カフェ決算書の整理

カフェ 売却 決算書|決算書と帳簿をつなぐ6点の資料と、調整後利益に入れてよい経費の線引き

この記事の目次
  1. この記事の結論
  2. 買い手に見せるのは、決算書だけでなく「決算書と照合できる6点」
  3. 売上は現金・キャッシュレス・デリバリーに分けて月別に並べ、入金と突き合わせる
  4. 経費の調整は、根拠書類がある項目だけを表にして、増える調整と減る調整を両方出す
  5. 原材料費・人件費・家賃・光熱費は月次で並べ、年額が決算書と合うことを先に確かめる
  6. 売掛・買掛・未払税金・設備借入は、残高と期限の一覧にして負担の全体を見せる
  7. 資料は申告書・決算書・月次試算表を同じ期間で揃え、保存期間内のものから出す
  8. まとめ
  9. よくある質問(FAQ)
  10. 出典

カフェを売るとき、買い手はまず決算書を見ます。ただ、決算書は1年分をまとめた数字で、月ごとの動きや売上の経路、支出の中身までは、年額だけでは読み取りにくいものです。「決算書の利益は低いが、実際はもっと残っている」と伝えたいときほど、その説明を書類でたどれる形にしておく必要があります。この記事は、売り手が揃える資料と、利益を調整するときの線引きを整理します。

この記事の結論

  • 決算書の数字は、売上・入金・支出の記録と同じ期間でつなげて見せます。 揃えるのは、決算書・申告書、月次試算表、売上の経路別の月次表、経費の区分表、費用の月次推移、債務・未払の一覧の6点です。
  • 利益の調整は、根拠書類がある項目だけを表にします。 利益が増える調整と減る調整を両方出し、税務の扱いが絡むものは税理士に確認してから載せます。
  • 最初の相談に必要なのは直近3年分の申告書・決算書です。 6点は、買い手や支援機関から求められたときに出せるよう、先に作っておく資料です。

この記事の対象:カフェの売却を検討している個人事業主・法人の経営者。買い手として、売り手に何を求めるかを知りたい方にも使えます。

カフェの売却全体の論点はカフェのM&A DATAにまとめています。評価の考え方はカフェの売却相場、利益率の読み方はカフェオーナーの年収と利益率で扱っています。この記事は、その手前にある「利益の根拠をどう資料にするか」だけを深く扱います。

買い手に見せるのは、決算書だけでなく「決算書と照合できる6点」

結論: 最初の相談は直近3年分の申告書・決算書で足ります。そのうえで、買い手に利益を信じてもらうために、決算書と照合できる資料を6点用意します。

中小M&Aガイドライン(第3版)は、支援機関に最初に相談する際は、直近3年分の税務申告書・決算書(損益計算書・貸借対照表を含む)・勘定科目内訳明細書の写しを用意すれば十分としています。これら以外の詳細な資料は、支援機関から指示を受けてから準備すれば足りる、とも書かれています。

指示を受けてから慌てないために、次の6点を先に作っておきます。個人事業の場合は、青色申告決算書(一般用)と確定申告書が1点目にあたります。法人の場合は、決算書、勘定科目内訳明細書、法人事業概況説明書が1点目にあたります。白色申告の様式は、この記事では扱いません。

資料 買い手が確かめること 元になる記録の例
1. 決算書・申告書(直近3年) 利益の水準と推移 青色申告決算書、確定申告書、法人の決算書、法人事業概況説明書
2. 月次試算表(決算書と同じ期間) 決算書の年額と月ごとの数字が合うか 会計ソフトの月次データ
3. 売上の経路別の月次表 売上が入金と合うか レジの日計、通帳、決済事業者・配達プラットフォームの入金明細
4. 経費の区分表 利益から何を調整するか、その根拠 領収書、請求書、カード明細
5. 費用の月次推移 原材料費・人件費・家賃・光熱費の動き 仕入の請求書、給与台帳、賃貸借契約
6. 債務・未払の一覧 買い手が引き継ぐ負担 返済予定表、請求書、納付書
避けたい判断 こうすればOK
決算書の利益が低いので、実際は儲かっていると口頭で伝える 口頭の説明を、月次・帳簿・入金記録で確かめられる形にしてから伝える
資料は聞かれてから一つずつ探す 最初は3年分の申告書・決算書で足りる。求められたときに照合できる状態だけ、先に作っておく
都合のよい数字だけを調整表に載せる 利益が増える調整と減る調整を、同じ表に両方載せる

売上は現金・キャッシュレス・デリバリーに分けて月別に並べ、入金と突き合わせる

結論: 売上は経路ごとに月別へ分け、レジの記録と入金の記録で確かめられる形にします。帳簿に載っていない売上は、買い手が評価の根拠にしにくいです。

国税庁の青色申告決算書(一般用)の書き方では、決算書の2ページに「月別売上(収入)金額及び仕入金額」の欄があり、1月1日から12月31日までの売上と仕入を月別に記入します。この表の計が、1ページ目の損益計算書に転記されます。法人事業概況説明書にも、売上と仕入金額などの月別の状況を書く欄があります。

一方で、法人事業概況説明書の記載要領は、売上区分を「現金売上及び掛売上の割合」で記載するとしています。キャッシュレスやデリバリーの内訳は、この様式の売上区分には出てきません。本記事の整理では、決算書の様式で読み取れない内訳は、別表で補います。

売上の経路 月別への並べ方 照合する記録
店頭の現金 日計を月計にする レジの日計、現金出納帳、通帳への預け入れ
カード・QR・電子マネー 決済事業者の月計 決済事業者の売上明細、通帳の入金
デリバリー・テイクアウト予約 配達プラットフォームの月計 売上・手数料・入金の明細
物販・EC・卸 受注の月計 請求書、入金記録
助成金などの臨時収入 売上と別の行 交付決定通知、通帳の入金

国税庁の記載要領では、帳簿類の備付状況の記載例に、レジシート、売上日計表、出前帳が挙がっています。レジの日計や配達の記録を残しておくと、売上の月別表を裏づける資料になります。

照合するときの注意が3つあります。

  • 入金額と売上が同じ月・同じ金額で合わないときは、差の理由を月ごとに書き添えます。 手数料、締め日、返金などが理由になりえます。理由が書いてあれば、買い手は一つずつ尋ねずに済みます。
  • 配達プラットフォームの売上は、手数料を引く前の金額で記録しているか、引いた後の入金額で記録しているかを帳簿で確かめます。 どちらが正しいかは、この記事では判断しません。買い手に出す表では、記録の基準を明記し、決算書と同じ基準で並べます。処理は税理士に確認します。
  • 帳簿にも申告にも載っていない売上を、売却のために「実際はもっとある」と説明しても、買い手は確かめられません。 本記事の整理では、そうした売上は評価の根拠として使えません。申告との関係は税理士に確認し、そのうえで何をどう示すかを決めます。

経費の調整は、根拠書類がある項目だけを表にして、増える調整と減る調整を両方出す

結論: 調整後利益は、残っている記録を読み直して実態を示すためのものです。記録のない支出を後から私的経費だったことにして利益を増やすことはしません。税務の扱いが絡む項目は、税理士に確認して閉じます。

カフェのM&A DATAでは、評価で、オーナーの役員報酬や私的費用を調整した実態の利益を見るとまとめています。本記事の整理では、その調整が買い手に受け入れられるかは、書類で確かめられるかにかかっています。調整の区分ごとに、入れてよい条件と根拠書類を整理します。

区分 利益への向き 調整に入れてよい条件 根拠書類の例 税務の確認
事業と関係のない支出が経費に入っていた 増える 領収書や明細で、事業外の用途・金額・日付が特定できるもの 領収書、カード明細、請求書 個人事業では家事上の費用は必要経費にならない(No.2210)。法人では役員の個人的費用の負担は役員への経済的利益として扱われる(No.5202)。過去の申告への影響は税理士に確認
事業と私用が混ざる費用(店舗併用住宅の家賃・光熱費など) 区分による 事業に必要な部分を、取引の記録などで明らかに区分できる金額だけ 面積割合の根拠、メーターの記録、賃貸借契約書 No.2210は、区分できる金額に限って必要経費になるとしている
オーナー本人の報酬(法人) 買い手の運営体制で変わる 買い手が自分で店に入るのか、店長を置くのかを決めたあとに、その人件費で置き換える 給与台帳、買い手の運営計画 報酬の水準は個別に確認が必要
家族の無給・低額の従事 減る 実際の勤務時間と役割が分かるもの シフト表、勤務の記録 個人事業では、No.2210は、生計を一にする親族への給与賃金は必要経費にならない(青色事業専従者給与を除く)としている。法人の場合の扱いは税理士に確認
一時的な費用(改装・大型修理・閉店準備など) 増える 今後は発生しないと説明でき、内容と金額が請求書で分かるもの 請求書、契約書 修繕か資産の取得かの区別は税理士に確認
一時的な収入(助成金など) 減る 交付と入金が確認できるもの 交付決定通知、通帳 個人事業の青色申告決算書では、事業所得として課税される助成金等は雑収入に記入する
避けたい判断 こうすればOK
領収書のない現金支出を、私的経費だったことにして利益に戻す 戻すのは、領収書や明細で事業外と特定できる支出だけにする
事業と私用が混ざる費用を、全額事業の費用として説明する 区分できる部分だけを事業の費用とし、区分の根拠を添える
利益が増える調整だけを並べる 家族の無給や臨時収入のように、利益が減る調整も同じ表に載せる
申告した内容と、売却資料の説明が食い違ったままにする 税理士に確認して、申告と売却資料の整合を取ってから示す

調整表は、項目・金額・期間・根拠書類・税務の確認先を1行にまとめます。次の数字は、仕組みを見るための仮の数字で、実例や相場ではありません。

項目(仮の数字) 金額(年額)
決算書上の営業利益 240万円
事業外の支出の戻し(領収書で特定) +36万円
一時的な改装費の戻し(請求書で確認) +50万円
家族従事者の人件費相当 −120万円
一時的な助成金収入 −30万円
調整後の営業利益 176万円

増える調整だけを足すと326万円に見えますが、減る調整を入れると176万円です。本記事の整理では、減る調整も入っている表のほうが、買い手が根拠を確かめやすくなります。調整後利益がいくらになるのか、その金額で買い手が評価するのかは、個別に確認が必要です。

原材料費・人件費・家賃・光熱費は月次で並べ、年額が決算書と合うことを先に確かめる

結論: 費用は月ごとに並べ、12か月の合計が決算書の年額と合うことを売り手が先に確かめます。合わない月があれば、理由を書き添えます。

国税庁の青色申告決算書(一般用)の書き方では、月別の売上と仕入金額の計が損益計算書に転記され、経費は決算整理後の金額を記入するとされています。法人事業概況説明書の記載要領では、月別の状況の人件費欄に、役員に対するものを含む給与・賞与の支給総額を書きます。

費用 月次で並べる内容 決算書側で対応する箇所
原材料費(仕入) 月別の仕入金額 月別売上(収入)金額及び仕入金額の仕入金額、法人事業概況説明書の月別の状況
人件費 月ごとの給与・賞与の総額と人数 給料賃金の内訳、法人事業概況説明書の月別の人件費・従事員数
家賃 賃料と、権利金・更新料を分けた月別の額 地代家賃の内訳(権利金・更新料は上段、賃借料は下段)
光熱費 月別の支払額 損益計算書の水道光熱費

食材費と人件費の合計(FLコスト)が売上に占める割合の読み方は、カフェオーナーの年収と利益率で扱っています。ここでは、その割合を計算するための月次の元データを揃える、という位置づけです。

月次の合計と決算書の年額が違うときは、次のような理由を一言書きます。

  • 年末の決算整理で動いた金額
  • 月の途中で締めた帳簿と、暦の月との差
  • 一時的な費用や収入を別の行に分けた結果

月ごとの上下の理由は、売り手が先に書いておくと、買い手が照合しやすくなります。

売掛・買掛・未払税金・設備借入は、残高と期限の一覧にして負担の全体を見せる

結論: 利益の資料と別に、売り手が抱える債務と未払いの一覧を作ります。譲り方によって買い手が引き受ける範囲が変わるため、一覧は何が引き継がれるかを決める材料になります。

項目 一覧に書く内容 確かめる資料
買掛金・未払金 取引先、金額、支払期日 請求書、買掛金の元帳
売掛金 相手先、金額、回収予定 請求書、入金予定
未払の税金 税目、金額、納期限、納付状況 納付書、通知書
設備の借入・リース 借入先、残高、返済予定、リースの残り期間 返済予定表、リース契約書
代表者との貸借 貸付金、借入金、仮払金、仮受金 総勘定元帳、勘定科目内訳明細書
未払の給与・残業代など 対象の期間、金額 給与台帳、勤怠の記録
預り金 源泉徴収した所得税などの未納付分 納付書、給与台帳

法人事業概況説明書の記載要領では、同族会社の場合に、代表者に対する報酬、貸付金、仮払金、賃借料、支払利息と、代表者からの借入金、仮受金を記載します。また、買掛金欄には原価性のある未払金等を含めるとされています。青色申告決算書の書き方でも、預り金には、源泉徴収した税額のうちまだ納付していない金額を含めると説明されています。

譲り方による違いは、中小M&Aガイドライン(第3版)が説明しています。株式譲渡は、未払残業代など貸借対照表に表れない簿外債務や、将来発生しうる偶発債務のリスクが比較的高くなりやすく、より詳細なデュー・ディリジェンス(DD)が行われる傾向があるとされています。事業譲渡は、簿外債務や偶発債務のリスクを比較的遮断しやすい一方で、承継する財産の特定、対抗要件の具備、許認可の取得などの作業が必要とされています。許認可の引き継ぎ方はカフェの営業許可の引き継ぎで整理しています。

設備のリースは、リース会社が所有する物のため、造作譲渡の対象とは別に扱います。仕分けの方法はカフェ 造作譲渡で扱っています。

資料は申告書・決算書・月次試算表を同じ期間で揃え、保存期間内のものから出す

結論: 3点(申告書・決算書・月次試算表)を同じ期間で揃えると、買い手は照合しやすくなります。後ろめたい情報ほど先に支援機関へ伝えるのが、ガイドラインの考え方です。

法人の帳簿書類の保存について、国税庁のNo.5930は、帳簿とその取引に関する書類を、確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存するとしています。欠損金が生じた事業年度などは、10年になる場合があります。個人事業の保存期間は、この記事では扱いません。

段階 出す資料 補足
最初の相談 直近3年分の申告書・決算書・勘定科目内訳明細書 ガイドラインは、これで十分としている
求められたとき 月次試算表、売上の経路別の月次表、費用の月次推移、債務・未払の一覧 決算書と同じ期間で揃える
利益の調整を示すとき 経費の区分表と根拠書類 税務の扱いが絡む項目は、先に税理士へ確認する

ガイドラインは、支援機関に相談するときは、自分にとってマイナスな情報や後ろめたい情報ほど先に伝える姿勢が望ましいとしています。私的な支出を経費に入れていたかもしれない、帳簿と入金が合わない月がある、といった点は、先に伝えるほうが、対応策を早く検討できます。

契約の段階では、中小M&Aガイドライン(第3版)参考資料の株式譲渡契約書サンプルに、開示した計算書類等が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従って作成され、財政状態と経営成績を重要な点で正確に示している、という表明保証の例が載っています。サンプルは「あくまでも例」とされており、実際の条項は弁護士に確認します。

調整後利益の金額、過去の申告との整合、譲り方ごとの税務の扱いは、個別の事情で変わります。確認が必要な点は、税理士に相談してから、買い手に示す資料へ載せてください。

まとめ

  • 決算書の数字は、月次試算表、売上の経路別の月次表、費用の月次推移と同じ期間で並べ、年額と合うことを売り手が先に確かめます。
  • 利益の調整は、領収書や請求書などの根拠書類があるものだけを表にします。利益が減る調整も入れ、税務の扱いが絡む項目は税理士に確認します。
  • 最初の相談は直近3年分の申告書・決算書で足ります。債務・未払の一覧を含む6点は、求められたときに出せるよう先に作っておきます。

自社の場合を確認する 調整後の利益をもとに、自店の事業価値の目安を確かめたいとき → 事業価値を確認する

よくある質問(FAQ)

Q1. カフェを売るとき、決算書のほかに何を用意しますか? A. 中小M&Aガイドライン(第3版)は、最初の相談では、直近3年分の税務申告書・決算書・勘定科目内訳明細書の写しを用意すれば十分としています。それ以外の詳細な資料は、支援機関から指示を受けてから準備すれば足りるとされています。本記事の整理では、指示に応じて出せるよう、月次試算表、売上の経路別の月次表、経費の区分表、費用の月次推移、債務・未払の一覧を先に作っておきます。

Q2. 決算書の利益が低いのですが、実際はもっと儲かっていると買い手に伝えてよいですか? A. 口頭だけでは、買い手が確かめられません。月次の売上・入金・支出の記録と、領収書や請求書などの根拠書類で確かめられる範囲を、項目ごとに調整後利益として示します。根拠のない金額を積んだ説明は、買い手からの信頼を損なうおそれがあります。税務上の扱いが絡む項目は、税理士に確認してから示します。

Q3. 私的な支出を経費から外した「調整後利益」は、買い手に認められますか? A. 認められるかどうかは買い手の判断で、保証はできません。確かめられるのは、領収書や明細で事業外の用途と金額が特定できる支出です。国税庁のNo.2210は、個人事業では家事上の費用は必要経費にならないとしています。No.5202は、法人が役員の個人的費用を負担した場合、その額は役員への経済的利益にあたるとしています。過去の申告への影響は、税理士に確認してから資料に載せます。

Q4. 現金売上やデリバリーの売上は、どう資料にしますか? A. 経路別に月ごとに並べ、レジの日計、通帳、決済事業者や配達プラットフォームの入金明細と突き合わせます。国税庁の法人事業概況説明書の記載要領は、売上区分を現金売上と掛売上の割合で記載するとしており、キャッシュレスやデリバリーの内訳は、その売上区分には出てきません。別表で補います。配達の売上を手数料の引く前後どちらで記録しているかは、帳簿で確かめ、処理を税理士に確認します。

Q5. 家族が無給で手伝っている場合、利益はどう見られますか? A. 買い手が同じ働きを人を雇って賄う場合、その人件費の分、利益が下がって見られることがあります。個人事業の場合、国税庁のNo.2210は、生計を一にする親族への給与賃金は必要経費にならない(青色事業専従者給与を除く)としており、決算書にその分の人件費が載っていない店もあります。実際の勤務時間と役割を記録し、調整表の「減る調整」に入れます。

Q6. 過去の決算で、私的な支出を経費にしていたかもしれません。どうすればよいですか? A. 自分で判断せず、先に税理士に相談します。個人事業では家事上の費用は必要経費にならず(No.2210)、法人では役員の個人的費用の負担が経済的利益として扱われる(No.5202)ためです。ガイドラインも、支援機関には、自分にとってマイナスな情報や後ろめたい情報ほど先に伝える姿勢が望ましいとしています。申告との整合を取ってから、買い手に示す資料を作ります。

Q7. 帳簿や書類は、何年分まで残っていますか? A. 法人の場合、国税庁のNo.5930は、帳簿とその取引に関する書類を、確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存するとしています。欠損金が生じた事業年度などは、10年になる場合があります。個人事業の保存期間は、本記事では扱っていません。買い手に出す資料は、保存期間内のものを軸に、決算書と同じ期間で揃えます。

出典

  • 国税庁 タックスアンサー「No.2210 必要経費の知識」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm
  • 国税庁 タックスアンサー「No.5202 役員等に対する経済的利益」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5202.htm
  • 国税庁 タックスアンサー「No.5930 帳簿書類等の保存期間」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5930.htm
  • 国税庁「令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2025/pdf/037.pdf
  • 国税庁「法人事業概況説明書の記載要領」 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/pdf/0021004-100.pdf
  • 中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)-第三者への円滑な事業引継ぎに向けて-」 https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/m_and_a_guideline.pdf
  • 中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)参考資料(全体)」 https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/m_and_a_guideline_s01.pdf

M&A DATA一覧に戻る