電気工事相場

電気工事会社の売却相場はいくら?建設業許可・経審評点・施工実績で変わる査定額の決まり方

この記事の目次
  1. この記事の結論(先に要点だけ)
  2. 電気工事業界とは — 「指定建設業×二重免許×有資格者」ビジネス
  3. 電気工事業界の動向と将来性 — なぜ今、M&A出口が増えているのか
  4. 電気工事会社の生き残り戦略 — 続ける/譲る/畳むの3択
  5. 廃業 vs 売却 — 手取りで比べると見え方が変わる
  6. 【M&A・投資視点】電気工事会社の売却相場と営業権の決まり方
  7. よくある質問(FAQ)
  8. まとめ — 廃業前に、自社の事業価値を確認する
  9. 免責
  10. 出典

後継者がいない。職人も自分も歳をとった。元請の値下げ圧も、電線や機材の原価高騰も止まらない——。続けるのは先細り、でも畳むには工具・車両・計測器の処分も倉庫の原状回復もある。そこで頭をよぎるのが「売れるなら売って引退したい。でも、うちはいくらになるんだ?」という問いです。本記事は、電気工事会社の売却相場の「読み解き方」と、税引後に残る「手取り」を、一次統計と実務目線でお伝えします。

この記事の結論(先に要点だけ)

  • 電気工事会社に「これが相場」という単一の金額は存在しません[C-02]。実務では年買法(時価純資産+利益の数年分。年数に一律の基準はない)で“目安”を置くことがあります[C-02]。
  • 本記事の整理では、価格を押し上げるのは、建設業許可(電気工事業=指定建設業)・電気工事業の登録/みなし登録・電気工事士(第一種/第二種)・1級/2級電気工事施工管理技士の在籍・経営事項審査(経審)の評点・公共/元請の施工実績・電気保安/メンテのストック収益・黒字低借入です。
  • 電気工事会社は「建設業許可(電気工事業=指定建設業)」と「電気工事業の登録/みなし登録」という二重の免許構造を持ち、それぞれ別系統の技術者(建設業許可の営業所技術者〈旧称:専任技術者〉/電気工事業の主任電気工事士=第一種・第二種電気工事士)を要するため、有資格者が二重に希少な資産になります[C-11][C-12][C-14]。
  • 株式譲渡なら、会社が持つ建設業許可・電気工事業の登録は原則そのまま引き継がれます(経管・営業所技術者・主任電気工事士の体制維持が前提)[C-06]。一方事業譲渡では建設業許可を移転できず、事前の認可を受けなければ空白期間(無許可営業リスク)が生じます[C-06]。
  • 廃業は工具・車両・計測器の処分、倉庫の原状回復、退職金で持ち出しになりがち。会社に値が付くなら、譲渡のほうが手元に残るお金が多い場合があります。
  • 次の一手は、畳む前に自社の事業価値の目安を確認すること。仲介に相談する前に、自分で相場感をつかんでおくのが安全です。

電気工事業界とは — 「指定建設業×二重免許×有資格者」ビジネス

「電気工事業は地味な下請仕事だ」と思っていませんか。実は電気設備の更新・再エネ/GX・データセンター・EV充電需要に支えられ、許可と国家資格者が高い参入障壁になる、値の付きやすい業種です。

電気工事業とは、住宅・ビル・工場・公共施設の受変電設備や配線、照明、動力、通信・信号設備などの電気工作物を施工・更新する業種です。日本標準産業分類では、建設業>中分類08「設備工事業」のなかの「電気工事業(081)」に位置づけられます(管工事業083と同じ設備工事業の区分)[C-05]。建物や社会インフラの電気を支える「更新・保守メンテ需要」に立脚したビジネスです。

ここに本記事の最大の差別化点があります。電気工事会社は、建設業の許可と電気工事業の登録という「二重の免許構造」を持っています。

第一の免許が建設業許可(電気工事業)です。電気工事業は建設業法の「指定建設業」7業種(土木/建築/電気/管/鋼構造物/舗装/造園)の一つです[C-11]。建設業許可では営業所ごとに技術者を専任で置く必要があり、2024年12月施行の改正後の建設業法では、一般建設業の許可では「営業所技術者」、特定建設業の許可では「特定営業所技術者」と呼びます(改正前の呼び方は専任技術者)[C-11]。指定建設業で特定建設業の許可を受ける場合、特定営業所技術者は国家資格者・国土交通大臣の特別認定者に限られ、指導監督的な実務経験では要件を満たせません[C-11]。一方、一般建設業の許可(電気工事業)の営業所技術者は、10年以上の実務経験、指定学科を修めた卒業後の実務経験、第一種電気工事士、第二種電気工事士+実務3年、電気主任技術者+実務5年などでもなれます[C-11][C-12]。つまり、国家資格者の在籍が許可の維持に直結するのは、特定建設業の許可を持つ電気工事会社です。その国家資格の一つが1級・2級電気工事施工管理技士で、技術検定(建設業法第27条)に基づく国家資格です。施工管理技士のうち、特定建設業の特定営業所技術者・監理技術者になれるのは1級で、2級は一般建設業の営業所技術者・主任技術者です[C-12]。

第二の免許が電気工事業の登録/みなし登録です。電気工事の施工には、建設業許可とは別に電気工事業法(電気工事業の業務の適正化に関する法律)に基づく登録・届出が必要で、一般用電気工事の業務を行う営業所ごとに主任電気工事士を置かなければなりません[C-14]。主任電気工事士になれるのは第一種電気工事士、または第二種電気工事士で免状取得後3年以上の実務経験を有する者に限られ、電気工事施工管理技士では主任電気工事士になれません(建設業許可の営業所技術者の要件とは別系統です)[C-14]。建設業許可を受けた事業者が電気工事業を営む場合は「みなし登録電気工事業者」として届出を行います[C-14]。つまり電気工事会社は、建設業許可の営業所技術者と、電気工事業の主任電気工事士(第一種/第二種電気工事士)という別系統の技術者を二重に抱える必要があり、ここが価格に効きます。

収益構造を一次統計で見ると、興味深い二面性があります。電気工事(電気工事業)を含む「設備工事業」の売上高総利益率(粗利率)は30.67%(令和6年度)で、建設業5区分のなかで最も高い水準です[C-05]。売上高営業利益率は2.53%(同・5区分で最高/建設業全体は1.20%)で、令和4年度の0.35%から改善していますが、粗利の約3割に対して営業段階で残るのは2%台です[C-05]。粗利は厚いのに営業利益として残りにくいのは、労働集約で販管費・労務負担が重い構造を示しています——つまり「人と段取り」が収益の鍵であり、有資格者と継続取引・施工実績こそが値段の源泉になるわけです。

注:電気工事業単独の財務統計は公的区分がないため、これを含む「設備工事業」の値(令和6年度)を代理指標として用いています[C-05]。出典のCIIC「建設業の経営分析」の集計対象は経営事項審査を受ける建設業専業の法人(大会社を除く)で、中小事業者全体を代表するとは限りません。

PESTで見れば、政策=脱炭素・GX投資・再エネ拡大、経済=電線・銅・機材の原価高騰、社会=職人の高齢化と採用難・いわゆる2024年問題後の労務環境、技術=データセンター・EV充電インフラの拡大と電気設備の高度化。需要はあるのに続ける体力が削られ、後継者問題が重なる構図です。

電気工事業界の需要動向や将来性の全体像は、電気工事業界の将来性・需要動向はこちらで俯瞰しています。本記事(相場・売却価格)と併せてご覧ください。なお、そもそも電気工事業へ独立開業で参入するか既存会社をM&Aで買収するかを費用と時間で比較したい方は、電気工事業の参入は独立開業かM&A買収かもご覧ください。実際に「誰が・なぜ電気工事会社を買うのか」を公表事例で知りたい方は、電気工事会社のM&A・事業承継 成約事例(誰が・なぜ買うのか)もご覧ください。


電気工事業界の動向と将来性 — なぜ今、M&A出口が増えているのか

需要が堅調でも、すべての電気工事会社が安泰ではありません。「小規模ほど詰む」構図が進み、出口としてM&A(譲渡)が現実的な選択肢になっています。

最大の背景は後継者問題です。建設業全体の後継者不在率は57.3%(2025年・帝国データバンク調査)で、比較対象の大分類8業種で最高[C-01](全国平均は50.1%。電気工事単独の値ではありません)。ただしピークの71.4%(2018年)から14.1ポイント低下し、改善傾向にあり[C-01]、「譲渡という出口を選ぶ会社が増えた」と読めます。

市場そのものは底堅く推移しています。建設業許可業者数は令和7年3月末で48万3,700業者(前年同月比0.9%増)と微増[C-10]。本記事の整理では、電気設備の更新需要、脱炭素・GX省エネ改修、再エネ・データセンター・EV充電インフラの投資は中長期で需要を支える方向にあり、「需要が消える業種」ではないと考えています。

注:電気工事(電気工事業)単独の市場規模(金額)は公的な統計区分がないため、本記事で数字を示すのは建設業許可業者数[C-10]までで、需要の方向性は本記事の整理です。

買い手の動きも活発です。サブコン大手・ビル管理会社・電気保安/設備系ファンドが、施工キャパシティと有資格者・元請取引枠・施工実績を取り込む「面取り」、小規模事業者のロールアップなど、許可・登録・人材・経審評点・継続取引を一括で取得できるM&Aを求める買い手が実在します。本記事の整理では、特定建設業の許可を維持できる国家資格者を新規採用で揃えるのは時間がかかり、しかも電気工事業の登録には主任電気工事士まで要るため、人手と後継者が足りない今、「許可も登録も有資格者も経審も施工実績も健在なうち」の譲渡が、買い手の好機であり、売り手の売り時です。

業界全体の将来予測や二極化のシナリオは、電気工事業界の将来性・需要動向はこちらで整理しています。本記事は「M&A出口が増える文脈」に絞っています。


電気工事会社の生き残り戦略 — 続ける/譲る/畳むの3択

続ける現実は、粗利の大半が販管費に回る利益構造との戦いです。前述のとおり設備工事業(代理指標)の粗利率は30.67%と5区分で最も高い一方[C-05]、営業利益率は2.53%にとどまります[C-05]。この構造を変える「自走」(下請依存からの脱却、元請化・直需開拓、電気保安/メンテ契約のストック化、再エネ・GX・EV充電などの高付加価値化、有資格者の採用・育成、経審評点の改善)には投資と時間、担い手が要ります。

なお、電気工事会社の利益率や社長年収の「儲かる/儲からない」の深掘りは本記事の範囲外です。利益率・年収の実態と「営業利益率が小さくても高く売れる会社の財務」は別記事で扱います。

畳む(廃業)は、工具・車両・計測器・在庫の処分、倉庫の原状回復、退職金など、出ていくお金が想像より大きくなりがちです。営業所技術者や主任電気工事士になれる人が離れれば、許可も電気工事業の登録も維持できず、価値ゼロで消えます。

そして譲る(M&A・譲渡)。「買われる強み」(建設業許可・電気工事業の登録・電気工事士/施工管理技士・経審評点・安定した元請取引・公共/保守メンテのストック・自社車両/工具/計測器・低借入)が揃うなら、あなたの会社は「畳むしかない事業」ではなく「買われる資産」です。SWOTで自社の「買われる強み」を棚卸しすることが、3択を見極める出発点になります。


廃業 vs 売却 — 手取りで比べると見え方が変わる

廃業は工具・車両・計測器・在庫の処分、倉庫の原状回復、退職金など「持ち出し」になりやすく、許可・登録・取引・有資格者・職人も価値ゼロで消えます。売却なら条件次第で創業者利益が残り、個人保証の解除や雇用維持も交渉できます。

判断軸は「廃業して出ていくお金」と「売却して手元に残るお金(税引後の手取り)」を同じものさしで比べること。処分価格だけを見ていた方が、査定で「会社ごと売るほうが手取りが多い」と気づくことも少なくありません。

廃業と売却の手取りをより詳しく比べたい方は、電気工事業の廃業と売却の手取り徹底比較をご覧ください(深掘りは別記事に分けています)。

自社の場合を確認する 事業の種類と状況から、売却価格の目安と価値を左右するポイントを確認できます。→ 事業価値を確認する


【M&A・投資視点】電気工事会社の売却相場と営業権の決まり方

「うちはいくらで売れるのか」を、相場の見方と評価の仕組みから解きます。同じ年商でも値段が大きく違うことがある——その差を生むのは、電気工事士・施工管理技士・経審評点・施工実績といった“数字に出ない資産”=営業権の厚みです。とりわけ電気工事は建設業許可に加えて電気工事業の登録も要する二重免許ゆえ、許可と登録を支える有資格者が二重に必要で、ここが価格を分けます。

まず大前提:電気工事会社に「明確な相場」は存在しない

電気工事会社に「相場はこの金額」という単一の数字は存在しません[C-02]。仲介サイトに並ぶ譲渡額は、売り手の「希望額」であって成約額ではないからです。同じ売上規模でも、許可・登録・有資格者・経審・取引先・施工実績の状態でつく値段はまるで変わります。実務では次の式で“目安”を置くことがあります。

算定式①:年買法(目安を置く簡便な方法)

中小M&Aでは、年買法で目安を置くことがあります。

株式価値 = 時価純資産 + 営業権(=利益の数年分)[C-02]

この上乗せ部分が「営業権(のれん)」——許可・登録・有資格者・取引先・施工実績など帳簿に出ない収益力を金額化したものです。年買法(年倍法)は、時価純資産に利益の数年分を加える簡便な評価方法です。利益の種類や加える年数に一律の基準はありません。中小M&Aガイドラインの参考資料では通常1〜3年とされる一方[C-15]、民間の実務解説には2〜5年[C-15]、3〜5年[C-02]とする例もあります。比べるときは、加える利益の定義が資料で違う点に注意が必要です。参考資料は税引後利益又は経常利益等とし[C-15]、民間の解説には営業利益や実質利益(過去の平均税引後利益とするものもある)を使うもの[C-15]や、使う利益に決まりはなく営業利益・経常利益など税引前の利益が多いとするもの[C-02]があります。これらは業界別の成約相場や標準倍率を示すものではありません。また、理論的な裏付けを持つ統一的な算定式ではありません[C-02]。実際の譲渡価格は、個別の収益性、事業の継続性、負債、契約条件などを踏まえた交渉によって決まります。

電気工事の会社の取引価格をまとめた一次資料は、本記事の調査では確認できませんでした。そのため本記事では、金額の幅を「相場」や「目安」としては示しません。自社の時価純資産と利益を式に当てはめたうえで、上の要素を踏まえて考えてください。

電気工事会社の株式価値の構成(年買法):時価純資産+営業権(利益の数年分。利益の種類・年数に一律の基準はない)。営業権を厚くする=許可(電気工事=指定建設業)・電気工事業の登録・電気工事士/施工管理技士・経審評点・施工実績 図解F1:株式価値=時価純資産+営業権(利益の数年分。年買法の目安で、加える利益の種類や年数に一律の基準はありません)。年買法は理論的な裏付けを持つ統一的な算定式ではありません。

注:「EV/EBITDA倍率」を相場として目にすることがありますが、電気工事の会社の取引の倍率をまとめた公的な統計は、本記事の調査では確認できませんでした。本記事では金額の根拠として用いません。

営業権を動かす「加点」と「減点」(電気工事固有・ここが主役)

本記事の整理では、年買法の営業権を厚くするか薄くするかは、電気工事会社に固有の“数字に出ない資産”が決めます。電気工事が建設業許可に加えて電気工事業の登録も要するがゆえに、ここでの有資格者・経審・施工実績の重みは特に大きくなります。

加点される要素

  • 建設業許可(電気工事業=指定建設業)の保有、および電気工事業の登録/みなし登録
  • 電気工事士(第一種/第二種)・1級/2級電気工事施工管理技士の在籍数と年齢構成——1級電気工事施工管理技士は特定建設業の特定営業所技術者・監理技術者になれ[C-11][C-12]、電気工事士は実作業と主任電気工事士の選任に直結します[C-14]。有資格者が二重に効くのが電気工事の特徴です
  • 経営事項審査(経審)の高評点——経審は公共工事を発注者から直接請け負う建設業者が必ず受ける審査で、経営状況・経営規模・技術力・社会性等を数値化して評価します[C-13]。本記事の整理では、評点が高いほど大型公共・元請取引の入口が広がります
  • ゼネコン・サブコン・ビル管理会社・自治体との安定した継続取引、高い元請比率、公共/民間の施工実績
  • 電気保安・保守メンテナンス契約のストック収益(更新需要の継続キャッシュフロー)
  • 自社車両・工具・計測器・倉庫などの設備、黒字継続・低借入

減点される要素

  • 特定取引先(一社)への過度な依存
  • 社長の現場属人化(社長が抜けると回らない)
  • 営業所技術者・主任電気工事士になれる人の不在——建設業許可(特定建設業の許可なら国家資格者等が必要)の維持に加え、電気工事業登録の主任電気工事士の維持にも直結するため致命的になりやすい[C-11][C-14]
  • 簿外債務・過大なリース
  • 安値・低粗利の受注体質、元請からの値下げ常態化

電気工事会社の営業権 加点・減点マップ:営業権↑=電気工事士/施工管理技士在籍・経審高評点・継続取引・元請比率・施工実績・保守ストック/営業権↓=一社依存・社長属人化・有資格者不在・簿外債務・安値受注 図解F2:営業権を押し上げる要素(左)と引き下げる要素(右)。有資格者の在籍や経審評点・施工実績が“数字に出ない資産”として価格を動かします。

編集部より:現場で「価格を分ける」のは、決算書に出ない部分です

電気工事会社の評価は、売上の大小だけでは決まりません。最後に効くのは、電気工事士(第一種/第二種)・1級/2級電気工事施工管理技士が何人いて、何歳で、定着しているか、経審の評点はどうか、ゼネコン・サブコン・自治体・ビル管理会社との継続取引や公共/元請の施工実績があるか、元請比率と電気保安・メンテ契約のストック、車両・工具・計測器の状態、そして社長が現場に張り付いていないか——いずれも帳簿に表れにくい要素ばかりです。とりわけ電気工事は建設業許可に加えて電気工事業の登録も要しますから、営業所技術者や主任電気工事士になれる人が抜けると許可維持と登録維持の両方に直結します。ここを整えるだけで買い手の見る目は変わり、価格にも交渉のしやすさにも直結します。(※本コラムは本記事の整理による一般的な見方で、個別の取引データに基づくものではありません)

有資格者の在籍数や経審評点が査定額をどの程度動かすか、建設業許可・電気工事業の登録承継・専任技術者/主任電気工事士要件の手続詳細を知りたい方は、電気工事業(指定建設業)の許可承継・登録・専任技術者要件の詳細はこちらをご覧ください。本記事では「有資格者・経審・施工実績が営業権を上げる構造」の説明にとどめています。

3Cで見る:買い手は何を狙っているか

買い手(同業・サブコン大手・ビル管理会社・ファンド)が欲しいのは、ゼロから揃えると時間のかかる建設業許可(電気工事)・電気工事業の登録・電気工事士/施工管理技士・施工エリア・元請枠・経審評点・公共/保守契約のストックと施工実績・職人の採用代替です。本記事の整理では、営業所技術者(特定建設業の許可なら国家資格者等)の確保には時間がかかり、さらに登録には主任電気工事士まで要するため、許可・登録と人材を「会社ごと」得られるM&Aの効率は内製化や自前拡大には代えがたく、自社の強みを言語化できれば価値が明確になります。

許認可の承継 — ここがスキーム選択の分かれ目

株式譲渡は株主が変わるだけで法人格は変わらず、会社が持つ建設業許可(電気工事業)と電気工事業の登録/みなし登録は会社に残り、原則として継続します(経営業務管理責任者・営業所技術者・主任電気工事士の体制維持が前提)。営業所技術者(特定建設業の許可なら1級電気工事施工管理技士などの国家資格者等)が引き続き在籍していること、主任電気工事士となる第一種/第二種電気工事士が在籍していることが、許可・登録維持の前提になります[C-11][C-14]。

事業譲渡は異なります。建設業許可は、令和2年(2020年)10月施行の改正建設業法で、事前の認可による地位承継の制度が新設されました(17条の2・3)[C-06]。従前は廃業+新規申請で空白期間が生じましたが、改正後は事業承継(譲渡・合併・分割)はあらかじめ認可を受けること、相続は死亡後30日以内に認可を申請することで、地位を空白なく承継できます[C-06]。事前認可の申請期限は許可行政庁ごとに異なり、関東地方整備局の手引では申請の受付を承継予定日の90日前までとしています[C-06]。ただし承継は建設業の「全部」が対象で、一部のみの承継はできず、承継者が許可要件(経管・営業所技術者)を満たすことが前提です[C-06]。特定建設業の許可を承継するなら、特定営業所技術者になれる国家資格者等を承継側で確保できなければ認可は受けられません[C-06][C-11]。認可を受けずに事業譲渡だけ進めると、許可の空白=無許可営業のリスクが生じます。

電気工事業の登録も分けて考えます。電気工事業法では、登録電気工事業者が登録に係る事業の全部を譲渡したとき(相続・合併・分割で事業の全部を承継させるときも同じ)、譲り受けた者が登録電気工事業者の地位を承継し、承継の日から30日以内に届け出ます(電気工事業法9条)[C-16]。一方、建設業許可を持つ建設業者には登録の規定(同法第2章)が適用されず、みなし登録電気工事業者として扱われます(同法34条)[C-16]。そのため買い手が建設業者なら、登録の承継ではなく、電気工事業を開始した旨の届出(同法34条4項)を行うことになります[C-16]。個別の扱いは所管の産業保安監督部・都道府県にご確認ください。

許可・登録承継の分岐:株式譲渡=建設業許可(電気)・電気工事業の登録が会社に残り原則継続(経管・営業所技術者・主任電気工事士の維持が前提)/事業譲渡=建設業許可は移転不可で事前の承継認可(全部承継が前提)が必要、電気工事業の登録は地位承継の届出またはみなし登録の届出。営業所技術者(特定建設業の許可なら国家資格者等)と主任電気工事士=電気工事士の確保が承継の前提 図解F3:スキーム別の許可・登録承継。電気工事は建設業許可に加えて電気工事業の登録も要するため、いずれも営業所技術者と主任電気工事士(電気工事士)の確保が前提になります(特定建設業の許可では、特定営業所技術者は国家資格者等に限られます)。事前認可の申請期限は許可行政庁ごとに異なります。

建設業のM&Aと許可承継の総論(経審・各種スキームの全体像)は、建設業のM&A・許可承継の全体像で解説しています。本記事は電気工事業に絞っています。

手取り(税引後)の考え方

個人株主が株式売却で得た利益には、申告分離課税で税率20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)が課されます[C-08](実際の税額は取得費等で変わるため、計算は税理士へ)。「いくら売れる」を「いくら残る」に翻訳して考えることが、廃業との損得比較の出発点になります。

ここで重要な注意点があります。「M&Aで事業承継税制を使って節税できる」は正しくありません。事業承継税制(贈与・相続による株式取得の納税猶予制度)は親族内・社内承継のための制度で、第三者へのM&A売却(株式譲渡所得課税=20.315%の世界)とは別物です[C-08]。(参考までに、国税庁タックスアンサーNo.4148〈令和8年4月1日現在法令等〉では、法人版・特例措置の特例承継計画の提出期限は令和9年〔2027年〕9月30日、適用期限は令和9年12月31日です[C-07]。期限は改正で変わりうるため、検討される際は最新情報をご確認ください。)

価格を上げる事前準備 — 売却前に整えると営業権が上がる10項目

次の項目を点検すると、買い手の評価と交渉のしやすさが変わります。自社に当てはめてください。

  • 建設業許可(電気工事業)の有効期限・更新状況、および電気工事業の登録/みなし登録の有効性
  • 電気工事士(第一種/第二種)・1級/2級電気工事施工管理技士の在籍数・年齢構成と継続雇用
  • 営業所技術者・経営業務管理責任者・主任電気工事士の体制(特定建設業の許可なら国家資格者等の要件/登録=主任電気工事士要件の維持)
  • 経営事項審査(経審)の評点と改善余地
  • ゼネコン・サブコン・自治体・ビル管理会社との継続取引の文書化と特定取引先への依存度、公共/元請の施工実績
  • 電気保安・保守メンテナンス契約のストック化・更新条件の整備
  • 直近3期分の決算書の整備(見え方の改善)
  • 簿外債務・未払残業・倉庫の原状回復責任など隠れ負債の有無
  • 車両・工具・計測器・倉庫の台帳と所有/リースの区分・名義
  • 社長の現場属人化の解消、会社資産と個人資産の分離・反社チェック

自社の場合を確認する 事業の種類と状況から、売却価格の目安と価値を左右するポイントを確認できます。→ 事業価値を確認する

掲載中の案件は掲載中の建設・電気/設備関連のM&A案件を見るからご覧いただけます(買い手が実在することは、売り手にとっての安心材料でもあります)。


よくある質問(FAQ)

Q1. 電気工事会社のM&A・売却相場はいくらですか? A. 電気工事会社に「明確な相場」は存在しません。実務では年買法(時価純資産に利益の数年分を加える簡便な評価方法)で目安を置くことがあります[C-02]。利益の種類や加える年数に一律の基準はなく、理論的な裏付けを持つ統一的な算定式でもありません[C-02]。価格は許可・登録・有資格者・経審・取引先・施工実績の状態で大きく変わります。仲介サイトの金額は希望額で成約額ではありません。自社の目安は、M&A-WEBの事業価値の確認で見られます。

Q2. 電気工事会社の売却価格(営業権)はどうやって決まりますか? A. 時価純資産に営業権(利益の数年分)を上乗せする年買法で目安を置くことがありますが、実際の譲渡価格は収益性・事業の継続性・負債・契約条件などで決まります[C-02]。本記事の整理では、営業権は、建設業許可(電気工事=指定建設業)・電気工事業の登録・電気工事士/施工管理技士・経審の高評点・継続取引・元請比率・施工実績・保守ストック・黒字低借入で加点され、一社依存・社長属人化・有資格者不在・簿外債務・安値受注で減点されます。

Q3. 電気工事士や電気工事施工管理技士が在籍すると売却価格は上がりますか? A. 上がる方向に働きます。電気工事は建設業許可に加えて電気工事業の登録も要する二重免許のため、有資格者が二重に効きます。1級/2級電気工事施工管理技士は技術検定(建設業法第27条)に基づく国家資格で、施工管理技士のうち特定建設業の特定営業所技術者(旧称:専任技術者)・監理技術者になれるのは1級です[C-12]。特定建設業の許可では指導監督的な実務経験だけでは要件を満たせませんが、一般建設業の許可の営業所技術者は実務経験10年などでもなれます[C-11]。加えて電気工事業の登録には主任電気工事士(第一種電気工事士、または第二種+実務3年)の選任が必要で[C-14]、電気工事士も価値を押し上げます。在籍数が査定額をどの程度動かすかの定量は電気工事業(指定建設業)の許可承継・登録・専任技術者要件の詳細はこちらで扱います。

Q4. 後継者がいない電気工事会社でも売れますか? A. 可能性は十分あります。建設業全体の後継者不在率は57.3%(2025年・帝国データバンク調査。電気工事単独の値ではない)と比較対象の大分類8業種で最も高く[C-01]、買い手は許可・登録・有資格者・経審評点・元請枠・施工実績・職人を一括取得できるM&Aを求めています。許可も登録も有資格者も継続取引も健在なうちほど、営業権が乗って評価が上がります。

Q5. 電気工事業(指定建設業)の建設業許可と電気工事業の登録はM&Aで引き継げますか? A. スキームによります。株式譲渡なら法人格が変わらず、許可も電気工事業の登録も会社に残って原則継続します(経管・営業所技術者・主任電気工事士の体制維持が前提)。事業譲渡では建設業許可を移転できず、令和2年改正で新設された事前認可(建設業の全部承継が前提。申請期限は許可行政庁ごとに異なり、関東地方整備局の手引では申請の受付は承継予定日の90日前まで)を受ける必要があります[C-06]。電気工事業の登録は、事業の全部の譲渡なら譲り受けた者が登録電気工事業者の地位を承継して30日以内に届け出ますが(電気工事業法9条)、買い手が建設業者ならみなし登録電気工事業者として電気工事業開始の届出(同法34条)を行います[C-16]。いずれの場合も営業所技術者の確保が前提で、特定建設業の許可なら国家資格者等に限られます[C-11]。可否は行政書士・行政庁・産業保安監督部・都道府県にご確認ください。

Q6. 株式譲渡と事業譲渡、どちらがいいですか? A. 許可・登録を持つ電気工事会社では、許可と登録が会社に残る株式譲渡が選ばれやすい傾向があります。事業譲渡だと建設業許可は事前認可(全部承継が前提・営業所技術者の確保が前提)が必要で[C-06]、電気工事業の登録は事業の全部の譲渡なら地位の承継の届出、買い手が建設業者ならみなし登録電気工事業者としての届出になり[C-16]、簿外債務の扱いなど他の論点もあります。特定建設業の許可を持つ会社では、特定営業所技術者になれる国家資格者の引き継ぎが特に重要になります。専門家を交えた検討をおすすめします。

Q7. 電気工事業は廃業と売却、どちらが得ですか? A. 廃業は工具・車両・計測器の処分、倉庫の原状回復、退職金で持ち出しになりやすく、売却なら創業者利益や雇用維持・保証解除が残せます。「出ていくお金」と「手元に残るお金(税引後)」を同じものさしで比べてください(→「廃業 vs 売却」・廃業と売却の手取り比較)。

Q8. 電気工事会社のM&A・売却にかかる費用はどのくらいですか? A. 中小M&Aガイドラインでは、仲介者・FAの報酬の算定にレーマン方式が採られることが多いとされています(料率や最低手数料は仲介者・FAにより異なります)[C-09]。個人株主の株式譲渡益には申告分離課税で20.315%が課されます[C-08]。費用や手取りは条件で大きく変わるため、個別の試算は税理士などの専門家に依頼してください。


まとめ — 廃業前に、自社の事業価値を確認する

  • 電気工事会社に「明確な相場」はありませんが、年買法(時価純資産+利益の数年分。年数に一律の基準はない)で目安を置くことがあります[C-02]。
  • 本記事の整理では、値段を作るのは建設業許可(電気工事=指定建設業)・電気工事業の登録・電気工事士/施工管理技士・経審の評点・継続取引・施工実績・保守ストック・低借入という“数字に出ない資産”=営業権です(許可・登録・資格・経審の制度は[C-11][C-12][C-13][C-14])。
  • 株式譲渡なら建設業許可も電気工事業の登録も会社に残って継続(経管・営業所技術者・主任電気工事士の維持が前提)。事業譲渡では許可を移転できず事前認可が必要で、いずれも営業所技術者と主任電気工事士=電気工事士の確保が前提です[C-06][C-14]。
  • 建設業全体の後継者不在率は57.3%と高い一方[C-01]、本記事の整理では電気設備更新・GX改修・再エネ・データセンター・EV充電の需要は中長期で底堅く、買い手は許可・登録と有資格者・経審・継続取引・施工実績を求めています。許可も登録も有資格者も継続取引も健在な「今」が売り時です。

買い手向け:電気工事の許可・登録・有資格者・経審・元請枠・施工エリアを会社ごと取得したい方は、掲載中の建設・電気/設備関連のM&A案件を見るをご覧ください。

売り手向けチェックリスト:①後継者がいない/体力的に限界 ②電気工事士・1級/2級電気工事施工管理技士が在籍している ③経審の評点がある/公共・元請取引が安定している ④電気保安・保守メンテ契約や自社車両・工具・計測器を保有 ⑤畳むと工具・計測器処分や原状回復で持ち出しになりそう——一つでも当てはまるなら、畳む前に自社の値段を知る価値があります。

許可・登録・有資格者・取引は、廃業すれば価値ゼロで消えますが、譲渡なら次の担い手に引き継がれ、対価が残ります。建設業許可に加えて電気工事業の登録も要し、有資格者を二重に抱える会社であればなおさら、自社の値段を知ることが、後悔しない出口選びの第一歩です。

相場の前提となる継続収益力(設備工事業の代理指標で粗利率30.67%/営業利益率2.53%・令和6年度という電気工事業の利益率)と電気工事士・一人親方の独立年収の実態は電気工事業の利益率と年収はこちらで解説しています。


免責

本記事は電気工事会社のM&Aに関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の査定額や成約・売却を保証するものではありません。記載した算定式(年買法)は評価の考え方の一つであり、実際の成約価格を示すものではありません。財務指標は電気工事(電気工事業)単独ではなく、これを含む「設備工事業」の令和6年度の値(代理指標)で、CIICの集計対象(経営事項審査を受ける建設業専業の法人)は中小事業者全体を代表するとは限りません。後継者不在率57.3%は建設業全体の値です。個別の税務の取り扱いは税理士、許認可(建設業許可・電気工事業=指定建設業/電気工事業の登録)の承継可否は行政書士・行政庁・産業保安監督部、契約・法務に関する事項は弁護士へご相談ください。M&A-WEBは、事業価値の目安を確認する機能と、売却案件・買収ニーズを探せるサービスを提供しています。

価格や倍率の前提となる業界全体の足元の動向(建設業全体の後継者不在率57.3%・倒産/休廃業の最多水準・有資格者の希少化・原価高)を中立に押さえたい方は、電気工事業界の最新動向(後継者不在・2024年問題・倒産動向)をご覧ください。


出典

  • [C-01] 建設業全体(大分類)の後継者不在率57.3%(2025年調査・比較対象の大分類8業種で最高/電気工事単独の値ではない/ピーク71.4%(2018)から改善・全国50.1%)— 帝国データバンク「後継者不在率動向調査2025」: https://www.tdb.co.jp/report/economic/20251121-successor25y/
  • [C-02] 年買法(年倍法)は株式価値=時価純資産+利益×3年~5年で計算するのが一般的(年数はケース毎に異なる/用いる利益に決まりはなく、営業利益・経常利益など税引前の利益が多い/理論的な裏付けはなく、日本公認会計士協会のガイドラインや主要な教科書にも記載がない) — マクサス・コーポレートアドバイザリー「『年買法(年倍法)』には理論的根拠なし」(2022年12月26日): https://www.maxus.co.jp/columns/3725
  • [C-15] 年買法で加える利益と年数の資料ごとの違い — 中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」参考資料2「中小M&Aの譲渡額の算定方法」(数年分の任意の利益〈税引後利益又は経常利益等〉を加算する場合がある。利益の種類と年数〈通常1年~3年〉は事例ごとに異なり、交渉によって決まるケースが多い): https://www.meti.go.jp/files/900016261.pdf / M&A総合研究所「事業譲渡の営業権」(営業権=実質利益〈過去2〜5年の平均税引き後の利益〉×評価倍率〈2〜5倍〉): https://masouken.com/事業譲渡の営業権 / M&Aサクシード(時価純資産+営業利益×2〜5年分): https://ma-succeed.jp/content/knowledge/post-12490 / よくわかるM&A(時価純資産+実質利益×2〜5年分): https://co-ad.jp/blog/ma_value/45/(確認日 2026-10-23)
  • [C-05] 設備工事業(電気工事業を含む代理指標)の売上高営業利益率2.53%(令和6年度・5区分で最高/建設業全体1.20%。令和4年度0.35%・令和5年度1.63%)・売上高総利益率(粗利率)30.67%(5区分で最も高い)・自己資本比率45.51%(全体41.67%)。集計対象は同センターに経営状況分析を申請した建設業専業の法人(大会社を除く)で、中小事業者全体を代表するとは限らない。電気工事業は日本標準産業分類で建設業>設備工事業>電気工事業(081) — 建設業情報管理センター(CIIC)「建設業の経営分析(令和6年度)」(令和8年2月)図表14・15・25: https://www.ciic.or.jp/wp-content/uploads/2026/02/bunseki_R06.pdf (確認日 2026-10-22)/令和4年度版: https://www.ciic.or.jp/wp-content/uploads/2024/01/bunseki_R04.pdf / 産業分類: https://www.e-stat.go.jp/classifications/terms/10/03/081
  • [C-06] 改正建設業法(令和2年10月施行)による事業承継・地位承継認可制度(17条の2・3/事業承継はあらかじめ認可を受ける・相続は死亡後30日以内に認可を申請する〈17条の3第1項〉・全部承継が前提・承継者は許可要件を具備)— 国土交通省「建設業者の地位の承継について(建設業法第17条の2・3)」: https://www.mlit.go.jp/common/001365753.pdf / 事業承継の申請受付は承継予定日の90日前まで(標準処理期間90日)・相続の申請受付は死亡後30日以内 — 国土交通省 関東地方整備局「事業承継等の事前認可制度」(手引): https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000877209.pdf / e-Gov法令検索「建設業法」: https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100 (確認日 2026-10-23)
  • [C-07] 法人版事業承継税制(特例措置)の特例承継計画の提出は平成30年4月1日から令和9年9月30日まで、適用期限は平成30年1月1日から令和9年12月31日まで — 国税庁 タックスアンサー No.4148「非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の特例等(法人版事業承継税制)」(令和8年4月1日現在法令等): https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4148.htm (確認日 2026-10-23)
  • [C-08] 個人の株式譲渡益は申告分離課税20.315%(所得税15%+復興特別所得税+住民税5%)/事業承継税制とは別物 — 国税庁 タックスアンサー No.1463: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm
  • [C-09] 仲介者・FAの報酬の算定にはレーマン方式が採られることが多く、特にM&A専門業者で広く用いられている。最低手数料を設けている仲介者・FAは多く、金額は各仲介者・FAにより異なる — 中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)」第1章Ⅴ「仲介者・FAの手数料についての考え方の整理」: https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/m_and_a_guideline.pdf (確認日 2026-10-23)
  • [C-10] 建設業許可業者数は令和7年3月末で483,700業者(前年同月比4,317業者・0.9%増)— 国土交通省「建設業許可業者数調査の結果について-建設業許可業者の現況(令和7年3月末現在)-」(令和7年5月16日): https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001889275.pdf
  • [C-11] 営業所技術者等(建設業法第7条第2号の営業所技術者・第15条第2号の特定営業所技術者)を営業所ごとに専任で設置。一般建設業の許可では指定学科修了者で高卒後5年以上・大卒後3年以上の実務経験、10年以上の実務経験、国家資格者などが要件。特定建設業の許可では国家資格者、指導監督的実務経験を有する者、大臣特別認定者で、指定建設業(土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7業種、施行令5条の2)は指導監督的実務経験では許可を取得できない — 国土交通省「許可の要件」: https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html / 「営業所技術者」「特定営業所技術者」は令和6年法律第49号による改正(2024年12月13日施行)後の建設業法第7条第2号・第15条第2号の用語 — e-Gov法令検索「建設業法」: https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100 (確認日 2026-10-23)
  • [C-12] 技術検定は建設業法第27条・第27条の2に基づく。1級技士は監理技術者又は主任技術者、2級技士は主任技術者になれる — 国土交通省「令和5年度技術検定結果について」: https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00241.html / 電気工事業の欄で1級電気工事施工管理技士は特定建設業の営業所専任技術者(又は監理技術者)、2級は一般建設業の営業所専任技術者(又は主任技術者)となり得る国家資格。主任技術者になれる資格で建設業法第15条第2号ロを満たす場合に特定建設業の専任技術者となり得る扱いから、指定建設業は除かれている — 国土交通省 建設業許可の技術者資格一覧表(PDF。凡例「特定建設業の営業所専任技術者(又は監理技術者)となり得る国家資格」「一般建設業の営業所専任技術者(又は主任技術者)となり得る国家資格」。電気工事業の欄では第1種電気工事士、第2種電気工事士〈資格取得後の実務経験3年〉、電気主任技術者〈同5年〉も一般建設業の営業所専任技術者となり得る): https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001619998.pdf (確認日 2026-10-23)
  • [C-13] 経営事項審査は公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が必ず受けなければならない審査で、「経営状況」「経営規模」「技術力」「その他の審査項目(社会性等)」を数値化して評価する — 建設業情報管理センター(CIIC)「経営事項審査」: https://www.ciic.or.jp/kyoka/keiei/
  • [C-14] 登録電気工事業者(みなし登録電気工事業者を含む)は、一般用電気工事の業務を行う営業所ごとに、第1種電気工事士又は第2種電気工事士免状の交付を受けた後3年以上の実務経験を有する第2種電気工事士を主任電気工事士として置かなければならない(法第19条)。第1種・第2種電気工事士でない者を一般用電気工事の作業に従事させてはならない(法第21条)。主任電気工事士の要件が電気工事士に限られるため、施工管理技士の資格だけでは主任電気工事士になれない(本記事の整理)— 経済産業省 関東東北産業保安監督部「みなし登録電気工事業者として届出を行う場合」: https://www.safety-kanto.meti.go.jp/electric/kojigyo/e_minashi_touroku01.html
  • [C-16] 登録電気工事業者が登録に係る事業の全部を譲渡し、又は相続・合併・分割(事業の全部を承継させるもの)があったときは、譲り受けた者等が登録電気工事業者の地位を承継し(9条1項)、承継の日から30日以内に届け出る(9条3項)。第2章(登録)は建設業法第2条第3項の建設業者には適用せず、電気工事業を営む建設業者は登録電気工事業者とみなして法を適用(34条1項・2項)、電気工事業を開始したときは遅滞なく届け出る(34条4項)— e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」: https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC1000000096 (確認日 2026-10-23)

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