外壁塗装会社の売却相場2026|年買法での評価額と技能士が動かす営業権
後継者がいない。職人も自分も歳をとった。元請の値下げ要請も、塗料や足場の原価高騰も止まらない——。続けるのは先細り、でも畳むには足場や車両の処分も倉庫の原状回復もある。そこで頭をよぎるのが「売れるなら売って引退したい。でも、うちはいくらになるんだ?」という問いです。本記事は、外壁塗装会社の売却相場の「読み解き方」と、税引後に残る「手取り」を、一次統計と実務目線でお伝えします。
この記事の結論(先に要点だけ)
- 外壁塗装会社に「これが相場」という単一の金額は存在しません[C-02]。実務では年買法(時価純資産+営業利益の概ね2〜4年分/案件により幅)で“目安”を置きます[C-02]。
- 価格を押し上げるのは、建設業許可(塗装工事業)・一級/二級塗装技能士の在籍・安定した元請取引・直需リピート顧客・自社足場/車両・黒字低借入です[C-04]。
- 株式譲渡なら、会社が持つ建設業許可は原則そのまま引き継がれます[C-06]。一方事業譲渡では建設業許可を移転できず、事前の認可を受けなければ空白期間(無許可営業リスク)が生じます[C-06]。
- 廃業は足場・車両の処分、倉庫の原状回復、退職金で持ち出しになりがち。会社に値が付くなら、譲渡のほうが手元に残るお金が多い場合があります。
- 次の一手は、畳む前に自社の概算評価を一度知ること。仲介に営業される前に、無料で相場感をつかむのが安全です。
§1 外壁塗装業界とは — リフォーム需要に支えられた「労働集約×許認可」ビジネス
「塗装業は斜陽だ」と思っていませんか。実は改修・リフォーム需要が中長期で見込まれ、許可と有資格者が参入障壁になる、値の付きやすい業種です。
外壁塗装業(塗装工事業)とは、建築物の外壁や屋根などを塗料で保護・美装する工事を請け負う業種で、建築物の防水・遮熱・美観維持に欠かせない「改修・メンテナンス需要」に支えられたビジネスです。
その需要基盤を示すのが改修市場です。建築物のリフォーム・リニューアル工事の受注高は、令和6年度計で13兆8,303億円(前年度比4.2%増)[C-10]。内訳は住宅が4兆1,318億円(同3.3%減)、非住宅が9兆6,984億円(同7.7%増)で、住宅は微減ながら非住宅が牽引し、改修市場全体は堅調に推移しています[C-10]。住宅ストックの高経年化が進むなか、塗り替え・改修の需要そのものが消える業種ではありません。
注:この受注高は塗装単独ではなく、建築物の改修・リニューアル工事全体(国交省が建設業許可業者5,000者を対象に調査)の数値です[C-10]。塗装単独の市場規模は公的区分がないため、改修市場全体の方向性で示しています。
一方で収益構造は厳しい。塗装工事業を含む「職別工事業」の売上高営業利益率は▲0.42%(令和4年度=営業赤字、建設業全体は0.33%)[C-05]。労働集約で材工費と元請・下請の重層構造のなか、薄利になりやすい業態です。
注:塗装単独の財務統計は公的区分がないため、「職別工事業(塗装工事を含む区分)の数値で近似」しています[C-05]。
PESTで見れば、政策=住宅ストック対策・省エネ改修や遮熱塗料のトレンド、経済=塗料・足場の原価高騰、社会=職人の高齢化と採用難、技術=特殊塗装・高耐久塗料。需要はあるのに続ける体力が削られ、後継者問題が重なる構図です。
外壁塗装業界の需要動向や将来性の全体像は、外壁塗装業界の将来性・需要動向はこちらで俯瞰しています。本記事(相場・売却価格)と併せてご覧ください。
§2 塗装業界の動向と将来性 — なぜ今、M&A出口が増えているのか
需要が堅調でも、すべての塗装会社が安泰ではありません。「小規模ほど詰む」構図が進み、出口としてM&A(譲渡)が現実的な選択肢になっています。
最大の背景は後継者問題です。建設業の後継者不在率は57.3%(2025年)で全業種最高水準[C-01](全国平均は50.1%)。ただしピークの71.4%(2018年)から14.1ポイント低下し、改善傾向にあり[C-01]、「譲渡という出口を選ぶ会社が増えた」と読めます。
加えて財務の脆弱さがあります。職別工事業の自己資本比率は29.79%と、建設業5区分で最も低い水準です[C-05]。薄利・低自己資本のなか、塗料や足場の原価高騰、いわゆる2024年問題後の労務環境の変化が小規模事業者の体力を削っています。
注:自己資本比率も塗装単独ではなく「職別工事業(塗装を含む区分)の近似値」です[C-05]。
買い手の動きも活発です。同業の塗装会社や、ハウスメーカー・リフォーム会社が施工キャパシティと職人・技能士を取り込む「面取り」、ファンドによる小規模事業者のロールアップなど、許可・人材・元請枠を一括で取得できるM&Aを求める買い手が実在します。人手と後継者が足りない今、「許可も技能士も元請取引も健在なうち」の譲渡が、買い手の好機であり、売り手の売り時です。
業界全体の将来予測や二極化のシナリオは、外壁塗装業界の将来性・需要動向はこちらで整理しています。本記事は「M&A出口が増える文脈」に絞っています。
§3 塗装会社の生き残り戦略 — 続ける/譲る/畳むの3択
続ける現実は、利益率の低さとの戦いです。前述のとおり職別工事業の営業利益率は▲0.42%(令和4年度・営業赤字)[C-05]、自己資本比率も29.79%と建設業5区分で最弱[C-05]。薄利を変える「自走」(元請依存からの脱却、直需・リピート顧客の開拓、遮熱・特殊塗装の高付加価値化、技能士の採用・育成)には投資と時間、担い手が要ります。
なお、塗装会社の利益率や社長年収の「儲かる/儲からない」の深掘りは本記事の範囲外です。利益率・年収の実態と「薄利でも高く売れる会社の財務」は別記事で詳述します。
畳む(廃業)は、足場・車両の処分、倉庫の原状回復、退職金など、出ていくお金が想像より大きくなりがちです。
そして譲る(M&A・譲渡)。「買われる強み」(建設業許可・技能士・安定元請取引・直需リピート・自社足場/車両・低借入)が揃うなら、あなたの会社は「畳むしかない事業」ではなく「買われる資産」です。SWOTで自社の「買われる強み」を棚卸しすることが、3択を見極める出発点になります。
§3.5 廃業 vs 売却 — 手取りで比べると見え方が変わる
廃業は足場・車両の処分、倉庫の原状回復、退職金など「持ち出し」になりやすく、許可・取引・技能士・職人も価値ゼロで消えます。売却なら条件次第で創業者利益が残り、個人保証の解除や雇用維持も交渉できます。
判断軸は「廃業して出ていくお金」と「売却して手元に残るお金(税引後の手取り)」を同じものさしで比べること。処分価格だけを見ていた方が、査定で「会社ごと売るほうが手取りが多い」と気づくことも少なくありません。

図解F3:廃業(持ち出し)と譲渡(手取り)を同じものさしで比較。具体額は会社により異なります。
廃業と売却の手取りをより詳しく比べたい方は、塗装業の廃業と売却の手取り徹底比較をご覧ください(深掘りは別記事に分けています)。
▶ 廃業を決める前に、まず手取りを試算しませんか
「畳むといくら持ち出しか」「売るといくら残るか」を同じ土俵で比べると、結論が変わることがあります(売り手は完全無料)。 → 廃業前に手取りを試算する/譲渡を相談する
§4【M&A・投資視点】塗装会社の売却相場と営業権の決まり方
「うちはいくらで売れるのか」を、相場の見方と評価の仕組みから解きます。同じ年商でも値段が2倍違うことがある——その差を生むのは、技能士・元請取引・足場といった“数字に出ない資産”=営業権の厚みです。
まず大前提:塗装会社に「明確な相場」は存在しない
外壁塗装会社に「相場はこの金額」という単一の数字は存在しません[C-02]。仲介サイトに並ぶ譲渡額は、売り手の「希望額」であって成約額ではないからです。同じ売上規模でも、許可・技能士・取引先の状態でつく値段はまるで変わります。実務では次の式で“目安”を置きます。
算定式①:年買法(中小M&Aの定番)
中小M&Aの定番が年買法です。
株式価値 = 時価純資産 + 営業権(=営業利益の概ね2〜4年分/案件により幅)[C-02]
この上乗せ部分が「営業権(のれん)」——許可・技能士・取引先など帳簿に出ない収益力を金額化したものです。ただし年買法には確たる理論的な裏付けはなく、あくまで交渉のたたき台で、年数(2〜4年)も案件によってばらつきます(出典によっては2〜5年とするものもあります)[C-02]。
中小では数千万円〜数億円規模が一つの目安になりますが、これは時価純資産と営業権の積み上がり方しだいで、金額そのものを断定できる「相場」ではありません[C-02]。
注:「EV/EBITDA倍率(例 3〜5倍)」を相場として目にすることがありますが、これは全業界の平均的な参考値で、塗装特化の数字ではありません[C-03]。塗装に固有の一次データは存在しないため、本記事では年買法の補助的な参考にとどめ、金額の根拠としては用いません。
営業権を動かす「加点」と「減点」(塗装固有・ここが主役)
年買法の営業権(営業利益の何年分か)を厚くするか薄くするかは、塗装会社に固有の“数字に出ない資産”が決めます[C-04]。
加点される要素[C-04]
- 建設業許可(塗装工事業)の保有
- 一級/二級塗装技能士の在籍——技能検定(国家資格)の有資格者は、塗装工事業の専任技術者・主任技術者の要件を満たし、許可と施工品質の土台になります[C-12]
- ハウスメーカー・リフォーム会社など安定した元請との継続取引
- 直需・リピート顧客リスト(元請一社依存でない収益)
- 自社足場・車両・倉庫などの設備
- 施工品質の評判・クレームの少なさ、黒字継続・低借入
減点される要素[C-04]
- 元請一社への過度な依存
- 社長の現場属人化(社長が抜けると回らない)
- 有資格者(塗装技能士)の不在
- 簿外債務・過大なリース
- 安値・低粗利の受注体質、近隣クレーム履歴

図解F1:企業価値=時価純資産+営業権(営業利益×2〜4年分・年買法の目安)。数値は本文・Claims Ledger準拠。

図解F2:営業権を押し上げる要素(左)と引き下げる要素(右)。技能士の在籍や元請取引が“数字に出ない資産”として価格を動かします。
編集部より:現場で「価格を分ける」のは、決算書に出ない部分です
塗装会社の評価は、売上の大小だけでは決まりません。最後に効くのは、一級/二級塗装技能士が何人いて定着しているか、ハウスメーカーやリフォーム会社との継続取引があるか、直需・リピートの比率、自社足場・車両の状態、近隣クレーム履歴のきれいさ、そして社長が現場に張り付いていないか——いずれも帳簿に表れにくい要素ばかりです。ここを整えるだけで買い手の見る目は変わり、価格にも交渉のしやすさにも直結します。(※本コラムは当社の建設・塗装領域におけるM&A実務での知見に基づく一般的な所感です)
技能士の在籍数が査定額をどの程度動かすか、より定量的に知りたい方は、一級塗装技能士の在籍が査定額をどう動かすか(定量)で詳述しています。本記事では「技能士が営業権を上げる構造」の説明にとどめています。
3Cで見る:買い手は何を狙っているか
買い手(同業・リフォーム会社・ファンド)が欲しいのは、ゼロから揃えると時間のかかる建設業許可・塗装技能士・施工エリア・元請枠・職人の採用代替です。許可と人材を「会社ごと」得られるM&Aの効率は、内製化や自前拡大には代えがたく、自社の強みを言語化できれば価値が明確になります。塗装会社のM&A・売却の実例は塗装会社のM&A・売却事例で買い手タイプ別に整理しています。
許認可の承継 — ここがスキーム選択の分かれ目
株式譲渡は株主が変わるだけで法人格は変わらず、会社が持つ建設業許可(塗装工事業)は会社に残り、原則として継続します(経営業務管理責任者・専任技術者の体制維持が前提)。
事業譲渡は異なります。建設業許可は、令和2年(2020年)10月施行の改正建設業法で、事前の認可による地位承継の制度が新設されました(17条の2・3)[C-06]。従前は廃業+新規申請で空白期間が生じましたが、改正後は事業承継は承継予定日の90日前までの認可で、地位を空白なく承継できます(承継者が許可要件を満たすことが前提)[C-06]。ただし承継は建設業の「全部」が対象で、一部のみの承継はできません[C-06]。認可を受けずに事業譲渡だけ進めると、許可の空白=無許可営業のリスクが生じます。
なお、塗装工事は請負金額500万円以上で建設業許可(塗装工事業)が必要ですが、500万円未満の軽微な工事は許可不要です[C-11](判定は税込・材料費込み、分割合算は不可)。許可なしで軽微工事中心に営む会社も多く、その場合は「許可」ではなく技能士・取引・設備が営業権の中心になります。
建設業のM&Aと許可承継の総論(経審・各種スキームの全体像)は、建設業のM&A・許可承継の全体像で解説しています。本記事は塗装工事業に絞っています。
手取り(税引後)の考え方
個人株主が株式売却で得た利益には、申告分離課税で税率20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)が課されます[C-08](実際の税額は取得費等で変わるため、計算は税理士へ)。「いくら売れる」を「いくら残る」に翻訳して考えることが、廃業との損得比較の出発点になります。
ここで重要な注意点があります。「M&Aで事業承継税制を使って節税できる」は正しくありません。事業承継税制(贈与・相続による株式取得の納税猶予制度)は親族内・社内承継のための制度で、第三者へのM&A売却(株式譲渡所得課税=20.315%の世界)とは別物です[C-08]。(参考までに、法人版・特例措置の適用期限は令和9年〔2027年〕12月31日です[C-07]。特例承継計画の提出期限は税制改正で延長・変更されており、検討される際は中小企業庁・国税庁の最新情報を必ずご確認ください。)
価格を上げる事前準備 — 売却前に整えると営業権が上がる10項目
次の項目を点検すると、買い手の評価と交渉のしやすさが変わります。自社に当てはめてください。
- ☐ 建設業許可(塗装工事業)の有効期限・更新状況
- ☐ 一級・二級塗装技能士の在籍と継続雇用
- ☐ 専任技術者・経営業務管理責任者の体制(許可要件の維持)
- ☐ 元請契約の文書化と、特定取引先への依存度
- ☐ 直需・リピート顧客リストの整備(収益源の分散)
- ☐ 直近3期分の決算書の整備(見え方の改善)
- ☐ 簿外債務・未払残業・倉庫の原状回復責任など隠れ負債の有無
- ☐ 係争・近隣クレーム・事故歴の履歴と対応状況
- ☐ 足場・車両・倉庫の台帳と所有/リースの区分・名義
- ☐ 社長の現場属人化の解消、会社資産と個人資産の分離
▶ 「自社だといくらになる?」をまず知る
“数字に出ない資産”(技能士・元請取引・足場)を踏まえた概算評価を、売り手は完全無料でお出しします。承継スキーム(株式か事業譲渡か)も含めてご相談ください。 → 塗装会社の無料売却査定を相談する
掲載中の案件は掲載中の建設・塗装関連のM&A案件を見るからご覧いただけます(買い手が実在することは、売り手にとっての安心材料でもあります)。
§5 よくある質問(FAQ)
Q1. 外壁塗装会社のM&A・売却相場はいくらですか? A. 塗装会社に「明確な相場」は存在しません[C-02]。実務では年買法(時価純資産+営業利益の概ね2〜4年分/案件により幅)を目安にします[C-02]。中小では数千万円〜数億円規模が一つの目安ですが、許可・技能士・取引先の状態で大きく変わります。仲介サイトの金額は希望額で成約額ではありません。目安は無料査定が近道です。
Q2. 塗装会社の売却価格(営業権)はどうやって決まりますか? A. 時価純資産に営業権(営業利益の数年分)を上乗せする年買法が基本です[C-02]。営業権は、建設業許可・一級/二級塗装技能士・安定元請取引・直需リピート・自社足場/車両・黒字低借入で加点され[C-04]、一社依存・社長属人化・有資格者不在・簿外債務・安値受注で減点されます[C-04]。
Q3. 一級塗装技能士が在籍すると売却価格は上がりますか? A. 上がる方向に働きます。一級/二級塗装技能士は技能検定(職業能力開発促進法)に基づく国家資格で、塗装工事業の専任技術者・主任技術者の要件を満たすため[C-12]、許可と施工品質の土台として営業権を押し上げます[C-04]。在籍数が査定額をどの程度動かすかの定量は一級塗装技能士の在籍が査定額をどう動かすか(定量)で解説しています。
Q4. 後継者がいない塗装会社でも売れますか? A. 可能性は十分あります。建設業の後継者不在率は57.3%と全業種で最も高く[C-01]、買い手は許可・技能士・元請枠・職人を一括取得できるM&Aを求めています。許可も技能士も元請取引も健在なうちほど、営業権が乗って評価が上がります。
Q5. 塗装工事業の建設業許可はM&Aで引き継げますか? A. スキームによります。株式譲渡なら法人格が変わらず、許可は会社に残って原則継続します。事業譲渡では建設業許可を移転できず、令和2年改正で新設された事前認可(承継予定日の90日前まで・建設業の全部承継が前提)を受ける必要があります[C-06]。認可を受けないと許可の空白が生じます。可否は行政書士・行政庁にご確認ください。
Q6. 株式譲渡と事業譲渡、どちらがいいですか? A. 許可を持つ塗装会社では、許可が会社に残る株式譲渡が選ばれやすい傾向があります。事業譲渡だと建設業許可は事前認可(全部承継が前提)が必要で[C-06]、簿外債務の扱いなど他の論点もあります。一方、許可なし(軽微工事中心)の会社では事業譲渡も選択肢です。専門家を交えた検討をおすすめします。
Q7. 塗装業は廃業と売却、どちらが得ですか? A. 廃業は足場・車両の処分、倉庫の原状回復、退職金で持ち出しになりやすく、売却なら創業者利益や雇用維持・保証解除が残せます。「出ていくお金」と「手元に残るお金(税引後)」を同じものさしで比べてください(→§3.5・廃業と売却の手取り比較)。
Q8. 塗装会社のM&A・売却にかかる費用はどのくらいですか? A. M&A仲介の成功報酬はレーマン方式が一般的です(具体的な料率や最低報酬は仲介会社により異なります)[C-09]。個人株主の株式譲渡益には申告分離課税で20.315%が課されます[C-08]。費用や手取りの試算は、無料相談で個別にご確認ください。
§6 まとめ — 廃業前に、まず査定を
- 塗装会社に「明確な相場」はありません[C-02]が、年買法(時価純資産+営業利益の概ね2〜4年分/案件により幅)で目安は置けます[C-02]。
- 値段を作るのは建設業許可・一級/二級塗装技能士・安定元請取引・直需リピート・自社足場/車両・低借入という“数字に出ない資産”=営業権です[C-04][C-12]。
- 株式譲渡なら建設業許可は会社に残って継続。事業譲渡では許可を移転できず事前認可が必要になります[C-06]。
- 後継者不在率は57.3%と高い一方[C-01]、改修需要は中長期堅調で[C-10]、買い手は許可と技能士を求めています。許可も技能士も元請取引も健在な「今」が売り時です。
買い手向け:塗装の許可・技能士・元請枠・施工エリアを会社ごと取得したい方は、掲載中の建設・塗装関連のM&A案件を見るをご覧ください。
売り手向けチェックリスト:①後継者がいない/体力的に限界 ②一級・二級塗装技能士が在籍している ③安定した元請取引や直需リピートがある ④自社足場・車両・倉庫を保有 ⑤畳むと足場・車両処分や原状回復で持ち出しになりそう——一つでも当てはまるなら、畳む前に自社の値段を知る価値があります。
許可・技能士・取引は、廃業すれば価値ゼロで消えますが、譲渡なら次の担い手に引き継がれ、対価が残ります。自社の値段を知ることが、後悔しない出口選びの第一歩です。
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「うちはいくらか」「どちらのスキームが良いか」「職人の雇用は守れるか」——売主は完全無料です。 → 許可承継を含めて無料相談する(売主完全無料)
免責
本記事は外壁塗装会社のM&Aに関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の査定額や成約・売却を保証するものではありません。記載した相場・算定式・倍率はあくまで目安・レンジであり、実際の成約価格を保証するものではありません。財務指標は塗装単独ではなく「職別工事業(塗装を含む区分)」の近似値です。個別の税務の取り扱いは税理士、許認可(建設業許可・塗装工事業)の承継可否は行政書士・行政庁、契約・法務に関する事項は弁護士へご相談ください。本記事には当社サービス(無料売却相談)へのご案内を含みます。
出典
- [C-01] 建設業の後継者不在率57.3%(2025・全業種最高/ピーク71.4%(2018)から改善・全国50.1%)— 帝国データバンク「後継者不在率動向調査2025」: https://www.tdb.co.jp/report/economic/20251121-successor25y/
- [C-02] 年買法(株式価値=時価純資産+営業利益×概ね2〜4年/年数は案件により幅・理論的裏付けは弱く明確な相場は存在しない)— 中小M&A実務解説(T3・attributed): https://www.maxus.co.jp/columns/3725
- [C-03] EBITDA倍率(例3〜5倍)は補助的な参考で全業界平均=塗装特化値ではない — 中小M&A実務解説(T3・attributed)
- [C-04] 塗装会社の営業権の加点/減点要素(許可・塗装技能士・元請取引・自社足場・黒字低借入で加点/一社依存・社長属人化・有資格者不在・簿外債務・安値受注で減点)— 当社の建設・塗装領域M&A実務知見(定性)。制度部分は[C-06][C-11][C-12]で一次裏取り
- [C-05] 職別工事業(塗装を含む近似)の売上高営業利益率▲0.42%(令和4年度・営業赤字/建設業全体0.33%)・自己資本比率29.79%(5区分で最弱/全体39.00%)— 建設業情報管理センター(CIIC)「建設業の経営分析(令和4年度)」: https://www.ciic.or.jp/wp-content/uploads/2024/01/bunseki_R04.pdf
- [C-06] 改正建設業法(令和2年10月施行)による事業承継・地位承継認可制度(17条の2・3/事前認可・承継予定日90日前まで・全部承継が前提)— 国土交通省: https://www.mlit.go.jp/common/001365753.pdf / 関東地方整備局: https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000877209.pdf
- [C-07] 事業承継税制(法人版・特例措置)の適用期限 令和9年(2027)12/31 — 国税庁 No.4148: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4148.htm (※特例承継計画の提出期限は税制改正で変更されており、No.4148は令和7年4月1日基準で「令和8年3月31日」と表記。本文では提出期限を断定せず中小企業庁の最新情報を要確認とした。適用期限 令和9年12/31 は原文一致で確定)
- [C-08] 個人の株式譲渡益は申告分離課税20.315%(所得税15%+復興特別所得税+住民税5%)/事業承継税制とは別物 — 国税庁 タックスアンサー No.1463: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm
- [C-09] M&A仲介の成功報酬はレーマン方式が一般的(具体料率は断定回避)— 中小M&A実務解説(T3・attributed)
- [C-10] 建築物リフォーム・リニューアル受注高 令和6年度計13兆8,303億円(+4.2%/住宅4兆1,318億円・▲3.3%/非住宅9兆6,984億円・+7.7%)— 国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査報告(令和6年度計)」: https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001894226.pdf
- [C-11] 塗装工事は請負500万円以上で建設業許可(塗装工事業)が必要・500万円未満の軽微な工事は許可不要(税込・材料費込み・分割不可で判定)— 建設業法施行令1条の2・国交省 許可の要件: https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html
- [C-12] 一級/二級塗装技能士は技能検定(職業能力開発促進法)の国家資格で、塗装工事業(一般建設業)の専任技術者・主任技術者となり得る(塗装工事業は指定建設業ではなく実務経験10年でも専任技術者になれる)— 厚生労働省 技能検定: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/shokugyounouryoku/ability_skill/ginoukentei/syokusyu.html / 国交省 専任技術者となり得る国家資格一覧: https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001619998.pdf