カフェ M&A 事業承継 許認可承継

カフェの営業許可は引き継げる?地位承継届(2023〜)と株式・事業譲渡【2026年】

更新: 2026年6月14日

カフェを譲ろうとすると、必ずぶつかる疑問があります——「営業許可は引き継げるのか、それとも買い手が取り直すしかないのか」。かつては事業譲渡では譲受人が許可を取り直す必要があり、それが「だから廃業して原状回復するしかない」という誤解の温床でした。けれど2021年6月1日の食品衛生法改正で相続・合併・分割が、そして2023年12月13日からは事業譲渡も、新たな許可取得なし・届出だけで営業者の地位を承継できるようになっています。後継者不在で出口を探すカフェオーナー、そして居抜きで許可ごと取得したい買い手へ。本記事は、カフェの飲食店営業許可・食品衛生責任者を、株式譲渡・事業譲渡・相続でどう承継・維持・取り直しになるかと、地位承継届の実務(いつから・何の届出・必要書類)を、スキーム別・年号を厳密に区別して整理します。許可の「取り方」ではなく、M&A・事業承継で「許可ごと引き継ぐ」実務に絞ってお伝えします。

この記事の結論(先に要点だけ)

  • カフェの営業に要るのは、原則飲食店営業許可(食品衛生法に基づく保健所の許可)と、各施設に1名の食品衛生責任者の配置です[C-01][C-02]。建設業のような経営業務管理責任者・専任技術者・経営事項審査といった重い人的・財務要件はなく、許可は施設・営業に紐づいて承継しやすいのが特徴です。
  • 営業許可は「引き継げる」。株式譲渡なら法人格が変わらないため、許可・許可番号は会社に帰属したまま原則そのまま継続し、許可の取り直しや地位承継届は原則不要です(食品衛生責任者・役員等の変更があれば所要の届出。要管轄保健所確認)[C-05]。
  • 事業譲渡(店舗・造作ごとの譲渡を含む)は2023年12月13日から、相続・合併・分割は2021年6月1日から、新たな許可取得なし・地位承継届の提出で営業者の地位を承継できます[C-03]。地位承継届は手数料無料・営業の全部譲渡が条件・譲渡契約書等の添付が必要です(必要書類・期限・運用は管轄保健所により異なります)[C-04]。★「2021年改正で事業譲渡の地位承継が可能になった」という説明は誤りで、事業譲渡は2023年12月13日からです[C-03]。
  • 個人事業のカフェは株式(法人格)がなく株式譲渡は使えないため、事業譲渡(≒店舗・造作譲渡)=地位承継届が基本です(親族へは相続・生前譲渡で整理)[C-06]。営業許可・造作・常連は、廃業すればゼロ、承継すれば居抜きで値が付く“引き継げる資産”。可否や必要書類・期限は管轄保健所で異なるため、個別は管轄保健所・行政書士へ確認のうえ、まずは自社の出口を整理することから始めましょう。

§1 カフェの営業許可とは — 飲食店営業許可(食品衛生法)と食品衛生責任者の基本

承継の話に入る前に、カフェの許可が「何で構成されるか」を押さえておきます。営業許可と食品衛生責任者、そして業態による追加の許可・届出を混同すると、承継ミスの元になるからです。

カフェの営業許可とは、店内でコーヒーや軽食などを調理・提供するために必要な、食品衛生法に基づく「飲食店営業」の許可をいいます。保健所(都道府県知事等)が施設の基準を確認したうえで与える許可で、人ではなく施設・営業に紐づくのが基本です。順に分けて理解しておきます。

第1点は、飲食店営業許可が食品衛生法に基づく保健所の許可だということです。2021年6月1日施行の食品衛生法改正で、営業許可の業種が再編され(営業許可業種は32種に整理)、原則すべての営業者にHACCPに沿った衛生管理が制度化されました[C-01]。許可は施設基準(厨房・手洗い・冷蔵設備など)を満たして保健所長の許可を受けて営業するもので、建設業許可のような経営業務管理責任者・専任技術者・経営事項審査・指定建設業といった重い人的・財務要件はありません[C-01]。だからこそカフェの許可は「人に強く紐づく資格」ではなく、施設・営業に紐づき、承継しやすい性質を持ちます。

第2点は、食品衛生責任者です。営業許可・届出の対象となる施設には、原則として各施設に1名の食品衛生責任者を専任で配置する義務があります(令和3年6月1日から・1人が複数施設を兼任することはできません)[C-02]。資格は、①食品衛生監視員・管理者の要件を満たす者、②調理師・製菓衛生師・栄養士等、③知事等が行う養成講習会(おおむね6時間)の修了者のいずれかです[C-02]。重要なのは、営業者が変わっても食品衛生責任者の配置は必要で、責任者を変更したときは管轄保健所へ変更届を出す点です(提出期限・様式は自治体差。例えば江東区では変更のあった日から10日以内)[C-02]。これは承継時の手当てポイントになります。

第3点は、業態による追加の許可・届出です。自家製パンや焼き菓子を作って販売するなら菓子製造業の許可、テイクアウトや通販の食品形態によっては別の許可が必要になることがあります。また、深夜0時以降に酒類を主に提供する形態(バー併設カフェなど)では、深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要になる場合があります。これは「許可」ではなく公安委員会への「届出」で、後述のとおり地位承継の対象外(承継できず新規届出のやり直し)である点に注意が必要です[C-07]。

このように、カフェの許可は飲食店営業許可と食品衛生責任者を軸に構成され、建設業のような根幹人材が抜けると即・継続不能になるタイプの許可ではありません。承継のポイントは、許可の地位承継(届出)と食品衛生責任者の手当てにあります。

カフェ経営そのものの需要動向や将来性、続ける/売る/畳むの全体像は、カフェ経営の将来性・廃業率の動向で俯瞰しています。本記事(許可の承継実務)と併せてご覧ください。許可を承継してカフェを譲った「誰が・なぜ買ったか」の事例傾向はカフェの売却・第三者承継 事例傾向(一人オーナーが売れた条件)で扱っています。

注:営業許可の業種区分、食品衛生責任者の資格・変更届の期限、追加許可・深夜酒類提供届の要否は、管轄保健所・所管行政庁で運用が異なる場合があります。個別の要件・手続きは管轄保健所・行政書士へご確認ください。


§2 なぜ今「許可ごと承継」が増えているか — 廃業率の高さ・居抜き需要・許可承継の届出化

承継スキームの各論に入る前に、なぜ「許可・造作ごと譲る/買う」需要が高まっているのかを整理します。

第一に、廃業・倒産の多発と後継者不在です。飲食店倒産は、帝国データバンク(TDB)の集計(暦年ベース)で2024年894件と過去最多、東京商工リサーチ(TSR)の集計(年度ベース)でも2024年度907件と初の900件台で、いずれも小零細が大半(TSRで89.5%)を占めます[C-08]。TDBは暦年・TSRは年度と集計期間が異なるため併記していますが、過去最多水準という方向は一致しています。とくにカフェ・喫茶は廃業率が高い業態とされ(「開業後3年で約5割が廃業」といった数字も語られますが、これらは業界二次情報が中心のため、ここでは方向性として帰属して扱います)[C-08]。後継者不在は全国で50.1%(TDB・2025年)と、依然として2社に1社が後継者を確保できていません[C-08]。これらが「売り圧」になっています。

第二に、開業夢の買い手の厚さと居抜き需要です。カフェは脱サラ・独立の象徴的な業態で、ゼロから開業するより立地・造作(内装・設備)・常連ごと「店ごと」買える居抜きを求める買い手が動きやすい構造です。居抜きの造作譲渡料は、経営状況とは独立に立地・広さ・路面で決まる物件相場で、軽飲食(カフェ)ではおおむね50万〜150万円(高くて300万円程度・中心100〜150万円)が業界仲介の目安とされます(公的統計はなく、相場感として扱います)[C-09]。

第三に、許可承継の届出化で摩擦が下がったことです。2021年6月1日に相続・合併・分割が、2023年12月13日に事業譲渡が、それぞれ地位承継届で承継できるようになり、「許可を取り直すまで営業できない空白」というネックが大きく下がりました[C-03][C-04]。許可・造作ごとの居抜き承継がやりやすくなったわけです。

加えて、カフェには個人事業が多いという事情もあります。個人事業は株式譲渡が使えないため、第三者へ譲るなら事業譲渡(店舗・造作譲渡)=地位承継届が基本になります(詳細は§3)[C-06]。

需要そのものは戻りつつあるのに続ける体力は削られ、後継者問題が重なる——許可・造作・常連が生きているうちに「許可ごと譲る」需要と「許可ごと買う」需要が、同時に高まっている地合いといえます(買い手の増加を断定するものではなく、足元の方向性です)。


§3 株式譲渡 vs 事業譲渡 vs 相続 — スキーム別・営業許可/食品衛生責任者はどう残る・取り直しか

ここが本記事の中核です。カフェの飲食店営業許可・許可番号・食品衛生責任者が、M&Aのスキーム別にどう動くのかを整理します。金額や相場の話ではなく、「何がどのスキームで残り、どのスキームで地位承継届が要るか」をマトリクスで逆引きできるようにします。

株式譲渡 — 法人格が変わらないので営業許可も許可番号も原則そのまま残る

株式譲渡は、株主(オーナー)が交代するだけで会社そのものは存続します。法人格が変わらないため、飲食店営業許可も許可番号も、会社に帰属したまま原則として継続し、許可の取り直しや地位承継届は原則として不要です[C-05]。買い手から見れば、許可・造作・常連をまとめて取り込めるのが株式譲渡の利点で、手続きの摩擦が小さくなります。

ただし、許可の「要件」は維持し続ける必要があります。食品衛生責任者の配置は引き続き必要で、責任者を変更するなら変更届が要ります[C-02]。役員等の営業者情報に変更が生じる場合も、所要の届出が必要になることがあります。なお、「株式譲渡=許可継続」という点について省庁の明文ワンライナーがあるわけではなく、これは法人格が変わらない(営業者=会社が変わらない)という一般法理と、「事業譲渡には地位承継届が必要」という制度の対比から導かれる整理です。個別の届出要否は管轄保健所にご確認ください[C-05]。

法人カフェ(複数店舗・FCなど)では、許可・造作・常連を丸ごと取り込める株式譲渡が選ばれやすい場面が多くなります。

事業譲渡・店舗譲渡 — 許可は移転できないが、2023-12-13から地位承継届で承継できる

事業譲渡・店舗譲渡では、営業者(人・法人)が変わるため、許可は当然には移りません。ここで使えるのが、令和5年(2023年)12月13日に施行された、事業譲渡による地位承継の制度です[C-03]。

改正前は、事業譲渡では譲受人が新規に許可を取り直す必要があり、新しい許可が下りるまでの間に営業できない空白が生じていました。現在は、営業の全部を譲渡する場合に限り、譲受人は新たな許可取得なし・地位承継届の提出で営業者の地位を承継できます[C-03]。根拠は食品衛生法第56条で、許可を受けた者が当該営業を譲渡し、又は許可営業者について相続・合併・分割があったときに、譲受人等が許可営業者の地位を承継し、遅滞なくその旨を都道府県知事に届け出るものとされています[C-03]。

地位承継届には要件があります。①手数料無料(ただし営業許可証の記載事項変更で書換え交付手数料が別途要る自治体例もあります)②営業の全部譲渡が条件(営業の一部を譲渡する場合には適用されません)③譲渡契約書や覚書等、譲渡の事実と意思が確認できる書類の添付が必要 ④届出は遅滞なく、というものです[C-04]。必要書類・提出期限・受付方法(食品衛生申請等システム/窓口)・運用は管轄保健所により異なるため、事前相談が推奨されます[C-04b]。届出を出さない、あるいは要件(全部譲渡でない・契約書が揃わない等)を満たさない場合は、譲受人の新規許可取得が必要になり、許可の空白・営業できない期間が生じ得ます[C-04b]。

相続・合併・分割 — 2021-06-01から届出で承継

相続・合併・分割による地位承継は、令和3年(2021年)6月1日に施行されています[C-03]。個人営業者が亡くなった場合は相続人が、法人の合併・分割では存続・新設法人が、届出により営業者の地位を承継できます(食品衛生法第56条)[C-03]。★ここで重要なのは、事業譲渡(2023年12月13日)と相続・合併・分割(2021年6月1日)で施行日が異なることです。年号を取り違えないようにしてください。

個人事業カフェ — 株式譲渡が使えず、事業譲渡=地位承継届が基本

個人事業のカフェは、株式(法人格)がないため株式譲渡は使えません。第三者へ譲るなら事業譲渡(店舗・造作譲渡)になり、2023年12月13日以降は地位承継届で営業許可を承継できます[C-06]。親族へ継ぐなら相続(食品衛生法第56条1項)や生前譲渡のスキームで整理します[C-06]。個人事業の譲渡・名義変更・税務の汎用的な全体像は、個人事業(店舗)の譲渡・名義変更・税務の全体像に譲り、本記事では営業許可の承継方法に絞ります。

スキーム別 承継マトリクス(本記事の中核)

カフェの飲食店営業許可・許可番号・食品衛生責任者・地位承継届の要否が、スキーム別にどう動くかをまとめると次のようになります。自社のケースを当てはめて逆引きしてください。

| 承継される要素 \ スキーム | 株式譲渡(法人格存続) | 事業譲渡・店舗譲渡 | 相続(個人事業) | 合併・分割(法人) | |—————————|———————-|———-|——————|——————| | ① 飲食店営業許可・許可番号 | 会社に帰属したまま原則そのまま継続・取り直し不要(地位承継届は原則不要)[C-05] | 2023-12-13から地位承継届で承継(全部譲渡が条件・契約書添付)。届出を出さない/要件を満たさないと新規許可取り直し=空白[C-03][C-04] | 2021-06-01から地位承継届で承継(食品衛生法56条)[C-03][C-06] | 2021-06-01から地位承継届で承継(存続/新設法人へ)[C-03] | | ② 食品衛生責任者 | 配置は継続。変更するなら変更届(期限・様式は自治体差)[C-02] | 承継後も各施設1名必要=再選任・届出が要る場合がある[C-02] | 同左[C-02] | 同左[C-02] | | ③ 地位承継届の要否 | 原則不要(許可は会社に残る)/営業者情報の変更があれば所要の届出[C-05] | (手数料無料・全部譲渡が条件・譲渡契約書等の添付)[C-04] | (同左)[C-04] | (同左)[C-04] | | ④ 適用開始(年号) | —(法人格不変で随時)[C-05] | 2023年12月13日〜(令和5改正)[C-03] | 2021年6月1日〜(令和3改正)[C-03] | 2021年6月1日〜(令和3改正)[C-03] | | ⑤ 個人事業での可否 | 不可(法人格がなく株式譲渡は使えない)[C-06] | (個人事業の出口は事業譲渡=地位承継届が基本)[C-06] | (相続人が承継・56条)[C-06] | 不可(個人事業に合併・分割はない)[C-06] |

カフェの営業許可・許可番号・食品衛生責任者×M&Aスキーム別の承継分岐:株式譲渡は会社に帰属したまま原則そのまま継続・取り直し不要、事業譲渡は2023-12-13から地位承継届で承継(全部譲渡が条件)、相続・合併・分割は2021-06-01から届出で承継。個人事業は事業譲渡一択

図解F1:カフェの営業許可・許可番号・食品衛生責任者×M&Aスキーム別の承継分岐。株式譲渡=法人格不変で原則そのまま継続・取り直し不要/事業譲渡=地位承継届で承継(2023-12-13〜・営業の全部譲渡が条件)/相続・合併・分割=届出で承継(2021-06-01〜)。個人事業は事業譲渡一択です。可否・必要書類・期限は管轄保健所により異なります。

なお、ここではカフェの営業許可に特化して整理しています。飲食店全般のM&A・株式譲渡と事業譲渡の汎用的な違い・進め方の全体像は、飲食店のM&A・株式譲渡vs事業譲渡・進め方の全体像で詳しく解説しています。


§3.5 地位承継届の実務と“年号” — 事業譲渡は2023-12-13から/相続・合併・分割は2021-06-01から

カフェM&Aで最も誤解が多いのが、ここです。「営業許可は引き継げない=廃業して取り直すしかない」という思い込みは、2021/2023の改正で過去のものになりました。鍵になるのは“年号”と“地位承継届”です。

まず年表で整理します。2021年6月1日に、相続・合併・分割による地位承継が届出化されました(許可業種の再編・HACCPに沿った衛生管理の制度化・食品衛生責任者の配置義務の整理も同時です)[C-01][C-03]。そして2023年12月13日に、事業譲渡による地位承継が届出化され、譲渡・相続・合併・分割のすべてが地位承継届で承継できるようになりました[C-03][C-04]。★よく見かける「2021年改正で事業譲渡の地位承継が可能になった」という説明は誤りです。2021年は相続・合併・分割まで、事業譲渡の地位承継は2023年12月13日からです[C-03]。二次情報の年号の取り違えにご注意ください。

飲食店営業許可の地位承継 年表:2021年6月1日=相続・合併・分割が届出化(令和3改正)/2023年12月13日=事業譲渡が届出化(令和5改正・新たな許可取得不要に)。「2021年改正で事業譲渡の地位承継が可能になった」は誤り=事業譲渡は2023-12-13から

図解F3:飲食店営業許可の地位承継 年表。2021年6月1日に相続・合併・分割が、2023年12月13日に事業譲渡が、それぞれ地位承継届で承継できるようになりました。「2021年改正で事業譲渡の地位承継が可能になった」は誤りで、事業譲渡は2023年12月13日からです。だから「営業許可があるから廃業して取り直すしかない」はもう古く、許可・造作ごと譲る/買うのが出口の選択肢です。

次に、地位承継届の要件です。①手数料無料(許可証の記載事項変更があれば書換え交付手数料が別途要る自治体例があります)②営業の全部譲渡が条件(営業の一部を譲渡する場合には適用されません)③譲渡契約書や覚書等、譲渡の事実と意思が確認できる書類の添付が必要 ④届出は遅滞なく(具体的な日数は自治体差)、という4点が柱です[C-04]。手続きの流れは、譲渡契約 → 地位承継届の提出(管轄保健所)→ 受理で営業者の地位を承継、というものです。ただし、必要書類・提出期限・受付方法(食品衛生申請等システム/窓口)・運用は管轄保健所により異なり、書類を揃えて届け出た後に地位承継に該当しなかったケースもあるため、事前に管轄保健所へ相談することが推奨されます[C-04b]。

地位承継届の要件:①手数料無料 ②営業の全部譲渡が条件(一部は不可)③譲渡契約書や覚書等の添付 ④譲受人が引き続き営業を行うこと。必要書類・期限・運用は管轄保健所により異なる

承継後も、各施設に食品衛生責任者1名が必要です。承継に伴って責任者の再選任・変更届が要る場合があります[C-02]。一方、株式譲渡の場合は法人格が変わらないため、原則として地位承継届は不要で許可は会社に残ります(役員・責任者の変更があれば所要の届出。要管轄保健所確認)[C-05]。

ここから、売り手・買い手それぞれに示唆があります。

売り手の方への示唆。営業許可の有効性・許可番号・食品衛生責任者・賃貸借契約(造作譲渡の可否・原状回復義務)を“見える化”しておくことです。自分が法人なら株式譲渡で許可を丸ごと残せる可能性があり、個人事業なら事業譲渡=地位承継届を前提に、全部譲渡・契約書添付の要件から逆算しておきます。「実行してから手続き」では空白が生じうるため、必要書類・期限は早めに管轄保健所で確認しておくと安心です。

買い手の方への示唆。居抜きで取得するときは、地位承継届で許可を引き継げるか(営業の全部譲渡か・契約書が揃うか)を早い段階で確認しておくことです。深夜酒類提供がある店では、その届出は地位承継の対象外で、営業者が変わると承継できず新規届出のやり直しが必要になる点にも注意してください[C-07]。

「許可は引き継げる」と分かっても、自分のスキームで実際に承継できるかは要件次第です。可否や必要書類・期限は管轄保健所により異なるため、個別は管轄保健所・行政書士へご確認ください。

▶ 営業許可・造作ごと譲れるか/引き継げるか、無料で相談する

「営業許可は引き継げるのか」「自分は株式譲渡が使えるのか、それとも事業譲渡=地位承継届になるのか」——許可・造作・常連ごと譲れるか/引き継げるかを、許可の棚卸しを含めてご相談いただけます(個別の申請手続き・可否・期限は管轄保健所・行政書士への確認が前提です)。 → 営業許可・造作ごと譲れるか/引き継げるか無料で相談する

廃業して原状回復すれば、許可も造作も常連もゼロになります。廃業と売却(居抜き譲渡)の手取り損得は、カフェは廃業と売却どちらが得か(手取り比較)で比較しています。


§4【M&A・投資視点】営業許可・造作・常連という“引き継げる資産”の価値と、許可ごと承継する準備

ここからは、許可を「資産」として見る視点です。カフェの価値は、決算書に金額で載りにくい“引き継げる資産”——営業許可・造作(内装・設備)・立地・常連——にあります。廃業してスケルトン返しすればこれらはゼロになり、加えて原状回復で持ち出しになりますが、許可・造作・常連ごと居抜きで譲れば造作譲渡料が入り、買い手は時間(開業準備・許可取得)を買えます。許可承継が届出化(2023年12月13日に事業譲渡)された今、出口は「たたむ」より「許可・造作ごと譲る」が現実的になっています。株式譲渡なら許可が丸ごと残るため法人カフェでは手続き摩擦が小さく、個人事業なら事業譲渡=地位承継届で許可を引き継げます。

買い手は許可をどう見るか — チェックポイント3つ

1. 営業許可の有効性と承継方法。飲食店営業許可・許可番号・有効期限を確認し、株式譲渡なら原則継続、居抜き/事業譲渡なら地位承継届で承継できるか(営業の全部譲渡か・契約書が揃うか)を見ます。承継可否がスキーム設計に直結します[C-03][C-04][C-05]。 2. 造作・賃貸借契約・原状回復義務。居抜きで造作(内装・厨房設備)を引き継げるか、貸主の承諾は取れるか、造作譲渡料・残置設備の状態はどうかを確認します。造作譲渡料は経営状況と独立に立地・広さ・路面で決まる相場で、軽飲食ではおおむね50万〜150万円が業界仲介の目安です(公的統計はありません)[C-09]。 3. 食品衛生責任者・追加許可・深夜酒類提供。承継後の食品衛生責任者の再選任、菓子製造業等の追加許可、深夜酒類提供の届出(承継不可・新規届出やり直し)の要否を確認します[C-02][C-07]。

編集部より:買い手が最初に確認するのは“許可がそのまま引き継げるか・食品衛生責任者と造作・常連が残るか”です

実際の飲食・カフェのM&Aで、買い手が最初に確認するのは、まず「営業許可がそのまま引き継げるか・食品衛生責任者は手当てできるか・造作と賃貸借契約(造作譲渡の可否・原状回復義務)はどうか・常連と立地は残るか」です。株式譲渡なら法人格ごと許可が残って居抜きで丸ごと取り込めるため、手続きの摩擦が小さくなります。個人事業カフェの事業譲渡でも、2023年12月13日以降は地位承継届で許可を引き継げるようになり、「買い手が許可を取り直すまで営業できない空白」という以前のネックが大きく下がりました。一方で「営業許可は引き継げない=廃業して原状回復するしかない」と思い込んだまま、許可・造作・常連という資産をゼロにして畳んでしまうオーナーが後を絶ちません。許可の「取り方」や古い年号の記事だけ読んでも、この“引き継げる×いつから”は見えてこないのです。(※本コラムは当社の飲食・カフェ領域におけるM&A実務での一般的な所感です)

売り手が承継前に整える準備3つ

1. 許可・造作・常連を棚卸しする。飲食店営業許可の有効期限・許可番号、食品衛生責任者は誰か・承継後の再選任候補、賃貸借契約(造作譲渡の可否・原状回復義務)、造作・常連・立地・レシピなどを一覧にして「見える化」します。“許可・造作ごと承継できる状態”ほど高く評価されます。 2. スキーム選択を早期に決める。法人カフェで許可を丸ごと残したいなら株式譲渡、個人事業・店舗単体なら事業譲渡=地位承継届を、全部譲渡・契約書添付の要件から逆算しておきます[C-05][C-06]。 3. 居抜き前提なら引き継ぎ条件を整理し、保健所へ事前確認する。造作・常連・レシピ等の引き継ぎ条件を整え、地位承継届の必要書類・提出期限を管轄保健所で事前に確認しておきます[C-04b]。

相場・手取りの考え方は別記事へ

カフェはFLコスト(食材費+人件費)が売上の約6割が目安で、営業利益率は一桁台にとどまりやすく、赤字も珍しくない低利益業態です[C-10]。けれど、だからこそ営業許可・造作・立地・常連という“引き継げる資産”が、店ごと(居抜き)売れる価値になります。許可・造作・常連が承継できる前提なら、それらの有無が評価を大きく左右します。具体的な相場の算定式(居抜き造作譲渡+年買法)と税引後の手取りは、カフェの売却相場・居抜き造作譲渡と年買法の決まり方で詳しく解説しています。本記事では「許可・造作・常連の承継可否と地位承継届のスキームが評価を左右する」という定性的な整理に留めます。

なお税務について。株式譲渡で個人株主が得た利益には申告分離課税で20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)が課されます。事業譲渡は、個人なら譲渡所得・事業所得や消費税といった論点があり、課税の入口が異なります。個別の税額は税理士へご確認ください[C-11]。また、「M&Aで事業承継税制を使って節税できる」という理解は正しくありません。事業承継税制は親族内・社内承継の納税猶予制度であり、第三者へのM&A売却とは別物です[C-12]。混同しないようにしてください。

廃業との手取り損得はカフェは廃業と売却どちらが得か、業界の将来性・全体像はカフェ経営の将来性・廃業率の動向も参考になります。掲載中の案件は掲載中の飲食・カフェのM&A案件一覧(「飲食」で検索)からご覧いただけます。

▶ 許可・造作・常連ごと、出口を相談する

売り手の方は「許可・造作・常連ごと譲れる出口」を、買い手の方は「許可ごと引き継げる居抜きカフェ案件」を、それぞれ無料でご相談いただけます。 → 売り手の方:許可・造作・常連ごと譲れる出口を無料相談する → 買い手の方:許可ごと引き継げる居抜きカフェ案件を相談する


§5 よくある質問(FAQ)

Q1. カフェ(飲食店)の営業許可は、M&A・事業承継で引き継げますか? A. はい、スキームに応じて引き継げます。株式譲渡なら、法人格が変わらないため営業許可・許可番号は会社に帰属したまま原則として継続し、取り直しや地位承継届は原則不要です[C-05]。事業譲渡・相続・合併・分割では、許可は当然には移転できませんが、地位承継届で営業者の地位を承継できます(事業譲渡は2023年12月13日から、相続・合併・分割は2021年6月1日から)[C-03][C-04]。地位承継届を出さない/要件を満たさない場合は、譲受人の新規許可取得が必要になり、許可の空白が生じ得ます[C-04b]。可否・手続きは管轄保健所・行政書士へご確認ください。

Q2. 飲食店の営業許可の地位承継(事業譲渡)は、いつから可能になりましたか? A. 事業譲渡による地位承継は、令和5年(2023年)12月13日に施行されました[C-03]。それ以前は、事業譲渡では譲受人が新規に許可を取り直す必要がありました。なお、相続・合併・分割による地位承継は令和3年(2021年)6月1日からで、事業譲渡とは施行日が異なります[C-03]。「2021年改正で事業譲渡の地位承継が可能になった」という説明は誤りなのでご注意ください。

Q3. 株式譲渡と事業譲渡・相続で、営業許可の扱いはどう違いますか? A. 株式譲渡は法人格が変わらないため、飲食店営業許可・許可番号が会社に残り原則継続します(地位承継届は原則不要)[C-05]。事業譲渡・相続・合併・分割は営業者が変わるため、許可は当然には移転できず、地位承継届で承継します(事業譲渡2023-12-13〜・相続等2021-06-01〜)[C-03][C-04]。許可を丸ごと残したい法人カフェでは株式譲渡が選ばれやすく、個人事業や店舗単体の譲渡では事業譲渡=地位承継届になります。

Q4. 地位承継届の手続き・必要書類・手数料・期限はどうなっていますか? A. 地位承継届は、①手数料無料(許可証の書換え交付手数料が別途要る自治体例あり)②営業の全部譲渡が条件(一部譲渡は不可)③譲渡契約書や覚書等の添付が必要 ④届出は遅滞なく、というのが柱です[C-04]。手続きは、譲渡契約 → 地位承継届の提出(管轄保健所)→ 受理で承継、という流れです。ただし、必要書類・提出期限・受付方法・運用は管轄保健所により異なり、事前相談が推奨されます[C-04b]。具体的な書類・期限・様式は管轄保健所・行政書士へご確認ください。

Q5. 個人事業のカフェを譲るとき、営業許可はどうすればよいですか? A. 個人事業は株式(法人格)がないため株式譲渡が使えません。第三者へ譲るなら事業譲渡(店舗・造作譲渡)になり、2023年12月13日以降は地位承継届で営業許可を承継できます[C-06]。親族へ継ぐ場合は相続(食品衛生法56条1項)や生前譲渡で整理します。個人事業の譲渡・名義変更・税務の汎用的な全体像は個人事業(店舗)の譲渡の全体像も参考になります。個別は管轄保健所・税理士へご確認ください。

Q6. 食品衛生責任者や営業許可の名義変更はどうなりますか?深夜酒類提供は承継できますか? A. 食品衛生責任者は各施設に1名の配置が必要で、営業者が変わっても配置は必要です。承継に伴って再選任・変更届が要る場合があります(期限・様式は自治体差)[C-02]。営業許可の名義(営業者)は、株式譲渡なら会社のまま変わらず、事業譲渡・相続等では地位承継届で承継します[C-03][C-05]。一方、深夜0時以降の酒類提供(深夜酒類提供飲食店営業)は「許可」ではなく公安委員会への「届出」で、地位承継の制度がありません。営業者が変わると承継できず、新規届出のやり直しになります(営業開始の10日前まで・無届は罰則あり)[C-07]。「営業許可」と「届出」を混同しないようご注意ください。


§6 まとめ — 続ける/継がせる/売る/買う、どの出口でも“許可は引き継げる”前提で動く

最後に要点を3つ。

  • カフェの営業に要るのは飲食店営業許可(食品衛生法)と食品衛生責任者の配置で、建設業のような経営業務管理責任者・専任技術者・経営事項審査といった重い人的・財務要件はありません[C-01][C-02]。許可は施設・営業に紐づき、承継しやすい性質を持ちます。
  • 営業許可は引き継げます。株式譲渡なら法人格不変で許可は会社に残り原則手続き不要/事業譲渡は2023年12月13日から、相続・合併・分割は2021年6月1日から、地位承継届で承継できます[C-03][C-05]。地位承継届は手数料無料・営業の全部譲渡が条件・譲渡契約書等の添付が必要です(必要書類・期限・運用は管轄保健所により異なります)[C-04]。「2021年改正で事業譲渡の地位承継が可能になった」は誤りです[C-03]。
  • 個人事業のカフェは株式譲渡が使えず、事業譲渡=地位承継届が基本です(親族は相続・生前譲渡)[C-06]。深夜酒類提供は届出で、承継できず新規届出のやり直しになります[C-07]。

出口別のチェックリストにすると、こうなります。

売り手の方

  • ☐ 飲食店営業許可の有効期限・許可番号、食品衛生責任者は誰か・承継後の再選任候補を棚卸ししたか
  • ☐ 自分は法人か個人事業か(=株式譲渡が使えるか/事業譲渡=地位承継届か)を確認したか
  • ☐ 事業譲渡なら全部譲渡か(一部は地位承継届の対象外)/譲渡契約書・覚書等は揃うかを確認したか
  • ☐ 地位承継届の必要書類・提出期限を管轄保健所で確認したか/賃貸借契約の造作譲渡の可否・原状回復義務・深夜酒類提供届の有無を確認したか
  • ☐ 廃業して原状回復する前に、許可・造作・常連ごと譲れないか(居抜き)を確認したか

買い手の方

  • ☐ 営業許可が選んだスキームで承継できるか(株式譲渡=原則継続/事業譲渡=地位承継届・全部譲渡か・契約書が揃うか)をearlyに確認したか
  • ☐ 食品衛生責任者の手当て・造作/賃貸借契約・追加許可・深夜酒類提供(承継不可・新規届出やり直し)を確認したか

カフェを譲ろうとすると、必ずぶつかる疑問があります——「営業許可は引き継げるのか、それとも買い手が取り直すしかないのか」。かつては事業譲渡では譲受人が許可を取り直す必要があり、それが「だから廃業して原状回復するしかない」という誤解の温床でした。けれど2021年6月1日の食品衛生法改正で相続・合併・分割が、そして2023年12月13日からは事業譲渡も、新たな許可取得なし・地位承継届の提出で営業者の地位を承継できるようになっています(手数料無料・営業の全部譲渡が条件・譲渡契約書等の添付が必要。必要書類・期限・運用は管轄保健所により異なります)。株式譲渡なら法人格が変わらないため許可・許可番号は会社に残り原則手続き不要、個人事業なら事業譲渡=地位承継届で許可を引き継げます。カフェの価値は、決算書に載りにくい営業許可・造作・立地・常連という“引き継げる資産”にあります——廃業してスケルトン返しすればゼロになり原状回復で持ち出し、許可・造作ごと居抜きで譲れば造作譲渡料が入り、買い手は時間を買えます。続ける・継がせる・売る・買う、どの出口でも、まずは自社の営業許可・食品衛生責任者・賃貸借契約をどう引き継げるか、そして自分が株式譲渡を使えるのか(法人)/事業譲渡=地位承継届になるのか(個人事業)を確認することから始めましょう。なお「2021年改正で事業譲渡の地位承継が可能になった」とする情報は誤りで、事業譲渡は2023年12月13日からである点にご注意ください。

▶ たたむ前に、許可・造作ごと残せるか確認する

「営業許可は引き継げるのか」「どのスキームが自分に合うか」を、売り手の方は完全無料でご相談いただけます(個別の可否・必要書類・期限は管轄保健所・行政書士への確認が前提です)。 → たたむ前に、許可・造作ごと残せるか無料相談する

相場はカフェの売却相場・居抜き造作譲渡と年買法の決まり方、廃業との損得はカフェは廃業と売却どちらが得か、業界の将来性はカフェ経営の将来性・廃業率の動向、飲食店M&A全般・個人事業の譲渡の全体像は飲食店のM&A・株式譲渡vs事業譲渡の全体像個人事業(店舗)の譲渡の全体像をご覧ください。


免責

本記事は、カフェ(飲食店)の営業許可承継・M&A・事業承継に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の許可の承継可否・必要書類・提出期限・承継成否を保証するものではありません。営業許可の地位承継の可否・必要書類・提出期限・受付方法・株式譲渡時の届出要否・運用は、管轄の保健所(自治体)により異なります。許認可の承継申請・個別の可否判断は行政書士・管轄保健所へ、法務に関する事項は弁護士へ、税務の取り扱いは税理士へご相談ください。本記事の内容は、当社が許認可の代理・代行を行うことを示すものではありません。また、本記事には当社サービス(無料相談)へのご案内を含みます。


出典

  • [C-01] カフェの営業に必要な飲食店営業許可は食品衛生法に基づく保健所の許可。2021年6月1日施行の食品衛生法改正で営業許可業種が再編(32種に整理)されHACCPに沿った衛生管理が制度化。建設業のような経営業務管理責任者・専任技術者・経営事項審査・指定建設業の人的・財務要件は無い — 厚生労働省「食品衛生法の改正(営業許可制度の見直し・HACCPに沿った衛生管理の制度化)」: https://www.mhlw.go.jp/content/11131500/000739154.pdf / 食品衛生法(e-Gov): https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000233
  • [C-02] 食品衛生責任者は各施設に1名を専任で配置(令和3年6月1日から・1人が複数施設を兼任不可)。資格は①食品衛生監視員/管理者の要件 ②調理師・製菓衛生師・栄養士等 ③知事等の養成講習会(おおむね6時間)修了者のいずれか。営業者が変わっても配置は必要で、変更したときは管轄保健所へ変更届(期限・様式は自治体差・例:江東区は10日以内) — 厚生労働省 食品衛生責任者: https://www.mhlw.go.jp/ / 江東区「食品衛生責任者に関する手続き」: https://www.city.koto.lg.jp/260404/fukushi/ese/shokuhin/6962.html / 神戸市FAQ: https://faq.city.kobe.lg.jp/faq/show/1738
  • [C-03] 飲食店営業許可の事業譲渡による地位承継は令和5年(2023年)12月13日施行。営業の全部を譲渡する場合、譲受人は新たな許可取得なし・地位承継届で営業者の地位を承継できる。相続・合併・分割による地位承継は令和3年(2021年)6月1日施行。根拠=食品衛生法56条1項(譲渡・相続・合併・分割で地位承継)・2項(遅滞なく届出)。「2021年改正で事業譲渡の地位承継が可能になった」は誤り(事業譲渡は2023-12-13から) — 東京都保健医療局「事業譲渡における営業者の地位の承継」: https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/jigyojoto.html / 川崎市「食品営業の地位の承継」: https://www.city.kawasaki.jp/350/page/0000130206.html / e-Gov 食品衛生法56条: https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=322AC0000000233;article=56
  • [C-04] 地位承継届は手数料無料(許可証の記載事項変更で書換え交付手数料が別途要る自治体例あり)・営業の全部譲渡が条件(一部譲渡は不可)・譲渡契約書や覚書等(譲渡の事実と意思が確認できる書類)の添付が必要・届出は遅滞なく — 東京都保健医療局「事業譲渡における営業者の地位の承継」(全部譲渡が条件・譲渡契約書/覚書等の添付・遅滞なく): https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/jigyojoto.html / 川崎市(手数料無料): https://www.city.kawasaki.jp/350/page/0000130206.html / 四日市市「相続・合併・分割による営業許可の承継の届出」: https://www.city.yokkaichi.lg.jp/www/contents/1623887907272/index.html
  • [C-04b] 地位承継届の必要書類・提出期限・受付方法(食品衛生申請等システム/窓口)・株式譲渡時の届出要否は管轄保健所により異なる。事前相談が推奨され、届出後に地位承継に該当しなかったケースもあるため事前確認が必要 — 各自治体保健所手引 / 厚生労働省 食品衛生申請等システム: https://ifas.mhlw.go.jp/
  • [C-05] 株式譲渡は法人格不変のため飲食店営業許可・許可番号が会社に帰属したまま原則継続・取り直しや地位承継届は原則不要(食品衛生責任者・営業者情報の変更があれば所要の届出。要管轄保健所確認)。事業譲渡・相続・合併・分割は地位承継届が必要、との対比。食品衛生法56条1項は承継事由を「当該営業を譲渡し、又は…相続、合併若しくは分割があったとき」と列挙し株式譲渡は列挙外(法人格不変で営業者=会社が変わらないため)。株式譲渡=継続の省庁明文ワンライナーは無く一般法理として記述 — e-Gov 食品衛生法56条: https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=322AC0000000233;article=56
  • [C-06] 個人事業のカフェは株式(法人格)が無く株式譲渡は不可。第三者への譲渡は事業譲渡(店舗・造作譲渡)=2023-12-13以降は地位承継届で許可を承継、親族は相続(食品衛生法56条1項)/生前譲渡で整理。個人事業の譲渡・名義変更・税務の汎用は /column/kojin-jigyou-jouto/ へ — e-Gov 食品衛生法56条: https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=322AC0000000233;article=56 / 自治体保健所 地位承継 手引(個人営業者の相続・営業の事業譲渡を承継対象に列挙)
  • [C-07] 深夜0時以降の酒類提供は深夜酒類提供飲食店営業の届出(風営法33条・公安委員会・許可でない)。届出制ゆえ地位承継の制度がなく、営業者が変わると(相続・譲渡・法人成り・運営会社変更)名義変更できず新規届出のやり直しが必要。新規届出は営業開始の10日前まで、無届は風営法54条で50万円以下の罰金 — 警察庁/都道府県警(風営法)解説: https://fuei.jp/fuei_kyoka_introduction/topic/fukazake_outline / 愛知県警「深夜における酒類提供飲食店営業の営業開始届出手続」: https://www.pref.aichi.jp/police/shinsei/fuei/kyoka/hoan/shinyaeigyou.html
  • [C-08] 飲食店倒産はTDB2024暦年894件=過去最多(小規模87.7%)/TSR2024年度907件=初の900件台(小零細89.5%)。TDBは暦年・TSRは年度と集計期間が異なるため併記。カフェ・喫茶は廃業率が高い業態(開業後3年で約5割等は業界二次情報・帰属明示)。後継者不在は全国50.1%(TDB2025) — 帝国データバンク「飲食店倒産動向(2024年)」: https://www.tdb.co.jp/report/industry/20250114-insyokutousan/ / 東京商工リサーチ「飲食業の倒産(2024年度)」: https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1201142_1527.html / 帝国データバンク「後継者不在率動向調査2025」: https://www.tdb.co.jp/report/economic/20251121-successor25y/
  • [C-09] 居抜きの造作譲渡料は経営状況と独立に立地・広さ・路面で決まる物件相場で、軽飲食(カフェ)はおおむね50万〜150万円(高くて300万円程度・中心100〜150万円)が業界仲介の目安。坪単価式「月家賃÷坪数=坪単価×60〜100倍」も業者の目安(いずれも公的統計なし。算定式の詳細はカフェの売却相場記事へ) — 店サポ/居抜き市場ほか業界仲介の目安: https://misesapo.jp/archives/3901
  • [C-10] カフェ・喫茶はFLコスト(食材費+人件費)が売上の約6割(約60%)が目安で、営業利益率は一桁台にとどまりやすく赤字も珍しくない低利益構造(営業利益率10%以下説等は業界二次情報・帰属明示。粗利率と営業利益率を混同しない) — 中小機構「小規模事業者支援のための業務必携」(標準FL比率の目安): https://www.smrj.go.jp/ / 日本フードサービス協会 外食産業市場動向調査
  • [C-11] 個人株主の株式譲渡益は申告分離課税20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)。事業譲渡は課税の入口が異なる(個人=譲渡所得/事業所得・消費税。個別は税理士へ) — 国税庁 タックスアンサー No.1463: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm
  • [C-12] 事業承継税制(贈与・相続による株式取得等の納税猶予制度)は親族内・社内承継の制度で、第三者へのM&A売却とは別物(節税スキームと誤誘導しない。言及時は公開直前に国税庁の更新日を再確認) — 国税庁 No.4148: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4148.htm / 中小企業庁 法人版事業承継税制: https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_enkatsu_zouyo_souzoku.html

営業許可(地位承継)が相場・出口にどう効くか、買収後にいくら残るかの財務・利益率の全体像は、カフェの年収・利益率の実際(買収後にいくら残るか)はこちらで扱っています。

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営業許可の地位承継が動向としてどう位置づくか(外食M&A・第三者承継の広がり)を業界全体で定点観測したカフェ業界の最新動向2026(倒産・後継者不在・M&A市場の今)はこちら