個人事業主が廃業時に使える給付金・補助金一覧【2026年版】|小規模企業共済・住居確保給付金まで

更新: 2026年5月27日

個人事業主が廃業時に使える給付金・補助金一覧【2026年版】|小規模企業共済・住居確保給付金まで

個人事業主が廃業するときに使えるお金は、給付金・補助金・共済金・減免・融資の組み合わせです。 コロナ禍の持続化給付金など一律給付はすでに終了しており、2026年現在は、自分で積み立ててきた小規模企業共済の共済金、廃業費用を補助する事業承継・M&A補助金の廃業・再チャレンジ枠、家賃を支える住居確保給付金、国民健康保険・国民年金の軽減免除などを、要件と窓口に合わせて組み合わせるのが現実的です。

本記事は中小企業のM&A仲介プラットフォームM&A-WEBの編集視点から整理しました。2026年5月時点で個人事業主が使える主要制度の一覧としてご活用ください。あくまで制度の一般的な解説に留まります。個別の支給可否・金額・税務は、各制度の公式窓口や税理士・社労士など専門家にご確認ください。本記事は親記事個人事業主の廃業の全体像の子記事として位置づけます。§5-3「失業給付・給付金は使えるか」の深掘り受け皿です。

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廃業時に「もらえるお金」の全体像|給付金・補助金・助成金・共済金の違い

廃業時に使えるお金は、返済不要の給付金・補助金・助成金、自分の積立を受け取る共済金、返済が必要な融資の5つに大別されます。 「給付金」と「補助金」は混同されがちですが、要件を満たせば原則支給される給付金と、公募・審査ありで後払いの補助金とでは性格が大きく異なります。まず種別の違いを押さえると、自分のケースで使える制度の当たりがつきやすくなります。

5つの種別の違い

種別 性格 主な特徴 返済
給付金 要件充足で支給 申請して要件を満たせば原則受給。コロナ禍の持続化給付金が典型例 不要
補助金 公募・審査ありの後払い 経産省・中小企業庁系が中心。事業計画書の提出と認定支援機関等の確認が必要なものもある 不要
助成金 要件充足で支給(主に雇用系) 厚労省系が中心。雇用維持・職業訓練などが主目的 不要
共済金 自分の積立の受け取り 小規模企業共済など。国の給付ではなく自己積立
融資 借入(低利の公的制度あり) 信用保証協会・日本政策金融公庫・中小機構など。廃業準備にも使える 必要

給付金・補助金・助成金はいずれも原則返済不要です。ただし補助金は「公募期間内に申請し、採択され、対象経費を支出してから後払いで受給」という流れです。給付金よりハードルが高めと考えてください。一方、共済金は国の給付ではなく、自分が積み立てたお金の受け取りです。廃業時の “退職金代わり” として、個人事業主が使える代表格になります。

「もらう」だけでなく「受け取る」「借りる」も視野に

廃業時の資金は、もらう(給付金・補助金)だけが選択肢ではありません。次の3つも組み合わせてください。自分の積立を受け取る(共済金)、低利で借りて備える(廃業準備貸付)、減免する(国保・国民年金) という観点です。4つの観点で考えると、現実的な資金繰りが見えやすくなります。

なお、給付金・補助金は要件・金額・受付期間が頻繁に改廃される領域です。本記事は2026年5月時点の整理であり、申請にあたっては必ず各制度の公式窓口で最新情報をご確認ください。

個人事業主が廃業時に使える給付金・補助金 一覧表

2026年現在、個人事業主の廃業に関連して使える主な制度は次の6グループです。 自分が該当しそうな制度の当たりをつけ、後続の各章と公式窓口で詳細を確認してください。

制度名 種別 主な対象 金額の目安 主な窓口 最新性メモ
小規模企業共済 共済金A 共済 加入個人事業主の廃業 積立額+付加共済金(加入期間で変動) 中小機構 現役
事業承継・M&A補助金 廃業・再チャレンジ枠 補助金 承継・M&Aに伴う廃業者など 上限300万円・補助率1/2または2/3(公募回で変動) 中小企業庁・Jグランツ 公募制・要確認
住居確保給付金 給付金 離職・廃業から原則2年以内など 家賃相当額(住宅扶助額が上限・自治体差) 自立相談支援機関 現役
国民健康保険料・国民年金の軽減・免除 減免 収入減少者 国保は7/5/2割軽減ほか、国民年金は全額〜一部免除 市区町村・年金事務所 現役
自主廃業支援保証・廃業準備貸付 融資 廃業資金が必要な事業者 低利・要返済(制度ごとに上限あり) 信用保証協会・中小機構 現役
(参考)持続化給付金・月次支援金・事業復活支援金・家賃支援給付金 コロナ給付金 受付終了(→§7)

金額・要件・締切は公募回や地域、世帯によって変動します。自分のケースで使えるかどうかは、各制度の公式情報と窓口でご確認ください。

この表からも分かるとおり、「廃業 給付金」で連想されがちなコロナ給付金はすでに終了しています。2026年現在の主力は、共済金A・廃業再チャレンジ枠・住居確保給付金・国保/年金の減免の組み合わせと考えてください。次章以降で、特に金額インパクトが大きい小規模企業共済から順に詳しく見ていきます。

小規模企業共済の共済金(実質の退職金・備え)

廃業時の「お金」の中で、多くの個人事業主にとって最も大きいのが、自分で積み立ててきた小規模企業共済の共済金です。これは国の給付金ではありません。独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する、個人事業主・小規模企業向けの退職金制度です。廃業や引退のタイミングで受け取ることができます。掛金は全額が所得控除となり、現役期の節税と廃業時の退職金を両立できる設計です。ここでは廃業時の受け取り(共済金A)の特徴・税金・手続きを整理します(出典:共済金等請求・解約 / 中小機構)。

廃業なら「共済金A」|任意解約と違い元本割れしない

個人事業の廃業(法人成り予定なし・全事業廃止)では、最も優遇された「共済金A」を受け取れます。 共済金には共済金A・共済金B・準共済金・解約手当金の4種類があり、廃業による受け取りは最優遇枠の共済金Aに該当します。

ここで重要なのが、「任意解約(解約手当金)」とは扱いが異なる点です。任意解約は20年(240か月)未満で掛金合計を下回る可能性があります。一方、廃業による共済金Aの場合は元本割れの対象ではありません。なお、共済金A・共済金Bの請求には、加入後6か月以上の掛金納付期間が必要です。

例外的な扱いになるケースもあります。たとえば2016年3月以前に配偶者・子へ事業を譲渡している場合は、準共済金扱いとなります。また平成22年12月以前から加入し、金銭出資で法人成りする場合は共済金Aで受け取れます。個別の判定は中小機構の小規模共済給付課にご確認ください。

受取方法(一括・分割)と退職所得としての税優遇

共済金は一括 / 分割 / 一括+分割の併用から受取方法を選べます。分割は共済金額が300万円以上、併用は330万円以上などの要件があります。自分の積立額で選択肢が決まる点に注意してください。

税務上は、一括受取は退職所得として扱われます。退職所得控除後の1/2のみに課税される分離課税の優遇が適用されます。分割受取は公的年金等の雑所得として扱われます。他の退職金や年金との兼ね合いで、有利不利が分かれる点に注意が必要です。

ただし、退職所得控除の計算方法や他の所得との通算は個別事情によって変わります。具体的な税額試算と受取方法の選択は、税理士など税務の専門家にご相談ください。本記事では制度の一般的な仕組みを示すに留めます。個別の節税助言は行いません(参考:小規模企業共済のメリットと注意点 / 弥生)。

請求手続きと必要書類(廃業届の写し)・廃業準備貸付

共済金Aを請求する際の中心書類は、税務署受付印のある「個人事業の開業・廃業等届出書(廃業届)」の写しです。廃業年月日が明らかで、税務署の受付印が押されたものを用意します。あわせて共済契約者本人の本人確認書類なども必要になります(出典:共済金等請求・解約|小規模企業共済)。

必要書類が揃ったら、中小機構の小規模共済給付課へ郵送で請求します。書類に不備がなければ、目安として3週間〜1か月程度で振込まれます(処理状況や時期により前後します)。

なお、廃業の準備段階で資金が必要な場合は、廃業準備貸付制度を利用できます。共済加入者が事業を廃止するための設備処分費・在庫処分費・債務整理費などに、低利で借り入れができる制度です。詳細は中小機構の公式案内をご確認ください。

廃業届そのものの書き方は個人事業の開業・廃業等届出書 書き方ガイドで解説しています。e-Taxを使った提出方法は個人事業主の廃業届をe-Taxで出す方法を参考にしてください。共済請求の必要書類としてセットで準備するとスムーズです。

廃業費用に使える補助金|事業承継・M&A補助金 廃業・再チャレンジ枠

廃業に伴う費用(廃業支援費・在庫廃棄費・解体費・原状回復費など)を補助する制度として、「事業承継・M&A補助金 廃業・再チャレンジ枠」があります。 経済産業省・中小企業庁が所管する補助金で、令和7年度補正予算(14次公募)から補助上限が拡充されました。ただし公募制かつ要件が厳格で、誰でも受給できるわけではない点に注意が必要です。

制度概要

事業承継・M&A補助金は、事業承継やM&Aに取り組む中小企業・小規模事業者を支援する補助金です。複数の枠で構成されています。そのうち廃業・再チャレンジ枠は、事業承継・M&Aに伴って既存事業を廃業する事業者向けの枠です。新たな取り組みに挑戦する事業者を対象に、廃業費用の一部を補助します(出典:事業承継・M&A補助金)。

補助上限と補助率

令和7年度補正(14次公募)では、廃業・再チャレンジ枠の補助上限は300万円に拡充されました(従来150万円から)。補助率は補助対象経費の1/2または2/3を上限とする設計です。他の枠との併用申請の取扱いや上乗せ要件は、最新の公募要領で必ずご確認ください(参考:公募要領(中小企業庁))。

なお、補助金は公募回によって上限額・対象経費・締切が頻繁に変動します。本記事は2026年5月時点の整理です。申請にあたっては必ず最新の公募要領で数値・要件を確認してください。

対象経費

廃業・再チャレンジ枠の主な対象経費は次のとおりです(公募回によって対象経費は調整されます)。廃業支援費・在庫廃棄費・建物解体費・原状回復費・リース解約費・土壌汚染調査費などが代表的な項目です。廃業に直接かかるコストの一部を、後払いで補填できる設計になっています。

申請の注意点

申請にあたっては次のハードルがあります。第一に、Jグランツによる電子申請が前提で、GビズIDプライムが必要です。プライムの取得には書類郵送と審査で2〜3週間程度かかるため、公募締切から逆算した準備が必要になります。第二に、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)の確認書が必要です。第三に、廃業・再チャレンジ枠は単独申請ができないケースがあります。他枠との併用または再チャレンジ計画が必要になる場合があるため要注意です(公募回により条件が異なります)。

「廃業・再チャレンジ枠」という名称が示すとおり、この制度は廃業して終わりではない事業者向けです。次の挑戦に向かう事業者を支援する設計になっています。条件を満たさない単純廃業では対象外になる可能性があります。採択は審査次第のため、「申請すれば必ず受給できる」とは言えません。応募を検討する場合は、認定支援機関やミラサポplusなどで早めに相談することをおすすめします。

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廃業後の生活・資金を支える制度

廃業すると当面の収入が途絶え、家賃や保険料の支払いが不安になります。ここでは、廃業した(する)個人事業主が生活や固定費の負担を軽くするための公的制度を整理します。給付(住居確保給付金)・減免(国保・国民年金)・雇用保険の扱い の3つを押さえてください。廃業後の固定費の見通しが立てやすくなります。要件や金額は地域・世帯で異なるため、最終的にはお住まいの自治体の窓口でご確認ください。

住居確保給付金(家賃の支援、廃業者も対象)

住居確保給付金は、離職・廃業から原則2年以内などの要件を満たす方に、家賃相当額を一定期間支給する厚生労働省の制度です。 廃業して個人事業主でなくなった方、または廃業と同程度に収入が減少した方も対象になります。コロナ禍で対象が拡大された制度ですが、現在も継続中の現役制度です(出典:住居確保給付金|厚生労働省)。

支給額は家賃相当額で、各自治体の住宅扶助額が上限となります。支給期間は原則3か月で、要件を満たせば延長・再支給も可能です。金額は世帯人数や地域で異なります。たとえば東京都特別区の単身世帯では、2026年5月時点で月53,700円が上限の目安とされています。自治体により異なるため、最新値は窓口で要確認です。

通常、住居確保給付金は「求職活動」が支給要件のひとつです。ただし自営業者については、求職活動の代わりに事業再生の活動計画が認められる場合があります。よろず支援拠点や商工会議所など経営相談先での相談が、活動として扱われるイメージです。これは自営業者が再就職一択ではなく、事業再開や別事業への転換を検討できるようにするための運用です。

申請・相談は、お住まいの自治体の自立相談支援機関(生活困窮者自立支援制度の相談窓口)で受け付けています。窓口は自立相談支援機関 相談窓口一覧(厚労省)で確認できます。

国民健康保険・国民年金の軽減・免除

廃業で収入が減った場合、国民健康保険料の軽減・減免・納付猶予、国民年金保険料の免除・納付猶予を申請できます。 いずれも申請主義のため、何もしないと通常の保険料が請求されます。早めに窓口で相談するのがポイントです。

国民健康保険料は、前年所得が一定以下の世帯に対し7割・5割・2割の法定軽減が適用されます。また、廃業や失業など特別な事情で収入が急減した場合は、条例による減免や納付猶予を申請できる自治体もあります。窓口はお住まいの市区町村の国保担当課です。

国民年金保険料には複数の仕組みがあります。全額免除・3/4免除・半額免除・1/4免除・納付猶予制度(50歳未満)・学生納付特例などです。全額免除や納付猶予の期間も老齢基礎年金の受給資格期間に算入されます。全額免除の期間は、国庫負担分(保険料納付済期間の1/2)が年金額に反映されます。窓口は年金事務所または市区町村の年金担当課です(出典:国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度|日本年金機構)。

国保・国民年金ともに、廃業届の写しが収入急減・廃業を裏付ける確認書類として使えるケースがあります。共済金A請求のために用意した廃業届の写しは、そのまま減免申請でも活用できます。なお、再就職して会社員になった場合は健康保険・厚生年金に切り替わります。減免申請のタイミングは「廃業後〜再就職前」のフェーズに集中するイメージです。

個人事業主本人に失業給付はある?(雇用保険の扱い)

個人事業主本人は、原則として雇用保険の被保険者になれず、廃業しても失業給付(基本手当)は受けられません。 これは廃業を検討する個人事業主が誤解しやすい論点なので、結論を先に押さえてください。雇用保険は「雇われて働く人」のための制度であり、自分が事業主である個人事業主は被保険者の対象外というのが原則です(出典:雇用保険の基本手当|ハローワーク)。

ただし、例外論点があるため一律に「もらえない」と決め付けるのは早計です。たとえば廃業前に会社員として雇用保険に加入していた期間があるケース。受給資格を取得後の一定期間内に廃業した場合や、受給期間の延長申請を行っているケースなどでは論点が変わります。個別の受給可否は最寄りのハローワークで確認してください。

なお、従業員を雇っていた場合、その従業員は雇用保険の被保険者として失業給付の対象になります。事業主は廃業に伴って、離職票の交付など必要な手続きを行う立場になります。

失業保険(雇用保険)の受給判定の詳細、再就職手当との関係、過去の被保険者期間の扱いは別記事で解説予定です。詳細は廃業後に失業保険は受け取れる?をご参照ください(公開予定)。

自治体独自の給付金・融資という選択肢

国の一律給付がない代わりに、自治体独自のスポット給付金や、廃業資金を支える融資が選択肢になります。 物価高騰対策・光熱費高騰対策・小規模事業者向け緊急支援などの名目で、自治体ごとに不定期に給付金が打ち出されることがあります。金額は数万円〜数十万円規模が中心で、募集期間が短いものが多いため、こまめにチェックする運用が必要です。

具体名は地域差が大きく頻繁に入れ替わるため、本記事では列挙しません。「お住まいの自治体名+給付金+廃業」などのキーワードで自治体公式サイトを定期的にご確認ください。商工会議所・商工会のメールマガジンも、地域限定の支援情報を拾うのに有用です。

融資の側では、自主廃業支援保証小規模企業共済の廃業準備貸付(§3-3)が代表的な選択肢です。自主廃業支援保証は信用保証協会が保証する廃業資金調達支援で、廃業計画書等が必要になります。融資は返済が前提のため、廃業後の収入見通しと合わせて慎重に判断してください。給付金が見つからないからといって詰むわけではありません。減免・共済・融資を組み合わせて廃業の山場を越える という発想が現実的です(参考:個人事業主が受け取れる給付金)。

なお、自治体独自の給付金は要件・金額が限定的なものが多く、主要な資金源として当てにするのは現実的ではありません。本記事で取り上げた制度(共済金A・補助金・減免・住居確保給付金)をベースにしてください。自治体独自制度は「上乗せ」として捉えるとよいでしょう。

終了した制度に注意|持続化給付金などコロナ給付金は受付終了

コロナ禍に存在した「持続化給付金」などの一律給付は、すべて受付を終了しています。 「廃業 給付金」で検索するとコロナ給付金時代の情報がまだ多く残っているため、誤って「今ももらえる」と思い込まないよう、終了した制度を整理しておきます(出典:持続化給付金制度の概要|経済産業省持続化給付金に関するよくあるお問合せ|経済産業省)。

主要なコロナ給付金の終了状況

制度名 個人事業主の上限 受付状況
持続化給付金 最大100万円 2021年2月15日 申請受付終了
一時支援金 最大30万円 2021年5月末 申請受付終了
月次支援金 月最大10万円 2022年1月末 申請受付終了
事業復活支援金 最大50万円 2022年6月17日 申請受付終了
家賃支援給付金 最大300万円(事業全般) 2021年2月15日 申請受付終了

これらの一律給付は感染症対応の臨時措置であり、2026年現在、同様の事業全般への一律給付金は存在しません。コロナ禍を経て、国の支援は「一律救済」から、IT導入・賃上げ・事業承継など特定目的への投資型補助金へとシフトしています。事業承継・M&A補助金の廃業・再チャレンジ枠(§4)も、その文脈に位置づけられる制度です。

だからこそ、廃業時の資金は§2の一覧表で示したように複数制度の組み合わせが必要です。共済金A・廃業再チャレンジ枠・住居確保給付金・国保/年金の減免・自治体給付・融資の組み合わせが基本になります。これが2026年時点での現実的なアプローチです。古い情報源で「持続化給付金が使える」と書かれているページを見かけたら、発行日と一次情報を必ず確認してください。

給付金で畳むか、譲渡で残すか|廃業の前に考えたい選択肢

給付金・補助金は「事業を畳むためのコスト」や「廃業後の生活」を補うものですが、もし事業にまだ価値があるなら、第三者への譲渡(M&A)で手元にお金が残るケースがあります。 廃業すると顧客基盤・営業権・のれん・許認可は原則として消滅しますが、譲渡なら「これまで続けてきた事業そのもの」が対価を持つ可能性があります。

廃業届を出す前に、譲渡の可能性を一度確認する価値があるのは次のような状況です。

  • 直近1〜3年で営業利益(個人事業主は事業所得)が出ている
  • 顧客基盤・取引先関係・許認可・ブランドが第三者にとって価値を持つ
  • 廃業まで3〜6か月以上の猶予がある
  • 後継者がいないために廃業を選ぼうとしているが、第三者承継には抵抗が少ない

これらに当てはまる場合、譲渡で手元に残るキャッシュが廃業ルートを上回る可能性があります。公的な無料相談窓口として、中小機構の事業承継・引継ぎ支援センターがあります。第三者承継(M&A)の相談を無料で受け付けています。給付金・補助金の検討と並行して、譲渡の選択肢も一度確認してみるとよいでしょう。

なお、「譲渡が必ず得になる」と断定することはできません。事業内容・規模・タイミングによっては譲渡が成立しないケースもあり、最終的には個別の精査が必要です。手取り・税負担・期間・後継者の4軸での詳細な比較は、bridge記事廃業 vs 譲渡で後悔しない選択で解説しています。あわせてご覧ください。

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よくある質問(FAQ)

廃業時の給付金・補助金についてよく寄せられる質問を、簡潔にまとめます。詳細は各章および公式窓口でご確認ください。

個人事業主が廃業するともらえる給付金はありますか

コロナ禍の持続化給付金など一律給付は終了しています。2026年現在は、共済金A・廃業再チャレンジ枠・住居確保給付金・国保/年金の軽減免除などが使えます(→§2)。

廃業した個人事業主はいくらもらえますか

制度・加入期間・世帯で金額が異なります。共済金Aは積立額次第、廃業再チャレンジ枠は上限300万円、住居確保給付金は家賃相当額です(→§2/§3/§4)。

小規模企業共済は廃業したらどうなりますか

廃業による受け取りは最優遇の共済金Aとなり、任意解約と違い元本割れの対象になりません。一括受取なら退職所得として税優遇があります(→§3)。

持続化給付金は今ももらえますか

持続化給付金は2021年2月15日に申請受付を終了しています。月次支援金・事業復活支援金・家賃支援給付金などコロナ関連の一律給付もすべて終了済みです。2026年現在、同様の一律給付は存在しません(→§7)。

廃業した個人事業主は失業保険をもらえますか

個人事業主本人は原則として雇用保険の被保険者になれず、失業給付の対象外です。ただし会社員時代の加入期間や受給期間延長の論点があるため、個別の判定はハローワークでご確認ください(→§5-3)。

廃業の費用に使える補助金はありますか

事業承継・M&A補助金の「廃業・再チャレンジ枠」が候補です。ただし公募制で、認定支援機関の確認書やGビズIDプライム取得など要件があり、採択は審査によります(→§4)。

廃業して家賃が払えないとき使える制度はありますか

住居確保給付金が代表的な選択肢です。離職・廃業から原則2年以内などの要件を満たせば家賃相当額(自治体上限)が支給されます。窓口はお住まいの自立相談支援機関です(→§5-1)。

給付金と補助金と助成金の違いは何ですか

給付金は要件充足で支給、補助金は公募・審査ありの後払い、助成金は要件充足で支給され主に雇用系という違いがあります。いずれも原則返済不要です。補助金は事業計画書など手続きが重めです(→§1)。

まとめ|廃業前に「使える制度」と「譲渡という選択肢」を確認

個人事業主が廃業するとき、コロナ禍の持続化給付金のような一律給付はすでに終了しています。ただし2026年現在も使える制度は複数あります。中でも自分で積み立ててきた小規模企業共済の共済金Aは退職金代わりです。廃業による受け取りなら元本割れせず、退職所得として税優遇を受けられます。

あわせて他の制度も候補になります。事業承継・M&A補助金の廃業・再チャレンジ枠(上限300万円)、住居確保給付金、国保・年金の軽減免除などです。自治体独自の給付金や融資も含め、自分の状況に合わせて組み合わせてください。各制度の要件・金額・締切は公募回や時点で頻繁に変動します。必ず公式窓口や税理士・社労士など専門家でご確認ください。

ただし、これらの制度はあくまで「事業を畳む」ためや「廃業後の生活」を支えるものです。もし事業にまだ価値があるなら、第三者への譲渡(M&A)で手元にお金が残らないかを一度確認する価値があります。廃業して顧客や営業権を手放す前に、選択肢を比較してみてください。

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参考文献