SaaSアーンアウト

SaaS M&A アーンアウト|追加対価で評価差を埋める前に固める4つの取り決めと、使わないほうがよい5つの場面

この記事の目次
  1. この記事の結論
  2. 評価が割れたとき、アーンアウトは「金額そのものを後ろへ回す」選択肢の一つ
  3. 評価差の原因が「見通しの違い」なのか「確認不足」なのかを、先に切り分ける
  4. 取り決め1:追加対価の指標と期間は、買収後に買い手の判断で動かしにくいものを選ぶ
  5. 取り決め2:買収後の運営で達成条件が変わる場面を、先に契約に書く
  6. 取り決め3:計算の方法・確認する人・揉めたときの手順まで書く
  7. 取り決め4:会計・税務・支払条件は、契約の前に双方の専門家へ確認する
  8. 使わないほうがよいのは、条件を言葉にできないときと、後払い分の受け取りに不安があるとき
  9. まとめ
  10. よくある質問(FAQ)
  11. 出典

「買い手の見立てでは今のARRが基準。売り手は、新プランが伸びるのでもっと高いはずだと言う」。SaaSの売却では、成長見込みの評価が割れて、価格の話が止まることがあります。その間を取る方法として、業績に応じて後から追加対価を払うアーンアウトが出てきます。この記事は、使うかどうかの判断と、使うなら契約の前に決めておくことを整理します。

この記事の結論

  • アーンアウトは、評価差を「金額を確定させずに後ろへ回す」方法です。 一括払いや分割払い(金額は確定し、時期だけ後ろへ回す)とは、回すものが違います。
  • 使うなら、指標と期間・買収後の運営・計算と確認・会計税務の4つを、契約の前に固めます。 ガイドラインは、目標や追加対価の設定が曖昧だと争いになるリスクがあるとしています。
  • DDや当事者間の調整が済んでいない段階で、差を埋めるためだけに入れるのは慎重に。 ガイドラインも同じ趣旨を書いています。

この記事の対象:評価が割れているSaaS・Webサービスの売却を考える方、または買収を検討している方。確認日は2026年10月18日です。

SaaSのM&A全体の見方(主要KPI・価値の源泉・DD)は、SaaSのM&A DATAにまとめています。この記事は、そのうち評価差を追加対価で調整するときの論点だけを扱います。

評価が割れたとき、アーンアウトは「金額そのものを後ろへ回す」選択肢の一つ

結論: 一括払い・分割払い・アーンアウト・段階取得は、後ろへ回すものが違います。評価差を埋めたいのか、資金の都合なのかで、選ぶ方法が変わります。

中小M&Aガイドライン(第3版)は、最終契約に基づく支払や手続はクロージング時に実行することが基本としたうえで、クロージング後に回す支払・手続(分割払い、株式の段階的取得など)と、最終契約後に譲渡額を調整・修正する条項(アーンアウト条項など)を挙げています。どちらについても、解釈の違いなどで当事者間の争いに発展するリスクがあり、慎重な検討が求められる、と書かれています。

方法 後ろへ回すもの ガイドラインが挙げるリスク
一括払い(クロージング時) なし (後ろへ回さない基本形)
分割払い 支払の時期(金額は確定) 買い手の状況によっては不履行になるリスク。支払期間が長いほどリスクが高い
アーンアウト 追加対価の金額(目標達成が条件) 目標や追加対価の設定が曖昧だと争いになるリスク。買収後の事業や買い手の状況によっては不履行のリスク
段階取得 株式の取得そのもの 買収後の事業の状況によって、当事者の意向が変わり不履行になるリスク

ガイドラインによるアーンアウトの説明は次のとおりです。

  • クロージング後の一定期間(3年以内が多い)の特定の時点で、売上や利益などの財務目標、または売上個数や入居率などの非財務目標を設定します。
  • 目標が達成された場合に、譲り受け側が譲り渡し側へ追加で対価を支払います。
  • 譲り受け側は、クロージング時の支払額を抑え、その後の業績を見て追加対価を払えるため、クロージング後の業績悪化のリスクを避ける手段になりえます。
  • クロージング時点では将来の利益の見通しが立ちにくいが、大幅な成長の可能性がある、ベンチャー企業のM&Aで活用されることが多い、とされています。

売り手にとっては、目標を達成すれば追加対価を得られる可能性がある一方、達成しなければ受け取れません。この点が、金額が確定している分割払いとの違いです。

評価差の原因が「見通しの違い」なのか「確認不足」なのかを、先に切り分ける

結論: 確認すれば埋まる差は、先に確認して埋めます。アーンアウトに回すのは、確認しても残る不確実性だけです。

ガイドラインは、アーンアウトについて、DDや当事者間の調整を十分に実施したうえで、確定していない具体的なリスクに対応して設定されるべきものとしています。調整が十分でない段階で、バリュエーションの差を埋める目的などで設けるべきかは、慎重に検討すべきとも書いています。

避けたい判断 こうすればOK
価格の折り合いがつかないので、差額を追加対価にして、とりあえず合意する 差の原因を分け、確認で埋まる分を先に埋めてから、残りだけを追加対価の対象にする
差の原因を「成長率の見立て」だけだと考える ARRの数え方・解約・顧客集中などの確認不足が含まれていないか、先に点検する
追加対価の条件を、売り手の希望額から逆算して決める 追加対価が対応する具体的な不確実性(何が、いつまでに分かるか)を言葉にする

評価差の原因は、本記事の整理では、次のように分けられます。

差の原因 先にやること アーンアウトで扱うか
数字の確認が足りない(ARRの定義、解約率の再計算など) 定義をそろえ、元の記録から再集計する。詳しくはSaaS ARR 企業価値とSaaS M&A チャーンレート 扱わない(確認すれば埋まる)
技術・契約・個人情報に確認不足がある DDで確かめ、価格か契約条件に反映する。詳しくはSaaS 技術DD 原則扱わない
将来の成長の見立てが違う(新プランの売れ行き、新規獲得のペースなど) 見立ての根拠になるデータを双方で確認する 確認しても残る分だけ対象にできる
買い手の統合計画や費用の想定が違う 運営計画を共有し、価格または運営の約束で調整する 運営の約束がない限り、判定が不安定になる

取り決め1:追加対価の指標と期間は、買収後に買い手の判断で動かしにくいものを選ぶ

結論: 指標は、売り手が達成に関与でき、買い手の判断で数字が大きく動かないものを選びます。ARRなら、数え方を契約書の別紙で固定します。

ガイドラインは、財務目標の例として売上や利益、非財務目標の例として売上個数や入居率を挙げています。SaaSで使われうる指標を、本記事の整理で比べると次のとおりです。

指標 使うときの注意(本記事の整理)
ARR・MRR 会計基準に定義がないため、何を含めるか(初期費用、受託、従量課金、年払い、割引)を契約書で決める。詳しくはSaaS ARR 企業価値
売上高(会計上) 会計処理に従うので定義は明確だが、入金額や契約額とは一致しない。買い手の会計方針の変更が数字に響く
粗利益・営業利益・EBITDA 共通費・人件費の配賦や統合費用など、買い手の判断で動く費用が多い。除外する費用のルールが要る
解約率・NRR 売り手の運営が反映されやすい。一方、買い手の値上げやプラン変更で動くため、算定式と対象顧客の範囲が要る。詳しくはSaaS M&A チャーンレート
契約アカウント数などの非財務指標 ガイドラインは非財務目標も例に挙げる。数え方(有料のみか、無料を含むか)を定義する

期間について、ガイドラインは「3年以内が多い」と書いています。本記事の整理では、期間が長くなるほど、買収後の価格改定・統合・外部環境の変化が数字に混ざり、売り手の努力の成果と切り分けにくくなります。期間は、成長の見立ての違いが確かめられる最短の長さに近づけるほうが、判定で揉めにくくなります。

取り決め2:買収後の運営で達成条件が変わる場面を、先に契約に書く

結論: 買収後に買い手が行う施策が、判定の数字を変えます。含めるか除くかを、契約の段階で決めておきます。

ガイドラインは、アーンアウトについて、クロージング後の事業の状況や譲り受け側の状況等によっては不履行になるリスクがあるとしています。SaaSで判定が動きやすい場面を、本記事の整理で挙げると次のとおりです。

買収後に起きること 判定の数字への影響 契約で決めておくこと
値上げ・料金プランの統合 ARR・売上が動く 値上げ分を達成判定に含めるか
顧客を買い手の他製品へ移す 対象事業の数字から顧客が消える、または別の製品に付け替わる 移した顧客を、対象事業の数字に残して数えるか
共通費・人件費の配賦、統合費用 利益が動く 配賦のルールと、除外する費用
開発・営業・マーケティングへの投資の増減 成長のペースが変わる 買い手が維持する最低限の運営水準を約束するか
売り手の役割の変更・退任 売り手が数字へ関与できなくなる 売り手が残る期間と役割、退任時の扱い

仮の数字で、判定が分かれる例を示します(目標の水準を示すものではありません)。達成判定日のARRが、統合プランへ移した契約を含めて5,400万円、そのうち統合プランへ移した契約が600万円とします。移した契約を含めれば5,400万円、除けば4,800万円です。目標のラインが両者の間にあると、同じ事業でも含めるか除くかで達成か未達かが分かれます。買収後の施策で数字が動くことを前提に、契約書に扱いを書いておく必要があります。

売り手が買収後も事業に関わる場合は、追加対価が売り手の動機になります。たとえば、上場会社が開示した株式取得の例では、業績指標を基準に対価を変動させることで、買い手のリスクを軽減するとともに、アーンアウトの対象となる売り手側のインセンティブ効果が得られる、と説明されています(株式会社メディックスの開示、売上総利益が一定の水準に達することを条件とする例)。

取り決め3:計算の方法・確認する人・揉めたときの手順まで書く

結論: 目標の文章だけでは足りません。算定式、データの出所、確認の権利、揉めたときの手順までを、契約と別紙に書きます。

ガイドラインは、最終契約後に支払を調整・修正する条項について、調整・修正が発生する条件や方法の妥当性を確認のうえ、明確かつ詳細な内容とする必要があるとしています。アーンアウトでは、特に目標の設定と、対応する追加対価の設定が曖昧だと争いに発展するリスクがある、とも書かれています。

契約と別紙に書く項目を、本記事の整理で挙げると次のとおりです。

項目 書いておくこと
算定式 追加対価の計算式、上限と下限、達成度に応じた段階の有無。サンプル計算を別紙に付ける
指標の定義 含めるもの・除くものを列挙する(ARRなら、初期費用・受託・従量・割引の扱い)
データの出所 請求システム、会計帳簿など、判定に使う記録の種類と範囲
計算の主体と期限 誰が、いつまでに、計算書を出すか。締め日と報告期限
確認の権利 売り手が計算書の元になる記録を確認できる範囲と手順
未達分の扱い 未達分を後の期で埋め合わせるか、繰り越さないか
揉めたときの手順 協議、第三者(会計士など)による確認、その先の手続の順番
支払の期日と方法 計算確定から支払までの期間、遅延したときの扱い
避けたい判断 こうすればOK
「ARRが目標を達成したら支払う」とだけ書く ARRの定義、集計の締め日、データの出所、サンプル計算を別紙で固定する
買い手が計算して、売り手は結果だけを受け取る 計算書の提出と、元の記録の確認手順を契約に書く
争いになってから、解決の方法を考える 協議から第三者の確認までの順番を、先に決める

集計表の作り方は、SaaS ARR 企業価値で扱っています。

取り決め4:会計・税務・支払条件は、契約の前に双方の専門家へ確認する

結論: 会計と税務の扱いで、追加対価の見え方と負担の時期が変わります。条文を詰める前に、買い手は会計士・税理士、売り手は税理士に確認します。

買い手の会計。 企業結合に関する会計基準(企業会計基準第21号)は、条件付取得対価を、企業結合契約で定められ、契約締結後の将来の特定の事象または取引の結果に依存して、企業結合日後に追加的に交付される、引き渡される、または返還される取得対価と定義しています。契約締結後の将来の業績に依存する場合の処理は、次のとおりです。

  • 対価を追加で交付する場合は、交付または引渡しが確実となり、その時価が合理的に決定可能となった時点で、支払対価を取得原価として追加的に認識し、のれんを追加的に認識する(または負ののれんを減額する)。
  • 追加するのれんは企業結合日時点で認識したものと仮定して計算し、追加認識する事業年度以前に対応する償却額と減損損失額は損益として処理する。
  • 対価の一部が返還される場合も、返還が確実となり、その時価が合理的に決定可能となった時点で、取得原価とのれんを減額する(2019年の改正で明確化)。
  • 企業結合年度には、条件付取得対価の内容と今後の会計処理方針を注記する。

つまり、追加対価の支払いが確定した年度に、のれんと過年度分の償却の調整が損益に出ます。この基準を、買い手がどの範囲で適用するかは、会計士・税理士に確認してください。上場会社の開示でも、条件付取得対価の支払が確定したことで追加的にのれんを認識した旨が、企業結合等の注記に書かれた例があります(株式会社GRCSの半期報告書)。

売り手の税務。 国税庁の通達は、株式等に係る譲渡所得等の総収入金額の収入すべき時期を、原則として株式等の引渡しがあった日としています。業績連動の追加分がこの原則の対象になるか、受け取る時点で別に扱うか、所得区分はどうなるかは、契約の書き方で判断が分かれうる分野です。Grant Thornton Japan の解説は、平成29年2月2日の国税不服審判所の裁決(譲渡時に全額の収入計上とした)と、令和7年4月21日の裁決(停止条件がなくても譲渡所得に当たらないとした)を紹介しています。同じ解説によれば、令和7年の事案は東京地裁に提訴されており、司法判断はまだ出ていません。結論は個別の契約によって変わるため、売り手は契約の前に税理士へ確認してください。

支払条件。 追加対価は後払いなので、買い手の支払能力と、支払の期日が問題になります。ガイドラインは、後払いにはいずれも不履行のリスクがあるとしています。確認する項目は、本記事の整理では、買い手の資金の裏づけ、支払の期日と遅延時の扱い、返還条項(ガイドラインは、過去の損失や過年度決算の修正があった場合に支払済みの対価を返す条項も紹介し、事象の設定が曖昧だと争いになるとしています)の有無です。

使わないほうがよいのは、条件を言葉にできないときと、後払い分の受け取りに不安があるとき

結論: 次の5つに当てはまるなら、アーンアウトは使わず、一括払いか、確認を進めたうえでの価格の調整に戻します。

避けたい判断(使わないほうがよい場面) こうすればOK
DDも当事者間の調整も済んでいないのに、差額を埋めるために入れる 先にDDと再集計を終え、差の原因を切り分ける。ガイドラインも、この段階での設定は慎重に検討すべきとしている
ARRなどの指標を、契約書で定義できない(数え方が決まらない、データが取れない) 集計表を作り直して定義をそろえる。それまでは確定した価格で決める
買収後に、サービスの終了や他製品への統合を予定している(本記事の整理では、判定する数字が残らない) 追加対価を使わず、統合を前提にした価格にする
売り手が買収後に事業へ関与しない、または関与できない(本記事の整理では、売り手が数字を動かせない追加対価は運任せになる) 一括払いにするか、売り手の役割を契約で決めたうえで使う
後払い分を確実に受け取れるか、見込みが立たない 支払の裏づけを確認する。確認できないなら、後払いの割合を減らす

使う場合も、売り手と買い手の双方が、数字の動かし方と判定の方法を同じ文面で理解していることが前提です。

自社の場合を確認する 追加対価を考える前に、自社の事業の価値の見え方を確かめたいとき → 事業価値を確認する

まとめ

  • アーンアウトは、評価差を金額ごと後ろへ回す方法です。分割払い・段階取得とは、後ろへ回すものが違います。
  • 使うかどうかは、先にDDで確認を済ませ、確認しても残る不確実性があるかで決めます。差額を埋めるためだけに入れるのは慎重に検討します。
  • 使うなら、指標と期間・買収後の運営・計算と確認・会計税務の4つを、契約の前に固めます。会計と税務は、双方が専門家に確認します。

よくある質問(FAQ)

Q1. アーンアウトとは何ですか? A. 中小M&Aガイドライン(第3版)は、クロージング後の一定期間(3年以内が多いとされています)における特定の時点で、売上や利益などの財務目標、または売上個数や入居率などの非財務目標を設定し、目標が達成された場合に譲り受け側が譲り渡し側へ追加で対価を支払う条項と説明しています。譲り受け側はクロージング時の支払額を抑えられ、譲り渡し側は目標を達成すれば追加対価を受け取れる可能性があります。

Q2. SaaSの売却では、アーンアウトはよく使われますか? A. SaaSの売却での採用割合を示す一次資料は、確認できていないため示しません。中小M&Aガイドライン(第3版)は、クロージング時点では将来の利益の見通しが立ちにくいが大幅な成長の可能性があるベンチャー企業のM&Aで活用されることが多い、と書いています。ただし同じ箇所で、DDや当事者間の調整が不十分なまま評価額の差を埋める目的で設けるべきかは慎重に検討すべきともしています。

Q3. 追加対価の指標は、ARRと利益のどちらにすべきですか? A. どちらが正しいという決まりはありません。ガイドラインは売上や利益などの財務目標、売上個数などの非財務目標を例に挙げています。本記事の整理では、ARRは会計基準に定義がないため契約書で定義を書く必要があり、利益は買収後の費用の配賦で動きやすい、という違いがあります。買収後に買い手の判断で動かしにくい指標を選び、数え方を別紙で固定します。

Q4. 買い手が買収後に値上げやプラン統合をしたら、達成条件はどうなりますか? A. 契約に書いていなければ、判定で揉める原因になります。ガイドラインは、条件や方法の解釈の違いで争いに発展するリスクがあり、明確かつ詳細な内容とする必要があるとしています。値上げ・プラン統合・顧客の他製品への移行を、目標の判定に含めるか除くかを、契約の段階で決めておきます。

Q5. アーンアウトの追加対価は、買い手の会計でどう処理されますか? A. 企業結合に関する会計基準(企業会計基準第21号)は、将来の業績に依存する条件付取得対価について、交付または引渡しが確実となり、その時価が合理的に決定可能となった時点で、支払対価を取得原価として追加的に認識し、のれんも追加的に認識するとしています。追加分ののれんは企業結合日時点で認識したものと仮定して計算し、追加認識する事業年度以前に対応する償却額は損益として処理します。実際の処理は、会計士・税理士に確認してください。

Q6. 売り手が受け取る追加対価の税金は、いつどう扱われますか? A. 一律には言えません。国税庁の通達は、株式等の譲渡による所得の収入すべき時期を、原則として株式等の引渡しがあった日としています。一方、業績連動の追加分について、Grant Thornton Japan の解説は、譲渡時に全額を収入計上すべきとした裁決と、譲渡所得に当たらないとした裁決の両方を紹介しています。契約の書き方で結論が分かれうるため、契約前に税理士へ確認してください。

Q7. アーンアウトを使わないほうがよいのは、どんなときですか? A. 本記事の整理では、指標を契約書で定義できないとき、買収後に買い手が事業の形を変える前提のとき、売り手が買収後に数字へ影響できないとき、DDや調整が済んでいないとき、後払い分を確実に受け取れる見込みが立たないときです。ガイドラインも、後払いや最終契約後の調整には不履行や争いのリスクがあると書いています。

出典

2026年10月18日に取得して読んだものです。

  • 中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)-第三者への円滑な事業引継ぎに向けて-」(令和6年8月) https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/m_and_a_guideline.pdf
  • 企業会計基準委員会(ASBJ)「企業会計基準第21号 企業結合に関する会計基準」 https://www.asb-j.jp/jp/accounting_standards_system/details.html?topics_id=123
  • 株式会社メディックス「株式の取得(台湾STAグループの子会社化及び孫会社化)に関するお知らせ」(2025年9月4日) https://www.medix-inc.co.jp/news/detail/release_20250904/
  • 株式会社GRCS「半期報告書-第21期(2024/12/01-2025/11/30)」企業結合等関係(IRBANK掲載、2025年7月15日提出) https://irbank.net/E36988/combination?f=S100WD6Q
  • 国税庁「措置法第37条の10《一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例》・第37条の11《上場株式等に係る譲渡所得等の課税の特例》共通関係」 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/shotoku/sochiho/020624/sanrin/1273/37_10-11/01.htm
  • Grant Thornton Japan「アーンアウト条項付き株式譲渡契約における調整金の税務実務と最新動向」(2026年7月29日) https://www.grantthornton.jp/insight/newsletter/advisory/ma-tax/202607/

M&A DATA一覧に戻る