービスごとに特徴が違うため、ニーズに合ったサイトをみつけるようにしましょう。ただし、無料ブログサービスで作られたサイトの売買はできないので注意が必要です。

サイト譲渡に必要な費用

次に、サイト譲渡に必要な費用についても見ていきましょう。

ドメインの販売額

気になるドメインの販売額ですが、ドメインによっては100円未満のものから、1,000万単位の高値がついているものも少なくありません。

長期間運用されていてアクセス数が多く、更新頻度が高いサイトほどドメインの販売額が高くなる傾向があります。

なお、一般的な中古ドメインの買取相場は20万円前後と言われています。譲渡時の目安とするとよいでしょう。

名義変更料金

ドメインの管理事業者を変更しない場合、管理事業者に対してドメインの所有者の名義変更を依頼しなければなりません。

その際、名義変更料金を支払わなければならないほか、事業者によっては同一法人内の場合と、第三者への変更の場合で料金が異なるケースがあります。

また、名義変更料金の相場は1万円前後です。

ドメインの契約期間料金

ドメインの契約更新は年単位で行われることがほとんどですが、譲渡する際には、残りの契約期間を引き継ぐことができるかどうか確認しましょう。

ドメインの管理会社によっては契約期間を引き継ぐことができず、譲渡時に支払いが生じることもあるので注意しましょう。

ドメイン移管費用

譲渡の際、ドメイン移管という形で取引するケースもあります。

ドメイン移管時には、移管先に対し費用を先払いで支払う必要があります。ドメイン名によって費用が異なるのであらかじめ確認しておきましょう。

ドメインを譲渡する際の注意点

最後に、ドメインを譲渡する際の注意点についてお伝えします。

譲渡の手続きを事前に確認する

ドメイン譲渡の手続きには、双方の承認が必要です。

料金を支払ったのに譲渡が行われないなどといったトラブルを防ぐためにも、前もって譲渡に関する一連の流れや手続き内容を確認しておくようにしましょう。

先にも述べましたが、特に個人間でドメイン譲渡を行う場合は契約書を作成するなど、いくつかの対策を講じることが大切です。

また、ドメイン移管が必要となるドメイン譲渡では、移管を予定している管理会社によって移管できないドメインがあります。そのため、移管先に対応しているドメインがどういったものなのか、あらかじめ確認しておきましょう。

なお、譲渡に際して不安がある場合、信頼できるオークションサイトやサイトM&Aの仲介サービスを利用することをおすすめします。

海外のドメイン買取サービスは利用しない

日本だけでなく、海外でもドメイン譲渡は盛んにおこなわれています。

しかし、海外のドメイン買取サービスを利用した結果、譲渡がスムーズに進まない、トラブル発生時に適切な対応がとれないといった事例も少なくありません。

そうしたトラブルを避ける上でも、海外のサービスを利用することは避け、信頼のおける国内のサービスを利用するようにしましょう。

まとめ

ドメインはサイトのアクセス数に作用するため、人気なドメインほど早く高く売れていきます。

ドメインを購入するには、販売額以外にも様々な費用がかかります。何にどのくらいの費用がかかるのか事前に確認しましょう。

譲渡する際には、様々な手続きが必要となるので、不安がある場合には、信頼できる国内の仲介サービスを利用しましょう。