開業届のオンライン提出(e-Tax)完全手順|マイナンバーカードでの出し方・控えの保存・同時提出する青色申告承認申請書

更新: 2026年5月24日

開業届のオンライン提出(e-Tax)完全手順|マイナンバーカードでの出し方・控えの保存・同時提出する青色申告承認申請書

開業届のオンライン提出とは、個人事業の開業・廃業等届出書を、国税の電子申告システム e-Tax を使って税務署へ行かずに提出する方法のことです。 開業時と廃業時で同じ様式を使い、「届出の区分」欄で「開業」を選んで送信します。本記事は中小企業のM&A仲介プラットフォームM&A-WEBの編集視点から、これから開業するフリーランス・副業者に的を絞り、①開業届を e-Tax でオンライン提出する画面手順、②オンライン提出後の控え(受信通知)の保存と使い道、③開業届と同時に提出を検討する青色申告承認申請書などの書類、の3点を深掘りします。

結論先出し:開業届のオンライン提出に必要なのは「① 利用者識別番号 ② マイナンバーカード(電子証明書) ③ マイナポータルアプリ対応スマホ または ICカードリーダライタ接続のPC」の3点です。マイナンバーカード方式ならスマホだけでも完結でき、e-Tax は24時間提出可能(メンテナンス時間を除く)です。開業届と青色申告承認申請書は提出期限が異なるため、青色申告を検討する場合は同時提出が効率的です。本記事は特に e-Tax の画面手順控えの保存・同時提出書類 に集中します。

本記事のスコープと前提:本記事は開業届という公的書式のオンライン提出手順に関する一般情報です。個別の課税判定(青色申告を選ぶべきか、専従者給与の要否、消費税の取扱い等)は税理士または所轄税務署の個別相談、開業届・各種届出書の代理作成・代理提出は行政書士、個別の法律相談は弁護士の領域です。各士業の境界を踏まえてご利用ください。e-Tax の実画面・対応様式は年次で更新されるため、提出時にはe-Tax公式サイトで最新情報をご確認ください。

廃業届のオンライン提出をお探しの方へ — 事業を「畳む」側の手続き(個人事業の開業・廃業等届出書を「廃業」区分で出す e-Tax 手順、青色申告取りやめ・消費税の事業廃止など同時提出書類セット)は別記事個人事業主の廃業届 完全ガイド|e-Taxオンライン提出手順で網羅しています。本記事は 開業側 に限定し、開業 e-Tax 手順・控え・青色申告承認申請書に集中します。

開業届のオンライン提出とは — 正式名称・対象・なぜオンラインか

開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」で、所得税法第229条に基づき、事業を開始した日から1か月以内に納税地の所轄税務署へ提出する書類です。 開業時と廃業時で同じ様式(兼用フォーム)を使い、「届出の区分」欄で「開業」を選んで提出します。この書類は e-Tax で提出できる申請・届出手続のひとつとして用意されており、税務署へ出向かずにオンラインで完結できます(e-Tax 申請・届出手続)。

対象になる人 — これから開業する個人事業主・フリーランス・副業まで

開業届の提出対象は、新たに事業所得を生む事業を始める個人です。具体的には、Webデザイナー・ライター・エンジニア・コンサルタント・ECサイト運営・飲食店・美容師・整体師などとして独立する方が該当します。会社員が副業として事業を始め、その所得を事業所得として申告していく場合も対象です。

一方、法人(株式会社・合同会社)の設立は本届出書の対象外です。法人設立は法務局での設立登記と税務署への法人設立届出書などが別途必要で、登記は司法書士の領域です。本記事は個人事業主の開業に特化しているため、法人設立の手続きは扱いません。

なぜオンライン(e-Tax)提出が向くのか

平日の日中に税務署へ行きにくいフリーランス・副業者にとって、e-Tax は有力な選択肢です。24時間提出でき(メンテナンス時間を除く)、紙の控えを保管する手間もありません。電子署名により本人が作成・送信したことが担保されるため、別途の本人確認書類の提示・添付は不要とされています(e-Tax ご利用の流れ)。マイナンバーカードを持っている方なら、初期設定さえ済めば自宅から完結できます。

開業届に記入する主な項目は、提出先税務署・納税地・氏名・個人番号・職業・屋号・届出の区分(開業に〇)・所得の種類・開業日などです。本記事はオンライン提出の操作手順に焦点を当てるため記入項目そのものの考え方は要点に留めます。同じ様式を「廃業」区分で使う廃業側の項目別解説は個人事業主の廃業届 完全ガイド廃業届の書き方完全ガイドを参照してください。

開業届のオンライン提出に必要なものと事前準備

開業届を e-Tax でオンライン提出するには、利用者識別番号・マイナンバーカード(電子証明書)・カードを読み取る機器(スマホ または ICカードリーダライタ接続PC)の3点を、提出前にそろえておくのが基本です。 ここでは「開業届のオンライン提出に必要なものは何か」を、初めての方が迷わないように整理します。

事前準備チェックリスト(3点)

  • 利用者識別番号(半角16桁):e-Tax を利用するための番号です。マイナンバーカード方式では、ログイン画面でカードを読み取り、「利用者情報の登録」画面の案内に従って入力を進めると、開始届出書を別途提出しなくても登録が完了します(e-Tax ご利用の流れ)。
  • マイナンバーカード(電子証明書):本人確認と電子署名に使います。利用にあたっては、署名用電子証明書のパスワード(英数字6文字以上16文字以下)と、利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)が必要です(e-Tax ご利用の流れ)。番号を忘れた場合は市区町村窓口での再設定が必要になることがあります。
  • カードを読み取る機器:マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォン(マイナポータルアプリ)か、ICカードリーダライタを接続したPCのいずれかです(e-Tax ご利用の流れ)。

スマホ完結ルート と PC ルートの選び方

  • スマホ完結ルート:マイナンバーカード対応スマホとマイナポータルアプリがあれば、利用者情報の登録から届出書の作成・電子署名・送信までスマホだけで進められます。外付け機器が不要で始めやすいルートです。
  • PCルート:PCで作業したい場合は、ICカードリーダライタを接続してカードを読み取ります。複数の届出書をまとめて作成する場合や、大きい画面で確認しながら入力したい場合に向きます。

どちらのルートでも提出できる届出書の内容は同じです。最新の対応OS・対応機種・アプリのバージョンは年次で変わるため、提出前にe-Tax公式サイトで確認してください。

初回セットアップの時間感と開業日ギリギリ回避

マイナンバーカードの読み取り環境の準備や利用者情報の登録に、初回は時間がかかる場合があります。開業届の提出期限は事業を開始した日から1か月以内であるため、開業日の直前に慌てて準備するのではなく、余裕を持って機器とパスワードをそろえておくのが安全です。また、e-Tax にはメンテナンス時間があり、その間は送信できない点にも留意してください。後述のとおり、青色申告を検討する場合は青色申告承認申請書の期限(開業から2か月以内が基本)も関わるため、開業の早い段階で準備を始めるとスケジュールに余裕が生まれます。

開業届の e-Tax オンライン提出 画面手順(5〜6ステップ)

開業届を e-Tax で提出する流れは、「事前準備(利用者識別番号・電子証明書)→ ログイン → 開業届の作成(区分『開業』)→ 同時提出書類の作成(任意)→ 電子署名 → 送信・受信通知の確認」の順に進みます。 本セクションは、これから開業する個人事業主が自宅から提出するケースを想定し、画面ステップを順に解説します。なお、e-Tax の実画面は年次で更新されるため、最新の画面はe-Tax公式で必ずご確認ください。各ステップの図は、実画面の年次更新に追従させるための placeholder です。

Step 1 — e-Tax へログイン(マイナンバーカード方式)

e-Tax ホームページ上部の「ログイン」から、e-Tax ソフト(WEB版)のログイン画面にアクセスします。マイナンバーカード方式の場合、スマホ(マイナポータルアプリ)または ICカードリーダライタでマイナンバーカードを読み取ってログインします。利用者識別番号をまだ持っていない場合は、案内に従って利用者情報を登録すれば、その場で登録が完了します(e-Tax ご利用の流れ)。

【e-Tax 画面 placeholder 図解 1】 図1: e-Tax ソフト(WEB版)ログイン画面(マイナンバーカード方式) ALT: e-Tax ログイン画面でマイナンバーカードを読み取りログインする操作位置の参考図。実画面は年次更新のため最新は e-Tax 公式で確認。

Step 2 — 「個人事業の開業・廃業等届出書」を選択

ログイン後、申請・届出のメニューから「個人事業の開業・廃業等届出」を選びます。「個人事業の開業・廃業等届出書」は、e-Tax で提出できる申請・届出手続(申告所得税関係)のひとつとして用意されています(e-Tax 申請・届出手続)。

【e-Tax 画面 placeholder 図解 2】 図2: 申請・届出メニューから「個人事業の開業・廃業等届出」を選ぶ画面 ALT: 申告所得税関係の手続一覧から「個人事業の開業・廃業等届出書」を選択する位置の参考図。実画面は年次更新のため最新は e-Tax 公式で確認。

Step 3 — 届出区分「開業」・開業日・所得の種類・屋号を入力

届出書の入力画面で、届出の区分を「開業」に設定し、開業日(事業を実際に開始した日)・所得の種類・事業の概要・屋号などを入力します。屋号を付けない場合は空欄でも差し支えありません。所得の種類は、一般的な個人事業なら事業所得、不動産賃貸なら不動産所得など事業内容に応じて選びます。どの所得区分に該当するか迷う場合は、税理士または所轄税務署の個別相談で確認してください。

【e-Tax 画面 placeholder 図解 3】 図3: 届出書入力画面(届出の区分「開業」を選択) ALT: 届出の区分で「開業」を選び、開業日・所得の種類・屋号を入力する欄の参考図。実画面は年次更新のため最新は e-Tax 公式で確認。

Step 4 —(任意)青色申告承認申請書など同時提出書類を作成

青色申告を検討する場合は、開業届に続けて青色申告承認申請書などを作成します。青色申告承認申請書も e-Tax の申請・届出手続として用意されています(e-Tax 申請・届出手続)。家族へ給与を払う予定がある場合の青色事業専従者給与に関する届出書、従業員に給与を払う場合の給与支払事務所等の開設届出書なども、該当する方は同時に検討できます(各書類の該当条件・期限は後述の §5 で整理します)。どの書類が必要かは個別の事情で変わるため、判断は税理士または所轄税務署へご確認ください。

【e-Tax 画面 placeholder 図解 4】 図4: 青色申告承認申請書の作成画面(同時提出の例) ALT: 開業届に続けて青色申告承認申請書を作成しまとめて送信する流れの参考図。対応様式は年次で変わるため最新は e-Tax 公式で確認。

Step 5 — 電子署名(マイナンバーカード読み取り)→ 送信

入力が完了したら、電子署名を付与します。マイナンバーカード方式では、ここで再度マイナンバーカードを読み取って署名します。電子署名により、本人が作成・送信したことが担保されるため、別途の本人確認書類は不要になります。署名後に送信します。

【e-Tax 画面 placeholder 図解 5】 図5: 電子署名・送信画面 ALT: マイナンバーカードを読み取って電子署名し送信する流れの参考図。実画面は年次更新のため最新は e-Tax 公式で確認。

Step 6 — メッセージボックスで受信通知を確認・保存

送信後、送信データの審査結果(受信通知)が e-Tax のメッセージボックスに格納されます。送信直後ではなく、ある程度時間をおいて再度ログインし、受信通知を必ず確認してください(e-Tax ご利用の流れ)。受信通知はPDFで保存・印刷でき、これがオンライン提出における「控え」の役割を果たします。控えの保存と使い道は次章で詳しく解説します。

【e-Tax 画面 placeholder 図解 6】 図6: メッセージボックスで受信通知を確認する画面 ALT: メッセージボックスで受信通知(審査結果)を開きPDFで保存・印刷する位置の参考図。実画面は年次更新のため最新は e-Tax 公式で確認。

スマホだけで提出できるか

マイナンバーカード対応のスマートフォンとマイナポータルアプリがあれば、上記 Step 1〜6 をスマホだけで完結できます。ICカードリーダライタやPCは必須ではありません。ただし、対応機種・対応OS・必要なアプリのバージョンは年次で更新されるため、手元のスマホで読み取りができるかは事前にe-Tax公式サイトで確認しておくと安心です。

開業届の控え(受信通知)の保存と使い道

オンライン提出では、紙の窓口提出のように収受日付印が押された控えが出ません。代わりに、e-Tax のメッセージボックスに届く受信通知が「控えの代わり」になります。 開業届の控えは、屋号付き口座の開設や各種申請の場面で求められることがあるため、提出後に確実に保存しておくことが大切です。「開業届の控え(受信通知)はどう保存するか」を整理します。

紙提出の控えとオンラインの控えの違い

窓口や郵送で提出した場合は、届出書の控え(同じ書類のコピー)に税務署の収受日付印を押してもらい保管します。一方、オンライン提出では収受日付印付きの紙の控えは発行されません。その代わり、送信が受け付けられたことを示す受信通知がメッセージボックスに格納され、これがオンライン提出を証する記録になります。「収受印付きの控えがないと不安」という方も、受信通知を保存しておけば提出の事実を示せます。

受信通知の保存方法

受信通知は、メッセージボックスからPDFで保存・印刷できます(e-Tax ご利用の流れ)。提出した届出書本体の内容と受信通知の両方を、確定申告の関連書類とまとめて保管しておくと後から探しやすくなります。スマホで提出した場合も、PDFをクラウドストレージや自分宛のメールに保存しておくと紛失リスクを下げられます。なお、メッセージボックスの保存期間や再取得の可否は運用上の取り扱いがあるため、提出後は早めに手元へ保存しておくのが安全です。

開業届の控えが必要になる場面(一般的な例)

開業届の控え(オンラインの場合は受信通知や提出内容のPDF)は、次のような場面で提示を求められることがあります。いずれも審査・契約の相手方によって取扱いが異なる、一般的な例です。

  • 屋号付きの事業用銀行口座の開設:金融機関によっては、屋号で口座を開く際に開業の事実を確認できる書類を求めることがあります。
  • 創業融資・補助金・助成金の申請:制度によっては、事業開始の確認資料として開業届の控えが必要になる場合があります。
  • 各種審査・契約:賃貸借契約や取引開始時に、事業を営んでいることの確認として求められることがあります。

具体的に何の書類が必要かは提出先・申請先のルールによって変わるため、事前に各窓口へ確認してください。なお、同じ様式を「廃業」区分で出した場合の控え(受信通知)の扱いは、対になる記事個人事業主の廃業届 完全ガイドで整理しています。

開業届と同時に出す書類 — 青色申告承認申請書が核

開業時に同時提出を検討する代表的な書類は、青色申告を選びたい場合の「所得税の青色申告承認申請書」、家族へ給与を払う場合の「青色事業専従者給与に関する届出書」、従業員へ給与を払う場合の「給与支払事務所等の開設届出書」です。 どれが必要かは、青色申告を選ぶか・家族へ給与を払うか・従業員を雇うかといった条件で変わります。まず一覧で全体像を把握し、その後に青色申告承認申請書を重点解説します。「開業届と青色申告承認申請書は同時に出せるか」という疑問にもここで答えます。

同時提出を検討する書類チェックリスト(該当条件 × 提出期限 × e-Tax可否)

書類名 該当条件 提出期限(一般) e-Tax
個人事業の開業・廃業等届出書(開業届) 開業するすべての人 事業開始日から1か月以内
所得税の青色申告承認申請書 青色申告を選びたい場合 開業日が1月16日以後なら開業日から2か月以内(原則は青色申告をしようとする年の3月15日まで)
青色事業専従者給与に関する届出書 家族へ給与を払い必要経費に算入したい場合 開業日が1月16日以後なら開業日から2か月以内(原則は3月15日まで)
給与支払事務所等の開設届出書 従業員へ給与を払う場合 開設の事実があった日から1か月以内

いずれの書類も e-Tax の申請・届出手続として用意されていますが、対応様式かどうか・まとめて送信できるかは年次で変わる可能性があるため、提出時に e-Tax 上で確認してください(e-Tax 申請・届出手続)。

開業届と青色申告承認申請書は、いずれも e-Tax で提出できるため、同じログインの流れの中で続けて作成・送信することが可能です。提出期限は書類ごとに異なるため、青色申告を検討する場合は、開業届と一緒に出してしまうのが期限管理の面でも効率的です。

所得税の青色申告承認申請書 — 青色申告を選びたい場合

青色申告を選ぶには、「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。提出期限は、原則として青色申告をしようとする年の3月15日までですが、その年の1月16日以後に新規開業した場合は、開業日から2か月以内とされています(国税庁 青色申告の承認申請手続)。開業届本体(開業から1か月以内)とは期限が異なる点に注意してください。

期限内に承認申請書を出さなかった場合、その年分は青色申告ではなく白色申告として扱われることになります。青色申告には記帳要件などがある一方で一定の特典が設けられていますが、自分が青色申告を選ぶべきか、要件を満たせるかどうかの判断は、税理士または所轄税務署の個別相談で確認してください。本記事は手続きの一般情報であり、青色申告の要否を断定するものではありません。

青色事業専従者給与・給与支払事務所等の開設届出書 — 家族や従業員へ給与を払う場合

生計を一にする家族へ支払う給与を必要経費に算入したい場合は、青色申告であることを前提に「青色事業専従者給与に関する届出書」を検討します。提出期限は原則3月15日まで、その年の1月16日以後に開業した場合や新たに専従者がいることとなった場合はその日から2か月以内です(国税庁 青色事業専従者給与に関する届出書)。

開業に伴って従業員を雇い給与を支払う場合は、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を、開設の事実があった日から1か月以内に提出します(国税庁 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出)。いずれも e-Tax で作成・提出でき、該当する方のみが検討する書類です。家族へ給与を払うべきか、専従者・給与額が妥当か、従業員雇用に伴う源泉所得税や年末調整などの実務は、税理士または所轄税務署の個別相談で確認してください。

開業届・青色申告承認申請書の提出期限と開業日の数え方

開業届本体の提出期限は事業開始日から1か月以内、青色申告承認申請書は開業日から2か月以内(原則は3月15日まで)と、期限が異なります。 同時提出を検討する場合は、最も短い「開業から1か月以内」を基準に動くと、どの書類も期限内に収まりやすくなります。「開業届はいつまでに出すか」を、開業日の数え方とあわせて整理します。

同時提出書類の期限を時系列で整理

書類 起算・期日
開業届本体 事業開始日から1か月以内
青色申告承認申請書 1月16日以後開業なら開業日から2か月以内(原則3月15日まで)
青色事業専従者給与に関する届出書 1月16日以後開業なら開業日から2か月以内(原則3月15日まで)
給与支払事務所等の開設届出書 開設の事実があった日から1か月以内

「開業届だけ出して、青色申告承認申請書を出し忘れる」というパターンは起こりやすく、青色申告承認申請書の期限を過ぎるとその年分が白色申告になります。青色申告を検討する場合は、開業の段階で必要書類を一括で洗い出し、同時提出してしまうのが安全です。

開業日の決め方と期限を過ぎた場合の扱い

開業日は「事業を実際に開始した日」、提出日は「税務署へ提出する日」で別の概念です。開業日は、最初の取引日・店舗の開店日・事業として活動を始めた日など客観的に説明できる日を選び、そこから1か月以内に届け出ます。期限を過ぎても税務署は開業届を受け付けますが、青色申告承認申請書は期限を過ぎるとその年分が青色申告として扱われない実利上の不利益があるため、青色申告を検討する場合は期限を厳守するのが安全です。直接の罰則の有無や個別の税務上の影響はケースによって取扱いが異なるため、税理士または所轄税務署の個別相談で確認してください。

開業の前に — ゼロから始める vs 事業を買って始める

事業を始める方法は、ゼロから開業する道だけではありません。後継者不在で売りに出ている既存の事業を買って始める「個人M&A(スモールM&A)」という選択肢もあります。 どちらが向くかはケースによって変わるため、開業届を出す前に一度、両方の入口を比べておくと選択の幅が広がります。

ゼロからの開業と「事業を買って始める」の違い

ゼロからの開業は、初期費用を抑えやすく自分の構想どおりに組み立てられる一方、顧客・売上を一から積み上げる必要があります。これに対し、既存事業を買って始める個人M&Aは、すでにある収益・顧客基盤・取引先・許認可などを引き継げる可能性がある反面、買収資金やデューデリジェンス(事業内容の精査)といった準備が必要です。中小企業庁の中小M&A関連の施策でも、後継者不在の事業を第三者が引き継ぐ事業承継型M&Aが、創業・開業の一形態として位置づけられています。「ゼロから開業する方が必ず良い」「買って始める方が必ず得」と断定はできませんが、ケースによっては、買って始める方が立ち上がりの早い選択肢になり得ます。初期費用を抑えたい・独自の事業を作りたい場合はゼロからの開業が、立ち上げ期間を短縮したく自己資金や融資の用意がある場合は買って始める道が、それぞれ選択肢になります。

個人で会社・事業を買って始める判断軸・資金調達・失敗回避の詳しい解説は個人で会社を買う完全ガイド、事業・サイトの売買そのものの入門はサイト売買とは|事業譲渡の入門ガイドを参照してください。

ゼロから開業するか、既存事業を買って始めるか迷っている方へ — M&A-WEB では、後継者不在で譲渡を検討している事業の買い手相談を無料で受け付けています。予算・希望業種を整理したうえで、向く案件を相談したい方はM&A-WEB 買い手相談(無料)をご利用ください。投資勧誘や利回り保証は一切行いません。

よくある質問(FAQ)

開業届はオンライン(e-Tax)で出せますか

はい、開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)はe-Tax(国税電子申告・納税システム)でオンライン提出できます。「個人事業の開業・廃業等届出書」はe-Taxで提出できる申請・届出手続のひとつとして用意されています。事前に利用者識別番号と電子証明書(マイナンバーカード)を準備し、e-TaxソフトWEB版で「開業」区分を選んで入力・送信します。電子署名を付与するため本人確認書類の提示・添付は不要で、24時間提出可能(メンテナンス時間を除く)です。詳細は本記事「開業届のe-Taxオンライン提出 画面手順」をご参照ください。

開業届をe-Taxで出す手順を教えてください

流れは、①事前準備(利用者識別番号・電子証明書の取得) ②e-Taxへログイン(マイナンバーカード読み取り) ③「個人事業の開業・廃業等届出書」を選び届出区分「開業」と開業日・所得の種類・屋号を入力 ④(任意)青色申告承認申請書など同時提出書類を作成 ⑤電子署名(マイナンバーカード読み取り)→送信 ⑥メッセージボックスで受信通知を確認・保存、の5〜6ステップです。実画面は年次で更新されるため、最新の操作はe-Tax公式サイトでご確認ください。マイナンバーカードの読み取り環境の準備に時間がかかる場合があるため、開業日ギリギリではなく余裕を持って準備するのが安全です。

開業届のオンライン提出に必要なものは何ですか

必要なものは、①利用者識別番号(半角16桁)②マイナンバーカード(電子証明書)③カードを読み取る機器(マイナンバーカード対応のスマートフォン+マイナポータルアプリ、またはICカードリーダライタ接続のPC)の3点です。マイナンバーカード方式では、ログイン時にカードを読み取り「利用者情報の登録」を進めれば、開始届出書を別途提出しなくても利用者識別番号の登録が完了します。マイナンバーカードの暗証番号(署名用は英数字6〜16文字、利用者証明用は数字4桁)も事前に確認しておいてください。

開業届はスマホだけで提出できますか

マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンとマイナポータルアプリがあれば、利用者情報の登録から開業届の作成・電子署名・送信・受信通知の確認まで、スマホだけで完結できます。ICカードリーダライタやPCは必須ではありません。ただし、対応機種・対応OS・必要なアプリのバージョンは年次で更新されるため、手元のスマホで読み取りができるかは、提出前にe-Tax公式サイトでご確認ください。

開業届の控え(受信通知)はどう保存しますか

オンライン提出では収受日付印付きの紙の控えは発行されず、e-Taxのメッセージボックスに格納される受信通知が控えの代わりになります。受信通知はPDFで保存・印刷でき、提出した届出書の内容とあわせて保管しておくと安心です。送信直後ではなく、ある程度時間をおいて再度ログインし受信通知を確認してください。屋号付き口座の開設・創業融資や補助金の申請・各種審査で開業の事実を示す書類として求められる場合があるため、提出後は早めに手元へ保存しておくのが安全です。

開業届と青色申告承認申請書は同時に出せますか

はい、開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)と所得税の青色申告承認申請書は、いずれもe-Taxの申請・届出手続として用意されているため、同じログインの流れの中で続けて作成・送信できます。提出期限は、開業届が事業開始日から1か月以内、青色申告承認申請書が開業日から2か月以内(原則は3月15日まで)と異なるため、青色申告を検討する場合は同時に出してしまうと期限管理がしやすくなります。なお、青色申告を選ぶべきか・要件を満たせるかの判断は、税理士または所轄税務署の個別相談でご確認ください。

開業届はいつまでに出しますか

開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)の提出期限は、所得税法第229条に基づき事業を開始した日から1か月以内です。開業日は「事業を実際に開始した日」、提出日は「税務署へ提出する日」で別の概念です。期限を過ぎても税務署は受け付けますが、青色申告を検討する場合は青色申告承認申請書(開業日から2か月以内が基本)の期限を過ぎるとその年分が白色申告になる実利上の不利益があるため、開業の早い段階で同時提出するのが安全です。個別の税務上の影響は税理士または所轄税務署の個別相談でご確認ください。

まとめ — 開業届のオンライン提出は3点をそろえて一気に完結

開業届のオンライン提出で押さえるべき要点は、①利用者識別番号・マイナンバーカード・読み取り機器の3点をそろえればe-Taxで税務署に行かず24時間完結できる、②控えは紙ではなく受信通知(PDF)を保存する、③青色申告を検討する場合は青色申告承認申請書を同時提出すると効率的、の3点です。 手続きを正確に進めつつ、期限を逃さない順序を守ることが、スムーズな開業につながります。

第一に、e-Taxなら、利用者識別番号と電子証明書(マイナンバーカード)の準備さえ済めば自宅から24時間オンラインで提出でき、マイナンバーカード対応スマホとマイナポータルアプリがあればスマホだけでも完結します。本人確認書類の提示・添付も不要です。第二に、オンライン提出では紙の控えが出ないため、メッセージボックスの受信通知をPDFで保存し、屋号付き口座の開設や創業融資・補助金の申請に備えます。第三に、青色申告を検討する場合は、開業届(事業開始日から1か月以内)と青色申告承認申請書(開業日から2か月以内・原則3月15日まで)を同時提出すると、期限管理がしやすくなります。

専門家を使い分けるべき場面

  • 個別の課税判定・節税(青色の要否・専従者給与の要否等) → 税理士、または所轄税務署の個別相談(無料)
  • 開業届・各種届出書の代理作成・代理提出 → 行政書士
  • 取引相手とのトラブル・法律相談 → 弁護士
  • 法人設立の登記 → 司法書士
  • 既存事業を買って始める個人M&Aの相談・買い手マッチング → M&A仲介プラットフォーム(M&A-WEB

関連記事 — 内部リンク集

将来、事業を譲渡・拡大したくなったら、または既存事業を買って始めたくなったら — M&A-WEBの無料相談をご利用ください。買い手として既存事業を取得したい方はM&A-WEB 買い手相談(無料)、将来ご自身の事業を譲渡したくなった場合はM&A-WEB 無料相談(売主完全無料)へ。

本記事の専門領域と境界:本記事は、開業届という公的書式のオンライン提出手順とe-Tax操作の一般情報提供に限定しています。個別の課税判定(青色申告を選ぶべきか、専従者給与の要否、消費税の取扱い等)は税理士法により税理士の独占業務、開業届・各種届出書の代理作成・代理提出は行政書士法により行政書士の独占業務、法人設立の登記は司法書士の独占業務、個別の法律相談は弁護士法により弁護士の独占業務です。本記事の解説は一般情報提供であり、個別案件は各士業有資格者または所轄税務署の個別相談窓口へご相談ください。e-Taxの実画面・対応様式は年次で更新されるため、提出時にはe-Tax公式サイトで最新情報をご確認ください。