越境ECモールと自社サイトの違いとは?メリット・デメリットを解説

商品やサービスを販売する手段として、ECサイトを運営している方は多いでしょう。さらなる販路拡大を望むなら越境ECを始めることも検討してはいかがでしょうか。 今回は越境ECを始めるふたつの手段を紹介するとともに、それぞれのメリットとデメリットをまとめました。越境ECを成功させる3つのポイントも解説します。

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越境ECを始める方法は主に2種類!

越境ECの運営に着手するとなったら、まずはどうやって始めるかを決めましょう。方法は2種類あります。各方法の概要を解説するとともに特徴をまとめました。

自社サイト構築

まずは、自社で越境ECを構築する方法です。独自のドメインを用意し、海外のサーバーを使い自社サイトとして一から越境ECを構築することになるため、サイト構築の知識は必須です。

構築の際には、海外でも使えるカートシステムから決済システムまで自ら用意しなければなりません。サイト言語にはもちろんターゲットとなる国の主要言語を用いることになります。

手間と時間がかかり、知識も必要になる方法ではありますが、販売した商品の売上はそのまま自社の利益となるのが大きな特徴です。

なお、すでに日本向けECサイトを運営しているなら、「代理購入サービス」の利用も検討してみましょう。代理購入サービスとは日本向けECサイトへ海外からの注文があった際、注文者に代わって代理購入業者が商品を購入するサービスです。

購入から注文者への出荷まで任せられるため、手間を増やすことなく越境ECを運営できます。すでに自社ECサイトがあるなら代理購入サービスの活用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

越境ECモールに出店

手軽に越境ECを始めたいなら、海外展開している越境ECモールに出店する方法がおすすめです。

ECモールにそなわっているカートシステムや決済システムを利用できるため、サイト構築にかかる手間や時間を大幅に削減できます。

海外のECモールとしてはアメリカの「eBay」、中国の「Tmall Global(天猫国際)」あたりが有名でしょう。ほかには「Amazon」や「楽天」など、海外向けに商品を販売できる機能をもつ国内ECモールを選択するのも手段のひとつです。

【比較】自社サイトと越境ECモールのメリット・デメリット

自社サイトを構築するのか、越境ECモールを利用するのか迷うなら、それぞれのメリットとデメリットを比較することから始めましょう。

自社サイトのメリット・デメリット

自社サイトで越境ECを構築するメリットとデメリットは以下のとおりです。

メリット

越境ECを自社で構築する大きなメリットは、売上がそのまま収益になることです。商品の販売手数料やサイトの維持に必要な費用を大きく削減できるため、商品が売れれば売れるほど収益を上げることができます。

ふたつ目のメリットはカスタマイズ性が高いことです。自社で一からサイト構築をするため、サイトデザインから商品レイアウトまで自由に決めることができます。

3つ目のメリットは集客の自由度が高いことです。SNSとの連携やSEO対策、広告掲載といった集客戦略を自由に実施できます。制限なく海外から集客できれば、それだけ売上アップも望めるでしょう。

デメリット

なお、集客面にはデメリットもあります。一から構築したサイトを有名にするために、サイト運営が軌道に乗るまでは集客にかなり力を入れなければなりません。

デメリットのふたつ目は、ランニングコストが高くなりやすいことです。サイト構築には人件費やシステムの導入コストがかかります。

デメリットの3つ目は、国ごとの対応が必要になることが挙げられます。言語はもちろん、各国の法律や規制に応じた対応が求められることもあるため、注意しなければなりません。

また、支払いトラブルのリスクにもそなえましょう。越境ECでは海外のクレジットカードを利用する場面が増えるため、日本では考えにくいトラブルが発生するおそれもあります。これはデメリットというより注意点に近いです。

越境ECモールのメリット・デメリット

越境ECを利用するメリットとデメリットは以下のとおりです。

メリット

越境ECモールを利用するメリットは、なにより集客力が高いことです。すでに知名度があるサイトに出店できるため、最初から多くのユーザーに商品を見てもらいやすくなります。

ふたつ目のメリットは、サイト構築にかかる費用が不要になるため、導入コストを抑えられることです。

3つ目のメリットとして、モールによっては日本語によるサポートも充実していることが挙げられます。越境ECを始めるにあたり、サポート面に不安を感じる方にとってはうれしいポイントではないでしょうか。

4つ目のメリットは、商品を販売したい国に合わせたシステムを利用できる点です。モールに出店するだけで必要な機能がすべて揃うので、サイト構築にかかる手間や時間を大幅に削減できるでしょう。

デメリット

これから越境ECを始める方にはうれしいポイントばかりに見えますが、もちろんデメリットもあります。

まずは競合が多いことです。ECモールには膨大な数の店舗が出店しているため、他社との差別化ができないと埋もれてしまいます。

ふたつ目のデメリットは、各種手数料が発生することです。商品の売上ごとに発生する販売手数料や、ECモールへの初期登録料、月額利用料、システム使用料などが引かれるため、売上のわりに収益は少なく感じるかもしれません。

3つ目のデメリットは、自社ならではの独自性を出しにくいことです。デザインや商品のレイアウトはECモールの仕様に合わせることになります。

4つ目のデメリットとして、自社商品を購入してくれたユーザーの情報を確認することができません。顧客の情報はECモール側で管理されるため、これは諦めるしかないでしょう。

越境ECを成功させる3つのポイント

最後に越境ECを成功に導く3つのポイントをまとめました。これから越境ECを始める方は参考にしてください。

ターゲット国に合わせたサイト内容にする

サイトの内容は商品を販売したい国に合わせたものにしましょう。サイト言語をターゲットとなる国の主要言語にするのが最優先です。

英語は必須ですが、その国の人々が英語以外の言語も用いている場合は対応しておくと親切でしょう。多言語対応はユーザビリティがより高くなるため、ターゲットの幅を広げることができます。

商品を販売する前にはその国の法律や規制を調べましょう。国によっては輸入禁止商品や、輸入制限のある商品もあるため、事前調査を怠ってはいけません。

現地の人が利用できる決済方法を用意する

現地の人々がよく使う決済サービスを知ることも重要です。クレジットカードにデビットカード、各種ペイなど現在はさまざまな決済サービスがあり、国によって主流となっている決済方法は異なります。

越境ECを利用するにあたり、決済に不安を抱くユーザーは少なくありません。その国で信頼されている決済方法を用意しておくことで、購入してもらえる可能性はぐんと高くなるでしょう。

集客を工夫する

ECサイト成功のカギは綿密な集客対策です。これは国内、越境に関わらずすべてのECサイトに共通します。

越境ECに限っていえば、やはりターゲットとなる国に合わせた集客施策を講じる必要があります。国内では有効な集客戦略が海外でも効果的とは限りません。

たとえば、ターゲットを中国と仮定します。中国では検索エンジンの使用が禁止されているため、SEO対策に力を入れてもあまり意味がありません。SEOひとつとっても、日本での常識が海外では通じないのが当たり前と考えましょう。

サイトM&Aを利用するのも越境EC成功の近道です。もともと越境ECとして運営されていたWebサイトを購入し、再構築すれば、最初から集客力のある越境ECを始めることができます。

越境EC運営を成功に導くサイトをお探しなら、M&A-WEBの利用をご検討ください。売買交渉や契約までM&A-WEBが徹底サポートしますので、初めてのサイトM&Aでも安心してご利用ください。

まとめ

越境ECを始める方法は、自社サイトを構築するか、越境ECモールへ出店するかの2択です。それぞれにメリットとデメリットがありますので、自分にとってどちらが利用しやすいか考えたうえで選択してください。

越境ECを成功させるには、なによりターゲット国を知ることが重要です。国に合わせた商品選びや集客ができれば、越境ECで成功をつかむことも夢ではないでしょう。