この記事の目次
「フォロワー10万人のアカウントはいくらで売れるのか」。SNSメディアの売却を考え始めると、まずこの問いが浮かびます。この記事は、フォロワー数から価格を引くのではなく、収益の中身と、運営者が替わっても続くかどうかから価格を考える順番を書きます。
この記事の結論
- フォロワー数は規模の目安で、価格の根拠にはなりません。 本記事の整理では、見られるのは「そのフォロワーから、どんな収益が、買収後も続くか」です。
- 同じ売上でも、継続する契約が中心のメディアと、単発のPR案件が中心のメディアでは、買い手が見込む翌期の利益が変わります。下の仮の数字の比較で確かめられます。
- プラットフォームの規約で移せないものがあれば、その分を価格の前提に入れません。 法令上の適法性と、規約上の可否は別に確認します。
この記事の対象:Instagram・X・TikTok・YouTube などで運営するメディアを、事業として売ることを考え始めたオーナー(売り手)。
SNSメディア事業のM&A全体の見方は、SNSメディア事業のM&A DATAにまとめています。この記事は、そのうち「価格がどう決まるか」だけを深く扱います。
アカウントの売買とメディア事業の譲渡は、別の取引として考える
結論: 価格を考える対象は「アカウント」ではなく、収益を生んでいる事業です。アカウントの移転は、その事業の一部分にすぎません。
本記事の整理では、2つの取引を次のように分けます。
| 項目 | アカウントの売買 | メディア事業の譲渡 |
|---|---|---|
| 移すもの | アカウントそのもの(名義・ログイン情報など) | 収益を生む仕組み全体(企画・制作の体制、蓄積したコンテンツ、広告主・スポンサーとの関係、ブランド、運用ノウハウ) |
| 価格の考え方 | フォロワー数や投稿数などの規模で語られやすい | 収益と、買収後に続く利益から考える |
| 規約との関係 | プラットフォームの規約で、譲渡や名義変更が制限されていることがある | 同じ制限を受ける部分と、受けない部分(コンテンツの権利、体制、契約)を分けて評価する |
| 本記事の扱い | 売買の方法・規約の解説は COLUMN に任せる | 価格の決まり方を扱う |
アカウントの売買の方法や各社の規約の解説は、SNSアカウント販売・売買のガイドに任せます。Instagramアカウントの購入、Xアカウントの購入、TikTokアカウントの売買、YouTubeチャンネルの売却の記事もあります。この記事では、アカウントを動かす方法には立ち入らず、事業としてどう評価されるかに絞ります。
フォロワー数だけでは価値が決まらない。見られるのは、そこから続いて出る利益
結論: フォロワー数が同じでも、収益、届き方、運営体制が違えば評価は変わります。フォロワー数は、評価の入口にすぎません。
フォロワー数が価格の根拠として足りない理由は、本記事の整理では3つに分けられます。
| 見落とされやすい点 | 起きること | 売り手が示せるもの |
|---|---|---|
| 収益に結びついているか | フォロワーが多くても、閲覧や反応が少なければ、広告主やアフィリエイトの成果につながらない | 収益源別の月次の売上、閲覧・反応・視聴の推移 |
| 買収後も続くか | 運営者や出演者の個人の人気で成り立つメディアは、その人が離れると閲覧も収益も落ちることがある | 制作の手順書、役割分担、運営者以外が回している実績 |
| 規約上、移せるか | アカウントの移転が規約で制限されていると、フォロワーを前提にした価値が引き継げない | 各プラットフォームの規約の確認結果 |
フォロワーの水増しや、反応の質の見分け方は、SNSメディア買収でフォロワー数は信用できる?で扱います。運営者や出演者への依存は、SNSメディア事業は運営者が変わっても続く?で扱います。この記事では、これらの確認が済んでいる前提で、収益をどう価格に結びつけるかを見ます。
なお、フォロワー1人あたりの売却価格や、SNSメディアの売却倍率を示した官公庁・業界団体の公表統計は、本記事の作成時点で確認できていません。そのため、本記事では相場の数字を示しません。民間のサイトが示す数字は、集計の母集団や前提が分からないまま引用しないほうが安全です。
広告・PR・アフィリエイトの収益は、続きやすさが違うので分けて見る
結論: 収益源ごとに、「誰との関係で入る収益か」「更新や継続の仕組みがあるか」が違います。まとめて「月の売上」と見ず、源泉別に並べ直します。
| 収益源 | 本記事の整理での見方 | 売り手が示せる資料 |
|---|---|---|
| プラットフォームの収益化(広告収益の分配など) | 運営者のアカウントに紐づく収益。参加条件・審査・規約の変更の影響を受けるため、移転後も続くかを別に確認する | 管理画面の収益推移、入金記録 |
| 企業からのPR・タイアップ案件 | 契約が単発か、月額や年間の継続契約か。契約の相手方は広告主で、運営者が替わったあとも続くかは、相手方の判断に左右される | 契約書、請求書、依頼元の一覧と件数 |
| アフィリエイト | 成果報酬型。過去の成果が出ている投稿やリンクがどれだけ残り、流入が続くかを見る | 広告主・ASP別の月次成果、上位の投稿やリンクへの集中度 |
| 自社商品・サービスの販売 | 商品を運営者が仕入れ・販売する場合、メディア単体ではなく物販事業としての評価が加わる | 商品別の売上・粗利、在庫、顧客対応の体制 |
PR・タイアップ案件では、投稿が広告であることを明瞭にする必要があるかが、案件の継続に関わることがあります。消費者庁のステルスマーケティング告示(景品表示法第5条第3号に基づく指定)に関するQ&Aは、規制の対象となるのは表示内容の決定に関与した事業者(広告主)で、広告主から依頼を受けて投稿するインフルエンサーやアフィリエイターは規制の対象外としています。一方、運用基準は、事業者の表示であることを明瞭にする方法として「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」などの文言による表示を挙げています。広告主側がこうした表示を求める場合、過去の案件で表示がどう扱われていたかを示せると、広告主との関係の確認が進みやすくなります。個別の適否の判断は、弁護士など専門家に確認してください。
収益源別の承継の確認は、SNSメディアのM&Aで広告収入は引き継げる?で扱います。
継続収益と単発案件を分けると、同じ売上でも見込める利益が変わる
結論: 買い手が見るのは過去の売上より、翌期に見込める利益です。単発案件が多いと、直近の利益と見込み利益の差が大きくなります。
次の2つのメディアを、仮の数字で比べます。以下はすべて「仮の数字」で、実在のメディアや相場を示すものではありません。
| 項目(仮の数字) | メディアA(継続収益が中心) | メディアB(単発案件が中心) |
|---|---|---|
| フォロワー数 | 10万人 | 10万人 |
| 年間売上 | 600万円 | 600万円 |
| 売上の内訳:継続契約(月額スポンサーなど) | 360万円 | 60万円 |
| 売上の内訳:アフィリエイト | 180万円 | 120万円 |
| 売上の内訳:単発のPR案件 | 60万円 | 420万円 |
| 年間の経費(制作費・外注費など) | 340万円 | 340万円 |
| 直近1年の営業利益 | 260万円 | 260万円 |
売上も経費も利益も同じで、フォロワー数も同じです。違うのは売上の中身だけです。
ここで、買い手が翌期の利益を見込むときに、次の仮定を置いたとします(これも本記事の整理のための仮定で、決まった基準ではありません)。
- 継続契約は、更新されるものとして全額を見込む
- アフィリエイトは、直近の水準が続くものとして全額を見込む
- 単発のPR案件は、翌期に同じだけ依頼が来る保証がないため、半分を見込む
- 経費は同じ340万円のまま
| 項目(仮の数字) | メディアA | メディアB |
|---|---|---|
| 見込み売上:継続契約 | 360万円 | 60万円 |
| 見込み売上:アフィリエイト | 180万円 | 120万円 |
| 見込み売上:単発PR(半分) | 30万円 | 210万円 |
| 見込み売上の合計 | 570万円 | 390万円 |
| 経費 | 340万円 | 340万円 |
| 翌期に見込む営業利益 | 230万円 | 50万円 |
直近の利益はどちらも260万円ですが、翌期に見込む利益は、Aが230万円、Bが50万円と大きく離れます。
中小企業庁の中小M&Aガイドライン(第3版)の参考資料は、時価純資産法(または簿価純資産法)で算定した金額に、数年分の任意の利益を加算して譲渡額とする場合もあり、加算する利益の種類(税引後利益または経常利益等)と年数(通常1年〜3年)は事例ごとに異なり、交渉で決まるケースが多いとしています。この式を使い、時価純資産を100万円(仮)、加算する年数を2年(仮)として当てはめると、次のようになります。
| 計算(仮の数字) | メディアA | メディアB |
|---|---|---|
| 直近の営業利益260万円を基準にした場合:100万円+260万円×2年 | 620万円 | 620万円 |
| 翌期に見込む営業利益を基準にした場合:100万円+見込み利益×2年 | 100+230×2=560万円 | 100+50×2=200万円 |
避けたい判断 / こうすればOK
| 避けたい判断 | こうすればOK |
|---|---|
| 直近の利益とフォロワー数が同じだから、同じ価格になると考える | 売上を継続契約・アフィリエイト・単発案件に分け、翌期に見込める利益で比べる |
| 単発案件の売上を、毎年入る前提で説明する | 案件数、依頼元の数、リピートの有無を示し、どの程度続くかを根拠で話す |
| 計算例の「2年分」を、相場の年数と受け取る | 年数は事例ごとに交渉で決まる。仮の数字は考え方を示すもので、自分の価格ではない |
この計算は、SNSメディアの価格を示すものではありません。SNSメディアに特化した算定方法は、ガイドライン参考資料には書かれていません。実際の算定では、運営者自身の稼働を人件費として入れているか、外注費は買収後も同じ水準か、といった利益の調整も入ります。算定や税務の判断は、公認会計士・税理士などの専門家に確認してください。
プラットフォームの規約は、「何を価格の根拠にできるか」を決める
結論: 法令上の適法性と、プラットフォームの規約上の可否は、別の問題です。規約で移せないものは、価格の根拠から外すか、条件付きで扱います。
契約や取引が法令に反しないことと、プラットフォームの規約に沿っていることは、別々に確認する必要があります。たとえば、契約上の地位の移転について、民法第539条の2は、契約の当事者の一方が第三者との間で契約上の地位を譲渡する旨の合意をした場合に、契約の相手方がその譲渡を承諾したときは契約上の地位が第三者に移転する、と定めています。事業譲渡などで契約の当事者そのものが替わる場合、広告主との契約を新しい運営者に移すには、相手方の承諾が要る、ということです(会社ごと株式で売る場合の扱いは、契約の条項によって変わるため個別に確認します)。これは広告主との契約の話で、アカウントがプラットフォームの規約上どう扱われるかは、別に確認することになります。
プラットフォームごとの扱いは異なります。取得して確認できた範囲では、次のとおりです(確認日 2026-10-23)。
| プラットフォーム | 確認できた内容 | 価格・契約への影響(本記事の整理) |
|---|---|---|
| YouTube | YouTubeヘルプに、ブランドアカウントにリンクされたチャンネルの所有者を変更する手順の案内がある(リンクされていない場合は管理者は変更できるが所有者は変更できない、と案内)。YouTubeパートナープログラムは、参加条件(登録者数と再生時間などの基準、ポリシー準拠、2段階認証、有効なAdSenseアカウントのリンクなど)と審査があり、収益化はチャンネルのポリシー準拠の継続を確認されると案内されている。動画のアップロードや投稿が6か月以上ない場合は、収益化が無効になる場合があるとも案内されている | 所有者を変更する手順があることと、収益化が新しい所有者のもとで続くことは別。所有者変更後の収益化の扱いは、本記事で取得したページからは確認できず、個別に確認する |
| TikTok | 「その他の地域」向けのサービス規約は、日本語版(最終更新日 2020年2月、日本向けの補足条項あり)・英語版(2025年12月1日最終更新、補足条項の一覧に日本なし)とも、パスワードを他者に開示しないこと、アカウントで生じたことに利用者が単独で責任を負うこと、規約違反などの場合にアカウントを無効にできることを定めている。アカウントの譲渡そのものを扱う条項は見当たらず、日本の利用者に適用される現行の版がどちらかも確定できていない | 譲渡の可否を確定できない間は、アカウントを移せることを前提に価格をつけない。米国向けなど他の地域向けの規約を、日本の利用者に当てはめない |
| X | X利用規約(発効日 2026年10月9日)は、サービスを利用するためのライセンスについて、Xの明示的な書面による同意なしに他の個人・団体へ譲渡、販売、その他の方法で移転できないと定めている。アカウントの移転そのものの扱いは、この条項だけでは読み切れない | Xの書面による同意が無い限り、アカウントの移転を前提にした価値を価格の根拠に入れない |
| 日本語の利用規約ページ(提供者 Meta Platforms, Inc.)は、禁止事項に「自身のアカウント(ユーザー名を含む)のいずれかの部分を売買または譲渡しようとする試み」を含めている。ただしページに改定日の表示がなく、日本の利用者に適用される現行の版であることまでは確認できていない。共有アクセス利用規約(2025年5月13日更新版)は、所有者が受任者に代わりの活動を任せる仕組みで、アカウントの所有権を移すことは書かれていない | アカウント譲渡の可否についての現行の適用規約は未確認として扱い、確認が取れない間は、アカウントの移転を前提にした価値を価格の根拠に入れない。共有アクセスを、所有権を移せる根拠として使わない |
規約が変わる点にも注意が必要です。取得したYouTubeパートナープログラムのページは、2027年2月1日からの更新を案内し、2027年1月31日までにYouTube Studioで最新の利用規約を確認して同意するよう求めています。売却の交渉が長引くと、確認した時点と契約時点で規約が変わっていることがあります。
規約に反する形でアカウントを移す方法は、この記事では扱いません。規約上アカウントを移せない場合に、価格に反映する方向性は次の3つです。
| 状況 | 価格・契約への反映の方向性 |
|---|---|
| 規約で移転できない、または可否が確認できない | そのアカウントの規模(フォロワー数など)を、価格の根拠から外す。移せる資産で評価する |
| 移せるが、収益化や認証などが続くか不明 | 収益の見込みを低めに置く、価格の一部を後払いにする、など契約条件で調整する余地を専門家と検討する |
| 移せる資産が中心(コンテンツの権利、制作体制、広告主との関係、ブランド) | その資産が買収後も使える形かを確認し、評価の中心にする |
規約と契約の判断は、弁護士などの専門家に確認してください。
売却価格を検討するための資料は、収益の裏付けと運営体制の2つに分ける
結論: 買い手が価格を検討できるのは、収益が数字と契約書で裏付けられ、運営が人に頼りすぎないと示せるときです。売却の準備は、この2つの資料づくりから始まります。
| 区分 | 資料 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 収益の裏付け | 収益源別の月次売上(本記事の整理では、直近2〜3年分) | 収益の波、継続と単発の割合 |
| 入金記録、プラットフォームの管理画面の収益の画面 | 売上が実際に入金されていること | |
| 広告主・スポンサーとの契約書、請求書、依頼元の一覧 | 継続契約の期間と、依頼元の集中度 | |
| アフィリエイトの成果レポート | 成果の出ている投稿・リンクへの集中度 | |
| 届き方の裏付け | 各プラットフォームのインサイトの画面(閲覧・反応・視聴・属性) | フォロワー数に対する実際の届き方 |
| 運営体制 | 制作・投稿の手順書、役割分担、外注先の一覧と契約 | 運営者以外でも回るか |
| 制作にかかる工数と外注費 | 買収後に必要な人手とコスト | |
| 権利・規約 | コンテンツの権利関係(著作権、肖像権、素材の使用許諾) | 買収後も使えるコンテンツの範囲 |
| 各プラットフォームの利用規約の確認結果 | 移せる資産と移せない資産 |
運営者や出演者の個人情報、広告主との契約の中身は、秘密保持の取り決めなしに開示しないでください。開示の範囲と順序は、専門家に確認しながら決めます。
最終的な譲渡額は、中小M&Aガイドラインの参考資料が述べるとおり、算出された金額がそのまま譲渡額になるとは限らず、当事者同士が最終的に合意した金額になります。資料が整っていることは、価格を上げることを約束するものではありませんが、買い手が見込みを置くときの根拠になります。買い手側の確認事項は、SNSメディア事業を買収する前に確認することで扱います。
自社の場合を確認する …→ 事業価値を確認する
まとめ
- SNSメディアの価格は、フォロワー数ではなく、収益の中身と、それが運営者の交代後も続くかどうかから考えます。本記事では、フォロワー単価などの相場の数字は示していません。
- 収益は、継続契約・アフィリエイト・単発案件に分けて見ます。仮の数字の比較では、直近の利益が同じでも、翌期に見込む利益はAが230万円、Bが50万円と離れました。
- プラットフォームの規約で移せないもの、確認できないものは、価格の根拠から外します。法令上の適法性と規約上の可否は、別に確認します。
- 売却前の資料は、収益の裏付け、届き方の裏付け、運営体制、権利と規約の4区分でそろえます。
よくある質問(FAQ)
Q1. SNSメディアの売却相場はフォロワー1人あたりいくらですか? A. 本記事では、フォロワー1人あたりの単価という形での相場は示しません。官公庁や業界団体が公表している、SNSメディアの売却価格やフォロワー単価の統計は、本記事の作成時点で確認できていません。本記事の整理では、フォロワー数は規模の目安にとどまり、価格の検討は収益の中身と、それが運営者の交代後も続くかどうかから始めます。
Q2. SNSアカウントの売買と、SNSメディア事業の譲渡は何が違いますか? A. 本記事の整理では、アカウントの売買はアカウントそのものを移す取引、メディア事業の譲渡は収益を生む仕組み(企画・制作体制・コンテンツ・契約・ブランド)を含めて移す取引です。アカウントはプラットフォームの規約の下にあり、譲渡や名義変更の可否は規約で決まります。法令上の適法性とは別に確認が必要です。
Q3. 売却価格は、どのような方法で計算されますか? A. 中小企業庁の中小M&Aガイドライン(第3版)の参考資料は、中小M&Aでは簿価純資産法、時価純資産法、類似会社比較法(マルチプル法)で算定した価値をもとに譲渡額を交渉するケースが多いとしています。時価純資産法などで出した金額に、数年分の任意の利益(通常1年〜3年)を加える場合もあり、最終的には当事者が合意した金額が譲渡額になります。SNSメディアに特化した算定方法は、同参考資料にはありません。
Q4. 単発のPR案件の売上は、価格に反映されませんか? A. 反映されないとは限りませんが、翌期も同じ水準で入るとは限らない収益として、継続契約やアフィリエイトとは分けて見られることがあります。何割を見込むかに決まった基準はなく、買い手との交渉で決まります。過去の案件の件数、依頼元の数、リピートの有無を示せると、見込みの根拠になります。
Q5. YouTubeチャンネルは、売れば収益化もそのまま引き継げますか? A. 確認できていません。YouTubeヘルプには、ブランドアカウントにリンクされたチャンネルの所有者を変更する手順の案内があります。一方、YouTubeパートナープログラムは、チャンネルごとに参加条件(登録者数と再生時間などの基準、ポリシー準拠、有効なAdSenseアカウントのリンクなど)と審査があると案内されています。所有者が替わったあとの収益化の扱いは、本記事で取得したページからは確認できず、個別にYouTubeへ確認が必要です。
Q6. 規約でアカウントの譲渡が認められていない場合は、どうすればよいですか? A. その前提を価格と契約に反映します。たとえばXの利用規約(日本語版、発効日 2026年10月9日)は、本サービスを利用するためのライセンスを、Xの明示的な書面による同意なしに他の個人・団体へ移転できないとしています。規約に反する移転を実現する方法は、本記事では扱いません。移せない資産を価格の根拠から外す、移せる資産(コンテンツの権利、制作体制、顧客・広告主との関係など)で評価する、といった切り分けを、弁護士など専門家に確認しながら行います。
Q7. 売却前に、まず何を用意すればよいですか? A. 収益源別の月次の売上推移、入金記録、広告主・スポンサーとの契約書、各プラットフォームのインサイトの画面、制作にかかる工数と外注費、コンテンツの権利関係の資料です。収益が運営者個人に依存している部分と、体制で続く部分を自分で分けておくと、買い手との話が具体的になります。税務や契約の判断は、税理士・弁護士などの専門家に確認してください。
出典
- 中小企業庁「中小M&Aガイドライン(第3版)参考資料」の(参考資料2)中小M&Aの譲渡額の算定方法(令和6年8月) https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/m_and_a_guideline_s01.pdf
- YouTubeヘルプ「YouTube パートナー プログラムの概要と利用資格」 https://support.google.com/youtube/answer/72851?hl=ja
- YouTubeヘルプ「ブランド アカウントでチャンネルの所有者と管理者を変更する」 https://support.google.com/youtube/answer/4628007?hl=ja
- YouTubeヘルプ「チャンネルの権限機能を使用して YouTube チャンネルへのアクセス権を追加または削除する」 https://support.google.com/youtube/answer/9481328?hl=ja
- TikTok「サービス規約」(その他の地域、日本語版、最終更新日 2020年2月) https://www.tiktok.com/legal/page/row/terms-of-service/ja-JP
- TikTok「Terms of Service」(Other regions、英語版、2025年12月1日最終更新) https://www.tiktok.com/legal/page/row/terms-of-service/en
- Instagramヘルプセンター「利用規約」(日本語ページ) https://www.facebook.com/help/instagram/581066165581870
- Meta 透明性センター「共有アクセス利用規約」(Instagram) https://transparency.meta.com/ja-jp/policies/other-policies/instagram-shared-access/
- X「X利用規約」(発効日:2026年10月9日) https://x.com/ja/tos
- 民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百三十九条の二(e-Gov 法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 消費者庁「「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準」 https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms216_230328_03.pdf
- 消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/faq/stealth_marketing/