この記事の目次
カフェを居抜きで譲るとき、買い手がまず聞くのは「厨房機器も内装も全部そのまま使えるのか」と「出るときの原状回復は誰が持つのか」です。売り手がこの二つに書面で答えられないと、価格の話に進めません。この記事は、造作譲渡の対象を仕分ける方法と、原状回復の負担を決める契約の確認点を整理します。
この記事の結論
- 譲渡できる物は、品目ごとに所有者を確かめて仕分けます。 売り手の所有物、建物に付いた造作、リース品、他人の物の4区分で、譲り方が違います。
- 原状回復の負担は、賃貸借契約の条項と、契約を引き継ぐ形か結び直す形かで決まります。 国交省のガイドラインや造作買取請求権をあてにせず、契約書と貸主の書面で確かめます。
- 故障・老朽の負担は、設備目録と現況確認書で引渡し時点に固定します。 譲渡料は、撤去・原状回復費と並べて比べます。
この記事の対象:カフェ・飲食店の居抜き譲渡を考えている売り手オーナー。買い手として、何を書面で求めればよいかを知りたい方にも使えます。
カフェ全体の売却の考え方はカフェのM&A DATAにまとめています。価格の相場はカフェの売却相場、営業許可はカフェの営業許可の引き継ぎで扱っているため、この記事では、設備・内装・什器の譲渡と原状回復に絞ります。
造作譲渡は設備・内装・什器の売買で、賃借権や営業許可の引き継ぎとは別の手続きが要る
結論: 造作譲渡で動くのは、設備・内装・什器の所有権です。店舗の場所を使い続ける権利と、営業の許可は、別に手当てします。
本記事の整理では、売り手が、厨房機器・内装・什器を買い手に売る取引を「造作譲渡」と呼びます。民法は、売買を「ある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約する」契約と定めています(民法555条)。造作譲渡のうち、動かせる設備や什器の部分は、この売買にあたります。
ただし、店を引き継ぐには、設備を買うだけでは足りません。次の4つを分けて考えます。
| 引き継ぐ物 | 根拠になる定め | 誰の承諾・手続きが要るか |
|---|---|---|
| 設備・内装・什器 | 売買(民法555条) | 売り手と買い手の合意。リース品などは所有者の確認が要る |
| 店舗を使う権利(賃借権) | 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、賃借権を譲り渡せない(民法612条1項) | 貸主の承諾。承諾なしの譲渡は、契約解除の理由になりうる(同条2項) |
| 飲食店営業の許可 | 営業を譲り渡したとき、譲り受けた者が許可営業者の地位を承継する。承継した者は、遅滞なく届け出る(食品衛生法56条) | 都道府県知事等への届出。詳しくはカフェの営業許可の引き継ぎ |
| 営業権(のれん)・常連 | 造作とは別の価値 | 価格の内訳を分けて合意する。見方はカフェの売却相場 |
| 避けたい判断 | こうすればOK |
|---|---|
| 設備の売買契約だけ結び、貸主の承諾は後回しにする | 貸主の承諾を取る前に、買い手へ譲渡の条件を確定させない。承諾の有無を、設備の売買契約の前提にする |
| 「居抜きだから全部ついてくる」と口頭で説明する | 譲る物と、譲らない物を、品目ごとの一覧にして合意する |
譲る物は「売り手の所有物」「建物に付いた造作」「リース品」「他人の物」の4区分に仕分ける
結論: 品目ごとに、所有者と、譲渡にだれの同意が要るかを確かめます。区分が曖昧な物は、価格をつける前に所有者を確定します。
| 区分 | 例 | 所有者の確かめ方 | 譲渡で確認すること |
|---|---|---|---|
| A. 売り手の所有物 | 厨房機器、エスプレッソマシン、冷蔵庫、テーブル・椅子、食器 | 購入時の請求書・領収書 | 買い手と売買で合意すれば足りる。割賦で買った物は、完済の有無と所有権の扱いを割賦契約で確認する |
| B. 建物に付いた造作 | 壁・床・天井の仕上げ、カウンターの造り付け、給排水・電気の配管、ダクト | 賃貸借契約書の工事・造作の条項、内装工事の契約書 | 貸主の承諾を得て付けた物か。退去時に貸主へ残す約束か、撤去する約束か |
| C. リース品 | リースで入れた厨房機器、POS、空調 | リース契約書。リース会社の所有を示す標識が付いていることがある | リース契約は、契約に定める場合を除き解除できない。名義の扱いはリース会社に確認する |
| D. 他人の物 | 仕入先などからの貸与機、貸主が置いていった物、レンタル品 | 貸与や賃貸の契約書 | 売り手は譲渡できない。買い手が、貸主や貸与元と別に契約するかを確かめる |
リース品について、公益社団法人リース事業協会は、ファイナンス・リースは基本的にリース期間中の解約が禁止されていて、双方が合意して解約するなら、残りのリース料またはそれに相当する違約金を一括で支払う必要があると説明しています。同協会のモデル契約書の主な条項の解説では、リース会社が物件の所有権を有する旨の標識を貼ること、ユーザーはリース会社の所有権を侵害する行為をしないことが挙げられています。売り手がリース品を、自分の物として買い手に売ってはいけません。残りのリース料を売り手が精算するのか、買い手に契約を移すのかは、リース会社と契約書で個別に確認が必要です。
Bの造作は、所有が借主にあるのか貸主にあるのかが、契約書の書き方に左右されます。民法は、賃借人が借りたあとに付属させた物について、賃貸借の終了時に収去する義務を負うこと、ただし分離できない物や、分離するのに過分の費用を要する物は除くことを定めています(民法622条が準用する599条1項)。また、賃借人は付属させた物を収去することもできます(同条2項)。つまり、付属させた物については、法律の上でも、撤去する義務と権利が借主にあります。ここに契約書の特約が重なるため、内装の仕上げが誰の物かは、契約書で確かめます。
原状回復の負担は、賃貸借契約の条項と、契約を引き継ぐか結び直すかで決まる
結論: 国交省のガイドラインは、店舗の撤去範囲を決める基準にはなりません。売り手は、契約書の原状回復条項と、買い手へどう契約を移すかを貸主と書面で決めます。
民法621条は、賃借人が借りた物を受け取ったあとに生じた損傷を、賃貸借が終了したときに原状に復する義務を負うと定めています。通常の使用や収益によって生じた損耗と、経年変化は、この損傷から除かれます。ただし、損傷が賃借人の責めに帰すことができない事由によるときは、この義務を負いません。この条文は、損傷の復旧を扱うものです。内装を躯体まで撤去する「スケルトン返し」のような、撤去の範囲は、契約書の特約と併せて確かめます。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、賃料が市場家賃程度の民間賃貸住宅を想定したもので、締結時に参考にするものとされています。店舗の造作の撤去範囲を決める基準としては書かれていません。本記事の整理では、カフェの原状回復は、契約書の条項を出発点に読みます。
居抜きで譲るときの契約の移し方は、大きく2通りあります。本記事の整理では、次のように分けます。
| 契約の移し方 | 内容 | 原状回復の見方 | 敷金の見方 |
|---|---|---|---|
| 賃借権を譲渡する | 貸主の承諾を得て、売り手の賃貸借契約を買い手が引き継ぐ(民法612条1項) | 契約が続くため、条項がそのまま買い手に移る。売り手が付けた造作を、貸主が原状回復の対象に含めるかを、承諾の際に書面で確かめる | 貸主は、賃借人が適法に賃借権を譲り渡したときも、敷金から債務額を控除した残額を返還する(民法622条の2第1項2号)。買い手が新たに差し入れるかは、貸主と売り手・買い手で決める |
| 売り手の契約を終了し、買い手が新たに契約する | 売り手と貸主が契約を終了し、買い手が貸主と新しい賃貸借契約を結ぶ | 売り手の原状回復を、貸主がどこまで求めるかを、終了の合意書に書く。買い手の原状回復は、新しい契約書の条項で決まる | 売り手の敷金の精算と、買い手の敷金の差し入れを、別々に確定する |
| 避けたい判断 | こうすればOK |
|---|---|
| 原状回復は、国交省のガイドラインに沿うはずだと考える | ガイドラインは住宅を想定している。店舗は、契約書の原状回復条項と特約を読む |
| 貸主から口頭で「そのまま使ってよい」と言われて譲渡を進める | 造作の扱いと、退去時の原状回復の範囲を、承諾書や合意書に書いてもらう |
| 売り手の原状回復の責任が、買い手に移ったかを確かめない | 売り手の責任が終わる時点と、買い手が負う範囲を、貸主・売り手・買い手の三者で書面にする |
契約の移し方と原状回復の範囲の最終的な読みは、契約書の個別の文言によって変わります。賃貸借契約の解釈や承諾書の文案は、弁護士に確認してください。
造作買取請求権は、あてにしない。契約書の条項と貸主の書面で確かめる
結論: 借地借家法33条は、貸主の同意を得て付けた造作について、賃借人に買取りを請求する権利を認めています。ただし、居抜きの価格交渉でこの権利を前提にしてはいけません。
借地借家法33条1項は、建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合に、賃貸借が期間の満了または解約の申入れによって終了するとき、賃借人は賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るよう請求できると定めています。建物の賃貸人から買い受けた造作についても、同じです。
この権利には、確認すべき点が3つあります。
- 終了の原因が限られています。 条文は、期間の満了または解約の申入れによる終了を挙げています。それ以外の終了は、条文からは読み取れません。
- 契約で排除する特約が書かれていることがあります。 借地借家法37条が、賃借人に不利な特約を無効とする条として挙げているのは、31条・34条・35条です。33条はそこに含まれていません。33条の扱いが契約書に書かれていないか、まず確かめます。特約の有効性は、弁護士に確認してください。
- 前の借主から買った造作が対象になるかは、条文だけでは読み取れません。 条文は、貸主の同意を得て付加した造作と、貸主から買い受けた造作を挙げています。居抜きで前の借主から買った造作を、買い手が貸主に請求できるかは、貸主の承諾書にどう書かれているかで変わります。
本記事の整理では、造作買取請求権は、貸主との協議で使える「かもしれない」権利として扱い、譲渡料の根拠には置きません。
故障・老朽の負担は、設備目録と現況確認書で引渡し時点に固定する
結論: 引渡し後に「壊れていた」と言われないよう、引渡し時点の状態を書面で固定します。売買では、民法の契約不適合の規定も関わります。
民法は、引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しないときに、買主が、修補などの追完を請求できると定めています(562条)。買主が相当の期間を定めて追完を催告し、その期間内に追完がないときは、不適合の程度に応じて代金の減額を請求できます(563条1項)。種類または品質に関する不適合は、買主が知った時から1年以内に売主へ通知しないと、追完や代金減額などを請求できなくなります(566条。売主が引渡し時に不適合を知っていた、または重大な過失で知らなかったときを除く)。有償契約には、売買の規定が準用されます(559条)。
つまり、何を「契約の内容」とするかを書いておくと、後の食い違いが減ります。設備目録と現況確認書に、次の項目を入れます。
| 項目 | 書く内容 | 狙い |
|---|---|---|
| 品目・メーカー・型番 | 設備ごとに1行 | 譲る物を特定する |
| 所有者 | 売り手、リース会社、貸主、貸与元 | 区分Aから区分Dを分ける |
| 取得時期・購入価格 | 請求書で確認できる範囲 | 償却と価格の根拠にする |
| 残リース・残債 | 残りの期間と金額、精算の担当 | 買い手へ債務を持ち越さない |
| 引渡し時点の状態 | 動作する、動作しない、不具合の内容、点検日 | 引渡し後の食い違いを減らす |
| 引渡し後の責任 | 現状のまま渡す物と、一定期間の動作を保証する物 | 負担を事前に分ける |
| 撤去・残置の扱い | 買い手が使わない物の処分を誰が持つか | 退去時の撤去費を決める |
| 避けたい判断 | こうすればOK |
|---|---|
| 「全部そのまま」という説明で、目録を作らない | 目録に載せた物だけを譲る物とし、載せない物は譲らない物とする |
| 古い機器の不具合を伝えずに譲る | 不具合を現況確認書に書き、そのうえで価格を決める |
| 引渡し後の故障の負担を決めない | 現状のまま渡す物と、一定期間の動作を保証する物を分けて書く |
飲食店の営業許可は、施設が都道府県の条例で定める基準に合っていることが前提です(食品衛生法54条・55条)。設備を入れ替える、レイアウトを変えるといった改装の計画があるときは、買い手が、許可や届出への影響を保健所に先に確認します。
買い手の償却は中古の耐用年数で決まる。価格の内訳を設備ごとに分けておく
結論: 買い手は、中古で買った設備を、耐用年数に従って費用にしていきます。売り手が価格を設備ごとに分けて示すと、買い手が資産計上しやすくなります。
国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」には、建物附属設備の「店用簡易装備」が3年、機械・装置の「飲食店業用設備」が8年と載っています。内装・厨房の物が、どの区分になるかは、税理士に確認してください。
中古の資産の耐用年数は、国税庁の「No.5404 中古資産の耐用年数」によると、事業の用に供した時以後の使用可能期間として見積もられる年数によることができます。見積りが困難なときは、簡便法を使えます。簡便法の計算は、次のとおりです。
| 場合 | 計算 |
|---|---|
| 法定耐用年数の全部を経過した資産 | 法定耐用年数 × 20% |
| 法定耐用年数の一部を経過した資産 | (法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20% |
1年未満の端数は切り捨て、結果が2年未満のときは2年です。仮の数字で計算します。法定耐用年数8年の設備を、5年使った中古で買うと、(8 − 5)+ 5 × 20% = 3 + 1 = 4年です。8年をすべて経過した設備は、8 × 20% = 1.6年で、端数を切り捨てて1年となり、2年未満なので2年です。事業の用に供するための資本的支出が大きいときは、簡便法を使えません。その基準は、国税庁の案内で確認してください。
この記事の例の数字は、計算のための仮の数字です。実際の設備の区分、経過年数の数え方、簡便法が使えるかは、買い手が税理士に確認します。売り手は、取得時期と購入価格が分かる請求書を、目録と一緒に揃えておくと、買い手の検討を早められます。
造作譲渡料と撤去・原状回復費を並べて、譲る・畳むを比べる
結論: 譲渡が成立するかで、売り手の手元に残る金額の符号が変わります。貸主が承諾しない場合の手取りも、先に試算します。
次の数字は、説明のための仮の数字です。造作譲渡料が150万円、撤去・原状回復費が200万円と見積もられた店を考えます。敷金、税、仲介費用、残リースは含めません。
| シナリオ | 売り手の収支(仮) | 読み方 |
|---|---|---|
| A. 譲渡が成立し、買い手が造作を引き継ぐ | +150万円 | 撤去費は、買い手が引き継ぐ範囲で発生しない |
| B. 買い手が見つからず、撤去して退去する | −200万円 | 撤去・原状回復の費用を、売り手が負担する |
| C. 買い手は見つかったが、貸主が承諾しない | −200万円 | Bと同じ。承諾が取れないと、譲渡料は入らない |
AとBの差は、350万円です。ただし、Aの150万円とBの200万円は、仮の数字です。実際は、譲渡料の見積りと、撤去・原状回復費の見積りを、それぞれ複数の業者に出してもらって比べます。契約書に書かれた解約の予告期間と、原状回復の範囲も、見積りの前提にします。
廃業と売却を手取りで比べる方法はカフェは廃業と売却どっちが得かで、買い手側の比較はカフェの新規開業と居抜き買収で扱っています。
まとめ
- 造作譲渡で動くのは設備・内装・什器の所有権です。賃借権は貸主の承諾、営業許可は届出と、別々に手当てします。譲る物は、売り手の所有物・建物に付いた造作・リース品・他人の物の4区分に仕分けます。
- 原状回復の負担は、賃貸借契約の条項と、契約を引き継ぐか結び直すかで決まります。国交省のガイドラインと造作買取請求権をあてにせず、貸主の承諾書や合意書に書いてもらいます。
- 引渡し時点の状態は、設備目録と現況確認書で固定します。譲渡料は、撤去・原状回復費と並べ、貸主が承諾しない場合も含めて試算します。法律と税務の判断は、弁護士・税理士に確認します。
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よくある質問(FAQ)
Q1. カフェの造作譲渡では、厨房機器や内装をどこまで譲渡できますか? A. 売り手が所有している厨房機器や什器は、買い手と合意すれば売買できます。内装の造り付けの部分は、貸主との契約で所有や撤去の約束が決まっていることがあるため、賃貸借契約書で確かめます。リース品は、リース会社の所有であり、売り手の物として売れません。他人から借りている機材も同じです。品目ごとに所有者を確認し、一覧にして合意します。
Q2. 居抜きで譲るとき、原状回復は誰が負担しますか? A. 賃貸借契約の条項と、契約の移し方で決まります。賃借権を買い手に譲渡する場合は、貸主の承諾が要り(民法612条1項)、契約が続くため、条項が買い手に移ります。売り手の契約を終了して買い手が新たに契約する場合は、売り手の原状回復を貸主がどこまで求めるかを、終了の合意で決めます。いずれも、貸主・売り手・買い手の合意を書面に残します。
Q3. 国交省の原状回復ガイドラインは、カフェの店舗にも使えますか? A. 国土交通省のガイドラインは、賃料が市場家賃程度の民間賃貸住宅を想定したものです。店舗の内装や厨房の撤去範囲を決める基準としては書かれていません。本記事の整理では、店舗の原状回復は、賃貸借契約書の条項と特約を出発点に確認します。
Q4. 造作買取請求権を使えば、居抜きの内装を貸主に買い取ってもらえますか? A. 借地借家法33条は、貸主の同意を得て付けた造作について、期間の満了または解約の申入れによる終了のときに、時価での買取りを請求できると定めています。ただし、契約書で扱いが定められていることがあり、前の借主から買った造作が対象になるかは、条文だけでは読み取れません。譲渡料の根拠にはせず、貸主の書面と弁護士の確認で判断します。
Q5. リースの厨房機器がある店は、造作譲渡できますか? A. リース品は、リース会社が所有しています。リース契約は、契約に定める場合を除き、中途で解除できません。残りのリース料を売り手が精算して返却するか、買い手に契約を移すかは、リース会社とリース契約書で個別に確認が必要です。目録には、リース品であることと、残りの期間・金額を書きます。
Q6. 設備が譲渡後に故障したら、売り手の責任になりますか? A. 売買では、引き渡された物が契約の内容に適合しないとき、買主は追完や代金減額を請求できます(民法562条・563条)。種類または品質の不適合は、買主が知った時から1年以内に通知しないと請求できなくなります(民法566条。売主が引渡し時に知っていた場合などを除く)。何を契約の内容とするかを、設備目録と現況確認書に書き、現状のまま渡す物と一定期間の動作を保証する物を分けておきます。
Q7. 買い手が中古の厨房設備を買ったとき、耐用年数はどう決まりますか? A. 国税庁の「No.5404 中古資産の耐用年数」によると、事業の用に供した時以後の使用可能期間として見積もられる年数によることができ、見積りが困難なときは簡便法を使えます。簡便法は、法定耐用年数の一部を経過した資産なら、(法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20% で計算します。設備の区分と簡便法が使えるかは、税理士に確認してください。
出典
- e-Gov 法令検索「民法(明治二十九年法律第八十九号)」 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- e-Gov 法令検索「借地借家法(平成三年法律第九十号)」 https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000090
- e-Gov 法令検索「食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)」 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000233
- 国土交通省「「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
- 公益社団法人リース事業協会「リース契約の特徴」 https://www.leasing.or.jp/information/finance.html
- 公益社団法人リース事業協会「リース契約書の主な条項」 https://www.leasing.or.jp/information/joukou.html
- 国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_01.pdf
- 国税庁「No.5404 中古資産の耐用年数」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5404.htm