M&A-WEBの掲載データ
掲載中の売却案件
5件
買収ニーズ
0件
希望価格の中央値
100万円
希望価格の下限値の中央値。成約価格ではありません
事業モデル(上位)
- 受託・請負5件
- SaaS・月額課金2件
- 継続契約1件
引継ぎ資産(上位)
- システム3件
- ソースコード3件
- 外注ネットワーク3件
- マニュアル2件
- 顧客基盤1件
事業モデル・引継ぎ資産の内訳を見る
事業モデル(上位)
- 受託・請負5件
- SaaS・月額課金2件
- 継続契約1件
引継ぎ資産(上位)
- システム3件
- ソースコード3件
- 外注ネットワーク3件
- マニュアル2件
- 顧客基盤1件
集計対象:「IT・ソフトウェア > システム開発・SI」に分類された掲載案件・買収ニーズ。分類には AI による仮分類を含みます。
システム開発の会社の主なタイプ
事業モデルによって、M&Aで評価されるポイントが変わります。自社に近いものを確かめてください。
- SESエンジニアが顧客企業やプロジェクトに参画する主に見られるもの人材 / 稼働率 / 商流
- 受託開発顧客からシステム開発を受託する主に見られるもの顧客 / 継続案件 / 採算
- 元請・SI要件定義・設計など上流工程から受注する主に見られるもの顧客 / 元請比率 / PM人材
- 自社プロダクト自社システム・SaaS などを提供する主に見られるもの継続売上 / 顧客 / IP
- 技術・業界特化AI・ERP・金融など特定の領域に強みがある主に見られるもの専門人材 / 実績 / 顧客
詳しく知りたいテーマ
この事業を売買するときの判断ポイント
業界の現在地
IPA「DX動向2025」では、日本企業の85.1%が DX を推進する人材の量が「不足している」と答えています。必要な人を1人ずつ採るより、エンジニア組織・顧客・技術・開発体制を会社ごと取得することが、システム開発会社の M&A の主な目的になっています。
小さな会社でも対象になるか。 規模だけで対象外にはなりません。エンジニアが数人でも、継続取引のある顧客、元請や一次請けの取引口座、保守契約、特定の技術など、買い手が短期間ではつくれないものがあれば検討の対象になります。反対に、営業・開発・顧客対応がすべて社長本人に集まっている会社は、引き継げるものが少なく見られます(下の「売却準備」で確かめられます)。
将来性
人手不足のなかで開発の需要は続く一方、生成 AI で単純な実装の単価は下がりやすくなっています。評価が残りやすいのは、顧客に近い位置(元請・一次請け)で受注している会社、保守・運用の継続契約を持つ会社、特定の業界や技術の知見をエンジニアごと持っている会社です。「AI を扱っている」という看板ではなく、その技術を使える人・案件・顧客までそろっているかが見られます。
収益構造
「システム開発会社」には、稼ぎ方の違う事業がまとめて入っています。まず、売上と利益がどこから生まれているかを分けます。
| タイプ | 主な収益源 | M&Aで特に見られやすいもの |
|---|---|---|
| SES | エンジニアの稼働 | 人材、商流、顧客、稼働率 |
| 受託開発 | 開発案件 | 顧客基盤、開発力、案件の継続性 |
| 元請・SI | 上流工程を含む開発 | 顧客関係、元請比率、PM人材 |
| 自社プロダクト | 利用料・ライセンス | プロダクト、顧客、継続売上、IP |
| 技術・業界特化 | 専門技術を使った開発 | 専門人材、ノウハウ、顧客基盤 |
複数に当てはまる会社の見方。 「SES が7割・受託が3割」のように混ざっているのが普通です。この場合は売上の大きい事業の評価軸を主に使い、残りの事業は別の物差しで足し引きします。自社プロダクトの継続課金がまとまってあるなら、その部分は SaaS の指標(MRR・解約率など)でも見られます。
主要KPI
売却価格を左右しやすい7項目です。点数をつけるためではなく、どこが強みでどこが指摘されそうかを知るために使います。
- エンジニアが組織として残るか:正社員比率・年齢構成・スキル・離職率・PM/PL層・キーパーソン
- 商流:エンド直・元請・一次請け・二次請け以下の比率と、案件の獲得経路
- 顧客集中:上位1社・上位3社への売上依存
- 売上の継続性:保守・運用、長期の SES 契約、継続開発、サブスクリプションの割合
- 案件ごとの採算:案件別の売上・人件費・外注費・工数・粗利と、不採算案件
- 経営者への依存:新規営業・顧客関係・要件定義・PM・採用・技術判断を社長が担っていないか
- 技術・プロダクト・知的財産:誰が作り、権利が会社にあり、保守できる人がいるか
売却相場
「営業利益の○倍」「EBITDA の○倍」という数字は、事業モデルの違う会社をまとめた目安で、そのまま自社の価格にはなりません。中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」でも、譲渡額の算定方法は複数あるとされています。
- 資産:現預金・売掛金・借入金などを実態に合わせた純資産
- 収益力:EBITDA など、どれだけ利益を生むか
- 引継ぎ可能性:その利益が、社長が離れたあとも続くか
同じ利益でも、複数の顧客から継続受注している会社と、一社依存で社長が営業をすべて担う会社では、買い手から見たリスクが違います。先に見るのは倍率ではなく、何から利益が生まれ、それが買収後も残り、買い手に何を渡せるかです。継続課金のプロダクトは、利益より継続売上の伸びと解約率で見られることがあります。
事業モデルごとの評価の違いと、公表される倍率がばらつく理由はシステム開発会社の売却相場で詳しく扱います。
価値の源泉
- エンジニア組織:人数ではなく、買収後も残るチーム(年齢構成・スキル・定着)
- 顧客と取引口座:新規開拓の難しい大手企業・特定業界との継続取引
- 元請けポジション:顧客に直接つながり、上流工程から受注できる位置
- 継続契約・保守運用:納品後も残る売上
- 技術・業務知識:特定の技術や業界に強い人材とノウハウ
- ソースコード・知的財産:自社開発のシステム・プロダクト、著作権・商標、開発ドキュメント
買い手像
同業の大手だけが買い手ではありません。自社の強みが、どの会社のどの課題を埋めるかで候補が変わります。
| 自社の強み | 買い手になりやすい会社 |
|---|---|
| エンジニア組織 | SIer・SES 会社・IT コンサル |
| 大企業との元請口座 | SIer・事業を広げたい異業種 |
| AI などの技術 | SaaS 企業・コンサル・事業会社 |
| 特定業界の顧客と業務知識 | その業界の同業・業界向けの IT 企業 |
| 自社プロダクト | SaaS 企業・事業会社・投資会社 |
買う側の目的は、人材・顧客・地域の拡大(SIer)、エンジニアと取引口座の確保(SES 会社)、開発機能の内製化(コンサル・異業種)、開発チームの獲得(SaaS・Web 企業)、成長支援やロールアップ(投資会社)などです。
実際の公開事例を「何を買ったか」で分けたものはシステム開発会社のM&A事例にまとめています。
DD
- 人・組織:雇用契約・給与・残業、業務委託との区別、離職の状況、キーパーソン
- 顧客・契約:基本契約と個別契約、契約期間、商流、顧客集中、チェンジ・オブ・コントロール条項
- 契約の実態:準委任の契約なのに顧客が現場のエンジニアに直接指示している(偽装請負と見られるおそれ)、再委託の条件、派遣にあたる働き方の有無
- 開発:ソースコードと開発ドキュメントの所在、OSS とライセンス、外注先、セキュリティ
- 知的財産:著作権の帰属、外注先が作った成果物の権利、商標
- 数字:案件別の採算・工数・粗利、不採算案件、稼働率
株式譲渡なら契約や雇用は原則として会社に残り、事業譲渡なら顧客契約・雇用・権利を1つずつ移す必要があります。どちらで進めるかで、確かめる範囲が変わります。項目ごとの比較表と、偽装請負・再委託の確かめ方はシステム開発会社のM&Aでの契約の引継ぎにあります。
売却準備
まだ売るか決めていなくても、次の項目は整理できます。全部そろっている必要はありません。足りないものが分かれば、売却前に整えることが見えます。
数字
- □ 直近3期の売上・利益
- □ 顧客別の売上
- □ 案件別の粗利
- □ 継続売上と単発売上の区別
顧客・契約
- □ 主要顧客との契約書
- □ 自社の商流(エンド直・元請・一次請け…)
- □ 上位顧客への売上依存
- □ 保守・継続契約の一覧
人
- □ エンジニアのスキル一覧
- □ 正社員と業務委託の区別
- □ キーパーソンの把握
- □ 社長がいなくても案件が回るか
開発・知的財産
- □ ソースコードの所在
- □ 著作権の帰属
- □ 外注成果物の権利関係
- □ 使っているライセンス
社長しかできない仕事はありますか?
- □ 新規顧客の営業
- □ 見積もりの作成
- □ 要件定義
- □ PM(進行管理)
- □ 技術的な判断
- □ 採用
- □ 主要顧客との関係
- □ 請求・資金の管理
当てはまるものが多いほど、買い手には「社長が抜けると回らない会社」に見えます。顧客の窓口を複数にする、PM を任せる、営業の進め方と案件情報を社内で共有するなど、1つずつ社長から外していくことが、売る・売らないにかかわらず会社の価値を上げます。