塗装業の将来性2026|需要は堅調、それでも二極化して残る
「塗装業はもう先がないのでは」——後継者がいなくて続けるか畳むか迷うオーナーも、これから参入・買収を考えている人も、まず気になるのはこの一点でしょう。本記事は、リフォーム・改修需要の堅調・住宅ストックの高経年化・省エネ/遮熱改修・人手不足・原価高という需要・経営ドライバーを公的統計で束ね、塗装業の将来性を「先がある/ない」の二択ではなく「需要は堅調、ただし二極化して残る」と整理します。そのうえで、続けるべきか・磨くべきか・売るべきか・買うべきかという個社のM&A判断まで一気に橋渡しします。相場の算定や廃業との損得といった深掘りは、それぞれの専門記事へご案内します。
この記事の結論(先に要点だけ)
結論:塗装業は「なくなる」のではなく、二極化して残ります。
- 需要ドライバーは堅調です——建築物のリフォーム・リニューアル受注高は13兆8,303億円(令和6年度計・前年度比+4.2%)[C-01]。住宅は4兆1,318億円(同3.3%減)と微減ながら、非住宅が9兆6,984億円(同7.7%増)で牽引し、改修・ストック更新の市場は底堅く推移しています[C-01]。住宅ストックの高経年化と省エネ/遮熱改修が、塗り替え需要の基盤です。
- ただし薄利・小規模・後継者不在は淘汰されやすい——塗装を含む職別工事業の売上高営業利益率は▲0.42%(令和4年度=営業赤字、建設業全体は0.33%)[C-06]。建設業の後継者不在率は57.3%で全業種最高水準(2018年ピーク71.4%からは改善傾向)[C-03]、自主廃業(休廃業・解散)は過去最多水準で、その約5割超(51.1%)が黒字、約65.1%が資産超過型[C-08][C-09]——余力を残して畳む会社が多いのが実態です。
- だから個社の答えはこうなります:直需開拓・有資格者(一級/二級塗装技能士)・安定した元請取引・高付加価値塗装という“勝ち組側”に立てるなら、続ける/磨く価値があります。立てないなら、許可・技能士・元請取引が生きている“今”に許可ごと売るほうが手取りで有利になりやすい。買い手にとっては、人材ごと安く取り込める好機です。
- 次の一手:自社が二極化のどちら側かを点検する/募集中の塗装・建設案件を見る → 各セクションのご案内へ。
※需要予測は上振れ要因(改修需要・住宅ストックの高経年化・省エネ改修・M&A出口の拡大)と下振れ要因(人口減・新築減・人手不足)の両方があり、本記事はどちらも併記します。「必ず伸びる」と断定するものではありません。
§1 塗装業界とは — 市場規模と「労働集約×許認可」というビジネスモデル
まず、塗装業がどういうビジネスかを押さえます。需要構造と許認可・有資格者の二層が、後の将来性・M&A価値を読み解く伏線になります。
塗装業(塗装工事業)とは、建築物や構造物の外壁・屋根などを塗料で保護・美装する塗装・塗替えを行う工事業のことです。請負金額500万円以上の塗装工事には建設業許可(塗装工事業)が必要で、500万円未満の軽微な工事は許可不要です[C-11](判定は税込・材料費込み、分割合算で行います)。建築物の防水・遮熱・美観維持に欠かせない「改修・メンテナンス需要」に支えられた業種です。
「斜陽」ではなく、改修需要に支えられた業種
塗装業の需要基盤を示すのが改修市場です。建築物のリフォーム・リニューアル工事の受注高は、令和6年度計で13兆8,303億円(前年度比4.2%増)でした[C-01]。内訳は住宅が4兆1,318億円(同3.3%減)、非住宅が9兆6,984億円(同7.7%増)で、住宅は微減ながら非住宅が牽引し、改修市場全体は堅調に推移しています[C-01]。住宅ストックの高経年化が進むなか、塗り替え・改修の需要そのものが消える業種ではありません。
注:この受注高は塗装単独ではなく、建築物の改修・リニューアル工事全体の数値です[C-01]。「住宅塗装だけが伸び続ける」という話ではなく、住宅は微減・非住宅が牽引している点に注意してください。
「市場規模」の数字には注意が必要
「塗装業の市場規模は何兆円」といった数字を探している方も多いでしょう。しかし、塗装業単独の市場規模(金額)を直接示す官庁統計は存在しません[C-26]。塗装は日本標準産業分類で職別工事業に含まれますが、建設工事施工統計や経済センサスは母数の定義が異なり、塗装だけを切り出した金額は公的には整理されていないのです。そのため本記事では市場規模を断定せず、リフォーム・リニューアル受注高(前述の13兆8,303億円)や職別工事業の数値で需要・経営の方向性を近似します。「○兆円市場」と断言する記事を見かけたら、その出所を確かめる慎重さがあってよいでしょう。
ビジネスモデルは「労働集約×許認可」
塗装業は、元請(ハウスメーカー・リフォーム会社など)から下請へという建設業特有の重層構造のなかにあります。そして材工(材料+人工)を中心とする労働集約ビジネスで、薄利になりやすい構造です。
そのうえに許認可・有資格者の層が乗ります。建設業許可(塗装工事業)または500万円未満の軽微工事、そして一級/二級塗装技能士——技能検定(職業能力開発促進法)に基づく国家資格で、塗装工事業の専任技術者・主任技術者の要件を満たします[C-12]。なお塗装工事業は指定建設業ではないため、有資格者でなくても実務経験10年で専任技術者になれる点も、参入と承継を考えるうえでの伏線です[C-12]。この「労働集約×許認可×有資格者」の重なりこそが、後で見る「参入障壁=M&A価値」の正体です。許可の承継については建設業のM&A・許可承継の全体像も参考になります。
外部環境をPESTで素描すると、政治・法=省エネ改修の推進や建築物の長寿命化、経済=塗料・足場・労務の原価高、社会=住宅ストックの高経年化と職人の高齢化、技術=遮熱・高耐久塗料やICT診断、という構図です。次章で、この追い風と逆風を分けて見ていきます。
§2 塗装業界の動向と将来性 — 改修需要・省エネの追い風と、人手不足・原価高の逆風
将来性の核心は、需要の「量」よりも「誰が取れるか」です。ここでは追い風3つと逆風2つを分けて見たうえで、なぜ「二極化」に行き着くのかを整理します。市場規模・受注速報・倒産といった業界の“今”の事実だけを押さえたい方は、塗装業界の最新動向(市況・受注速報)もあわせてご覧ください(本章は中長期の構造的な将来性に絞っています)。

図解F2:塗装業の将来性ドライバー俯瞰図。追い風と逆風が拮抗するなかで「誰が取れるか」が将来性を分けます。
追い風①:改修・塗替え需要と住宅ストックの高経年化
最大のドライバーは改修・塗替え需要です。リフォーム・リニューアル受注高は令和6年度計で13兆8,303億円(前年度比+4.2%)[C-01]。建物は経年で外壁・屋根の塗膜が劣化するため、塗り替え周期が継続的に発生します。住宅ストックの高経年化が進むほど、塗替え・改修の母数は積み上がります。
ただし誇張は禁物です。受注高の内訳は住宅4兆1,318億円(▲3.3%)・非住宅9兆6,984億円(+7.7%)で、住宅は微減・非住宅が牽引しています[C-01]。「住宅塗装だけが右肩上がりで伸び続ける」と読むのは正確ではありません。
→ 個社にとっては、改修需要そのものの大きさより、「その案件を取れる体制(許可・有資格者・直需チャネル)があるか」のほうが効きます。需要が増えても、取りこぼせば自社の売上にはなりません。
追い風②:省エネ・遮熱改修と建築物の長寿命化
国は既存住宅の省エネ・断熱改修を政策的に後押ししています。住宅省エネ関連のキャンペーンでは、躯体(外壁・屋根・天井・床)の断熱改修や開口部の断熱改修が補助の対象工事に位置づけられており[C-02]、外壁・屋根の改修・塗替え需要には追い風となる方向性です。
注:補助制度は年度ごとに名称・補助額・期限が変わる時限的なものです。本記事は「国が省エネ・断熱改修を政策的に推進している」という方向性のみをお伝えし、個別の補助額や制度名・期限は断定しません[C-02]。実際に申請を検討される際は、その時点で有効な制度を必ずご確認ください。
省エネ志向の高まりは、遮熱・高耐久塗料といった付加価値の高い塗装の需要にもつながり得ます。単価・粗利を取りにくい一般塗装に対し、こうした高付加価値領域は単価・差別化の源泉になり得ます。
→ 個社にとっては、省エネ・遮熱改修は「高付加価値の提案ができる体制を作れるか」の問題です。同じ需要でも、提案力のある会社に単価の高い仕事が集まります。
追い風③:M&A出口の構造的拡大
後継者不在や2024年問題(後述)で中小単独の存続が難しくなる一方、第三者承継(M&A)は構造的に拡大しています。中小機構の第三者承継(M&A)成約は、令和6年度に2,132件と過去最高を更新しました(全業種・成約譲渡企業の業種別で建設業12.2%)[C-27]。「畳む」以外の出口が広がっているということです。
→ 個社にとっては、これは「買われる資産を持つ会社」には追い風です。許可・技能士・元請取引が生きていれば、畳まずに次の担い手へ渡し、対価を得る道があります。
逆風①:人手不足・職人高齢化
需要があっても、担い手が枯れれば取れません。建設業の就業者は1997年の685万人をピークに減少が続き、2024年は477万人(ピーク比約69.6%)まで減りました[C-21]。技能者に限ると、1997年の464万人から約303万人(同65.3%)です[C-21]。
注:この就業者数は塗装単独ではなく建設業全体の値です。塗装単独の就業者統計は公的区分がないため、「塗装業の担い手となる建設就業者全体」の動向で接地しています。
高齢化も深刻です。建設業就業者は55歳以上が36.7%、29歳以下が11.7%(2024年)と、全産業(55歳以上32.4%・29歳以下16.9%)より高齢化が進んでいます[C-22]。さらに、60歳以上の技能者は全体の約25.8%(約4分の1)を占め、10年後にはその大半が引退すると見込まれています[C-23]。詳しくは§3.5で掘り下げます。
注:55歳以上36.7%・29歳以下11.7%は就業者全体(2024年)、25.8%は技能者ベース(令和6年平均)と、対象が異なる指標です。いずれも「建設業全体の高齢化」を示すもので、混同しないよう併記しています。
→ 個社にとっては、人手不足は「自社で人を採れるか・引き継げるか」の問題です。若手が採れず職人が高齢化している会社ほど、需要があっても受注をこなせず、出口(売却)を意識する局面が早く来ます。
逆風②:単価・原価圧
塗料・足場・労務の原価高と、元請からの値下げ圧も続きます。労務面では、公共工事設計労務単価が令和7年3月適用分で13年連続の上昇となり、全国全職種加重平均は24,852円(前年度比+6.0%)でした[C-29]。これは公共工事の積算単価であって塗装業者の実支払賃金そのものではありませんが、人件費の上昇基調を示す一次的な目安になります。塗料・材料費も企業物価指数の上昇基調に沿って高止まりしているとされます(塗料の品目別の具体的な上昇率は公的には特定が難しく、本記事では数値を断定しません)。
そして前述のとおり、塗装を含む職別工事業の売上高営業利益率は▲0.42%(令和4年度=営業赤字)[C-06]。小規模ほど価格交渉力が弱く、原価上昇を価格に転嫁しにくい構造があります。
→ 個社にとっては、単価圧は「直需・専門性・規模で交渉力を持てるか」の問題です。同じ需要環境でも、価格を作れる会社と、買い叩かれる会社に分かれます。
だから「二極化」する
ここまでをまとめると、需要ドライバーは堅調である一方、人手・単価・後継という制約は小規模・属人的な会社ほど重くのしかかります。競争環境を簡単に整理すると、買い手(元請)の交渉力は強く、新規参入は許認可・有資格者で中程度の障壁があり、代替の脅威は低く、供給(職人)は希少で労務面はむしろ売り手有利、という構図です。
その結果、塗装業は「有資格・直需/元請安定・高付加価値・適正規模」の勝ち組と、「下請・属人・有資格者不在・後継不在・安値受注」の淘汰組に二極化していきます。問うべきは「業界に先があるか」ではなく「自社が勝ち組側に立てるか」です。

図解F1:有資格・直需/元請脱却 × 規模・財務体力で見る二極化マップ。自社がどの象限にいるかが将来性を分けます。
§3 塗装業で生き残る戦略 — 二極化のどちら側に立つか(続ける/磨く/譲る/買う)
将来性が「二極化」だとすれば、問いは「業界に先があるか」ではなく「自社(あるいは投資先)が勝ち組側に立てるか」に変わります。ここでは取り得る4つの選択肢を整理します。
勝ち組の条件 — 自走で「磨く」
二極化の勝ち組側に立つには、薄利を変える手を打つ必要があります。代表的なのは次の4つです。
- 元請依存からの脱却・直需/リピート顧客の開拓:元請一社依存の下請から、エンドユーザー直需・リピートの比率を上げると、価格交渉力と粗利が改善します。
- 遮熱・高耐久・特殊塗装への高付加価値化:省エネ志向の中で、単価を取りやすい領域に踏み出す(追い風②)。
- 一級/二級塗装技能士など有資格者の確保・育成:許可要件の維持にも、後述のM&A評価にも効きます[C-12]。
- 見積精度・ICT診断による薄利改善:原価管理・診断技術で、薄利の構造を会社の打ち手で変える。
SWOTで「買われる強み」を棚卸しする
自社の強みを整理しておくと、続けるにせよ売るにせよ判断が早くなります。強み(Strength)になりやすいのは、建設業許可(塗装工事業)・一級/二級塗装技能士・安定した元請取引・直需リピート顧客・自社足場/車両・黒字低借入です。これらはそのままM&Aの加点要素になるため(§4で詳述)、「磨いて続ける」も「磨いて高く売る」も同じ準備が効きます。
4つの選択肢
二極化のどちら側に立てるかを踏まえて、取り得る道は次の4択に整理できます。
1. 続ける:勝ち組の条件(直需・有資格者・高付加価値・適正規模)を満たしているなら、続ける価値は十分あります。 2. 磨いてから売る:今は条件が足りなくても、許可・有資格者・取引を整えれば、数年後により良い条件で譲れる可能性があります。 3. 今、譲る:後継者がおらず、磨く体力も難しいなら、許可・技能士・元請取引が生きているうちに許可ごと譲るのが現実的です。畳めばゼロになる資産が、譲れば対価になります。 4. 買う:隣接業者や参入希望者にとっては、人材・許可ごと会社を取り込むことで、規模と勝ち組条件を一気に得られます。

図解F3:「続ける/磨く/売る/買う」4択の意思決定フレームと、各深掘りの送出先マップ。本記事は俯瞰、詳細は各記事へ。
新規参入・買い手の視点
「独立して一から建てる」か「許可・人材ごと買う」か、という選択もあります。許認可・有資格者・元請取引の蓄積に時間がかかる塗装業では、買って規模を取るほうが早いケースもあります。参入の採算や難易度は次章(§3.7)で軽く触れ、独立とM&A買収を比べた詳細は塗装業に新規参入するか、それとも買収するかで扱います。
§3.5 塗装業の現状と課題 — 人手不足・職人高齢化・後継者不在
需要があっても、担い手が枯れれば事業は続きません。ここは売り手オーナーが「畳むか・売るか」を意識する直接の動機につながる部分です。なお、後継者不在・2024年問題・原価高・二極化という共通ドライバーは、本記事(§2・§3.5)が塗装クラスターの定義元です。
担い手は構造的に減っている
前述のとおり、建設業就業者は1997年の685万人から2024年の477万人へと減り[C-21]、ピーク比でおよそ7割の水準です。技能者に限ると、1997年の464万人から約303万人まで減っています[C-21]。55歳以上が36.7%・29歳以下が11.7%(全産業32.4%・16.9%)[C-22]、60歳以上の技能者は約25.8%で10年後に大半が引退見込み[C-23]という高齢化が、これに追い打ちをかけます。いずれも建設業全体の値で、塗装業の担い手もこの母集団に含まれます。
加えて、2024年問題(時間外労働の上限規制)が令和6(2024)年4月から建設業に適用されました(5年間の猶予を経ての適用。原則 月45時間・年360時間、特別事情でも年720時間・単月100時間未満・複数月平均80時間以内)[C-28]。働き方改革は望ましい方向である一方、人手の限られた中小単独では、労務管理・採用・原価対応の負担が一段と重くなります。
後継者不在 — ただし煽りすぎない
建設業の後継者不在率は57.3%(2025年)で全業種最高水準です[C-03]。ただしこの数字は、過去のピーク(71.4%・2018年)からは改善傾向にあります(全国平均は50.1%)。つまり「後継者がいないから畳むしかない」という時代から、「第三者に譲るという出口を選ぶ会社が増えた」時代へと、緩やかに変わりつつあると読めます。
実際、自主廃業(休廃業・解散)は過去最多水準で、2024年は全国で69,019件、うち建設業は8,162件(前年比+7.0%)で業種別最多でした[C-08]。しかし注目すべきは、畳む会社の約5割超(51.1%)が黒字、約65.1%が資産超過型[C-09]という点です。つまり、まだ体力があるうちに——言い換えれば、許可・技能士・元請取引という売れる資産を抱えたまま——畳もうとしている会社が少なくないのです。
注:休廃業・解散の件数は塗装単独ではなく建設業全体の数字です(発行元はTDB)。塗装単独の休廃業の公的統計区分は存在しないため、建設業全体の動向で接地しています。
廃業にかかる足場・車両・塗装機材の処分や倉庫の原状回復などの総コストの分解は、塗装業は廃業と売却どっちが得か(費用と手取り比較)で詳しく扱っています(本記事では中身までは踏み込みません)。
「畳む」以外の出口は広がっている
一方で、第三者承継(M&A)という出口は構造的に拡大しています。中小機構の第三者承継(M&A)成約は、令和6年度に2,132件と過去最高を更新しました(全業種)[C-27]。担い手が枯れる業界事情と、後継者がいなくても会社を引き継げる仕組みの広がり——この2つが重なって、塗装会社にとって「畳む」以外の選択肢が現実味を増しています。次章でその出口(M&A)の中身を見ていきます。
§3.7 利益率・年収と新規参入の余地 — 儲かるのか/今から入れるのか
「塗装業は儲かるのか」「今から参入して採算が合うのか」は、続ける人にも買う人にも気になるところです。ここを、利益率と参入の観点から整理します。
利益率は薄いが、変えられる
数字で見ると、塗装業の利益率は楽観できません。塗装を含む職別工事業の売上高営業利益率は▲0.42%(令和4年度=営業赤字、建設業全体は0.33%)、自己資本比率は約29.79%と建設業5区分のなかで最も低い水準です[C-06][C-07]。
注:塗装単独の財務統計は存在しないため、「職別工事業(塗装を含む区分)の令和4年度決算」で近似しています[C-06]。なお、業界サイトなどで見かける「塗装の利益率20%」は売上総利益率(粗利率)の話であり、ここでいう営業利益率(▲0.42%・令和4年度=営業赤字)とは別物です。混同しないようご注意ください。
つまり、何もしなければ薄利です。しかし§3で見たとおり、直需・リピートの開拓で価格交渉力を持つ・遮熱や特殊塗装で単価を上げる・見積精度やICT診断で原価を管理することで、この利益率は会社の打ち手次第で変えられます。「業界全体が薄利だから将来がない」のではなく、「薄利の構造のなかで、利益を作れる会社とそうでない会社に分かれる」のが実態です。利益率・社長年収の実態と、薄利業種をどう評価して買うかは塗装業は儲かる?利益率・オーナー年収の実態で掘り下げています。
「年収」より「いくらで売れるか・買えるか」
「塗装業 独立 年収」「一人親方 年収」といった検索も多くありますが、この領域は職人向けメディアが詳しく扱っています。本記事は事業の出口に軸足を置くため、「いくら稼ぐか」よりも「自社がいくらで売れるか/会社をいくらで買えるか」という視点でお伝えします。独立や年収の詳細は、別途専門の解説をご参照ください。
新規参入・買収の余地
参入のハードルは、資金よりも許認可・有資格者・元請取引にあります。建設業許可(塗装工事業)は500万円以上の工事で必要ですが、500万円未満の軽微な工事なら許可なしでも始められます[C-11]。一方で、一級/二級塗装技能士の確保、元請との取引関係、直需チャネルの構築には時間がかかります。だからこそ、ゼロから建てるより許可・人材・取引ごと会社を買うほうが早い、という判断が成り立ちます。独立と買収を初期費用・時間・難易度で比べた詳細は塗装業に新規参入するか、それとも買収するかを、この「買う」という選択の実務は次章をご覧ください。
§4 【M&A・投資視点】将来性から見た塗装会社の売り時・買い時
ここからは、マクロの将来性を「買う/売る/磨く」という具体的な判断に落とします。本章は俯瞰にとどめ、相場の算定式や廃業との損得、技能士査定の定量といった詳細は、それぞれの専門記事へご案内します。
許可・一級/二級塗装技能士・安定した元請取引・直需リピート顧客・自社足場という“数字に出ない資産”は、廃業すればゼロ円、譲れば値が付きます。二極化が進む今こそ、磨いて売る/人材ごと買う妙味があります。
相場の見方(要約)
中小M&Aの売却価格は、実務では年買法(時価純資産+営業利益の概ね2〜4年分/案件により幅)で目安を置くのが定番です[C-05]。ただし塗装会社に「これが相場」という明確な金額は存在せず、仲介サイトに載る譲渡額は売り手の「希望額」であって成約額ではありません[C-05]。EV/EBITDA倍率を引用する記事もありますが、それらは全業界の平均値で塗装特化の数字ではない点に注意が必要です。
相場の算定式や税引後の手取りの詳しい解説は、外壁塗装会社のM&A相場・売却価格の目安(年買法と営業権)をご覧ください(本記事では中身までは踏み込みません)。また、実際に誰が買い手になるのか(同業・リフォーム会社・ハウスメーカー・ファンドなど)と公表されたM&A事例は、塗装会社のM&A・売却事例で買い手タイプ別に整理しています。
買い手のチェックポイント3つ
買い手(同業・リフォーム会社・ハウスメーカー・足場業・ファンドなど)が見るべきは、次の3点です。
1. 許可・有資格者の在籍と承継可否:建設業許可(塗装工事業)、そして一級/二級塗装技能士が在籍し、雇用ごと承継できるか[C-12]。専任技術者要件の維持に直結します。 2. 安定元請取引・直需リピート・自社足場/車両の状態:元請との継続取引、直需・リピート顧客の比率、足場・車両・倉庫が自社かリースか。 3. DD(買収監査)リスク:簿外債務・過大なリース(足場/機材)・近隣クレームや事故歴・社長個人への属人化がないか。
売り手の準備ポイント3つ
売り手が「磨く」と評価が上がります。
1. 許可・有資格者・元請契約の文書化・整備:更新状況や要件(経営業務管理責任者・専任技術者の体制)、元請契約・取引関係を整える。 2. 属人化の解消・決算の見え方改善:社長個人に依存した運営を見直し、直近3期の決算を整える。 3. 簿外・原状回復・リース残債リスクの解消:隠れ負債や倉庫・資材置場の原状回復責任、リース残債を洗い出しておく。
許認可・有資格者の承継 — ここがスキーム選択の核
塗装M&Aで重要なのが許認可と有資格者の承継です。
- 株式譲渡なら、株主が変わるだけで法人格は変わらないため、会社が持つ建設業許可(塗装工事業)は会社に残り、原則として継続します[C-13]。一級/二級塗装技能士も雇用ごと会社に残ります。
- 事業譲渡では、建設業許可は令和2年(2020年10月)改正建設業法の事前認可(地位承継)で承継可能になりましたが、承継予定日の90日前までの認可が必要で、手続きに数か月を要します(承継は建設業の全部が対象で一部のみは不可)[C-14]。
- そして専任技術者要件(一級/二級塗装技能士など有資格者の雇用維持)が崩れると、許可の維持に影響します[C-12][C-13]。だからこそ、許可も人材もまるごと会社に残せる株式譲渡が選ばれやすいのです。
許可承継の総論(経審・各種スキームの全体像)は建設業のM&A・許可承継の全体像で扱い、本記事は塗装工事業に絞っています。
税の入口だけ
第三者へのM&A売却(個人株主の株式譲渡益)は、申告分離課税で一律20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)の世界です[C-16]。ここで誤解が多いのが事業承継税制です。事業承継税制(贈与・相続による株式取得の納税猶予制度)は親族内・社内承継の制度で、第三者へのM&A売却とは別物です[C-17]。「M&Aで事業承継税制を使って節税する」という整理は正しくありません。なお法人版・特例措置は、特例承継計画の提出期限が令和9年(2027年)9月30日、適用期限が令和9年(2027年)12月31日とされています(「2026年3月末で経過済」は誤りです)[C-17]。時限制度のため、検討時には中小企業庁・国税庁の最新情報をご確認ください。廃業(清算)の課税やコストとの比較は塗装業は廃業と売却どっちが得かで、会社売却の全体像は会社売却の流れ・期間・費用でそれぞれ解説しています。
3Cで見る — 買い手・競合・自社
整理すると、買い手(リフォーム会社・ハウスメーカー・同業・足場業による前後方統合や、ファンドのロールアップ)は、ゼロから揃えると時間のかかる許可・一級/二級塗装技能士・施工エリア・元請枠・職人の採用代替を求めています。競合は同業他社や元請の内製化、ファンドのロールアップです。そして自社は、売れる強み(許可・技能士・元請取引・直需リピート・自社足場)を言語化できるかどうかが鍵になります。買い手が実在することは、売り手にとって「畳まなくても引き取り手がいる」という安心材料でもあります。一級塗装技能士の在籍が査定額をどの程度動かすかの定量は、一級塗装技能士の在籍が査定額をどう動かすか(定量)で詳述しています。
編集部より:将来性は「業界」ではなく「その会社がどちら側か」で決まる
「塗装はもう飽和だ」とよく言われますが、M&Aの現場で見ると話は逆のことがあります。許可・一級/二級塗装技能士・安定した元請取引・直需リピート顧客・自社足場を“束ねて”持っている会社ほど、買い手が高値で取り合います。逆に、社長の人脈と勘だけで回してきた属人的な下請依存の会社は、需要があっても買い手がつきにくい。つまり将来性は「業界」ではなく「その会社が二極化のどちら側にいるか」で決まる、というのが実感です。廃業すれば許可も技能士の雇用関係も足場もゼロ円ですが、譲渡なら値が付く——そこが見落とされがちな分かれ目です。(※本コラムは当社の建設・塗装領域におけるM&A実務での一般的な所感であり、特定の事例を示すものではありません)
あなたの塗装会社は二極化のどちら側か(10項目チェック)
次の項目を自社(または買収候補)に当てはめてみてください。チェックが多いほど「続ける/磨く価値あり&高く売れる」側、少ないほど「早めに譲る判断を」という側です。売り手の準備にも、買い手のDD(買収監査)にも使えます。
- ☐ 建設業許可(塗装工事業)が有効である(または軽微工事中心で許可不要を把握している)
- ☐ 一級・二級塗装技能士など有資格者が在籍している
- ☐ 元請への依存度が低い(直需・リピート顧客がある)
- ☐ 安定した元請契約が文書化されている
- ☐ 自社足場・車両・塗装機材の台帳・名義が整っている
- ☐ 直近3期の決算が黒字基調である
- ☐ 借入・個人保証・リース残債が過大でない
- ☐ 近隣クレーム・事故の係争を抱えていない
- ☐ 業務が社長に属人化していない
- ☐ 後継者がいる(または承継の見通しがある)
▶ 二極化の今こそ、次の一手を
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§5 よくある質問(FAQ)
Q1. 塗装業の将来性はありますか? A. 「なくなる」のではなく「二極化して残る」というのが本記事の結論です。リフォーム・リニューアル受注高13兆8,303億円[C-01]・住宅ストックの高経年化・省エネ/遮熱改修という需要ドライバーは堅調ですが、人手不足や後継者不在で小規模・属人的な会社ほど厳しくなります。問うべきは「業界に先があるか」より「自社が勝ち組側に立てるか」です。
Q2. 塗装業はなくなりますか?需要は増えますか? A. なくなる可能性は低いと考えられます。改修・塗替え需要は堅調で、リフォーム・リニューアル受注高は令和6年度計13兆8,303億円(+4.2%)です[C-01]。ただし内訳は住宅が微減(▲3.3%)・非住宅が牽引(+7.7%)で[C-01]、住宅塗装だけが伸び続けるわけではありません。需要には上振れ要因(改修・省エネ)と下振れ要因(人口減・新築減・人手不足)の両方があり、「必ず伸びる」とは言えません。
Q3. 塗装業は儲かりますか?利益率はどのくらいですか? A. 業界全体としては薄利です。塗装を含む職別工事業の売上高営業利益率は▲0.42%(令和4年度=営業赤字・塗装近似)、自己資本比率は約29.79%と建設業5区分で最弱です[C-06][C-07]。ただし、直需開拓・高付加価値塗装・原価管理で利益率は会社の打ち手次第で変えられます。業界サイトの「利益率20%」は粗利率の話で、営業利益率とは別物です。詳しくは塗装業は儲かる?利益率・オーナー年収の実態へ。
Q4. 塗装業は人手不足ですか? A. はい。建設業就業者は1997年の685万人から2024年の477万人へ減り[C-21]、60歳以上の技能者が約25.8%を占め10年後に大半が引退見込みです[C-23]。55歳以上が36.7%・29歳以下が11.7%と若手が少なく[C-22]、担い手の確保が業界共通の課題です(いずれも建設業全体の値で、塗装業の担い手もこの母集団に含まれます)。
Q5. 後継者がいない塗装会社はどうすべきですか? A. 「畳む」前に「許可ごと売る」選択肢の検討をおすすめします。建設業の後継者不在率は57.3%と高い一方[C-03]、第三者承継(M&A)は構造的に拡大しています[C-27]。許可・技能士・元請取引が生きているうちほど評価が上がります。廃業との損得は塗装業は廃業と売却どっちが得かをご覧ください。
Q6. 塗装業の今後10年はどうなりますか? A. 需要には上振れ要因(改修・省エネ/遮熱・M&A出口の拡大)と下振れ要因(人口減・新築減・人手不足)の両方があり、「必ず伸びる」とは言えません。確からしいのは、需要の総量より「誰が取れるか」で差がつき、有資格・直需・高付加価値の勝ち組と下請・属人・後継不在の淘汰組への二極化が進むという方向性です。
Q7. 塗装会社の許可・技能士はM&Aで引き継げますか? A. スキームによります。株式譲渡なら許可は会社に残り原則継続し[C-13]、一級/二級塗装技能士も雇用ごと承継されます。事業譲渡では、建設業許可は令和2年改正の事前認可(承継予定日90日前まで・全部承継が前提)で承継可能ですが手続きが必要です[C-14]。専任技術者要件(技能士の雇用維持)が崩れると許可維持に影響するため、許可も人材も会社に残せる株式譲渡が選ばれやすいです。可否は行政書士・行政庁にご確認ください。
Q8. 塗装業に新規参入・買収する難易度は高いですか? A. 資金よりも許認可・有資格者・元請取引がハードルです。500万円未満の軽微工事なら許可なしでも始められますが[C-11]、一級/二級塗装技能士の確保や元請取引・直需チャネルの構築には時間がかかります。そのため、ゼロから建てるより許可・人材ごと会社を買うほうが早いケースも多くあります。詳しくは塗装業に新規参入するか、それとも買収するかへ。
§6 まとめ — 売り手/買い手が次に取るべき一手
塗装業は「なくなる」業界ではありません。リフォーム・改修需要は堅調で(受注高13兆8,303億円[C-01])、住宅ストックの高経年化と省エネ/遮熱改修が塗り替え需要を支えています。ただし薄利(職別営業利益率▲0.42%[C-06])・人手不足・後継者不在・原価圧で、業界は「直需・有資格・高付加価値・適正規模の勝ち組」と「下請・属人・有資格者不在・後継不在の淘汰組」に二極化していきます。だから問うべきは「業界に先があるか」ではなく「自社(あるいは投資先)が勝ち組側に立てるか」です。
あなたが取るべき一手(二分岐チェックリスト)
- 売り手(続けるか畳むか売るか迷うオーナー):□ 後継者がいない/□ 直需開拓・有資格者の強化が体力的に難しい/□ 許可・技能士・元請取引は今はまだ生きている——2つ以上当てはまるなら、畳む前に「許可・人材ごと売る」選択肢を検討してください。手取り・相場は外壁塗装会社のM&A相場、廃業との損得は廃業と売却どっちが得かへ。
- 買い手・参入検討者:□ リフォーム/ハウスメーカー/同業/足場業で前後方統合したい/□ 独立で一から建てるより許可・技能士・人材ごと買いたい——人手不足で売り手が高値になる前の“今”が取り込みの好機です。募集中の案件は掲載中の建設・塗装関連のM&A案件を見るへ。
許可・技能士・取引は、廃業すれば価値ゼロで消えますが、譲渡なら次の担い手に引き継がれ、対価が残ります。「自社が二極化のどちら側か」を一度点検することが、後悔しない出口選び・投資判断の第一歩です。
▶ 畳む前に、まず自社の立ち位置を知る
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免責
本記事は塗装工事業の業界動向・将来性・M&Aに関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の将来予測・査定額・成約・節税効果を保証するものではありません。記載した需要予測・相場・財務指標・税の取り扱いはあくまで目安・レンジ・推計であり、実際の状況は会社の規模・状態・市況・制度改正により異なります。財務指標は塗装単独ではなく「職別工事業(塗装を含む区分)」の近似値であり、就業者数は建設業全体の値です。需要予測には上振れ要因・下振れ要因の両方があり、確定した将来を示すものではありません。個別の税務(株式譲渡課税・事業承継税制)は税理士、許認可(建設業許可・塗装工事業)の承継・廃止は行政書士・行政庁、契約・法務に関する事項は弁護士へご相談ください。本記事には当社サービス(無料売却相談)へのご案内を含みます。
出典
- [C-01] 建築物のリフォーム・リニューアル受注高は令和6年度計13兆8,303億円(前年度比+4.2%/住宅4兆1,318億円・▲3.3%/非住宅9兆6,984億円・+7.7%=非住宅牽引)— 国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査報告(令和6年度計)」: https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001894226.pdf
- [C-02] 国は既存住宅の省エネ・断熱改修を政策的に推進(住宅省エネ関連キャンペーン=3省連携、躯体〔外壁・屋根・天井・床〕の断熱改修・開口部の断熱改修が補助対象工事/補助額・制度名・期限は年度ごとに変動する時限制度=方向性のみ)— 国土交通省 子育てグリーン住宅支援事業ほか: https://kosodate-green.mlit.go.jp/ / 経済産業省 後継予算案: https://www.meti.go.jp/press/2025/11/20251128004/20251128004.html
- [C-03] 建設業の後継者不在率57.3%(2025・全業種最高/2018年ピーク71.4%から改善・全国平均50.1%)— 帝国データバンク「後継者不在率動向調査2025」: https://www.tdb.co.jp/report/economic/20251121-successor25y/
- [C-05] 中小M&Aの年買法(時価純資産+営業利益×概ね2〜4年・案件により幅/理論的裏付けは弱く「明確な相場」はなく希望額≠成約額)— 中小M&A実務解説(T3・attributed): https://www.maxus.co.jp/columns/3725
- [C-06] 職別工事業(塗装を含む近似・令和4年度決算)の売上高営業利益率▲0.42%(営業赤字/建設業全体0.33%)。※0.35%は設備工事業の値であり用いない — 建設業情報管理センター(CIIC)「建設業の経営分析(令和4年度)」: https://www.ciic.or.jp/wp-content/uploads/2024/01/bunseki_R04.pdf
- [C-07] 職別工事業の自己資本比率29.79%(令和4年度・5区分で最弱/全体39.00%・塗装近似)— 建設業情報管理センター(CIIC)「建設業の経営分析(令和4年度)」: https://www.ciic.or.jp/wp-content/uploads/2024/01/bunseki_R04.pdf
- [C-08] 2024年 全国休廃業・解散69,019件(個人事業主含む・2016年以降最多)・建設業8,162件(前年比+7.0%・業種別最多)— 帝国データバンク「2024年『休廃業・解散』動向調査」: https://www.tdb.co.jp/report/economic/kyuhaigyo_kaisan2024/
- [C-09] 自主廃業(休廃業・解散)企業の黒字割合51.1%・資産超過型65.1%(2024・資産超過型は2016年以降最高)— 帝国データバンク「2024年『休廃業・解散』動向調査」: https://www.tdb.co.jp/report/economic/kyuhaigyo_kaisan2024/
- [C-11] 塗装工事は請負500万円以上で建設業許可(塗装工事業)が必要・500万円未満の軽微な工事は許可不要(判定は税込・材料費込み・分割合算)— 建設業法施行令1条の2・国土交通省 許可の要件: https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html
- [C-12] 一級/二級塗装技能士は技能検定(職業能力開発促進法)の国家資格で、塗装工事業(一般建設業)の専任技術者・主任技術者となり得る(塗装工事業は指定建設業ではなく実務経験10年でも専任技術者になれる)— 厚生労働省 技能検定/国土交通省 専任技術者となり得る国家資格一覧: https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001619998.pdf
- [C-13] 株式譲渡なら建設業許可は会社に残り原則継続(一般説明・専任技術者要件の維持が前提)— 国土交通省 地位承継PDF: https://www.mlit.go.jp/common/001365753.pdf
- [C-14] 事業譲渡は令和2年(2020年10月)改正建設業法の事前認可(17条の2・3/承継予定日90日前まで・全部承継が前提)で許可承継可・手続きを要する — 国土交通省 地位承継PDF: https://www.mlit.go.jp/common/001365753.pdf
- [C-16] 個人の株式譲渡益は申告分離課税20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)— 国税庁 タックスアンサー No.1463: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm
- [C-17] 事業承継税制(贈与・相続の納税猶予)は親族内・社内承継の制度でM&A売却とは別物(法人版・特例措置の提出期限 令和9年9月30日・適用期限 令和9年12月31日/「2026年3月末で経過済」は誤り)— 中小企業庁/国税庁 タックスアンサー No.4148: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4148.htm
- [C-21] 建設業就業者は1997年685万人→2024年477万人(ピーク比約69.6%)・技能者は1997年464万人→約303万人(同65.3%)=長期減(建設業全体の値)— 日本建設業連合会「建設業の現状 4.建設労働」(原典=総務省 労働力調査): https://www.nikkenren.com/publication/handbook/chart6-4/index.html
- [C-22] 建設業就業者の55歳以上36.7%・29歳以下11.7%(2024・全産業32.4%/16.9%と比較し高齢化が深刻)— 令和7年版 国土交通白書(第Ⅰ部第1章): https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r06/hakusho/r07/html/n1111000.html
- [C-23] 60歳以上の技能者は全体の約25.8%(約4分の1)で10年後に大半が引退見込み — 国土交通省「建設業を巡る現状と課題」(令和7年9月): https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001566406.pdf
- [C-26] 塗装業単独の市場規模(金額)を直接示す官庁統計は存在しない(職別工事業・リフォーム市場は母数定義が異なる=受注高・近似で代替)— e-Stat 日本標準産業分類/経済センサス: https://www.e-stat.go.jp/
- [C-27] 中小機構の第三者承継(M&A)成約は令和6年度2,132件で過去最高(全業種・成約譲渡企業の業種別で建設業12.2%)— 中小企業基盤整備機構 プレスリリース: https://www.smrj.go.jp/press/2025/f7mbjf000000dnpt-att/20250530_press01.pdf
- [C-28] 2024年問題(時間外労働の上限規制)は建設業に5年間猶予後、令和6(2024)年4月から適用(原則 月45時間・年360時間/特別事情でも年720時間・単月100時間未満・複数月平均80時間以内)— 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html
- [C-29] 公共工事設計労務単価は令和7年3月適用分で13年連続上昇・全国全職種加重平均24,852円・前年度比+6.0%(公共工事の積算単価=労務原価の方向性で塗装業者の実支払賃金そのものではない)— 国土交通省 報道発表(令和7年2月14日): https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00261.html