解体業は廃業と売却どっちが得?費用と手取りで比較【2026】
後継者がいない。職人も自分も歳をとった。元請の値下げ要請も止まらない——。「もう畳むしかない」と、廃業へ気持ちが傾いていませんか。けれど、廃業は静かに終われそうで、実は重機の処分も原状回復も退職金もかかります。そして畳めば、長年積み上げた許可も職人も取引も、価値ゼロで消えます。本記事は、解体会社の廃業にかかる総額と、売却した場合に残る「手取り」を、同じ物差しで並べてお伝えします。
この記事の結論(先に要点だけ)
- 解体業の廃業は「0円で静かに終わる」ものではありません。重機・車両の処分、ヤード・事務所の原状回復、退職金、リース残債、産廃処分、法人の解散・清算(登記・官報公告・清算人)で、規模により持ち出しになりやすいのが実態です。
- 会社財産を株主に戻すと、資本金等の額を超える部分は「みなし配当」(配当所得・原則は総合課税)[H-B01]として課税され得ます。一方、会社ごと売る株式譲渡なら税率は一律20.315%[K06-01]。同じ企業価値でも“手取り”で差がつくことがあります。
- 売却なら、廃業で消える資産が残ります=創業者利益(手取り現金)・個人保証の見直し・職人の雇用・建設業/解体/産廃の許可ごと承継[K09-03][H-E01]。
- だから順番は「畳むと決める前に、まず査定」。廃業コストと売却の手取りを同じ物差しで並べてから決めるのが、後悔しない出口です。
- 次の一手は、無料で自社の概算手取りを知ること。仲介に営業される前に、相場感をつかむのが安全です。
※債務超過で再建が難しい場合などは、廃業・特別清算が合理的なこともあります。本記事は「許可・職人・取引が生きている解体会社」を想定し、両方の手取りを比べる材料をお渡しします。
§1 解体業の「廃業」と「売却」とは — 2つの出口の正体
出口は「廃業」か「売却」かの2択に見えますが、本質は「資産を現金化して“消す”か、許可・職人・取引ごと“残す”か」の違いです。
廃業とは、自主的に会社を解散し清算することです。借金で行き詰まる「倒産」とは違い、体力があるうちに自分の判断で畳むものです。畳むには重機を売り払い、事務所を片付け、従業員に辞めてもらい、最後に法人を清算します。会社が持っていた許可・登録・有資格者・取引先は、原則すべて消えてゼロ円になります。
一方の売却(M&A)は、会社をそのまま次の担い手に引き継ぐことです。中心となる株式譲渡では、株主(オーナー)が変わるだけで会社の法人格は変わりません。だから、会社に紐づく建設業許可(解体工事業)も、原則そのまま引き継がれます。解体業は許認可ビジネスで、建設業許可(解体工事業)の許可業者数は69,949業者(2025年3月末)[K07-01]。新規参入では一朝一夕に揃わない許可・登録・有資格者の蓄積こそ、M&Aで評価される“見えない資産”です。実際に誰が解体会社を買うのか(産廃・ゼネコン・不動産などの買い手タイプ)と公表されたM&A事例は、解体業M&A事例集で確認できます。
ここで多くのオーナーが誤解しています。「うちは畳むしかない」と。しかし後継者がいなくても、許可・職人・取引が健在なら、あなたの会社は「畳むしかない事業」ではなく「買われる資産」かもしれません。詳しくは§4で解説します。
業種を問わない廃業と譲渡の比べ方は廃業と譲渡の比較(全体像)も参考になります。本記事は解体業に絞って掘り下げます。
§2 なぜ今、「廃業か売却か」で悩む解体会社が増えているのか
需要が堅調でも、続けられる体力があるとは限りません。「畳むか、売るか」を迫られる会社は、構造的に増えています。
数字で見ると、2024年の全国の「休廃業・解散」は過去最多でした。東京商工リサーチ(TSR)の集計で62,695件(前年比+25.9%、初の6万件超)[H-F01]、帝国データバンク(TDB)の集計(個人事業主を含む)で69,019件[H-F04]。建設業はいずれも業種別で上位で、TSRで9,387件(構成比15.0%)[H-F02]、TDBで8,162件(前年比+7.0%・業種別最多)[H-F05]に上ります。
注:TSRとTDBは集計の定義(個人事業主の扱いなど)が異なるため件数に差があります。本記事は両社の数字を発行元付きで併記しています。
注目すべきは「倒産する前に、余力を残して畳んでいる」点です。休廃業した企業のうち直前期が黒字だった割合はTSRで51.5%[H-F03]、TDBで51.1%[H-F06]と依然5割超。さらにTDBでは資産が負債を上回る「資産超過型」が65.1%(2016年以降で最高)[H-F07]。つまり、まだ会社に体力があるうちに自主的に畳む会社が多いということです。
背景には、建設業の後継者不在率57.3%(2025年・全業種最高)[K04-01]、人手不足、2024年問題後の労務管理やアスベスト事前調査義務化、処分費の高騰があります。続ける体力が削られ、後継者問題が重なる——その出口として「廃業」と「売却」が並んで検討されているのです。
そして“資産超過のうちに畳む”会社が多いということは、裏を返せば、許可・職人・取引という売れる資産を抱えたまま畳もうとしている会社が少なくない、ということでもあります。
解体業そのものの需要・将来性の全体像(空き家・老朽建築・産廃連携・人手不足で需要はどう動くか)は、解体業の将来性 — 「なくなる」のではなく二極化して残るで俯瞰しています。「業界に先があるか」を確かめてから出口を選びたい方はこちらもどうぞ。
§3 解体会社が後悔しない出口の選び方 — 判断の3ステップ
「廃業か売却か」は、次の3ステップで順に考えると整理できます。
1. 債務超過かどうか。負債が資産を大きく上回り再建が難しいなら、廃業・特別清算や専門家への相談が現実的です。一方、資産超過なら売却の芽が十分あります(前述のとおり、畳む会社の多くは資産超過[H-F07])。 2. 許可・職人・取引が残っているか。建設業許可(解体工事業)・産廃許可・有資格者・優良な元請取引が健在なら、それは“買われる資産”です。解体を含む職別工事業の売上高営業利益率は▲0.42%(令和4年度=営業赤字、建設業全体0.33%)[K02-01]と薄利で、続ける道は楽ではありません。だからこそ「資産が生きているうちの売却」が選択肢になります。 3. 急ぐかどうか。後述のとおり、廃業(清算)は債権者保護手続きだけで最低2か月[H-A10]、売却も準備から成約まで相応の時間がかかります。「今すぐ全部終わらせたい」と焦るほど、安く手放しがちです。
債務超過でなく、許可も職人も生きていて、少し時間に余裕がある——この条件がそろうほど、廃業より売却が手取りで有利になりやすい局面です。次章で、その「廃業の総コスト」を具体的に分解します。
§3.5 解体業の廃業にかかる総コストを分解する
「廃業=何もしなければ0円」ではありません。畳むためにこそ、お金がかかります。解体業の廃業コストを費目ごとに並べてみましょう。
① 重機・建設機械の処分 自社保有のショベル(ユンボ)などは、中古市場やリサイクル業者へ。ただし買取価格はサイズ・年式・稼働時間・メーカーで大きく変動し[H-G01]、相場はミニで50〜300万円、中型で200〜600万円、大型で500〜1,000万円以上と幅があります[H-G02](あくまで目安で、状態次第です)。リース機は勝手に解約できず、未払いリース料相当額や予定残存価格を違約金として精算する必要があります[H-G04]。
② 車両の処分・名義抹消、③ ヤード・事務所の原状回復 ダンプ等の処分に加え、賃借していたヤードや事務所は原状回復義務(民法621条)[H-H01]があります。オフィス退去の原状回復は坪あたり小・中規模で2〜3万円、大規模で3〜7万円、残置物次第で坪10万円程度まで上がることもあり[H-H02]、そこで出る廃棄物は産業廃棄物として処分費が別途かかります[H-H03]。資材置場の更地返しや残土・地中埋設物の撤去は契約の特約次第で、現地調査が欠かせません。
④ 従業員への退職金・解雇予告手当 雇用を残せないのが廃業の最も重い痛点です。解雇には労働基準法20条で少なくとも30日前の予告か、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)が必要[H-D01]。退職金は法律上の一律義務ではありませんが、退職金規程があれば支払義務が生じます[H-D02]。
⑤ リース残債・借入の一括弁済と個人保証 廃業しても借入や個人保証は自動では消えません。ここは「売却なら見直せる」ポイントとして§4で対比します。
⑥ 在庫・産廃・残置物の処分費、⑦ 法人の解散・清算手続き 法人を清算するには、解散登記・清算人選任登記・清算結了登記で登録免許税が合計およそ41,000円[H-A07]。加えて官報での解散公告(債権者保護手続き)が必要で、掲載料は1行あたり税込3,947円(22字/行)[H-A08]、10〜12行でおおむね3.5〜4.5万円[H-A09]。債権者保護のための公告期間は会社法で最低2か月と決まっており[H-A10]、清算結了まで相応の時間がかかります。司法書士・税理士に一連を依頼すれば、別途報酬(登記一式で8〜10万円程度が一つの目安)も発生します[H-A12]。
⑧ 許可の廃止手続き 解体業は許認可が複数あるため、畳むにも届出が要ります。建設業の廃業届は廃業日から30日以内[H-C01]、解体工事業登録の廃業届も30日以内[H-C02]、産業廃棄物処理業許可の廃止届は原則10日以内[H-C03](窓口の手引による)と、期限が許可ごとに異なります。
注:ここでいう「建設業の廃業届」は建設業法12条の届出で、税務署に出す「個人事業の開業・廃業等届出書」とは別物です。
⑨ 清算時の税金(ここが見落とされがち) 会社財産を株主(オーナー)に戻すとき、残余財産の分配のうち「資本金等の額を超える部分」は“みなし配当”として配当所得(原則は総合課税)になります[H-B01]。配当所得は超過累進で、所得税の税率は5〜45%[H-B03]。一方、資本金等に対応する部分は株式の譲渡所得として扱われます[H-B02]。「残余財産を全部受け取れば手元にまるごと残る」わけではない、という点が重要です。

図解F1:廃業の総コストは費目の積み上げ。金額は会社規模・状態で大きく変わります。
こうして並べると、“静かに終わる”はずの廃業が、意外な持ち出しになりがちだと分かります。では、同じお金を「売却で残る手取り」と並べると、景色はどう変わるでしょうか。
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§4【M&A・投資視点】廃業 vs 売却を「手取り」で比較する
ここからが本題です。廃業と売却を、税引後の「手取り」という同じ物差しで並べます。
比較のフレーム
ざっくり言えば、こうです。
- 廃業の手取り = 資産の換価額 −(重機処分・原状回復・退職金などの清算コスト)− 清算時の税
- 売却の手取り = 譲渡価格 −(仲介手数料などの譲渡コスト)− 譲渡税
廃業側のコストは§3.5で見たとおり。売却側の「譲渡価格がいくらになるか」は、年買法など相場の見方が別途あります(算定式の詳しい解説は解体会社のM&A相場と評価の決まり方をご覧ください。本記事では相場の中身までは踏み込みません)。

図解F2:廃業の手取りと売却の手取りを同一スケールで比較。具体額は会社により異なります。
同じ価値でも「税」で手取りが変わる
見落とされがちなのが税です。廃業(清算)では、残余財産の分配のうち資本金等を超える部分が“みなし配当”として配当所得(原則 総合課税・累進5〜45%)になり得ます[H-B01][H-B03]。所得が大きいほど税率が上がります。
一方、会社ごと売る株式譲渡では、個人株主の譲渡益は申告分離課税で一律20.315%[K06-01]。つまり、同じくらいの企業価値でも、清算で配当課税が重く乗る場合と、譲渡で一律20.315%で済む場合とでは、手元に残るお金が変わり得るのです。(具体的な税額は資本金等の額や所得状況で変わるため、必ず税理士にご確認ください。)
売却なら“残るもの”がある
廃業すればゼロ円で消えるものが、売却なら次の担い手に引き継がれ、対価になります。
- 創業者利益:会社の値段が、手取りの現金として残ります。
- 個人保証の見直し:M&A・事業承継の場面では「経営者保証に関するガイドライン」の特則により、前経営者と後継者の双方から二重に保証を求めない/前経営者の保証は解除に向けて見直すことが原則とされています[H-E01]。廃業(清算)では保証債務は当然には消えませんが、売却では解除に向けた検討が図られ得ます(個別の可否は金融機関・専門家へ)。
- 職人の雇用:会社ごと引き継がれれば、職人を路頭に迷わせずに済みます。
- 許可ごと承継:株式譲渡なら、建設業許可(解体工事業)も会社に残って原則継続します。
解体ならではの落とし穴 — 産廃許可の承継
スキームには注意点があります。建設業許可は令和2年改正で事業譲渡でも事前認可による承継が可能になりました[K03-01]が、産業廃棄物の収集運搬業・処分業の許可は、事業譲渡・合併・分割では承継されず、買い手が新規に取得し直す必要があります[K09-03]。だからこそ、許可をまるごと会社に残せる株式譲渡が、解体M&Aでは選ばれやすいのです。許可3層をスキーム別にどう承継・維持するかの実務手順は、解体工事業の許可は承継できる?M&Aで引き継ぐ実務で逆引きできます。
3Cで見る:買い手は何を狙っているか
買い手(同業・産廃・運送・ゼネコンなど)が欲しいのは、ゼロから揃えると時間のかかる許可・有資格者・営業エリア・元請枠です。後継者不在率57.3%[K04-01]・倒産も高水準[K04-02]という需給のなか、買い手は「許可も人材も会社ごと得られる」M&Aを求めています。買い手が実在することは、売り手にとって「畳まなくても引き取り手がいる」という安心材料でもあります。あとは、自社の強みを言語化できるかどうかです。
畳む前の10チェック(廃業 vs 売却 手取り比較ワークシート)
次の項目を自社に当てはめ、①〜⑧の合計=廃業の手取り、⑨⑩=売却の手取り、として並べてみてください。
- ☐ ① 重機・車両の想定処分額(買取なら資金化/廃棄なら費用)
- ☐ ② リース残債・中途解約の違約金
- ☐ ③ ヤード・事務所の原状回復見積(産廃処分費を含む)
- ☐ ④ 退職金・解雇予告手当の総額
- ☐ ⑤ 借入残高と個人保証の有無
- ☐ ⑥ 在庫・産廃・残置物の処分費
- ☐ ⑦ 解散・清算の実費(登記約4.1万円+官報約3.5〜4.5万円+専門家報酬)
- ☐ ⑧ 清算時の課税概算(みなし配当=資本金等超過部分は総合課税/残りは譲渡20.315%・要税理士)
- ☐ ⑨(売却側)許可・有資格者・元請取引=残せる資産
- ☐ ⑩(売却側)株式譲渡時の手取り(譲渡額 − 譲渡コスト − 20.315%)
編集部より:廃業を選んだ社長が、後で“もったいなかった”と言うこと
廃業の相談で多いのが、「許可も職人も、価値があると思っていなかった」という声です。産廃許可・有資格者・優良な元請取引は、廃業すればゼロ円。譲渡なら値がつきます。 重機の中古価格は思ったより安いこともあり、個人保証は廃業しても残りますが、売却なら解除に向けた見直しが図られ得ます。畳むと決める前に、“数字に出ない資産”を一度棚卸ししてみてください。(※本コラムは当社の建設・解体領域におけるM&A実務での一般的な所感です)
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§5 よくある質問(FAQ)
Q1. 解体業は廃業と売却、どちらが得ですか? A. 「廃業して出ていくお金」と「売却して手元に残るお金(税引後)」を同じ物差しで比べるのが基本です。許可・職人・取引が生きている解体会社なら、廃業の持ち出し(重機処分・原状回復・退職金・清算費用)より、売却の手取りが上回ることが多くあります。ただし債務超過なら廃業・再生が合理的な場合もあります。
Q2. 解体会社の廃業費用はいくらかかりますか? A. 会社規模で大きく変わりますが、法人の解散・清算だけでも登録免許税が合計およそ4.1万円[H-A07]、官報の解散公告が10〜12行でおおむね3.5〜4.5万円[H-A08][H-A09]。これに重機・車両の処分、ヤード・事務所の原状回復[H-H02]、退職金、産廃処分費が加わります。
Q3. 重機(ユンボ)は廃業時にいくらで処分できますか? A. 一律ではなく、サイズ・年式・稼働時間・メーカーで大きく変動します[H-G01]。目安はミニ50〜300万円、中型200〜600万円、大型500〜1,000万円以上[H-G02]。日本製は海外需要で古い機でも値が付くことがあります。リース機は買い取れず、違約金精算が必要です[H-G04]。
Q4. 解体会社を廃業する手続きと期間は? A. 株主総会での解散決議→清算人選任→官報公告(債権者保護で最低2か月[H-A10])→清算結了の流れです。並行して、建設業の廃業届(30日以内[H-C01])・解体工事業登録の廃業届(30日以内[H-C02])・産廃許可の廃止届(原則10日以内[H-C03])も必要です。
Q5. 廃業(清算)と売却で、税金はどう違いますか? A. 清算で会社財産を株主に戻すと、資本金等を超える部分は“みなし配当”=配当所得(原則 総合課税・累進5〜45%[H-B03])になり得ます[H-B01]。株式譲渡なら個人株主の譲渡益は一律20.315%[K06-01]。同じ価値でも手取りが変わり得るため、必ず税理士にご確認ください。
Q6. 借金・個人保証があっても解体会社は売れますか? A. ケースによります。M&A・事業承継では「経営者保証に関するガイドライン」の特則で、保証の二重徴求を避け、前経営者の保証を解除に向けて見直すことが原則とされています[H-E01]。廃業では保証は当然には消えないため、対比として知っておく価値があります(個別は金融機関・専門家へ)。
Q7. 後継者がいない解体会社でも売却できますか? A. 可能性は十分あります。建設業の後継者不在率は57.3%と高く[K04-01]、買い手は許可・人材・元請枠を会社ごと得られるM&Aを求めています。許可も職人も健在なうちほど評価が上がります。
§6 まとめ — 畳む前に、まず査定を
- 解体業の廃業は0円では終わりません。重機処分・原状回復・退職金・産廃処分・解散清算(登記約4.1万円+官報約3.5〜4.5万円ほか[H-A07][H-A08])で持ち出しになりがちです。
- さらに清算では、残余財産のうち資本金等を超える部分が“みなし配当”=原則 総合課税になり得ます[H-B01]。株式譲渡なら一律20.315%[K06-01]で、手取りに差がつくことがあります。
- 売却なら、廃業で消える許可・職人・取引・創業者利益が残り、産廃許可も会社に残せる株式譲渡が選ばれやすい[K09-03]。
- 畳む会社の多くは資産超過[H-F07]=“買われる資産”を抱えています。許可も職人も健在な「今」が、出口を選べるタイミングです。
許可・職人・取引は、廃業すれば価値ゼロで消えますが、譲渡なら次の担い手に引き継がれ、対価が残ります。「畳む」と決める前に、自社の手取りを一度だけ知ることが、後悔しない出口選びの第一歩です。
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免責
本記事は解体工事会社の廃業・M&Aに関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の査定額・成約・節税効果を保証するものではありません。記載した費用・相場・税の取り扱いはあくまで目安・レンジであり、実際の金額は会社の規模・状態・市況により異なります。個別の税務(みなし配当・清算所得・譲渡課税)は税理士、許認可の廃止・承継は行政書士・行政庁、契約・清算・法務に関する事項は弁護士へご相談ください。本記事には当社サービス(無料売却相談)へのご案内を含みます。
出典
- [H-A07] 法人の解散・清算の登録免許税(解散3万円+清算人選任9千円+清算結了2千円=計約4.1万円)— 登録免許税法 別表第一24号/法務局 清算結了登記申請書様式: https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001365396.pdf
- [H-A08][H-A09] 官報の解散公告 掲載料(1行 税込3,947円・22字/10〜12行で約3.5〜4.5万円)— 全国官報販売協同組合: https://www.gov-book.or.jp/asp/Kanpo/KanpoPrice/?op=1
- [H-A10] 債権者保護手続きの公告期間は最低2か月(会社法499条)— e-Gov 会社法499条
- [H-A12] 解散から清算結了までの登記を一連で司法書士等に依頼した場合の報酬目安8〜10万円程度 — 士業解説(T3・range・事務所により変動)
- [H-B01][H-B02][H-B03] 残余財産分配のうち資本金等を超える部分はみなし配当(配当所得・原則 総合課税・累進5〜45%)、資本金等対応部分は株式譲渡所得 — 国税庁 タックスアンサー No.1477/No.1536/No.2260: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1477.htm / https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1536.htm / https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
- [K06-01] 個人の株式譲渡益は申告分離課税20.315% — 国税庁 タックスアンサー No.1463: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm
- [H-C01] 建設業の廃業等の届出は廃業日から30日以内(建設業法12条)— e-Gov 法令: https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/324AC0000000100
- [H-C02] 解体工事業登録の廃業届は30日以内(建設リサイクル法27条)— e-Gov 法令: https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/412AC0000000104
- [H-C03] 産業廃棄物処理業許可の廃止届は原則10日以内(廃棄物処理法・自治体手引)— 東京都環境局 廃止届の手引/環境省
- [H-D01] 解雇は30日前の予告か30日分以上の平均賃金(労働基準法20条)— e-Gov 法令: https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/322AC0000000049
- [H-D02] 退職金は法定義務でなく就業規則・退職金規程による(労働基準法89条三の二)— 厚生労働省
- [H-E01] 事業承継・M&A時の経営者保証は二重徴求を避け前経営者保証は解除に向け見直し(経営者保証GL特則)— 全国銀行協会「事業承継時に焦点を当てた『経営者保証に関するガイドライン』の特則」(令和元年12月): https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/adr/sme/guideline_sp.pdf
- [H-F01][H-F02][H-F03] 2024年 全国休廃業・解散62,695件・建設業9,387件・黒字率51.5% — 東京商工リサーチ: https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1200854_1527.html
- [H-F04][H-F05][H-F06][H-F07] 2024年 全国休廃業・解散69,019件(個人含む)・建設業8,162件・黒字率51.1%・資産超過型65.1% — 帝国データバンク: https://www.tdb.co.jp/report/economic/kyuhaigyo_kaisan2024/
- [H-G01][H-G02] 中古重機(ユンボ)の買取は型式・年式・稼働時間・状態で変動(ミニ50〜300万・中型200〜600万・大型500〜1,000万以上の目安)— 重機買取業者(T3・range/attributed): https://daihatsu-group.co.jp/juki/kakaku/yumbo-buyingvalue/
- [H-G04] リース機は中途解約に違約金(未払いリース料相当額・予定残存価格)が必要 — リース実務解説(T3): https://blog.chukyo-juki.co.jp/blog/purchase-of-construction-machines-before-the-loan-lease-contract-expires
- [H-H01] 賃借人の原状回復義務(民法621条)— 民法621条
- [H-H02][H-H03] オフィス退去の原状回復費用(坪2〜10万円目安)と産廃処分費が別途 — 解体・原状回復業者(T3・range): https://kaitaihiroba.com/4626/
- [K02-01] 職別工事業(解体含む近似)の売上高営業利益率▲0.42%(令和4年度・営業赤字。※0.35%は設備工事業の値=列取り違え訂正2026-06-11) — 建設業情報管理センター(CIIC)「建設業の経営分析(令和4年度)」: https://www.ciic.or.jp/wp-content/uploads/2024/01/bunseki_R04.pdf
- [K03-01] 改正建設業法(令和2年10月施行)による建設業許可の地位承継認可制度 — 国土交通省: https://www.mlit.go.jp/common/001365753.pdf
- [K04-01] 建設業の後継者不在率57.3%(2025・全業種最高)— 帝国データバンク: https://www.tdb.co.jp/report/economic/20251121-successor25y/
- [K04-02] 建設業 倒産2,047件(2025年度・12年ぶり2,000件台)— 東京商工リサーチ: https://www.tsr-net.co.jp/news/status/detail/1202724_1610.html
- [K07-01] 解体工事業の建設業許可業者数69,949(2025/3末)— 国土交通省「建設業許可業者数調査(令和7年3月末)」: https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001889275.pdf
- [K09-03] 産廃 収集運搬業・処分業の許可は事業譲渡・合併・分割で承継されず買い手が新規取得 — 環境省 廃棄物規制課長通知(環循規発第2003301号): https://www.env.go.jp/content/900479532.pdf