まずはECサイトの現状を知ろう!
冒頭でもお伝えしたとおり、EC業界の市場規模は概ね成長傾向にあります。
・現在の市場規模や伸び率は、どのようになっているのか
・新型コロナウイルスは、EC業界にどのような影響をもたらしたのか
ここでは、上記2点について確認しておきましょう。
EC業界の市場規模と伸び率
EC業界の代表的な市場ジャンルは、以下のとおりBtoCとBtoBの2種類です。いずれのジャンルでも、ECの市場規模は近年拡大しています。
BtoC |
・Business to Consumerの略称 ・法人が個人に対して販売する市場ジャンル |
BtoB |
・Business to Businessの略称 ・法人が法人に対して販売する市場ジャンル |
経済産業省の調査によると、2020年度のBtoCのEC市場規模は19兆2,779億円で、BtoBのEC市場規模は334兆9,106億円となっています。とくにBtoCのEC市場規模は、2013年度からの7年間で2倍近くの伸び率です。
出典:「令和2年度 産業経済研究委託事業」(経済産業省)
新型コロナウイルスによる影響
コロナ禍はEC業界の成長を大きく後押しする要因のひとつです。
新型コロナウイルス感染症が拡大し、感染リスクを避けるために外出を控える人が増えています。これを機に、これまでECサイトをあまり利用してこなかった高齢者層も含めて、広くオンライン経由の消費行動が浸透したためです。
また、巣ごもり需要もあり、動画配信や電子書籍などデジタル系コンテンツの利用も増加していると考えられるでしょう。
このように新型コロナウイルスによって実店舗での売上が減る一方で、EC業界は著しく成長しました。
今後はどうなる?ECサイト運営の将来性について
ECサイト運営の将来性は明るいといえるでしょう。その根拠として、次の5つが挙げられます。
・スマートフォンの普及
・SNSの浸透
・決済手段の多様化
・越境ECサイトの成長
・コンテンツマーケティングの拡大
それぞれについて以下で解説します。
スマートフォンの普及による利用者拡大
スマートフォン普及にともない、ECサイトの利用者を増加させやすい環境が整いつつあります。
経済産業省の調査によると、スマートフォン経由のECサイト利用者は、2019年の42.4%から2020年には50.9%に増加しました。スマートフォンはPCのように起動の手間もなく、アプリをインストールすることでさらに快適にECサイトを利用することができるため、今後も増加傾向は続くと考えられます。
スマートフォンからの顧客流入を上手く取り込むことで、ECサイト利用者を増やすことができるでしょう。
出典:「令和2年度 産業経済研究委託事業」(経済産業省)
SNSの浸透
SNSの浸透も、ECサイトによる消費拡大にプラスの影響を与えます。
多くのユーザーは、SNSで実際に商品を購入したり使用したりした人たちの口コミを調べ、その後ECサイトを訪れているからです。特に、SNSでインフルエンサーがおすすめする商品は、よく売れる傾向にあります。
このように、近年SNSを情報収集のツールとして活用する人が増えていることから、SNSと連携することでECサイトの販売促進をすることが可能です。
決済の多様化
決済方法が多様化しキャッシュレス決済が普及したことによって、消費者がECサイトを利用しやすくなっています。電子マネーなどのキャッシュレス決済は、決済情報を細かく入力する煩わしさがなく、購入のハードルが下がるためです。
顧客の支払いニーズに合わせられるようECサイトの決済手段を多様化することで、売り上げアップを図ることができるでしょう。
越境ECサイトの成長
越境ECサイトとは、海外の消費者向けのサイトを日本国内で運営することです。特に近年、中国経由でのECサイトの規模が拡大しています。
越境ECサイトを運用することで、実店舗を出すよりも簡単に、海外に販路を作ることが可能です。日本の商品は高品質であるという理由から海外で人気があるため、海外展開は事業拡大をするうえでも有効でしょう。
このように、リスクを抑えた新たなビジネス展開にも、ECサイトは効果的な選択肢といえます。
コンテンツマーケティングの拡大
コンテンツマーケティングとは、顧客のニーズに合わせた良質なコンテンツを提供することで潜在的な顧客を獲得し、サイト内での購買につなげる手法です。ブログや記事コンテンツ、SNSの発信などを組み合わせて行います。
ECサイト運営でコンテンツマーケティングを活用することで、サイトを定期的に訪問してもらいやすくなるため、リピーターの獲得や広告費の削減効果が見込めます。
ECサイトの運営で今後も成功するためには?
ECサイトの運営を成功させるために押さえるべきポイントは、次の5つです。
・販売経路を複数持つ
・集客方法を検討する
・リピーターを増やす
・セキュリティ対策を万全にする
・コンテンツマーケティングに力を入れる
販売経路を複数持つ
自社ECサイトだけでなくECモールなどにも出店するとともに実店舗も準備するなど複数の販路を準備することが、ECサイト運営の成功につながります。
販売経路が増えれば、それだけ顧客を獲得できる機会が多くなるため、売り上げアップを見込めます。
加えて、実店舗で試着し購入はサイトストアで済ませるといった顧客のニーズに合わせた対応も可能となり、満足度向上にもつながります。満足度が向上すれば、リピーターも獲得しやすくなるでしょう。
集客方法を検討する
ECサイトでは、WEB広告やECモールへの出店、SNS連携など複数の手段を組み合わせて集客力を高めることが重要です。
特にブランド力が弱い場合などは、拡散性の高いSNSを活用して積極的に情報発信を行うことで、広告費を抑えた集客を見込めます。親しみやすい投稿や実際の使用感がわかるレビューやイメージがわかりやすい写真などを発信することで、購買行動につなげやすくなります。
リピーターを増やす
ECサイトの売り上げを安定させるためには、リピーターを増やすことが欠かせません。一度商品を購入してくれた顧客に定着してもらうほうが、新規顧客を獲得するよりも、コストを抑えて売り上げにつなげられるためです。
リピーターを増やすためには、コミュニケーション機会を増やすことや、また利用したいと思える仕組みを作ることが重要といえます。メルマガでセールのお知らせやクーポンを配布する、一度サイトを訪れたユーザーに広告を表示するなどの手法が効果的でしょう。
セキュリティ対策を万全にする
個人情報など重要な情報を多く取り扱うECサイトでは、セキュリティ対策を万全にしておくことが成功の秘訣です。
ECサイトでは、個人の氏名や住所、メールアドレス、クレジットカード情報、購買履歴など多くの顧客情報を取り扱います。
個人情報の漏洩などセキュリティ事故が起きると、賠償責任を問われるほか、ブランドイメージが低下し長期的なダメージを被ってしまうでしょう。
顧客を失わないためにも、徹底した情報漏洩対策が必要です。
コンテンツマーケティングに力を入れる
ブログやSNS、メールマガジンなどを組み合わせたコンテンツマーケティングに力を入れることで、自社サイトへの訪問者を増やし集客につなげられます。
自社ECサイトの構築にかかる時間を短縮したい場合は、すでに運用されているサイトを購入して運用を行うのも良いでしょう。
ゼロから良質なコンテンツを充実させ訪問者が定着するまでには時間がかかるものですが、M&Aなら、初めから集客力の高いサイトを購入することが可能です。
安心して良質なサイトを購入したい場合は、手数料が手頃で充実のサポートが受けられるM&A-WEBをご活用ください。
まとめ
ECサイト運営は、新型コロナウイルスの流行やデジタル化の進展を背景に市場規模が拡大し、今後の見通しも明るい状況です。運営を成功させるには、顧客を確保し定着させる施策が欠かせません。サイトM&Aも含めて多角的に対策を行うことで、効果的な運用ができるでしょう。